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「光の中で戯れる二つの妖精」





細かい泡いっぱいの水流に囲まれて嬉しそうにはしゃぐ妖精。
“そんなに楽しい?!”  聴いてみたくなる。
でも・・・  今はそっとしておこう、まだまだ静かに君を見ていたい。
こんな晴れた日差しの下、私も君と同じ温度に包まれて過ごせるこの時が惜しいから。

君は欲張りだね、君が包もうとする泡の量はその君の手の大きさに合っていないよ。
ビショビショに濡れた短い黒髪、まるで男の子のように元気なんだけど・・・
違うね。君は違う。
光の中で妖精のように笑顔で戯れ、時々私を見る君。
いつの間にか大きくなる。気が付く度に大きくなるんだ。
真っ黒な綺麗な瞳で見ないで欲しい。まるで自分の中を見通されるようだ。
眩しい、光、そして時々水面に浮き出る君のその膨らみかけの・・・

まだまだ子供なんだよ君は。そのはず。
でも、背の丈について行くように少しずつ膨らみ、
その不安定な存在は何とも微妙で。

あどけない表情の合間に、君は時々私をドキっとさせる。
一瞬、笑顔を封印した君の表情には、昔見た・・・   私に想い出させる、
そう、君のお母さんだ。君の母親であり私の妹であるその人だね。
全く君と同じ表情を見せたんだ。もう大昔の事だけどね・・・
あいつはこうして君と私だけの時間を私にプレゼントしてくれる。
私が何を望み、その私の望みを達成する事に喜びを見出している。
君のお母さんは君のような時からずっと、そして今に至るまで同じ時間を私にくれる。
私たち兄妹にとってとても大切な時間。二人だけの秘密の時間。


こんな風に妹の昔の姿を想い出させてくれる君と過ごす時間、とても大切だ。
今では他人の伴侶となった妹だが、今も私を一番大切にしてくれる。
君と同じようにここで過ごしてくれる妹。妹にも君と同じように成長の時があった。
眩しいね、また来月もこのジャグジーで過ごそう。今でも最愛の妹と同じように。




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「ハザードランプ  ~ 恋の手解き2(熟女編) ~」
大変な状況に置かれた時ほど、人は有難さを知り、そしてその人の凄さを尊敬する。
同じ仕事で協力関係にあるパートナー。その信頼関係がいつしか恋愛感情に変わって・・・

「伯母さんを愛した夏」
学生時代最後の夏休みに一人の青年が気まぐれな旅に出た。思い付きの貧乏旅行へと。
しかし予期せぬトラブルが発生、そこに救いの女神が現れるのだがその女性と・・・

「琥珀色の記憶」
恋愛・性体験、成長と共に普通の体験を重ねて行く人生も多いだろう。それが普通。
しかし予期せぬ流れ、特異な恋愛経験や性体験となる人も。そんな大きな記憶は・・・






(ショートカット ブラコン 近親相姦 幼児体型 恋愛小説)



テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
ジャンル : アダルト

tag : 美少女裸体母親姪っ子シスコン混浴母娘

「小動物系、内斜視、ふくれ顔」





身長151センチ。
O型。
ショートボブで黒髪。
とにかく生意気。

目が離れてて、ブサイクなチワワみたいな顔にもみえて・・・
ひとがウトウトしだすと顔を近づけて邪魔をし、
食ったカップラーメンは中途半端に残して割り箸を突っ込んだまま。
それを無造作に低いガラステーブルの上に残す。

オシャレにコンタクトなんて考えない。
スマホ・テレビの時はチョーダサな黒縁メガネ。
でも・・・

仏頂面のままじゃれてくる。
相手をしてくれるまで永遠、顔をふくらまして視界を占領してくる。

笑いもしない身勝手なチビ女・・・  かわいい。
そう思ってしまう男の負け。
抱きしめたところでサービス精神なんてない。

でも助かっているのかも。
特別な高低を見せないから時間が一定、不安感が少ない。
自分勝手でもワガママでも離れようとは思わない。
内斜視・小動物系の顔アップになす術がない。

バカ女よ、まだまだ一緒にいたいよ。
近くでその顔を見ていたいよ。




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「琥珀色の記憶」
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「困り顔の天使」
さえない中間管理職は居心地の悪い会社生活を送っていた。本社に戻りながらも。
そして今年も新入社員受け入れの季節がやって来たが、今年は大型新人で・・・

「Telephoto Lens  ~ 他男たちに愛される妻の残像 ~」
男にとって最高の幸せとはきっと、美しく心清らかな女性との人生を保証される事だろう。
男にとって最高の不幸とは、何物にも代え難い大切なパートナーを傷つけられる事・・・





(恋愛日記 ミニマム ツンデレ系 顔フェチ 年下女子)



テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
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tag : 低身長彼女同棲美少女恋人短編メガネ女子

「あすか」





姪っ子。
昨日の夜、義妹が東京から連れて来た。
弟は盆休みだと言うのに接待ゴルフだそうだ。
体、そして心を壊し東京から帰った独り身のまま農家を継いだ俺とは違う。
大手の流通企業で営業次長にまでなった自慢の息子、俺とは違う。

前に見かけたのは・・・
まだ赤ん坊の時だ。本当に良い笑顔で、そう、周りを全て幸せにするような笑顔で・・・
可愛かった。誰もから愛される自慢の姪だった。
そして3才になったと言う写真を見た記憶までは残っている。
その後の記憶がない。
自分の事で精一杯だったし、甥っ子は数回来た事があったが、あすかは音信不通だった。
忙しい・学校の用事・・・
でも何となく伝わっていた、あすかはこんな田舎、そして農家の古い家が好きではない。
誰も何も言わなかったが、でも誰もがそう受け止めている。

久しぶりに見たあすか、あの笑顔・写真に繋がらない。
まったく別人としか思えない。無表情の挨拶、音声ソフトのような受答え。
その年齢の少女として、“東京で暮らしているのだから”、今どき当然、
大人たちはあすかの顔をチラ見しながら、色々と自分の中で理由付けしていたようだ。
無表情、口数が少ない、田舎に暮らす大人たちには術もない。

お洒落な服装、そして綺麗に化粧しているし髪型も都会の女性そのもの。
まだ学生だと言うのにすっかり“女性”に変わっていた衝撃を皆が感じたと思う。


今、あすかはとても暇そうにしている。
隣の仏間で種苗や肥料の帳面をつけている俺の存在など無いよう。
居間の丸い座敷テーブルの下に入り込み寝そべっている。
読書をしていたかと思えば時々スマホを、スマホを見ていたと思えば寝ていたり。
まったく興味のない環境に連れて来られ、そしてやる事もない。
関わりの無い大人から外れ、ただただ本と、そして東京に繋がるスマホといる事、
まぁ、それもきっと無理もない事だと。

昨晩の姿から一変、今日は“田舎の農家”に合わせたのだろうか、
髪は後ろで一つに束ね、そして色褪せたオーバーオールを着ている。
中には洗い晒したような、無地の白いTシャツ、今日はメイクをしていない。
昨日は気が付かなかったが、今日のあすかは年相応、少しニキビもあるし、
冷たく見える無表情は変わらないが、よく見ると実際は幼い顔立ちだ。
横になって本を読み込むあすか。
父親似なのか母親似なのか微妙なところだが、綺麗な顔をしている。
ぱっちりした黒の濃い瞳、しっかりした輪郭の鼻、唇も少し尖って立体感がある。
ニキビはあるものの、その肌は若さに溢れ艶やかなものだ。

そんなに凝視していては瞳が乾いてしまうのではないか、
あすかは心配になるほど瞬きしない。
時々本を片手に持ち替えて鼻や頬を掻き、また本を両手で。
数ページ進んだかと思うと、その本を大きく頭の上に振り上げて伸びをするあすか。
寝そべったまま畳の上で手首を掴み目一杯に伸びるが・・・
ゴロゴロと寝そべりながら向きを変える時にもそれは・・・
オーバーオールの胸元の布地を横にはみ出した膨らみ、それが揺れ上に、そして横に。
カラダにフィットした白いTシャツに出来た控えめな山、その存在が強調される。
それが終わると、また何も無かったかのように本に・スマホに無表情のあすかに戻る。


綺麗な顔をしている・・・
派手な服装でも露出の多い服装でもない、こんな場所だからこその無防備なあすか。
何もしない肌が輝きを放つ。何もしない髪が、服装が、あすかの匂いを漂わせる。

伯父が姪っ子をそんな目で見てはいけない、許されないものなのだろうが・・・
その、今、目の前にいるあすかの美しさに引き込まれそうになる。
吸い込むように魅力ある瞳・肌、性的な色気さえ感じる絶妙なラインの鼻、
そして・・・  グラマラスな唇、その少しだけツンとした盛り上がりは挑戦的で。
無表情で無防備でいる事、そんな事がこんなに罪を感じさせるなんて・・・


申し訳ないが暇なままでいい、どこへも出掛けないでほしい。
伯父さんはあすかを見ていたい。もう少しだけ・・・  それを許してほしい・・・




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「双子の気持ち」
この世の中に双子として生まれる確率はどれほどあるのだろうか。それも男女として。
何かを共有し、自分の個性・存在意義に迷いながら生きる二人。彼女たちの先に・・・

「夏の女神は突然に」
高校生の夏休みに仲良し3人組で過ごした海辺の民宿での3週間の生活。
1週遅れでやって来た女神は今も忘れられない記憶の中にあり、それはほろ苦く・・・

「困り顔の天使」
さえない中間管理職は居心地の悪い会社生活を送っていた。本社に戻りながらも。
そして今年も新入社員受け入れの季節がやって来たが、今年は大型新人で・・・





(官能ロマン オーバーオール 美少女 エロティック 誘惑)



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「ボクの嫁、怒り顔の女神でして・・・」





スーツの扱い方で怒られ、帰宅時間の連絡がないと怒られ・・・
いつも眉間にシワが寄っているような表情・人を睨んでいるような表情、
でも、ボクは大好きなんです、千里っちゃんの事が!

ボクの嫁・千里(ちさっちゃん・ちーちゃん・ちぃ・千里さん・千里様)。
年上女房、まぁ姉さん女房ってやつです。3才年上なんです。
でも性格もあって、姉と弟、時には母親と息子とか先生と生徒とか、
その上下関係は絶対なんです。
割れたような声の質、またボリュームのせいもあるのか、いやいや、
間違いなくあの表情のせいだと思いますが、千里っちゃんは怖いんです。
逆らうなんてことは勿論、返事もしっかりするようにしています。
でもね・・・
でも、時々なんですけど優しいんです。本当に時々だし、怒ってる感じと紙一重で、
とっても分かり辛いんですけど、確かに優しい時があるんです。

日頃怖い感じの人は得なんですよねぇ~
一重に見えるのに大きな瞳、シュっとしてるけどやわらかい鼻、
顎が細いから縦長系の顔だけど、小さい顔。
おちょぼ口のわりにボリュームのある唇。それも上下とも厚い。
眉は自然で、今時としては太く長い方かもしれない。
全体としてはキツネ系の顔立ちだけど、笑顔の時はまったく印象が変わる。
前歯の歯並びは良いけど八重歯が片方にある。
笑うとエクボが出来て、右側が少し小さめ(薄め)な印象。
髪はサラっとして、色合いは自然。
ガリガリじゃないけど痩せ系かな。胸がない。全然ない。
冗談で背中を揉んで“胸と間違えた”って言ったら殺されかけた記憶がある。
洗濯物のブラジャーはいつも陰干し。(理由=分厚い生地・分厚いパッド入りの為)
そんな千里っちゃんなんですが・・・
大好きです(笑)

最近まで千里っちゃんより好きな人がいて、しかも千里っちゃんにバレて・・・
まぁ一般人じゃないし、ただの憧れなんで問題ないんですけど。
大好きでして・・・(笑)
“ピンギャル”なんです。DVDもシリーズ全巻、写真集も買っちゃって。
それ、実家に隠してたんですけど、実家に行った時にばれてしまって・・・
まぁエロエロなんで恥ずかしいですしね。変態呼ばわりされました、一週間。
知りませんか?  “ピンギャル”
正式には“ピンチーガール”っていうヒロインなんですけど、エッチで。
一番ヒットしたDVDタイトルが“Hなヒロイン ピンチーガール登場!”
次にヒットしたのが“ヒロインピンチ!  ピンチーガール大逆転!”
そんなんで、少し汗が出ちゃうような見られると恥ずかしいパッケージばかり。
でもピンギャル最高、彼女の事が大好きで、普通の女性になんて興味なかったんです。
今まで・・・

大学時代の先輩に誘われた合コンでした。ボクは人数合わせ。
一人だけ年下だし、別に恋愛とか結婚なんて考えてなかったんですよ。
この世にはピンギャルだけいればいいみたいな感じで。
でも・・・  結婚しちゃいました(笑)
最初に会った時から怒られてばかりだったんですけど、どこか安心できて・・・
怖いんですけど優しい?  怒るんだけど、いつも他人を心配しての事だったり。
ほんと怒った表情ばかりで、口うるさいし、最初はとても苦手だった。
でもほんの一瞬だけ笑ったんです。まったく別人の顔を見たようで・・・
“吸い込まれるように”って初めて経験した気がします。
真顔が怖い分、クシャクシャにして笑った時の顔が可愛すぎて。
ボクは他人からはMだと思われてると思います。怒られる為に一緒になったように。
でも違いますよ、千里っちゃんの笑顔が大好きなんです。
でも、プレミアなんですよ。
週に1回出るか出ないかな感じ?  本当に笑顔が出ない。
出そうと画策するとより恐ろしい顔になる(笑)


最近になってもう一つの顔を見つけたんです。
“ほんのちょっとだけ優しい顔”なんですけど。
真顔のままだし、普段の顔と変わらないようなんですけど、これが違う。
瞳なのかなぁ・・・  口元?  目尻??
大人しく静かに、でも優しい顔なんですよ。
それを見れる場面って限られていて、その・・・
エッチの時なんです。
ボクが淡白なのもあるんですけど、エッチはかなり少ない方だと思います。
千里っちゃんのこと大好きだし、千里っちゃんとのエッチが嫌いなわけでもないんです。
でも、なんか少ないんです。
で、少なからずボクのベッドに来てくれて重なってくれる時があるんですけど・・・
優しい顔をするんです!(笑)
例えば・・・
今まで確か2回しか口でしてもらってないと思うんですけど、そのどちらも、
そっと静かに口に含んでくれた後、顔を上げてボクを見つめるんです。
その時にするんですよ、本当に微妙で見落としそうな優しい顔を。

手でしてくれている時もそうかな、ボクのそれを見つめる感じで優しい表情。
そんな時は全然言葉が出なくなるし、凄く御淑やかな女性になるんです、千里っちゃん。
ボクが下手だから千里っちゃんは満足なんかしていないと思う。
千里っちゃん小さい胸にコンプレックスがあると思うんだけど、
ボクがそこを必死で愛撫していると、そんな時も優しい顔をしてくれる。
怒ってる感じの時の千里っちゃんは母性系のオーラ全開なんだけど、
優しい顔の感じの時の千里っちゃんは少し清楚な少女系を感じさせる雰囲気。
“ピンギャル”のようなおっきなオッパイに憧れてたけど、好きだけど(笑)、
でも、今は千里っちゃんの高さの無いカワイイおっぱいも大好きになった。
本当に愛おしくて愛してしまう。
千里っちゃんとのキスも好き。千里っちゃん、キスの時に目を閉じない。
ずっとボクの目を見てる。
そんな時は本当に優しい声を出す千里っちゃん。
怒った感じの千里っちゃんばかりだからこそ、本当にやられちゃう。
150キロの直球と大きく曲がるスローカーブ。そしてナックル? 軌道が読めない。

ボクは何も分からないけど、きっと千里っちゃんはキスもエッチも上手くない。
母性溢れ年上感いっぱいのくせして、そんなところは真逆。
でも、僕は表情だけで本当にやられてしまう。最高の笑顔と優しい真顔。
大半が怒り顔でもまったく苦にならない。むしろ楽しみが増える。


“ピンギャル”だけを憧れていたボク。でも今は違う。
“ピンギャル”のおっきなオッパイは今も好きなままだけど、大好きだけど、
一番近くにいる女神、怒り顔の女神との生活が一番!(笑)




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「混浴温泉、闇にまみれて・・・Ⅱ  ~ 施設従業員の特典 ~」
男性も女性もどこかで何かを期待する、混浴という稀であろう特別なシーン。
利用者には縁のない特別な世界が、遅い時間、明かりが消えた湯気の中で起きていて・・・

「JOY  ~ 快楽に狂い鳴く美人外科医 ~」
医療関係者、特に医師や看護師、本当に過酷で大変な職業。肉体・精神は悲鳴をあげる。
殺伐とした人間関係の中で溜まるストレス。目の前に普通にある薬を見ていれば・・・

「家族のある風景」
都会から離れたローカルに置かれ、仕事の道具としてだけの毎日を与えられた男。
殺伐とした渇き切った毎日の目の前に突然開けた景色は、窓明かりにある温もりで・・・






(年上女房 スレンダー女性 キレイ系 しっかり者 スイートストーリー)




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tag : お姉さんスリム体型貧乳微乳美人顔優等生やせ型・細身

「双子の気持ち」





人生には分岐点が付き物だし、それは善悪、そして幸・不幸の場面でも大きく影響する。
“あの時に違う選択がされていたなら・・・”
それを言っても意味のない事だが、不幸の種を育ててしまった当事者なら、
きっとそう思わずにはいられないだろう。
悪の道に進む人・不幸の中に入り込んでしまう人、彼らに大きく影響したそれ、
それは・・・
人生の早い時期に間違え、または迷いにより早々にボタンを掛け違えてしまった者たち。


藍と碧という誕生日が一日違いの双子がいる。それも姉と弟という女男の双子。
誕生日が一日違いになったのは深夜、難産の為に出産に時間がかかってしまったから。
姉の名は“藍(あい)”、弟の名は“碧(あおい)”。
二人の名前を見て不自然に思う人もいるだろう。
どちらも青系の意味のある漢字で、葵・蒼・藍・碧、読みも“あお(あおい)”と呼べる。
双子の場合には関連する名前が付けられる事が珍しいわけではない。
兄弟にしたって、関連する名前が流用される事も多い。それで遊ぶ親すらいる。
しかし彼らは男女の双子、そして女性の“藍(あい)”は普通の名前だが、
どうにも男性名としての“碧(あおい)”は不自然に感じる人が多いだろう。
そう、その不自然さ通り、人生を難しくしてしまったのは特に“碧”の方だ。
結果的にその影響も避ける事なく、藍の人生もまた幸せな人生には遠くなってしまった。

スタートは単純で、両親が“青系の名前”を希望して構想を練っていただけの事。
ところが突然双子である事が分かり、そしてなんと下が弟となってしまった。
さんざん考えていた名前が“青系”ばかりだった為、気軽にその名前を流用してしまう。
それが全ての始まりだ。
そもそも姉の藍はとても男性的でボーイッシュな女性になった。反対に・・・
名前が人をつくるとも言うが、碧は美しい心を持った優しい人間になった。
しかしその名前を背負った時、それはむしろ彼には負担が大きく、イジメの対象に。
それを庇うように、藍は強く激しく弟を守る姉になって行く。
「碧、泣かないの! 男らしくしなさい!!」
子供の頃の二人、近所の人は毎日のように碧を叱る藍の声を聞いていた。
幼稚園、そして小学校低学年の頃まで。
しかしいつしかその叱る姿は消えて行くことになる。
碧を叱れば叱る程に自分が男性的になって行く自分、藍もまた苛立っていた。
その藍を見て、ますます萎縮してしまう碧には男らしさを求めるのは・・・
藍が何も言わなくなった時、それは諦めの時でもあった。
“もう何かを言って碧が男らしくなるなんて思えない”
藍、そして家族がみな一致した時でもあった時期。

諦めたところで同学年の兄弟、姉妹?
お互い“知らないフリ”とは行かないし、相変わらず碧は虐められ続け、守る藍、
個々人、どんなに苦しんでもそこから逃れる事が出来ないままの学生生活は続く。
藍は強い女性だが、それでも女だ。それも弟想いの優しさは真実の優しさ、
彼女は本質的に正しい人間。
小学校高学年、そして中学に進んで行けば藍に対する揶揄いも度がキツクなって行く。
ガキ大将にランドセルを掴まれて引き回される程度で済んでいた小学時代。
でも、中学に入ってからはもうそんなレベルでは済まない。
いじめっ子・不良少年から碧を守ろうとするが、藍が攻撃を受ける。
それも一方的にやられてしまう・・・
セーラー服のスカートは捲り上げられ、押し倒されて両腕の自由を奪われ、
上半身を剥き出しにされた事もあった。それも弟である碧の目の前で。
自分自身の悔しさ、さらに弟の前でされてしまった事、どれだけの想いを押し殺したか。
姉がそんな目にあっても、碧はただ泣くことしかできない。
本当に泣きたいのは自分だとしても、それでも藍は溢れた涙のまま、
泣きじゃくる碧の背中を押して家に帰ることを繰り返す日々。

二人の地獄の日々。どこまでも続き先が見えない。
元々あった碧の性格的な問題、そしてさらに、両親の経営していた店が倒産した。
そして自己破産。
逃げ道なんて既になかったが、獲物を狙っている狼たちにはよりネタが増えた。
それまではまだ弟の為、そして女の弱さを見せたくない藍は強い心で頑張っていたが、
見えない先・落胆した両親の姿・会話すらなくなった家庭、もう支えを無くした藍。
不良たちの悪戯に抵抗する力も無くし、人気のない場所に呼び出され押さえつけられても、
もうまともな抵抗など出来なくなっていた。
沢山の人数の前で壁に押さえつけられ制服を次々にむしり取られ、
ついに全裸にされるようになった。それも一度や二度では済まなかった。
遊び盛りの上級生男子たち、女の事を色々と知りたい時期に、それは藍で試された。
その頃にはもう碧に関係なく餌食にされて・・・
無残、家庭が大変な時だと言うのに、藍は誰の子かも分からない妊娠までさせられて。
家族のそれぞれが行くべき場所を見失い、自分が今いる場所を忘れたい程の苦しみの中、
両親、藍、碧、みんながそんな場所に入り込んでしまった。

耐えきれなくなった母親は蒸発、父親も定職に就かなくなり既に家庭は崩壊している。
それでも行くところはなく、生活保護を受け、3人は同じ場所で暮らすだけの関係。
相変わらず碧の虐めもなくなるわけもないし、そして・・・
あの強い心を持っていた姉の藍さえ、子供を下ろしてもなお不良たちに弄ばれていた。
先輩の遊びに刺激された興味本位の下級生が先輩を真似、藍を呼び出す。
藍は同級生、そしてついに下級生男子にまで遊ばれるようになる。
脱がされ写真まで撮られ、警察沙汰になるも、先生・親、誰も守ってはくれない。
そうこうしているうちに2度目の妊娠。
年齢より、そして性別より遥かに強い心の持ち主である藍だったが、
その藍の手首には無数の躊躇い傷が出来ている。もう何重にも。
夜中に暗く小さな部屋の片隅で静かに涙を流し、そして刃物を手に・・・
毎回、朝には何も無かったような顔をして食事をしている藍の苦しみ。


形だけの進学、でも半年経つ事もなく行く事もなくなり、次の春にはその席はない。
一方碧は虐められながらも何とか進学、そして進級、高校を卒業する。
二人の、双子の人生は捻じれのようにクロスし、そして先へ進む。
まだ18。藍は年齢を偽って出張型の性風俗で働くようになりAVにも出演する。
生活の為だ。まだ未成年の藍を良いように利用する大人の男たち。
ホテルに出向いて1回、なんと藍の手元には2000円しか入らない。
AV、名も知れぬレーベル、出演料は一本1万5千円。
劣悪環境の中で高頻度で仕事を回され、体調も崩し、もう藍はボロボロになった。
家で寝込むようになり、やっと社会人として就職した碧が逆に面倒を見るように。
「藍、大丈夫? しっかり休んで、僕が頑張るから!」
少しだけ強くなった碧の姿だけが寝込んでしまっている藍に差す微かな光。
裸を撮影され集団で犯され、そして妊娠・堕胎。
風俗嬢に堕ち、そしてAVにまで出演して生きて来た藍には嬉しかった。
父親は事実上家を出て行っていた。知り合った女性のところに行ったようだ。
今、古ぼけた市営住宅の二間のこの家には藍と碧の二人だけ。
もうすぐ成人になろうとする二人、ずっとずっと苦しい時代だけを共に歩んできた二人、
それでも離れる事のなかった運命の二人の20年。


いつしか二人とも気が付く。
普通に藍の中にある男性の思想・心。自然に碧の中にある女性の思想・心。
そして“弱い弟を守る姉の役割”と思っていた・思い込んでいたその気持ち、
それが他人には無い、理解されないものである事に気が付くようになる藍。
遅れる事、少しずつ目の前でいつも自分を守ってくれていた姉・藍への想い、
それがまた他人に理解されない、普通の人間の中にはない物である事、碧も気付く。
ある朝、布団で寝入る藍、その藍の顔に静かに顔を近づけ、そして・・・
碧は優しい顔で寝入る藍の唇に自分の唇を静かに重ねた。
藍はそれに気が付き驚く、けれど、何も言わない。
静かに瞳を閉じた。
少し起き上がった姿勢のまま、優しい窓からの光の中、碧のキスを受ける。
弟から姉へのキス、男性から女性へのキス、そして女心から男心へのキス。
双子のキス。
男性にして碧の弱々しい細い手が、真っ白な無地のTシャツの藍の乳房を掴む。
藍は全てを許している、それに抵抗などしない。
優しく微笑み、その碧の手の上に自分の手を覆い被せ、また瞳を閉じた。
碧はそっと藍を布団に倒し、藍のTシャツを広げる。
藍によく似合っている真っ白なブラ。レースの飾り気のない、でも似合って・・・

碧は静かにそのブラを持ち上げる。少し小ぶりで、でも、淡くきれいな乳房。
そしてじっと見つめた。
自分の為に犠牲になり、まだ恋愛を経験する事なく、藍は汚い手でその乳房を弄ばれた。
何人もの卑怯で冷酷な男たちの手・・・
だから・・・
そっと包むように優しく。“ごめんね”
そんな声が聞こえて来そうな優しい感触、藍は優しく微笑み、そして静かに頷く。
静かに、そっと、碧は藍の胸に倒れ込み口に含んだ。
もう、意図せずとは言え男性経験を重ねた藍、彼女にも初めての感触だった。
優し過ぎる男性の、でも、自分にとってこの世の中で一番大切なもの、
その大切なものが今、自分の乳房を愛している。
“服、脱いで・・・”
静かに小さく、でも、それでも藍が碧を誘導した。
碧は一つずつ衣服を横に。そしてワンテンポ遅れて、藍も一枚ずつ横に。
お互いが全て脱ぎ、そして全裸になった二人。
ずっとずっと20年近く二人で生きて来た。そして自分の分身のような大切なその人。
肉体は確かに違う、藍は女だし碧は男だ。
お互いがそれぞれ自分の体・心・性に苦しみ、でも必死に生きて来た。
今、お互い、それぞれのカラダを前にしてつくづく思う、
“美しい”
自分にとって理想で、大切で、本当に愛おしくて愛おしくて仕方ないその肉体。
二人は布団に倒れ込むように重なり合った。


碧がまるで自分の物のように掴む藍の乳房。
藍はまだ経験のない碧を優しく誘導する。本当に優しく碧のペニスに触れ、
藍もまたそれが自分の一部のように優しく擦る。
お互いに穴が開いてしまいそうな程の眼力で相手を見つめ、その視線はお互いの唇へ。
そして互いの指が相手の唇を撫で、そのまま互いの口が重なり合った。
どんな関係ならこんなキスになるのだろうか・・・
そんな不思議な、優しく・熱く・深い、本当に不思議なキスが長い時間続いた。
体の大きさ・ライン、それはまったく違う。男、そして女。
でも、その肌のキメは一つとして繋がるもの。
碧の手が藍の肌を包めば、藍もまた碧の肌を包む。恐ろしい程の相性だ。
当然の事かもしれないが、双子の魂、
それもお互いが大切で、片側では存在し得ない二人、その半円の想いがそこに見える。
綺麗な半円、それが一つになっただけ、美しく正しい形なのは当然のこと・・・

既に経験を重ねた藍と初めてだった碧。
でも、まったく違うスキルの二人のはずも、
見事にお互いが最高のパフォーマンスで交わり、そして一つになった。
世間では許されない二人。この関係。
だが、誰にそれを問う事が出来ると言うのか?
重なる苦しい道を二人歩いて来た、そして常人には理解出来ぬその繋がり。
それぞれが本当に苦しい思いを重ねて来て、そして何度も壊れかけた二人。
普通の愛でなくて何が悪い??
二人の交わり、そして、もしそこに新しい生命が宿ったなら、
それは恐ろしい結末になるかもしれない。藍と碧の人生以上の茨な道を歩く事に・・・
それでも止める事の出来ない愛がある。結びつきがそこに存在する。


青い二人、いつしか蒼い時を過ぎ、また深い青を生んで行く・・・




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「御満講の掟  ~ 女主・奈津子誕生の時 ~」
地方の村々には今でも一風変わった風習が残っていたり奇祭が行われていたりする。
都会に暮らし現代に生きる人間たちが忘れた命の輝き・血の通う性、それは今も・・・

「家族の為に濡れたこと」
世間には旦那さんを馬鹿にしたような振る舞いを平気で行っている女性も多い。
地位やプライドの先が品格でなく“高慢”へと向かっていた主婦。でもそれは・・・

「みゆき」
穏やかな生活の中、今日も夫の帰りを待つ人妻。
ちょっとした不注意が重なった時、自分の体の周りには野獣が集まり・・・





(官能エロス 集団痴漢 近親相姦 身代わり 恋愛関係)



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「ハザードランプ  ~ 恋の手解き2(熟女編) ~」





机の上には雑誌・カタログ。
H社のは赤がかっこいいしスタイリングがいい。   でも・・・
S社のはメットスペースが大きいんだよなぁ~
Y社なら3万安いかぁ・・・
僕の目的はズバリ、スクーターを手に入れる事である。
親からは早々にきっぱり、“今回は援助なし!”って言われてしまった。
成績が思ったよりも悪かったし。仕方ない。
貯金がある事はあるけど、仲間との交際費やスマホ・ゲームもバカにならない。
はぁ~  何だか人生は大変だっ。

僕は母親の伝手で、と言うか、近所のおばさんの紹介でバイトを始めた。
物流関係・運輸関係と言うか、まぁ、要するに運送会社の仕事だ。
中堅の運送会社だと思うんだけど、テレビCMはやってないと思う。
ラジオCMや、新聞の隅っこの方に小さく広告が出てる程度の地味な会社。
コンビニやスーパーも考えたんだけど、時給が全然違うし、
まぁ、考える間もなく紹介されちゃったって事もあって・・・
始めてみたら本当に大変で、運動なんてほとんどした事ないから、
腕や肩はパンパンだし、とにかく腰が痛い。
荷物を何回も落として怒られるし、何だか人生の地獄を見たような気分にもなった。
辞めたいけど紹介だったし、辛いままだったけど時間が過ぎちゃって、
本当に辛いだけだった最初の三日間が過ぎた。
そしたら少しだけ景色も変わって、現場のパートさんや運転手さんとも話すようになって、
少しだけ楽しくなった気がして。

僕の仕事は営業所に届いた荷物の仕分け作業で、これが凄い勢いで・・・
パートのおばちゃんたち、ホント、人間離れしてるって言うか、
僕、おばさんなんて馬鹿にしてたけど、撤回します、凄いです!
自分の母親みたいな人たちと触れ合いながら会話や笑顔も増えて、やっと1週間だった。
その時・・・
突然担当作業の変更を言われて。
「秋山君(僕)、明日からトラックに乗ってもらえる。斉木さんと組んで!」
そう所長から言われてしまった。
“トラックに乗る”と言っても、それは助手席の事で、
僕の役割と言うのはドライバーの運転する2トン車に乗って一緒に営業所を出て、
担当エリアに到着後にドライバーを補佐しながら個別に荷物を届ける仕事。
同じ営業所所属ながら、僕の所属していた内部の仕分けグループとは別のグループで、
“外勤”て呼んでたけど、ドライバーと助手、あとクレーム担当の人が所属している。
朝一とか、昼休憩なんかですれ違うし、少しだけ会話や挨拶はしてたけど、
せっかく一週間かけて作った人脈が消えてなくなる様で少し気持ちもブルーになった。

そう、斉木さん、配送担当者一覧の真ん中近くに名前のある人。
“斉木由紀子”って書かれてる。
ドライバーさんも仕事の事を含め、時々僕たちのところに来て会話はあるんだけど、
斉木さんは・・・
他の男性ドライバーの数人は僕も話した事があるし、いつも冗談なんか言ってて、
いつの間にか名前も覚えてたりする。おばさんたちも賑やかだし、冗談も返すし。
けど、斉木さんはいつも素通りと言うか、感じ悪いわけじゃないんだけど、
静かに微笑む程度で、特に交わろうとしない。おばさんたちも冗談を言わないし。
40前後なのかなぁ・・・
背は低い方だと思うし痩せていて、どうしてドライバーなんだろうって。
それに、他の男性ドライバーたちはポロシャツにタオルを首に掛けてたりするんだけど、
斉木さんはいつだって制服のジャンバーを着ている。
それもしっかりファスナーを上まで上げているし、とても清潔感もある。
斉木さんの体格には少し大きい感じのサイズだけど、動くから顔は汗で光ってる。
なのに、いつでもしっかり制服を着ているから偉いと思った記憶がある。


“斉木さんてどんな人なんですか?”
僕はやっと仲良くなった数人のおばさんたちに聞いて回った。
なぜかどれも返事が似ていて、
「真面目な人だよ、仕事出来るしね。余計なこと言わない、扱かれるぞぉ~(笑)」
よりによって大半が同じ答えだった。
少し不安になった。“厳しいのかなぁ・・・”と。
僕より一週間前に入った主婦のパートさんが前任で、斉木さんと組んだ人。
凄くハキハキしてて、あれだけしっかりしていればすぐに馴染むんだろうなぁ・・・、
そんな雰囲気いっぱいだった人なのに辞めちゃって、そのあとが僕に。
正直、頭の中がいっぱいになって、新しい担当勤務の前日は寝れなかった。
でも、その日も朝が来て、僕は斉木さんとトラックに乗る。

営業所の事務所で業務主任さんに斉木さんを紹介されて、そして担当トラックに向かった。
真新しいトラックも何台かあるんだけど、斉木さんの担当車は少し古いもの。
ドライバーが先に配送分をトラック前に支度しているんだけど、
その荷物の積み上げ・並びが綺麗で、すごく分かり易く分けて整理されていた。
新人の僕用に気遣ってくれたのか、これなら積み込みも分かり易い。
すっごく緊張してたから、何だか積み込みがスムーズに出来て、少し緊張が解れた。
「よろしくね、大変な仕事だと思うけど、サポートするから・・・」
出発してすぐ、営業所から右折して道に出て、最初の信号で停止した時、
僕を見ることなく、前を向いたまま斉木さんは僕に言ってくれた。
でも、なんだろう・・・
表情はないし、まるで僕が存在していない様ではあるんだけど、確かな優しい声だった。
少し、温もりも感じて。
仕事は大変だ。時間との勝負だし、斉木さんも荷物を片手で抱え、絶えず携帯をかける。
僕も指示された荷物を次々にインターホンを鳴らして届けて行く。
恐ろしく忙しいが、忙し過ぎて、あっという間に昼ご飯だ。
でも、僕たち外回りの昼ご飯は勿論、時間通りには行かない。
僕はバイトだから、営業所に下されてそのまま休憩室に向かい食事をするが、
斉木さんは午後便の荷物の支度、出来るところまでの積み込みもやっていた。
斉木さん、いつ食事を済ませたのだろうか・・・
僕がトラックに戻る頃には荷物の再チェックをしている。

1日は2日になり、2日は1週間になる。そして1ヶ月・・・
相変わらず斉木さんに助けられて何とかやっている。それでも僕なりに成長したと。
まわりも、“頑張ってるか?!” “ 辞めんなよっ!!(笑)”
営業所全体で声を掛けてくれて、少し嬉しい。
相変わらず斉木さんは黙々と仕事をしているし、
僕が他の人に声を掛けられていても、軽く微笑む程度で素通りだ。
車の中でも世間話の時間はない。それは、荷物の配送を終えて営業所に戻る時でさえ。
他のバイトさん・パートさんに聞くと、渋滞中や営業所へ戻る時には世間話をするよう。
“嫌われているのかなぁ・・・”  “(僕に)興味がないのかなぁ・・・”
そう思ってしまうし、元々、少し人見知りぎみなところもあるし・・・

珍しい日がやって来た。
長く勤務している人たちは、たまにあるイレギュラーな日も珍しくはないらしい。
トラックの配置やドライバーの重複日など、シフトから外れる仕事が発生する事がある。
僕みたいなバイトは普通、他のドライバーさんのトラックに変更するのが普通らしいけど、
まだまだ仕事が出来ていない僕を配慮してくれたのか、
それとも、本当に斉木さんの仕事の方に手が足りなかったのか、
僕は斉木さんと組んで用品倉庫の4S活動を手伝った。
整理・整頓・清潔? 清掃??  あと何だっけ・・・  
“4S”ってなってて、会社の何とか方針とか貼ってあるし、本部の人も来るらしく、
一番奥の倉庫にある梱包備品・小物棚を中心に、ホコリ臭い場所を片付ける事になった。
暑い日ではないのに、西日も当たっていて部屋の中が暑い。
僕からみれば名目通りに積み上げられている様に見えるが、斉木さんは全部棚から下ろす。
しっかり棚を水拭きし、少し崩れて隙間を持って並んだダンボールも、それが綺麗に並ぶ。
無言で黙々と、“この人は手抜きという物を知らないのか?”、
遥か年上の大先輩だけど、僕の方が心配になるほど斉木さんは一生懸命な人だ。
暑い部屋だし、斉木さんは少し無理な姿勢で脚立に上がって作業している、
横から見える斉木さんの横顔は汗で光り、それは首筋まで滴っている。
いつも通り、大きめのジャンバーは首元までチャックが上がったままだ。

「斉木さん、暑くないんですか?  みんな気軽にラフな格好してるじゃないですか?!」
僕は手先を止め、立ち上がって高い場所で作業している斉木さんに声を掛けた。
3メートル程の場所だし何も仕切る物もない、聞こえているはずだが反応がない。
無言のまま、表情も変えずに作業している・・・
僕は、何かまずい事いってしまったかなぁと不安になって、
手元の作業を再会しながら、少し考え込んだ。
でも、次の瞬間だった、
「私、胸が大きいんだよねっ・・・   ・・・   ・・・ 」
僕は確かにそう聞こえたはずだが、斉木さんはまったく表情を変えず作業のまま。
自分の側が空耳だったのではないかと疑った。
数秒、無言で斉木さんの横顔を見ていた。
「恥ずかしいのよ。人に見られるのが嫌で嫌で。 だから上着を脱がないんだぁ・・・」
前を向いたまま、作業を続けたままだが、少しだけ頬を弛めて、
その口元は確かに動いていた。


そんな特別な1日を経て、いつも通りの作業、いつも通りの斉木さんと運転席にいて、
でも、やはり少し何か変わった気がする。
それまであまりプライベート、特にリアルな話なんて皆無だった斉木さん。
それが突然表情まで添えた仕事にない口調だった先日の倉庫での出来事。
しかもその内容が僕には少し刺激的で・・・
イケないイケないと思っていても、運転する斉木さん、荷物を積み込む斉木さん、
小走り気味で荷物を届ける斉木さん、その胸元を見ている僕がいる。
小柄に見えるし、顔や腕なんかでも、どうみても細身のタイプに見えるし、
それにいつも通り大きめの上着を着ているから、その胸を想像する事なんて無かった。
でも、よくよく見ていると、いや、見続けてしまったので、そんな場面があった。
小走りした時、確かに大きく揺れた気がした。
上着が膨らんでいるし、それに思うよりも全然低い場所に感じたから、
きっと今まで気づかなかっただけなのかもしれない。

少し時間が経ってからだろうか、斉木さんと同僚のドライバーさんで、
他の営業所から応援で来ている40代後半だと思う男性ドライバーから声を掛けられた。
「斉木さん、胸大きいだろ?!」と。
ロッカーで、それも誰もいない時に突然小声で言われたので、何だか・・・
複雑な気持ちだった。
正直、僕の頭の中に“その件”は大きく膨らんでいたし、でも、斉木さんは尊敬する人。
そして僕はパートナーだし。
そんなパートナーの艶めかしい事を突然言われて、それもそんな風に見ている目を知って、
なんだか少し重いものが覆いかかって来るようで・・・
あの男性ドライバーのあの表情、言い方、本当にいやらしかった。
“斉木さんの胸が狙われている”、そんな視線が他にもあるのか?  気になった。

しばらくは平穏な毎日が続いたが、突然、斉木さんが仕事を休んだ。
所長からは朝礼で“風邪で休む”と報告された。
僕は他のドライバーと組んだが、そんな事はどうでもよかった。
もう仕事にも慣れて来ていたし、少し仲の良いドライバーさんだったし。
でも、毎日毎日一緒にいるのが当然のパートナーがいない事、違和感が大きくて・・・
斉木さんの事、少しずつ他のパートさんから聞いていた。
20代の早い時期に結婚していたらしく、20代後半に離婚したらしい事。
子供はいない事。隣町の駅前商店街を奥に入ったところにあるアパートで独り暮らし。
そして・・・   離婚の関係もあって、実家の御両親とも疎遠になっているとか。
心配になった。少しの体調不良で休むような人じゃないし、そばに誰もいない。
僕が具合悪い時、母は面倒なぐらい世話を焼くし、父もすぐ“病院”に行かせる人だ。
斉木さんはどうしているだろう・・・
職場の人たちに住所なんて聞く事もできず、でも、僕はその駅に行っていた。
職場で噂程度に聞いたその場所、確かにアパートがあり郵便受けには“SAIKI”

でも、ふと気が付いた。あてもなく来たので僕は手ぶらで・・・
名前も確認できたので、駅前に戻ってコンビニに入った。
何を買ったらいいだろう・・・  風邪の時。食事? 温かいもの?? 健康ドリンク?
いくつか適当に選びながら、
“もし迷惑がられたらどうしよう” とか、
“誰か男の人がいたらどうしよう” とか・・・
色々と考えていたが、レジのカウンターの上にカゴを置いていた。
いつしかカゴの真ん中ぐらいまで買い込んで。
大きな袋を抱え、僕は再び斉木さんのアパートの前へ。
斉木さんの部屋は“203”、小さいアパートで、2階の一番奥がその部屋のよう。
静かに鉄の階段を上がり、コンクリートの床を奥へ。
途中の“202”の部屋は窓も開き、人の気配も感じる。その前も過ぎた。
“SAIKI”
その古さを感じる茶色の扉、独身でドライバーの給料をもらっているのに、
とても地味な生活にも見える。何も自分の事を話さない斉木さん、どんな生活なのか。

インターホンではない、呼び鈴? ブザーだ。
“キンコーン” 小さくだが、確かに中に響いた。
今になって少し後悔した。具合悪くて寝ているんだから、突然の来客は迷惑だよなぁと。
でも押してしまったし・・・
静かだ。特に返事も、物音も聞こえない。廊下側の窓は閉まっているし、明かりも消えて。
“もしかしたら病院に行っているのかなぁ・・・”
そう考えながらも一度押してしまった呼び鈴、僕はもう一度押そうとした。
“カチャ、、カタンっ”
鍵が開く音、そして茶色い扉は少し開き、薄暗い中が少し見えた。
「えっ?  大樹くん?!」
斉木さんは外の明かりが眩しいのか目を細め、気怠い感じ、
グレーのスエットの上下、そしてボサボサの髪、額には冷却シートを付けている。
「えっっ、 何で? なんでここ知ってるの?! えぇっ!! 恥ずかしいよぉ」
斉木さんは少し慌てて、本当に驚いていた様だった。
「あっ、これ、食べて下さい!  何を買ったらいいのか分からなくて・・・」
僕はコンビニの袋を突き出して、斉木さんに渡して帰ろうとした。
でも、斉木さんは具合悪いと言うのに、僕を中に入れてくれて・・・


女性一人の部屋、それもとっても年上で、普通ならきっと接点もなくて。
「ごめん、寝てたから散らかってて・・・」
そう言いながらテーブルの周りを少し片づけている斉木さん。
いけないと思いながら、僕は不謹慎ながら興味津々、女性一人の部屋を見回してしまった。
さっきまで寝ていたであろうベッド、捲れた上掛け、寝ていた場所にある窪み、
そこに温もりが残っているように見える。
特に荷物が多いとは感じないし、とても整理されている。
意外だったのは、何て言うか・・・
普段はまったく感じさせないのに、女性らしい部屋と言うか・・・
きっと僕が知らないだけで、普通の女性ならもっともっとファニーな感じなのかも。
でも、普段の斉木さんしか知らない僕には、人形・レース、ピンクの小物・・・
まったく見た事の無かった斉木さんをそこに見た気がして。
視界の中に洗濯物が見えた。見てはいけないと思いつつ、でも見てしまう。
濃いブルーの、すごく大きなブラジャーがそこに掛かっている。
あの小さく細いカラダ、斉木さん・・・
改めて、簡単な片づけをしている斉木さんのスエット、その上半身に目が行く。
そう、大きく膨らんでいる。毎日見ている斉木さんじゃない。
こんな姿を見たら、誰だってそこに視線が行ってしまう、そんな感じの・・・
僕は不謹慎だ。見舞いに来てるというのに。
かえって気を使わせ、具合悪い斉木さんに申し訳ない。
その日はお茶を頂いて帰った。すごく丁寧に礼を言ってもらって。


それがあった事もあるのか、距離が縮まった気がする。それも大きく。
運転中のほんの少しの空き時間なんかでも、少し何かを言ってくれる。
僕の方を見てくれる。
仕事を覚えてきたし、手際の良さや仕事ぶり、斉木さんと働くのが楽しくなっていて、
そして、斉木さんを見ている時間も長くなっていた。
正直、あの胸の事もあったし。
自分の部屋に帰っても斉木さんの事を考えている事が多くなった。
机の上に重なっているスクーターのカタログ、壁にある “川原アイミ”の褪せたポスター。
バイトの目的だったスクーター、ずっと気になっていたアイドルたち・・・
今、違うなっ。誰にも言えないし、言わないけど、斉木さんの事が好きだと思う。
人として“好き”という恋愛感情、そしてエッチな事・・・
胸、やっぱり僕は胸を気にしてるんだ。
斉木さんがあんなに真面目な人だから、なんか申し訳なくて・・・


休みの日に部屋に呼ばれた。“先日のお礼に手料理で・・・”と。
僕は色々考えた。
お礼なんて言うほどの事はしてないし、仮にお礼にしたって、
簡単なプレゼントとか、ファミレスで食事ぐらいでいいのに・・・ と。
それなのに部屋に呼んでくれた事、どう考えるべきなのか。
その当日までの数日間、運転する斉木さんの横顔を見ながらその事ばかり考えていた。
でも、素直に、斉木さんの部屋に行ってみたいと思ったし、嬉しいし。
当日、少しだけ綺麗なジーンズと買ったばかりのシャツを選んだ。
普段は酒なんて飲まない僕だけど、ワインを買ってみた。1500円の国産。

綺麗に片付け・掃除されていて、体調が戻って間もないのに、
僕を迎える為にやってくれた様で、何だか申し訳ない気持ちになる。
テーブルの上には手作りの料理が並ぶ。
女性ドライバーとして、作業姿・制服姿のイメージがとても強い斉木さん。
でも、そうだよね、結婚されてたんだよねぇ・・・
その歳の女性として普通なのかもしれない、なのに、
そんなところにある違和感も不思議な感覚で。
セーターを着ている、下はスキニーパンツだ。少しだけメイクも。
今までに見た事のない斉木さんがいて、僕は少し動揺していた。
職場の斉木さんは職場の斉木さん、プライベートはプライベート。
そうだろう、きっとそうで、それが当たり前のはずなんだけど・・・
眩しい。既に大人の女性に大人っぽいとは失礼だけど、とても綺麗で。
それに、斉木さんが一番注意しているはずのカラダの線も見せている。
いや、きっと普通の女性として当たり前で、まったく特別なんかじゃないのに。
この目の前の斉木さんを僕だけに(職場の同僚で)見せてくれた事が嬉しくて・・・
スキニーパンツは似合っている。斉木さんは本当に細くスラッとしてるから。
セーター・・・
“部屋着でごめん”と言っていた。分かる気がする、これを着て外に出ない理由。
本人が言うように、確かに不自然で不格好なのかもしれない。
これだけほっそりとしたカラダに、やや下にあって突き出しているその大きな膨らみ。
これを着て出ない事が当たり前に思える。納得する。
でも、今、斉木さんはその姿で僕の前にいる。


普段は口にする事のない酒、女性と食事の機会すらない僕。
いつもなら作業着で運転しているその女性が今、目の前に・・・
別人のようで、でも斉木さんで・・・
こんなに笑ったっけ?  こんなに話したっけ??
無邪気で、とっても若く見えるし、なんか同級生の女子のような感じさえする。
良い気持ちで。なんて居心地が良いんだろう。
もう間違いない、確かに斉木さんの事が好きだ。
なんで僕を誘ってくれたのだろう、自分の部屋に。
楽しい会話をしながらも、でもずっと薄っすらとそれを考えていた。
「大樹くん、本当に真面目だよねぇ~  仕事頑張ってくれてる。 助かってる。
   いつも頼りになってるよ。 それにね、仕事が楽しくなったんだぁ・・・
   先日は本当にありがとうございました。 下手くそな私の手料理も食べてくれるし。
   昔のダンナとは大違いだなっ。 こんな人だったらもう少しねぇ・・・ 」
斉木さんは片手にグラスを持ち、少し顔を紅め、脚を崩して僕を眺めるように言う。
今度はテーブルに肘を置き、手のひらで頬を押さえてため息をつき、
「好きになるかも・・・  ごめん、いけないねっ。 私、酔ったかなぁ・・・
   こんなおばさんが大学生の真面目な子を相手に何言ってんだろっ。
   酔っぱらいおばさんの戯言、許してね。 寂しいのかなぁ、嬉しかったの!」
僕は女性を知らない。もちろん大人の女性の事なんか全くわからない。
斉木さんはいったい何を言ってるのか、僕はどう答えればいいのか。
僕は斉木さんの事が好きなのに。

少し会話が途絶え、斉木さんは空いた皿を持ってキッチンに立った。
キッチンに立ち、洗い物をしている斉木さんの後姿をずっと見ていた。
次の記憶・・・
僕は後ろから斉木さんに抱き付いていた。
腕を回し、その細いカラダを抱きしめるように。
彼女の黒髪に自分の頬を当て、強く抱きしめた。
「えっ?!  えっ、、いいけど・・・  私はいいけど・・・  でも・・・ 」
彼女は姿勢を変えないまま、振り向く事なく僕に応える。
“受け止めてくれている”と言うか、抱き付いた僕をそのまま感じてくれている様に。
「ねぇ、私41だよ。 それに離婚経験もあるし、ブスだしね。
   大樹くんの様な真面目な男子とこうしているの、いいのかなぁ・・・ 」
水道は流れたまま、でも皿を持った手は止まり、そのままの姿勢で彼女は話す。
「キスしてもいいですか?」  僕は不器用だから聞いてしまって・・・
でも、彼女は大人だから、優しいから・・・
「 (うん) 」
何も言わず、前を向いたまま静かに顔を床におとした。
僕は彼女を振り向かせ、そして向かい合うより早く彼女の唇に自分の唇を合わせて・・・
本当に好きだと思った。
こんなに心が痛い(?)“キュン”とした経験はなく、もうすべてが異次元の様で・・・
「いいよ、待って、これだけ片付ける。 少し緊張しちゃって・・・ 」
そう、物凄く緊張していて気が付かなかったけど、彼女の手も震えている。
僕はテーブルの方に戻った。
少しして彼女が来た。
「えっと・・・  どうしようか・・・  えっ、どうするんだっけ・・・」
いつもは手際が良くて、何でもバリバリ片付けてしまう彼女なのに、
こんなに困っている彼女、頼りない彼女、僕は見た事がない。
彼女は床に座り込み、後ろのクローゼットに持たれかけた。
姿勢がまっすぐになった事もあるが、彼女の胸が強調された。
少し勇気を出した、
「そっちに行ってもいいですか?!」

僕が彼女の横に座って、でも、その彼女の緊張が伝わって・・・
強張った彼女の顔、仕事の時と別人な自信無さげな表情をしている。
僕も緊張しているのに、それでも僕の方が積極的になれた。
横に座って少し、勇気を出して少し、長い時間を経て再度唇を重ねた。
彼女が優しく僕を見つめて、僕は無意識に彼女を床に倒して。
「汚いよっ。 もう垂れてるし・・・  形悪いから・・・ 」
彼女は天井を見たままそう言った。
一部が大きく膨らんだセーターを捲った。ワインレッドの大きなブラジャー、
そしてそれをゆっくりと持ち上げる。
それまでの窮屈な場所から解放されるかのように、それは弾き出る様に広がった。
きっと若い肌じゃない。ハリがあるとか・・・
きっと美しい胸じゃない。淡い色とか・・・
でも僕はその溢れ出た彼女そのものの様な大きな胸に顔を埋めた。
彼女は僕の頭を抱えてくれる。
両手から溢れ出る彼女の胸、柔らかく、僕が必死で触るのが恥ずかしそうで。
彼女は腕で目を隠している。肌からは甘い仄かに漂う良い香りがして・・・


彼女は僕に教えてくれた。何も分かっていない僕に、でも気遣う様に。
遥か年下の性を知らない男性に恥ずかしい思いをさせる事なく、
一つ一つ言葉を、そして手を添えて・・・
誘導してくれて、僕は彼女の腹部に射精して終わった。
恥ずかしそうにしている僕に、
「小さいお風呂だけど、一緒に入ろうか?!  壁が薄いから、静かにね」
そう言って僕が汚した自分の腹部を拭いた後、僕の陰部も拭いてくれて、
彼女は起き上がって風呂の準備に行った。


「少し時間かかるかなっ。 うちのお風呂オンボロだから。 担当車と一緒!」
そんな冗談を言って、そして静かに僕を抱きしめて。
一緒にお風呂に入った。
性体験も勿論、女性と一緒にお風呂に入るなんて初めて。
それも僕の入っている湯船の中に、僕の上に彼女が座ってくれて・・・
「しぃ~!」
彼女の可愛いポーズ、僕たちは静かな声で会話する、そして唇を合わせる。
「あっ!」
僕が彼女のお湯に浮く胸を後ろから掴むと、少し薄目をして声を漏らす。
だから、僕は一層強く掴む、そして強く揉んでしまう・・・
彼女は振り向いて僕に激しいキスをする。水が沢山あふれ、
水面から浮き上がった彼女の胸が露わになる。
強く抱き付くから、僕との間に挟まって、彼女の胸は大きく潰れて・・・
激しいキス、彼女は僕を触ってくれる。
水の中深くに手を潜らせ、その尖った先を包み込むように握って・・・
「あぁぁぁぁ」
僕は恥ずかしくも声を抑えられない。こんな事されるの初めてだし・・・
「ああっ!!  ダメっ、ダメです、、 あっ、 出ちゃいます!」
湯船から立ち上がる前に、水面に出してしまった。
「あっっ、ごめんなさい!」と謝る僕に、
「いいよいいよっ、気にしないで。 逆に嬉しいって言うか・・・  私のせいで・・・」
彼女は少し微笑んで、そして静かに近寄り、僕のモノを口の中に含んでくれて。
経験がなくて、気持ち良いとは聞いていたけど、こんなに凄いなんて。
彼女そのものに包まれている様で、その幸福感は経験した事のないものだった。


僕たちは付き合っている。彼女の指示で職場は勿論、周りに秘密にしているが・・・
僕が彼女の部屋に通う形、そして遠く離れた場所でデートもするけど、
職場では勿論、関係者のいる様なところでは関係を見せない。
少し寂しい僕、でも彼女は、
「今は幸せ、大好き。 でもいつか離れる時がきっと来る。 その時にね、
   大樹がこんなおばさんと付き合ってたなんて思われたくないの。 だから・・・」
そう言って彼女は頑なだ。
ついつい、不意に僕から甘えが出てしまいそうな時、彼女は少しだけ怖い顔をする。
僕はまだまだ子供なんだと自覚する瞬間でもあって・・・
何故だろう・・・  こんなに好きなのに、そして愛してくれているのに。
周りに分かってもいいのに。
由紀ちゃん(そう呼んでいる)は強い。
僕が甘い時間にどっぷりと浸かってしまいそうな時、必ず厳しい表情をする。
そして僕に目を覚まさせる。
少し不安になる時もあるけど、そのくせ、二人の部屋では優しく包んでくれて・・・
もう、分からないよっ!
好きなだけじゃダメなのかなぁ。ずっと一緒にいたいのに。
僕の愛おしい人、斉木由紀子、その人。

職場で“あの”男性ドライバーが由紀ちゃんを見ていると嫌な気持ちになる。
視線が由紀ちゃんの胸元にあれば、メチャクチャむかつく。
ずっとずっと僕は由紀ちゃんの隣に座っていたいから・・・




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お互いに自分たちの住む最寄り駅を通り越して、
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でも・・・
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溺愛だ。ストーカーにさえなってしまうかもしれないぐらい自分が怖い。
親子ほど離れた、そう、本当に親子ほど離れたそのものの私たち。
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娘の話から名前を聞くだけになっていた彼女。
そんな彼女と再会したのが半年前だった。私が所用で出た取引先の近くで偶然に・・・
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ショーケースから離れ、視線を上げると店員の女性が微笑んで私を見ている・・・
まったく誰かわかるはずもないし、少し“失礼な人だなぁ”とも思った瞬間でもあった。
“エクレア”・・・
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私がその不自然さに気付くまで何秒彼女を見ていただろう。その顔を・・・
頭の中は必死で手掛かりを探すが、エアポケット、何も繋がらない。
笑顔、そしてその奥の真っ白な綺麗な歯、視線は上に上がり彼女の顔全体を見た。
顔が先か、それとも“エクレア”のヒントが先か、全身が熱くなった。
「あれっ! もしかして? そうだよねぇ?!」
彼女から恥ずかしそうな表情の“はい”をもらった時は、なんか衝撃だった気がする。

懐かしさだったのかなぁ。
それとも雰囲気は残しながらも、大きく変わっていた彼女の風貌だろうか・・・
今も素敵な笑顔だったし、そう、あの頃より少しだけ長いだけの、今も短い髪。
なのに、少しいやらしい言葉しか持ち合わせないが、“いい女”が仄かに漂って・・・
少し眩しかった。
あの頃にも私は彼女にとって友だちのお父さんだし、おじさんだったわけだ。
今はその“中年”もより深くなり、若くハリのある刺激的であろう毎日を送る彼女に、
もう日常生活の繰り返しで染みついたみすぼらしい中年サラリーマンはどう見えるのか、
何故か少し恥ずかしくもあった。
やっぱり下心も内在していたのだろうか。
その時は挨拶程度で、取引先への手土産を買って帰っただけだった。
その後に2回、その取引先に行く度に立ち寄っただけ。
そして4回目となるのか、駅で会った。
彼女はバイトを終え、私は取引先からの帰り、その日は鉄道がトラブルで止まっていて、
駅に足止めされたまま2時間、体が冷え切ってしまい二人で店に入った。
それがきっかけだったと思う。

“エクレア”が結び付けてくれた恋かもしれない。
私は甘いもの全般、もちろん洋菓子の類もほとんど好んで食べることはない。
その事は家族や友人・同僚は認識していて、皆気づかってくれる。
そんな私が唯一食べるのがエクレアで、我が家ではケーキ類=エクレアになっている。
きっと彼女はその理由を含め、それを知っていたのだと思う。
確かにあの頃も、彼女が家に来る度にエクレアが出されていたのかもしれない。
または娘が余計な事を言ったのか・・・

魅力的な女性は甘いものなのかもしれない。
だからきっと、私はそんなに興味がなく、甘みが強くない妻とやって来たし、
つい最近まで、この大きな想いを抱えるまで浮気などには興味も関心も無かった。
彼女はエクレアなのかもしれない。
昔の記憶でも、彼女は“素敵な女の子”だった。
娘や家族に寄り添ってくれた感謝は勿論の事、人として魅力のある人で。
最近になって再会して、改めて感じた彼女の普遍的魅力。それは人としての魅力であり、
穢れ乾いた生活の中に身を置く時間が長くなった者にとって、
本当に輝かしく眩しい何かを感じさせる。
余計な事は言わないし、健康的でありながらむしろ控えめなところが多く、
初々しいのに包み込むような愛を持った、
時々どちらが年上なのか分からなくなる大きさを感じさせる事がある。
乾いた心を潤し、傷んだ心を修復するクリームも、ただ黙って塗ってくれる。
もう体の関係も両手の指の数に届こうとする回数になるはず。
しかし未だに、彼女は私を呼んでくれない。とても気遣うし照れが消える事もない。
最初に再会した直後、確かに“お父さん(娘の)”と呼んでいた気がするが、
そう、体の関係が始まってからはまったく“呼び名”がないまま。
恥ずかしそうに視線を合わせてくれるが、丁寧で優しい言葉ながら、目的の言葉だけ。


私が彼女を抱きしめるといつも、体を小さくして、そして小さい声で、
“し・あ・わ・せです”と見つめて言ってくれる。
笑顔の多い彼女も、その時には少し心細いような表情で言う。
二人はホテルに向かい、もちろんセックスをしている。確かにその目的。
彼女の体を愛しているし、その体と深く交わる事はとても幸せだ。
しかし、あの小さく細くなった彼女を抱きしめ、そして彼女が言葉をくれる時、
その時こそが最高の至福の時なのだと思う。
抱きしめるだけの時もあった。また、何時間も抱きしめたままの時もあった。

本当に大切だから抱く。本当に大切だから抱かない。
どちらもありなのだろうが、それはどちらでもいい。
もし“抱けない”としても傍にいたいし、それも許されないのなら、それでも想うだろう。
いい大人が親子ほど年の離れた女性と男女関係にある事、言い訳のしようもない。
いやらしく・責任感がなく、その場の快楽主義でしかない。
それでもどうにもならない。そんな愛がある。
自分の全てがそこにあるような、きっと自分の存在がこの為にあると疑わないような・・・
年齢を重ねた大人が一途になってしまうと格好悪く、また惨めにも思う。
だけど、それを知っていてもそれに背中を向けさせない愛がそこにある。

この前、彼女の誕生日だった。
「何が欲しい?」と私が尋ねると、しばらく考えていた彼女。
それはずいぶん長い時間で、もう忘れた頃、
「う~ん、私の為に恥ずかしい場所、平気ですか?」と問われ、
「えっ? どこ?? どんな場所行きたいの?!」と聞き返した。
結局連れて行かれたのは・・・
百貨店のランジェリーコーナーだった。
「似合うの、選んで頂けませんか?!」
彼女は私の顔を見る事なく顔を赤め、ディスプレーの商品を選び始める。
相変わらず私の顔を見ないまま、
「どういうのが良いですか? こんな感じダメですか? もっと大人っぽいの・・・」
もちろん、彼女の後ろを付いて店内を歩く私は恥ずかしい。
けれど、いつも以上、本当に恥ずかしそうに赤めた顔のまま下着に向かっている彼女の顔、
その顔を見ていると何だか幸せにさせられた。
“恥ずかしさよりいいもの”がそこにあった。

それまで彼女はクリームやレモンカラーの下着が多かった気がする。
そこで二人して選んだのはライトブルーのレースのある上下セットだった。
やわらかく温かみのある少し幼く見えた下着より、ほんの少しだけの背伸び。
普通なら大人っぽくなどないかもしれないライトブルーの下着も、
それまでの彼女とは違う。きっと私以上に彼女には大きな差なのだと思う。
なんか、そんな覚悟を私に委ねてくれた様で、それはとても嬉しかった。


眩しい。とても似合っているよ!  とても綺麗だ。
そんなに早く歩こうとなんかしないで欲しい。ゆっくり、そして君であって欲しい。
今日こうしていること、それがとても幸せで、それが続くといい。
続くといい。




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「島の女」
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高校生の夏休みに仲良し3人組で過ごした海辺の民宿での3週間の生活。
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(娘の友人 ラブホテル 下着売り場 コケティッシュ スイート系)



テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
ジャンル : アダルト

tag : 不倫純愛年の差女子大生密会逢瀬密やか

「いんらん(淫乱)」





何故だろう、少し寂しい気持の時に想い出す女性たち・・・
女性を浮かび上がらせるのだから、
きっとどこかに厭らしい欲求を膨らませているのだろうか。
いや、違う、そんなことはない。
彼女たちは周りの噂で汚されていただけで、けっして汚れた人間ではなかった。
それぞれに、私がその時代その時代に仄かな想いを寄せた女性たち。
何故か共通して周りの男たちは露骨に、そして女たちは陰に隠れ使っていた言葉、
“淫乱”
今、それなりに経験を積んだ今だからこそ、私は改めて彼女たちの本当の姿を知りたい。
強く思っている。



どんなに幼くても、幼少期から色気を持った女性と言うのは存在する。
私の周りにも確かにいた記憶がある。
仕草、発する言葉、年齢に関係なく、接する異性(男性)との距離感に出る事もある。
それが美しい容姿を持ったが故の悲壮感の様に感じられる様な時もあれば、
余裕を持って自分の近くを冷めた目で見ている様に感じられる様な時もある。
異性への露骨なアプローチを以て“(異性に)媚びた女”を評されるタイプの女性は、
そもそも肉体的な根拠を持った“淫乱”を冠している様な気がする。
つまり、それは肉体関係へのアプローチ、もしくは、
自分の肉体(容姿含む)を使って吸引的行動で、ストレートに女としての目的が見える。
私の記憶にある女性たちはどうだろう。
私は普通の男だと思う。つまり、普通に恋焦がれて想いを寄せ、また別に、
その肉体(容姿)に強い刺激を受け、その欲求に大きく揺り動かされたり・・・
本当に普通の男だと。
そんな私の中で、“好き”とか“したい”とか、そこに入らないのに、
それでいて何故か忘れた頃に浮かび上がり、そして仄かに良い気持にさせる女性たち。

例えば中学の時のクラスメイト。
私の一つ前の席に座っていた時期もあったその女の子。
その時期には、いつでも頭から離れないぐらい好きで、本当に憧れていた女子、そして、
性に興味が大きくなって来て、学年の中でもひと際成長の早かった女子、
自分にとって最初のセックスシンボルと言ってもいい様な存在になった印象深い女子、
そんな彼女たちがしっかり存在していた、そんな時期だったはず・・・

分からない。
そんなに印象の大きな女性たちの、それはほんの狭間にいたはずなのに、
その笑顔、表情、言葉、シーン、どれも、圧の強い彼女たちよりも鮮明だったりする。
何が特別だったと言うのか?
間違いなく彼女にとって私は特別な存在ではなかった。
私はそんな人間ではないし、特別な話、特に、恋愛や性の話なんてした記憶もない。
大きな熱の様なものが二人の間にあったような感じはなかった。
つまり、私の側も彼女を“特別な存在”などとは見ていなかったと言うこと。
なのに何故だろうか、後ろに振り向く彼女は勿論、
別室で行われる様な、自分たちの教室での並びと変わり、
遠く離れた向かいの席になった時でさえ、本当によく視線が合ったし、
大きなリアクションをとるわけでなく、でも静かに見つめ合っていた様な・・・
何だろうか。いったい何だったのだろうか。
学年が変わり別々のクラスになり、もうお互いの残り香が遠くかすれたようになって、
本当に久々に廊下ですれ違っても、髪を切って大きく髪型を変えた彼女を近く感じ、
しかも、無言のまま照れくさそうな表情をし触れるほど近くをすれ違っても、
私たちに会話はなかった。なのに、しっかり表情で応えてくれていた。
聞いてみたい。
でも、聞かない方が良いだろう。きっと特別でないんだろう。きっと。


高校の時、そして社会人になってからも時間を置いて数人、
そんなタイプの人間が存在した。
恋愛やカラダの関係などなく、そんな話もしない関係のはずなのに近いと言うか・・・

彼女たちに無理して共通項を見つけ出すとすれば、
そのグループ・組織の中で目立たない女性たちだが、おそらく美人だ。
男性陣にはそれなりの支持があった気がする。
しかし共通して少しクールと言うか、それは冷たいと言う意味合いでなく、
ギラギラした熱を押し付けないと言うか、大声を上げたり激しい表情も見せないし、
それが同性といる時でも異性といる時でもそれほど変わらない。
また、周りの女性たちから少し独立していて、そう、年齢より大人びている。
私はずっと思っていて、つまり、
若い女性にとっては自分より少しでも大人びて見える同じ年、
そして自分たちの輪を評価して交流を試みないその欠点の少ない女性を、
彼女たちは少し嫉妬心を持って見ている様に思っていた。
ある意味、“涼しい顔をしながら異性にはある程度の人気がある”厄介な存在だ。

でも、そんな自分の考えに自信があるわけでもない。
まだ若い、青かった学生時代は勿論、自分が彼女たちの事をどれほど知っているのか、
そして、
私の知らない彼女、または同性だからこそ見えていた彼女の姿もあったのだろう・・・
自分の想った相手とか恋人とか、そんな存在ではないものの、
仄かでも良い雰囲気・余韻を持った関係の女性が悪く言われるのには気持ちが重い。
それも尺度や重みが違えど、一度は“淫乱”という言葉を聞いてしまう。
まだ言葉の意味や使い方を知らない女性(女子)が、
一方的な敵意で喧嘩ごしに放つ言葉であるなら、きっと、
「この淫乱女!」と“淫乱”が使われても、それほど重みも感じられない。
でもそれが年を重ねた女性の放つ、
「あの子淫乱なんだよねぇ・・・」と使われる“淫乱”には悪意も感じながら、でも、
何かそこに根拠があり、
それを裏付けるような情報でも知っているかの様な気持ちにさせられる。
私だけが知らなくて、陰では男を漁り思いのままに体を許し、
仲の良い友人の恋人を平気で奪っていたりするのだろうか・・・
あれほど自然体で生きている様に見える彼女たちなのに・・・


一人、そんな女性の中にいた人物にすれ違った。
向こうは気が付かなかったと思うが、中学生と小学生の男女だろうか、子供、
そしてきっと夫と思われる人物。真面目そうで家族を大切にしそうな。
そう、温かい家庭を感じさせるそのものだった。何より彼女の柔らかい笑顔が。
きっとそれでも、
“計算して手に入れた”とか“散々遊んで飽きて納まった”とか・・・
何とでも言えるだろう。今でも彼女たちを淫乱と言っていた女性たちは言うだろう。
信じない事にしたいんだと思う。
彼女たちの“(女性としての)大きさ”が周りの女性たちを脅かした事が原因と思う。


“淫乱”と悪口を言われる女性には二つあるんだ。
自らの小ささを隠すため、自分の女性を一杯に使って男を必要とする淫乱。
そして、その“人としての大きさ”に同性が憧れ、しかし慄き、
その恐怖感・敗北感を打ち消そうと対象に向ける小さな攻撃の手法の一つとして、
自信のない女性が持ち出して吹聴してまわる、使ってしまう言葉である淫乱。
私の記憶の中に時々現れて静かに微笑む彼女たち、きっと後者だと思う。

淫乱という言葉は否定的な言葉だが、淫乱だけが独立しているわけでもない。
比較的多くのケースで、女性としての魅力を多く兼ね備えていて、
“妖艶にして淫乱”など、つまり、異性の評価なくして淫乱は成立しない。
見方によってはある種の誉め言葉で、事実、
私の人生の中にも、さっきの彼女たちとはまた別の、
後者でなく“前者の方の淫乱”を自分の武器にする程の女性もいた。
包み隠し清楚を装って男たちを騙していた淫乱も、残念ながら存在したが・・・


付き合う対象として不足なく、なのに深い関係にならないままの距離でいられる存在。
“男女間に友人関係は成立するか”というキーワードはよく登場するが、
どうだろう、男性側の愛欲・性欲が片方、そして女性側の愛欲・性欲がもう一方、
お互いのそれが共に発生していなければあるのかもしれない。
男に下心が生まれず、そして、女性を“淫乱”と評される状況にもさせないだろう。

人は狭い道も広い道も歩いていて、狭い道を歩く時には何かにぶつかる事も多い。
女性に向けられる同性からの“淫乱”という言葉での攻撃。
その女性に非があれば受け止めるべきだし、非がないのなら普通に接してあげたい。
人間としての私(男性)にとって、全体の半数を占める女性の存在はとても大きい。
その女性に接する時、恋愛的関係・肉体的関係となるような極端な距離感は別として、
そう、“友人”とか“仲間”とかになりうる距離感の女性、大切にしたいものだ。
友人が淫乱と言われるのは聊かつらい。
あなたの傍にいる女性、淫乱と言われる女性ですか?
前者の淫乱ですか? それとも後者?
いい人だと良いですね。



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「繁盛理容店」
どんなに新しい店が立ち並んでいても、それでも少し歩けば古びた店は今も残っている。
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「家族のある風景」
都会から離れたローカルに置かれ、仕事の道具としてだけの毎日を与えられた男。
殺伐とした渇き切った毎日の目の前に突然開けた景色は、窓明かりにある温もりで・・・

「夏の女神は突然に」
高校生の夏休みに仲良し3人組で過ごした海辺の民宿での3週間の生活。
1週遅れでやって来た女神は今も忘れられない記憶の中にあり、それはほろ苦く・・・






(天真爛漫 プラトニック コケティッシュ アンニュイ 妖艶女性)



テーマ : 官能小説
ジャンル : アダルト

tag : 同級生女子スイート天真爛漫クールビューティー美女憧れ片想い

・・・ シルエット・スイート・セレクション ・・・





2月にはバレンタイン6月にはジューンブライド、そして12月にはクリスマス。
日本でも恋人たちの甘い香り漂うイベント事が行われます。
沢山の異性が存在する中で、たった一人の異性だけに思いを寄せる贅沢な時間。

シルエットは如何わしいレイプ小説中心のサイトです(笑)
“グラマーR(レイプ)”がサイトの柱だと常々言っているとおり、
豊満な女性を一方的に犯してしまうストーリーが溢れています。
今までの特集系の記事も、どれも性描写(肉体系)の作品特集でした。
が・・・

早い時期から、一見無駄にも思える(笑)スイート系を書いて来ました。
レイプやセックスの描写が入る物も勿論ですが、性行為の無い作品、
それどころか、ほとんどエロスを含まない様な作品も書いています。
今の時代に重宝されているAVなんかは、性行為なら性行為、レイプならレイプ、
それだけ・そのシーンだけでも成立する事になるのかもしれません。
事実、きっとこのサイトに訪問頂く中にも“それだけでいい”と考える方、
少なくないと思っています・・・

まず、そうですね、自己満足なんですよね。
このサイトを作ってオリジナル作品を並べようと思った動機もイメージも、
それは最初から“グラマーR”を中心にしてイメージして来ました。
“豊満な女性が犯されるシーン”がどれだけの作品を書かせた事か・・・(笑)
でも、そんな中にポツリポツリと時々湧いて出るのが“プラト系”と言っている、
その存在意義や意味が怪しまれる(笑)様な作品たちです。
きっと帳尻合わせなところもあるのだと思います。
性的目的に特化した激しいレイプシーン、そして性的興奮に委ねた展開。
それが繰り返される中で、そこから無縁で、遠く離れた様な存在を欲する気がします。
“プラト系(プラトニックS書庫)”と表記しながらも、まぁ曖昧で・・・

性描写・エロシーンがない意味でもプラトニックは勿論なんですが、
(一般的には、と言うか、普通はそれがプラトニックと使われますが)
“そんなニュアンス(エッセンス)を含んだ”としてそこに入れたりもします。多い。
その解釈こそがシルエットらしく、本来の意味を著しく逸脱していて、
それがプラトニック書庫を分かり難く曖昧にしている根源なのですが、
それこそがシルエット・プラトニックであり、シルエットそのものでもあります。
どこが??(笑)

“グラマーR”では基本、豊満な女性がレイプされているシーンだけで十分です。
このサイトでもそれだけしか書いていない作品も多いと思います。
そしてそんなシーンだけを端的に求める方にはその方がいいとも。
連続してそんなシーンが続くからこその箸休め的な意味も潜在的にあるでしょうが、
でも、時に激しくリアルな強姦シーンの垣間に、仄かに漂う別のもの・匂い・・・
肉体や性でなく、出演者の心の動きがよりリアルになったり、
読み手の気持ちの中により近づいてくれたりする事があると思うのです。

性的興奮としては、“相手に有無を言わせず口を塞ぐキス”がいいでしょう。
でも、そこに仄かな温もりや感情が内在した時、きっと違う意味合いになる。
それが“ハードさに欠ける”とマイナスに出てしまう時もあるし、
“対象(犯される女性)への心の距離までが近づいて感情移入が出来る”な場合も。
同じシチュエーションのレイプ作品が溢れる中で、きっとそんなところが違ってきます。
“だからシルエットの作品はつまらない”とされてしまうかもしれませんね・・・
ニーズを大切にして作業するなら、きっとプラト書庫は消えてしまいます(笑)
料理で言うところの塩。例えが逆で申し訳ありませんが・・・
ハードな作品がよりハードである為に、きっとスイートを書かせている。
甘い卵焼きの品の良い甘さを出しているのが“少量の塩”であるように、
スイートが塩の役割をしているとも。


今まで“スイート系の特集”が無かったのは、勿論このサイトのメインではないから。
そして、ある意味で連続性・継続性が見える“グラマーR系”の記事と違い、
奔放で孤立し、納まる先が分かり辛い入れ物が後回しになっていたのだと・・・
でも、けっしてメインストリートではないものの、いつしか裏通りも放射状に延び、
全体としてこのサイトで重要な、エッセンスとして意味を持った存在になりました。
関係ない方にはまったく関係ない書庫・作品。ニーズ無視の書庫(笑)
でも、けれど、これがあるからこその“シルエット”
甘い系の作品も増えた事ですし、きっとそれぞれの作品が集まる機会が無さそうで・・・
作品間の関連がなく、それぞれが人里離れた場所で個々に存在している作品たち。
今回はここに集めてみます。砂糖ですので、続けて口にされるのはお勧めできません(笑)


今回は特に印象に残っている作品を身勝手にセレクションさせて頂きます。
では・・・






「恋の手解き」

シルエットのプラトニックとは“これ”とも言える様なタイプの作品です。
性描写もリアルですので、まぁ“短編アダルト”に変わりないのですが・・・
エッチが目的という方にもお楽しみ頂ける作品になっていると思いながらも、
どちらかと言えば心理描写中心。年上の女性、その人はどんな人物なのか。
手解きを受ける側、その男の子はどんな景色を見ているのだろうか、そんな挑戦ですね。
エロス・スイートの両方を含む物ほど、そのバランスは難しいものです。
もっとエッチで良かったかなぁ・・・とか、性描写は抑えた方が良かったかなぁとか。
結果的に、完成度では“もう少し何か出来たかなぁ・・・”とも思いつつ、
バランス的には自分の狙った真ん中に楔を打てた気がします。受け手無視(笑)
サイトの中にあってバランスの良い作品でもあり、大切な物になりました。


「困り顔の天使」

こんな作品は、“書いてる時が楽しい”なタイプの作品ですね。完全なる自己満足系。
女性だけではありませんが、人の魅力って尖った優位部分だけじゃなくて、
なんて言うのかなぁ・・・  まぁダメな部分ではあるんですけど、
何とかしてあげたくなる、つまり、こちら側に積極参加させるような淡さも素敵です。
人でも物でも、その欠点までも・こそが好きにさせると言うのは最強です(笑)
よく、俺は(私は)どんだけ愛しているとその物への思いを叫ばれる方がおられますが、
そんな物の先にあるのは、問題(欠点)が溢れた困り物の人間だったりクルマだったり。
その欠点への思いまで愛に変えてしまうなんて、どんだけ凄いんだよって感じです(笑)
美人でスタイルが良く性格までも良いとしても、だから愛が強くなるものでもない・・・
ただ、当事者になると色々と大変ですので、その辺は小説の中で楽しむ程度でと。


「島の女」

淡い=インパクトが薄い。それも勿論ですが、全体に大人しいイメージの作品です。
その全体の淡さを“仄かな甘み”として余韻に浸って頂きたいタイプとさせて欲しい作品。
男性目線で書かれた場合の年上女性への思い・年下女性への思いは王道的な物に思います。
きっと同じ年の場合には友人的とか、“距離感”を中心に書く感じになるのかな・・・
この作品はそのまま、“年上女性への憧れ”であり、主婦に思いを寄せる大学生のそれ。
中高生の目線で見る年上(先輩)女性への偶像とは違って、大学生が主婦に見る景色って、
むしろ曖昧で危なっかしくて、だけど、成長と真逆にも見える母性への意識が見えます。
中高生では“母性”は母親にしか現実味がなく、その価値が見えていない。でも、
自分が大人に近づいたからこそ、そんなに自分と変わらない年齢の女性の見せる母性、
それに強く刺激されるという解釈です。まぁ、私の勝手な解釈ですが・・・


「フェロモン」

書きましたねぇ・・・これ(笑)  普通とは全く違うタイプの作品ですね。
労力の割に結果がついて来ないタイプですが、きっと能力の高い方が書いたならばな作品。
自身の特異性に悩む女子学生が主人公の作品で、エッチなシーンは無かったと思います。
あったかなぁ・・・  あるとすれば回顧シーンかなんかで出て来る程度だと。
こんな作品は組立を楽しむ様な作品(作り手が)で、構成ありきなんでしょうね。
凝った設定づくりが面倒で気が乗らないタイプの書き手なので、それは希少な部類。
でも、時々思い出したかの様に書く時があります。最終的にはシルエットフレーバーです。
続編と言うか、後半部分をもっと膨らませていれば、もっと違う作品になったかも・・・
設定が書かせてくれるタイプの作品は、注意しないと散漫な味付けで終わる怖さが。
でも、長くなりがちで、こっちの集中力が持たない(笑)


「兄貴の彼女」

好きなんですよねぇ、このタイプ。冒頭の“恋の手解き”にも通じるスイート+エロ系。
さっき“島の女”で書いた“若い主婦+大学生”より個々に年齢設定が低いところにある、
“独身(一人暮らし)女性+高校生(?)”の設定で、こっちの方が性が強調される作品。
この年齢の男子にとって、ただですら魅力溢れる年上女性でしょうが、さらに、
“兄貴の彼女”っていうところは特別なエッセンスなんだと思います。
それは寝取られの様な意味合いじゃなく、まだ未熟な・大人でない自分だからこその、
コンパクトカーをやっと買った男が高級車の助手席が似合う女性を横に乗せるような(笑)
“認められたい”と言うのは男性の本能なのでしょうが、その相手が年上女性ならなお更。
性の実体験に乏しく、不安と憧れの狭間に突然訪れる自分の知らなかった景色が広がる。
狙ってある物じゃありません(笑)  小説でお楽しみあれ。


「困ったアイドル」

プラト系はそもそも作者の暴走ですが、ここまで来ると気持ちが良い作品です(笑)
ところが、“どうしようもない女”って言うのを好きになりますとね・・・
そこには“溺愛”と言う恐ろしいものが待っていたりして。時に破滅と壁一枚。
こんな話が現実にあるかは別といたしまして(笑)、変な女は意外と身近にいたりします。
皆さん御注意下さいね。注意一秒・人生台無しです。
元々シルエットの作品群の中で異端児であるプラト系ですが、その中にあってさらに、
飛びぬけちゃってるタイプの作品ですね。でも、それなのに、どうしてもシルエット臭。
自分でも思うんですが、激しい性描写のレイプ系作品であっても、こんな異端児も、
それでもシルエット感がそこにあるんですよね。マンネリって怖いですね(笑)
でも、これ、本当に普通にプラトニックではあります、はい。


「ハーフ・ハーフ」

これ。結果的に続・続々と3本書いた珍しい作品。(連続物が極めて少ない為)
スタートは地味で単調かもしれないですが、仄かで、でもちょっとエッチで・・・
その匂い・余韻がずっと頭から離れず、結果的には少し荒い続編を書いてしまい、
そしてプラト系のスタートをしながらも見事に(笑)、ハードレイプ作品へと変化します。
登場人物に“早紀ちゃん”という女性が出て来るんですが、沢山の女性が登場する中、
ここまで一人の女性像が強烈に浮かび出したパターンは貴重にも思います。
詩織・真佐美・千代美とか、このサイトを代表する様な女性は数知れず、でも、
“早紀ちゃん”と愛情たっぷりに呼べる存在は・・・  育ってくれました。
年上だから、知り合いだから、それが親戚の女性だから。でも、性は止まらない。
実物を映すAVですら、そこに香る匂いや温もりを映すことは難しい。文章で出来たらと。


「聖女を守りたい」

書いてから悔やまれる作品のタイプには色々ありますが、これは・・・(笑)
タイトル先行の代表的な失敗例なんでしょうね。それもミスを重ねてしまうタイプです。
枠の中で一生懸命に足掻いているわけですが、そもそもその枠が必要だったのか。
それが結果として何を書きたかったのかが乏しく感じられる作品にしてしまった様に。
仮にプラトでなくレイプ系のハードな作品にしていたなら、もう少し先があったとも。
その反省から作ったのが“聖女を穢したい”でしたが、予想通りの・・・(笑)
本当、最初に躓いた作品がしっかり復帰してくれる率って桁違いに少ない気がします。
正しい女性(正しく生きようとする女性)がいて、そこにレイプがあれば狙えるのに・・・
きっと作品公開のタイミングでプラト書庫を優先させたのか、後悔が消えない作品です。
セレクションと言いながら駄作を紹介してしまうダメ作者でした。


「午前2時の女神」

タイトルが良いと・・・  嫌な予感(笑)  これもやっちゃったかな。
プラト系は特にそうなのかもしれません。タイトルが綺麗な作品ほど苦しんでいる気が。
まぁ、そもそもプラト系は激しさとは遠いところにあるのでインパクトとは無縁。
単調とほのか・ほんのりなんかも紙一重で、行為・描写優先のグラマーR系とは違います。
ただ、それにしてももったいないミスも多い気がします。
静かな夜の風景、そして少し心を痛めた主人公の男性、そしてその前に現れた女性。
その人はか弱く、そして優しいのですが・・・
う~ん・・・  今書いたならどんな風に仕上げられるのか、妙案があるわけでは・・・
タイトル・内容・登場人物のイメージ、どれもそれで合っているのですがね。
結局は作り手のスキル不足ですね。出演者への謝罪をここに。


「囚われの義姉」

そもそもこれはプラトでは・・・  広義にプラトを使う本人ですら少し違和感も。
一緒に外出した兄嫁が輪姦レイプされると言う、まぁありがちな部類の作品ですが、
確かに、その普通に表現されているレイプシーンはこのサイトの柱とも一致していて、
それでいて、まぁ広く解釈すれば兄嫁への仄かな愛情を抱えているのですが。
この振り分けは限りなく黒に近いグレーですね(笑)  いちゃもん弁護士レベル。
比較的早い時期に登場した作品でもあり、最近の作品から見れば物足りません。
どこかで続編の事も書きましたが、タイトルはお気に入り確定の作品でもあり、
いつかリベンジをと思っているものです。絶対にプラトにはならないと思いますが(笑)
今回の趣旨からは少し外れますが、清楚な優等生的女性が汚い手で汚される場面、
それはレイプ系の作品要素としては良質な原料だと思っています。いつか・・・


「さよならアネキ」

これも“囚われの義姉”と同じで、プラト書庫とするには解釈を拡大させ過ぎな作品。
ゆえにシルエットであり、それがここらしさでもあるのですが・・・
不良の弟の目の前でその上を行く不良の姉が見せしめレイプされるというハード作品。
なのにプラトニック??(笑)  確かにそうなりますよねぇ。
でも、最後まで読んで頂ければ、それは“囚われの義姉”でもそうですが意味がある。
だから不自然でありながらも“間違えでなく”プラトニックの書庫に入れたものだと。
どんなに激しい性描写・レイプがあったとしても、そこに“シルエット的プラト”、
それが垣間見えたならな勝手な解釈です。他では絶対に通用しませんね。
語源・使用目的を超越して使ってしまうと言う、どうにも身勝手な作者です(笑)
プラトに関係なく、作品としてはとても気に入っている作品です。


「夏の女神は突然に」

女神・天使・聖女・聖母。いかにもプラトニック書庫らしいフレーズでもあります。
ここに出て来る様なタイプの女性が好きな人にしか通じないのかもしれませんが・・・
“女神”なんて大きな名前を背負いながらも、でも、その中で葛藤しているその人。
周りの男たち(男性・少年)から“大人・強い・しっかりした”と勝手にイメージされ、
でも、その女性自身には逃れられない時間の柱がそこにあって、それは超越出来ないで。
確かな強さを持った女性の魅力はそれとして、でもそうではなくて、
少し震えていて脆さも持っていて、でも、それなのに先を歩かなければならない女性。
そんな子って結構いる気がします。そんな女性への想いを表現できればと。
書いていて思うことですが、いつも、“このサイトのプラト作品読んでる人いるの?”
そんな事を思っていたりもします(笑)  ガッツリ系が基本でも、スイーツも。


「想い出に恋をして」

ここ、そもそも“超短編”を書いているサイトですが、その中でも、
まるで詩のような長さの作品もあります。完全に“官能作品”からは逸脱してますが(笑)
そしてそれよりは長くも、あっと言う間に文頭から文末に辿り着く作品も。
これはまさにそんなタイプ。無駄な物を添える必要もなく、書きたい事・書きたいまま。
内容は“忘れていた想い”というべきでしょうか、幼い日の淡い出来事。
年齢と共に恋愛の記憶は重ね積み上げられて行くわけですが、時々書類を紛失します。
もう忘れていた頃、突然それが出て来て懐かしさに浸ってみたりして。
忘れようの無い激しい恋愛や出来事は簡単に取り出せる場所にいつだってある気がします。
でも、毎日の学校帰り・公園でのはしゃぐ時間の中に風のようにあった“何か”、
それはしまった事さえ忘れ、いつしかその事実はない物になってはいるのですが・・・


「5月18日生まれ」

これもさっき紹介した忘れがちな淡い想いをテーマにした作品ですね。
結婚しても現在進行形の恋愛をしていても、ノルマや義務まで感じさせる誕生日(笑)
でも、一緒に過ごす事さえ無かった様な誕生日なのに記憶に残ってしまうものもある。
そんな、ふとした心の隙間に残ったままの少しほろ苦い記憶を持ち続ける事。
今は自分に関係ない女性(異性)の誕生日を大切に抱えるなど、それは無用の事です。
でも、無用なものはいつだって贅沢と紙一重でして・・・(笑)
例えば自分の彼女の親友の誕生日が、なぜか記憶の中に残ったままになっていたとして。
その記憶には彼女を好きだった時の自分の思い、または風景も浮かぶでしょう。
そしてさらに、その彼女の親友にも少しだけ惹かれていたのなら・・・
きっと簡単に消えてしまうだろう部類の記憶でも、日付という付箋が呼び起したりします。


「キスは浮気になりますか?」

どうなんでしょうねぇ、キスは浮気になりますか?(笑)  TPO??
沢山の作品を書くほど、切り口や構成、色々なスタイルが湧き上がって来ます。
そんな中には“ルーズ・漂流・風任せ”の様な、悪く言えばラフな物も混入します。
(タイトルとは別で)大きなテーマやしっかりした骨格と無縁に文字が進む時など。
これはそんなタイプの作品で、柱なく・碇なく、漂流する作品です(笑)
恋愛でもそうですけど、しっかりと“〇〇だから好き”とか“〇〇だから一緒にいる”等、
しっかりと目的が見える様なものもあれば、“なんか良いんだよねぇ~”みたいな、
雰囲気任せもまたありなんですよね。“そんな(小さな)目的かよ!”みたいな?(笑)
でも、“キスが大好き”な女の子は多くまた、“唇(感触)が魅力的”みたいなのも。
優先順位は低いけれど、その相手との空間にだけ優先される特別なものとか・・・


「好きになっても良いですか? ~ バックヤードの聖母 ~ 」

バイト先での女性店長への想いをテーマにした作品で、プラトニック作品です(笑)
“バックヤードの聖母”は元作のタイトルの流用でしたが、意味なかったですね。
元作は女性店長がその名の通りバックヤードでレイプされてしまうグラマーR作品。
内容・登場人物等の全てが違うと言うのに派生作品の様にしてしまうとは・・・
まぁ過大解釈すれば結果が、レイプになれば元作、スイートになれば新作と出来ますが。
真面目でしっかり者の女性店長と、真面目だけど少し頼りない青年は良い組み合わせ。
それがレイプ小説になるかスイート系の作品となるかの違いだけなんですが、
ここに来て頂ける方の大半、そのニーズを考えればきっと・・・  
でも・・・  なんて言うか、“真面目な想い”が好きなんですよねぇ。母性薫る女性。
きっと、“バックヤードの聖母”というフレーズを気に入ってますね(笑)


「スイート・モーニング・スイート」

このサイトに来て頂いたとして、これを完読される方っているのでしょうか・・・
“こんなの書いてるんじゃねぇよ!”と怒られそうなMコーヒーの様な甘さ??(笑)
“お前は恋愛小説が書きたいのか?!”とも言われそうですが、それもありますね。
サイトとして、確かにグラマーRが柱に間違いなく、シルエット=グラマーRでいい。
ですが、少しだけ場所をお借りして、プラトも愚痴も思い付きも書かせて頂きたい。
ここで書きたいトップはエロスがテーマの作品です。でも、恋愛観も大切に思っています。
おじさんが若い女の子と心から愛し合う作品など、ここに来て読みたくないでしょう。
しかもその作品のクオリティーが低いのならなお更。でも、書かせて頂けませんか!(笑)
ニーズに関係なくったっていいと。煎餅屋でケーキ売っちゃダメですか?!
仄かに香る煎餅の甘味も、それとは無縁じゃないと思いますし。甘い事自体が嫌い?(笑)


「夏の夜。そして彼女と呼べないまま・・・」

甘い。甘いんですよ、確かに。でも、これもプラトニック(一般の)じゃない(笑)
グラマーRではスリルと緊張感こそが最大の構成要件なのかもしれません。
その逆(笑)  全身を解放してそこにいられるカップル。それは心も体もと言うこと。
勘違いなんでしょうが、恋も物の価値も全て、錯覚こそが最高の贅沢なんだと思います。
自分の目の前にいる相手が最高の人間であるとか、自分との組み合わせが唯一とか・・・
そんな勘違いに頭の中を支配され、それも二人同時にそんな状態なら宇宙一の幸せ。
作り手が読み方や解釈を強要するのは良くない事とした上で、でも・・・(笑)
このサイトとしては“ハード系”とは言っているグラマーRですが、それでも、
きっと他のサイトさんで書かれているハード系からみれば甘くソフトだと思っています。
なので、一見無意味な様なプラト系作品が匂わす女性像は辛みを引き立ててくれると。


「僕の妹」

早い時期のプラト作品です。これは完全なプラト作品(一般的)。
後に出て来る、名前が近いような作品“マイ・リトル・シスター”とは別物です。
あちらは性的描写の激しいエロス全開作品ですので。表記がカタカナなだけで真逆(笑)
プラトニック・スイートの王道のような位置にいる作品です。
作品中に出て来ると思いますが、“天使”という言葉が似合うような少女っていますよね。
まぁ誰も、妹が天使で姉が聖女で母が聖母であったならそれが一番幸せでしょうけど。
でもないか・・・  妹が意地悪で姉が高慢で母が淫らな女性のがいい?!(笑)
シルエットプラト的には“女神バンザイ!”なんですが、グラマーRがお好きですか??
初期だった事もありますが、もう、なかなかこの手の作品は書かない気がします。
その意味では貴重ですね。本当に書庫の名前を納得できる、数少ない作品です(笑)


「俺たちの聖羅が・・・」

最初のプラトフォルダに入ったのがこの作品だったんですね・・・
どこかに書いた記憶がありますが、この作品は公開の順番こそ違っていますが、
シルエットとしてこのサイトの為に書いた、自身最初の官能作品第一作となった作品です。
作品としては全く異色で、唯一、夢に現れた光景を何とか忠実に作品化したものです。
なので、このサイトがグラマーR中心と言っている様に、先頭となったのは、
既にこのサイトの中では代表格である“夜の監視員”です。これが先頭になった理由でも。
そう、そうですね。この順番=プラトの迷走がここにあったのかもしれませんね。
このサイトを始めるきっかけを作ったのは“俺たちの聖羅が・・・”で間違いない。
しかし、どう考えてもそれは異色であり、柱にならない事が予見できた末、
“夜の監視員”が先頭になったのだと。間違いじゃなく、それが正解だと思っております。
しっかりした性描写がありますが、“主人公との行為”がない為にプラトとした様な・・・



つくづく、“プラトニックS”なるプラト系書庫の迷走ぶりが今日まで・・・
でも、この書庫、そしてその振り分けの曖昧さが結果的にではありますけど、
他のハードレイプ系の作品にまで、そして究極、このサイト全体に薫っていると思います。
“嫌な甘み”と感じ、このサイトを閉じられる方も多いでしょう。大半かな。
でも、ここの大きく右往左往するプラト書庫の中までも楽しむスキルの高い方ならば、
きっと誰よりもシルエットのグラマーR路線の作品もお楽しみ頂いている気がします。
“ただヤル事をやればいい”は否定しませんし、それがニーズでもあるのでしょうが、
そこに、主人公の女性との関係に体・行為だけの関係じゃない関係を感じられたなら、
ここに並んだお粗末な作品たちも、きっと読み手のそのチカラで何かが育ってくれると。
書き手が読み手に依存するなんて責任放棄でもありますが(笑)、
“どれだけ楽しむか”が読み手の目的であり、“書き手はこうでなければ”に関しては、
シルエットでは最初からそれを放棄しています。“書きたいように書く”だけですので。
自分の為、そして、自分の力で楽しんで頂ける方にだけの作品で良いと思っています。
“ある女性”が性的なストーリーを想像させ、そして創造させる。
この女性は基本的に私が受け止めた女性であり、その先は私の想像です。
それを必死になって一編の作品として完成させ自己満足する。
もしそれがさらに訪問者の中に共感や感動(時に衝撃)をもたらしたなら、それはご褒美。

個々の方が自分のイメージする女性に置き換えたり、ある風景にすり替える事は自由です。
きっとそれは文章ゆえの贅沢であり、AV・雑誌・画像が氾濫する中、
それでも活字の先にエロスを求められる様な贅沢な皆さんだけが手にする特権です。
細かい設定に拘れば時に不親切で、イメージの押し付けにもなるでしょう。また、
その細かい設定にピタリと合致したなら、その高揚は特別かもしれません。
逆に、読み手任せの大きな括りの中で物語が進めば存分に泳げるのかもしれません。
でも、そこに来た意味・必要性に物足りなさを感じて帰られるのかもしれない。

ニーズ=八方美人とは短絡的かもしれませんが、性的趣向ほど一致は難しいものだと。
年齢・身長・豊満度・バストの形・肌色・髪型・顔のタイプ・性格・・・
はっきりしたイメージを文字にすればするほど、きっと振り分けられて行く。
勿論、書き手の中でもイメージが曖昧なままで、それがそのまま作品になる事もある。
しかし、それが鮮明な時、それを自分の能力最大で文字にするべき場面もあると・・・
でも、その先にイメージされる女性像が極端にニーズの少ない女性だった場合どうするか。
“それを我慢しないで書こう”こそが素人だから出来る事。
そしてプラトニック系など読み手がいないであろうとも、それでも遠慮なく書くこと、
それで満足出来て、運が良ければ他の作品にも“有効なエッセンス”として利用できる。
そんな贅沢も含めてプラト系も大切に思っています。

始めて来て頂いた方は勿論、今までプラト系の作品は読んだ事のない方にも・・・
“お時間がありましたなら”(笑)お読み頂ければと思います。
まずい料理も繰り返し食べていれば、いつしか中毒になったりします(笑)
豊満熟女のレイプ作品を探しに来て、若いお姉さんとの恋心を堪能して帰って行く・・・
そんな方がいたなら、最高の幸せですし、まさにシルエットを堪能して頂いた事に。
頭の先から尻尾の先まで食して頂ける事が、味わい、そして栄養にもなります。
栄養・・・ ??
なりませんね、ここのは(笑)
私のイメージした先・想いが、訪問者様のどこかにマッチすれば幸いですが・・・
コアなサイトの一番端っこにあるプラトです。
お読み頂き、ありがとうございます!



(追加分)


「ハザードランプ  ~ 恋の手解き2(熟女編) ~」

このサイト的には随分むかしに書いた事になる“恋の手解き”という作品。
これぞ“シルエット・プラトニック”を代表してくれる作品だと作り手は思っています。
一般的なプラトニックという括りでは嘘になり、このサイトでだけ通用する言葉。
エッチ系のシーンや表現は他のアダルト小説と何ら変わらない程度に表現されています。
ですが、その肉体の交わりの側とは別に、または並行して進んでいる心情的な・・・
その部分、時に書き手すら上手く説明できないのですが、“プラト書庫”に振り分けます。
“恋の手解き”と言うフレーズが流用された後発の作品、なので、どこか繋がります。
別作品ですし、前のまだ青々とした男女のシーンからは設定を変えていますが、
その部屋・主人公たちの立ち位置は違っても、それでもどこか同じ匂いがそこにあればと。
女性らしさ、それは人間的に大きな優しさを持った、それが結果的に女性という事。


「愛しのエクレア」

自分で過去に書いた作品の配分ってどうなんだろうか・・・  ふと気になりました。
男性が年上の設定・女性が年上の設定・ほぼ同じ年齢の設定。どうかなぁ、微妙に・・・
同級生みたいな設定がやや少ないのではないでしょうか、印象での事で申し訳ありません。
少し年齢差が離れた設定の方がスイート感が感じられるのかもしれませんね。
この作品は年上男性と“娘の同級生”という離れ方ですから、離れていますよね。
まぁこのサイト王道のグラR系で言えば“不倫”に違いない、いけない事なのですが・・・
どう違うんでしょうねぇ。エロ不倫もプラトも、どちらも“いけない事”と思っていて、
でもエロ不倫の人たちはその後ろめたさも性欲にのせて貪欲にセックスを楽しんでいる。
プラトもまたその重圧を抱え、それを結果的に利用して想いの熱を上げている。が、
でも主観的で、肉体の欲求より精神的欲求に正直になっている印象があります。
この作品にそんな能書きが上手く織り込めているわけではありませんが・・・(笑)


「いんらん(淫乱)」

スタイル的には少ない部類に入るタイプの作品で、時々思想的な文章が出没します(笑)
ここはアダルトサイトになっていると思うし、官能小説の括りと自己申告しています。
また、大半はレイプ小説ですし、ここに来られる方、それを望んでいらしていると・・・
エロシーンどころか、肉体の表現もエロ表現も何もない作品、意味が怪しまれますね。
でも、まぁ、これがシルエット。こんな“無駄ページ”を自由に出来る事、贅沢です。
クレソン? パセリ?? ステーキのキャロット?  串揚げのキャベツ?(笑)
別にそこを狙ってはいませんが、味変え・味戻し・一呼吸、そしてもっと言えば、
こんなページを読まれる方って、きっと他のページを読まれた時により楽しめる人、
そんな気がします。使う言葉・使う表現、書き手が何をイメージしているのか、
特に私のような偏りがある・言い回しが独特な・解釈にクセがある、そんなタイプに有効。
読み手に求めるものではありませんけどね(笑)


「 GAKO  ~ スレンダーがアリな理由 ~」

プラト系はただですらニーズが少ないし、さらに思想もなければライトな作品なんて、
存在としては地味ですよね。書いた本人にしても素通りしがちな存在です。
沢山の作品を書いて来ましたが、その生まれ方・育ち方には色々なケースがあります。
ずっと抱えていたものを形にするケース、何かの強い衝撃で書かされるケース、
そしてその場の思い付きのまま書いてしまうケース等々、だからバラエティ感が出ます。
卑猥でその肉々しさが伝わって来るもの、そして優しく爽やかな風が吹くようなもの。
ここの書き手は欲張りなので、訪問者様を後回しに、色々と扱いたくなりまして・・・
そして自由に泳がして頂くことで、行った先で新鮮な景色を見、何か発見し、
時にはそれをハードなレイプシーンにもエッセンスとして流用される事もあります。
この作品?  あまり読んでも意味がないタイプの作品ですかね(笑)


「看護師さんを好きになること」

ナースさん、このサイトはグラRが根幹となっておりますので、本来ならとても重宝、
沢山登場してもいいはずの存在ですが、過去に登場したのが不思議や不思議、
ここと“JOY”という、それもそれもなんと、レイプものでない作品のみだと。
女性の教師には沢山登場して頂いてますが、ナースさんを本当にお呼びしてないんですよ。
官能小説では大御所的な扱いだと思うんですけどねぇ・・・  なんでだろ?!(笑)
あれだけ増えた教師モノでもプラト系の作品を一本も書いてないのに、看護師さん、
たった2回の登場の中でかたやレズ、かたやプラトって、無駄遣いし過ぎでしょ?!(笑)
看護師さん、エッチはエッチなんだと思うんですけど、先生や婦警さんみたいな、
なんて言うのか“高慢さ”?、すみません、失礼か、でも、そんな感じがないでしょ?“
レイプ作品とのマッチングが個人的にどうも・・・  そのくせ聖女は犯してるけど(笑)
偶にはミルクキャラメルでもいかがですか?  たった一粒だけ。


「 トウコ35 」

もちろん個人差はありますが、フルーツに食べ頃があるように、女性にも旬があります。
それは肉体的な魅力はもちろんですが、女性としての振る舞いや、まぁオーラなんかも。
挑戦的だがまだ青い肉体依存の10代20代。テクニック・人間力重視の40代以降。
そんな中、肉体・環境共に食べ頃な季節と言えるのが30代なのでしょう。
素敵な30代女性が手に届くところに現れたのなら、そこに躊躇いはいりません!(笑)
今回はこのサイトでは珍しい30代の独身女性(バツイチですが)という設定で、
相変わらずグラマーR系作品の真逆というストーリー展開が変わる事はありませんが、
過去のプラト系作品等よりは少しエッチ?(笑)  そうでもない??
世代にしても若い女性か圧倒的熟女かの双璧になりがちですが、30代、魅力的です。
ただ書く方としては難しい部分もありますね。作品的にはスイートの王道です。
濃い味・強い個性が好まれがちですが、バランスの自然なものの魅力は普遍的ですね。





(プラトニックストーリー 恋愛もの 官能エロス ラブストーリー 憧れ)



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「 GAKO  ~ スレンダーがアリな理由 ~」





就職して最初の夏だったと思う。
専門学校を卒業するも狙っていた分野への就職は叶わず、
最後にはアルバイトでも決める様に選んだ就職先だった。
まだ二十歳になったばかりの俺は青く、何も見えていなかったその頃の記憶。
そんな俺の中で、少しだけ離れた場所にしまった“GAKO”の事・・・


デザイン系の専門学校に進みながらも、就職した先はインテリア関係。
当初は落胆したが、そこには自分を必要としてくれる仲間、そして仕事があった。
兄貴と呼ぶには少し離れた上司、そして3つ年上の先輩。
俺は特にその二人に面倒を見てもらっていた。仕事の後、そして休日も。
仕事の事はもちろん、クルマの事や釣りの事、そして女遊びまで教わる事になる。
夏を迎える頃には仕事にも慣れていたし、人間関係も、むしろ学生時代よりも濃厚。
面倒見が良い二人のアニキを同時に持ったようだった。

お盆休み、3人で海に行った。
一番上のアニキ(上司)が彼女と別れたばかりだったし、
二番目のアニキ(先輩)は付き合いかけの彼女がいるも、そこはお構いなし。
願わくば“現地調達”も目論んでの海水浴でもあった。
どんよりして気温が低かったせいか、人の出が悪く期待していなかったが、
やり手の先輩が数百メートル砂浜を縦断して3人組を調達して来た。
上司の為と言いながら彼女持ちである自分の為と言うところがいささか問題だが、
上司も俺も、その行動力とやる気には脱帽としか言い様がない。
それも“厳しい環境”なわりに、それがなかなかどうして、期待以上がそこに来た。
しかし“3人組”、こちらもそうだが、3人と言うのは難しい。
3人とも良い男とか、3人とも良い女とか言うケースは少ないもの。

茶髪がかっていて少しケバイ系の、ピンクビキニの目鼻立ちクッキリ美人は予想通り、
まぁ少し強面で良い男系の上司の横に座った。
ライトブラウンのショートヘアーで、気配り美人の良い女系の青ビキニの彼女、
期待虚しく、でも、今回の功労者である先輩の横に。
そして・・・

先の二人も別路線な感じだけど、それよりさらに別のところにいる彼女が俺の所に。
まず、彼女だけビキニじゃない。胸元までカットが入っているものの、
少し地味で流行りに関係無さそうなワンピース水着。それも上を羽織っている。
しかも・・・
ピンクビキニの彼女はくびれていながら、胸の膨らみが目を引き寄せる。超俺好み。
そのままグラビアから出て来そうなスタイルの人。
そして青ビキニの彼女も痩せ型ではあるんだけど、まぁカップはCぐらいありそう。
ところが俺の隣に座ってくれた彼女なんだけど、谷間に高さを感じられない。
水着に元々入っているであろうパッドの高さだけな感じで・・・
ずっと巨乳好きで来た俺にとって、上司と先輩が羨ましくて羨ましくて。

ピンクビキニの子は性格もイケイケ系っていうか、少しヤンキー入ってる感じ?
青ビキニの子は頭も良さそうだし、何でも出来るタイプ。
そして俺の隣、彼女はいつも受け身な感じで、元気な二人から、
「“ガコ”は奥手だからねぇ・・・」と何回も言われてた。
そんな風に言われても、その子は黙って静かに笑ってる感じで、
完全に男なれした二人とは別世界の人間に見える。
人が良さそうで、まったく飾り気がなくて、いつも聞き役で・・・
あんな二人と一緒にいるのは少し可哀想な感じだった。

3人とも俺の二つ上。高校の同級生との事。
ピンクビキニはショップ店員と想像通り、そして青ビキニは保険会社。
そして俺の隣の彼女は看護師さんだそう。取り合わせも面白い。
ピンクは派手な美人、青は控えめな美人、そして・・・
う~ん・・・
一般的に美人とは言われない。そう思う。
それに彼女たちと一緒にいるのが皮肉にも思えるけど、胸がない事も致命的。
普通の位置関係ならせめて、“それでも胸だけは勝っている”
そんな状況でも良いと思うんだけど。それもない。
二人の胸元を見てしまうと、なんか痛々しくなるほど平らな胸元。


上司は初めて会ったとは思えない様な自然な感じで、ピンクとはすぐに意気投合。
二人を見てると普通にカップルに見える。
先輩はノリが良いし青ビキニは話題に事欠かない、ここも盛り上がっていた。
俺の隣に座った彼女は友達二人を見守る様に微笑んでいて、時々こちらを向き、
「ごめんね。私が隣になっちゃって・・・」
そんな言い回しも含めて、年下の俺から見ても恋愛も不器用そうだし、
男性を前にした女性としては“ぶっきらぼう”に感じられるほど飾れない彼女。
自信たっぷりのピンク、そしてそれに負けない実力がありそうな青、
隣にいる彼女だけが自分に自信がない、それが前面に噴出していた。
付き添い・引き立て役、彼女はそんな嫌な役を一人で全て受けている感じがする。
上司とピンクが泳ぎに行っても、先輩と青が海の家に買い物に行っても、
俺たちだけはパラソルの下に座ったままだった。
「私の事は気にしないで。ごめんね・・・」
その日のうちに何度それを聞いただろう。
今までに何度それを聞いただろう。


上司はピンクと関係したようだが、特に恋人みたいな関係になる事はなく離れた。
先輩は青と良い関係になったのだが、それが彼女にバレて強制終了。
実は俺たちだけが今も付き合っている。
少し変わった漢字を書く事もあって、みんなから“ガコ”と呼ばれているのが俺の彼女。
ぶっきらぼうで地味で、そしてお姉さんの様に俺を心配してくれるガコ。

俺たちは海の後、すぐに付き合ったわけじゃなかった。
上司が瞬間沸騰で終わり、続くかもと思った先輩もやがて呆気ない終わり方。
俺たちはそんな二つの行方、その遥か外にいた気がする。
強制終了で終わった先輩が青ビキニから借りたままになったDVDを、
何故か俺がガコに渡す事になった・・・  まぁ、それがきっかけ。
予定の変更があって電話連絡し、再度あう日時を決める電話の時に長電話になり、
DVDを渡して俺たちの夏が終わるように思えたが、
酒が入って寂しかった俺は、携帯の履歴をスクロールしていて不意に電話してしまった。
何回か話をしている中で、あんな位置に置かれながらもいつも友達を心配して、
そして俺たちに気遣って・・・
年上でしっかり者ながら、なんか俺にはガコが可愛い女に見えてきた。
潮目が変わったのが分かった。
それまでの自分とは違って来て、素朴で飾らない彼女の性格、そして顔が可愛いと。
本当に飾る事を知らないと言うか、髪も化粧も最低限しかしていない。
20代半ば、それもあんなに良い女系の友達と一緒にいるのが不自然なほど質素だ。

DVD返却後の無駄電話で取り付けたデート。と言ってもガコはそんなつもりじゃない。
「どうしたの? 彼女たちと連絡とりたいの??」
まったく自覚が無いと言うか、きっと今までの経験のせいなんだろうけど・・・
そんなぎこちないデートの帰り道、地下から地上に上がる人気のない階段に来た時、
俺は少し強引にガコにキスした。
ガコは身を固めて小さくなった。抱きしめるとさらに小さくなった。
「えっ、冗談だよね? 悪戯?! 私なら遊べるって思ってるの・・・    」
俺はガコの問い掛けの途中で再びキスをした。さっきより一層激しく深く。
「 ・・・ 」
ガコは動かない。顔を下げて髪に覆われてしまって表情も見えない。
ただ無言のまま下を向いていた。
静かな時間が長く感じられた。そして、
「いいよ。遊びでもいい。私、正直に言うね。あなたの事が好き・・・」
自分から告白したつもりだったのに、彼女がそんな言葉をくれた。
年上の女性を可愛く感じた事など初めてだった。
彼女は秋を感じるようになった季節の中、俺のボロいアパートに来る様になり、
“手作り=母親”と思っていた料理を、俺の為に作ってくれた。

掃除・洗濯、そして性格同様に飾らない手料理。
20代半ばの女性にして不器用過ぎるそのセックス。本当に経験が少ないのだと思う。
その場その場で俺に気遣って、“どうしたらいいの?”と俺に聞いてくる。
年上の彼女に対し、“可愛くてキスしたくなる”そんなセックスを繰り返した。
まだ経験不足の俺が教える側になるなんて・・・


いつしか好みが変わっていた気がする。
今も変わらずに大きな胸の女性が好きだけど、ガコを知って小さい胸もありに思えた。
いや、ガコだからそれが良いのかもしれないし、ガコにそれが似合っている。
日中の明るい時間、窓際にあるベッドで交わった事があった。
日中の明るさの中、それでも室内の遮光も手伝ってガコの体の輪郭が浮き出る。
痩せて胸のないガコは、細く長いラインをベッドの上に描く。凹凸の無い。
でも、少し黒光りしたその体は繊細にして美しく、唇で触れたくなる。
そして下腹部から包み込む様に両てのひらをすり上げて行くと、
いつしかそれまでの感触と違った、微妙な弾力がそこに現れる。
そこを見る事なく、俺はその部分で指を折る。両手の中に乳房を包み込む瞬間だ。

高さ無く、存在のアピールなどないのに、それなのに優しいそれがそこにある。
俺は遅れて上に上がって行き、片方ずつ乳房を口に含み、
そして一番大切な彼女の愛を感じられる口元にお礼のキスを送る。
彼女は静かに俺の顔を見ている。俺も彼女を見ている。
そして俺の背中に手を回し、俺を強く抱きしめてくれる。

“胸がない女が好きだ!”とは言わない。
でも、胸が無い事がこんなにも美しく、そして最高の感触がそこにある事を教えてくれた。
こんな事で気付かされた・・・
彼女の性格そのものがそれだ。
何かを押し付けて来る様な際立った個性などそこに持たない。
でも、こちらが求めてしまう、こちらに求めさせるそれを彼女は持っている。
こちらが全身で愛したくなる。
大きい胸は揉ませようとするが、ガコの胸は自分の全てで受け止めたくさせるもの。
小さい乳首を含め、全てで愛さなくてはいけない気にさせるもの。
“恋は下心”と言うが、乳房目的ではそこだけになってしまう。
そんなものでない、“人間すべて”を愛したくさせる不思議な魔法だ。


まだまだ若いし、俺は社会人として始まったばかり。
仕事も、人としても未熟だ。
でも、ガコが隣にいてくれる空間はなんと幸せなんだろう・・・
“結婚”なんて口にするのは早過ぎる年齢だけど、ガコの近くにいたい。
ガコが隣に寝ている時間が最高に好きだ。

スレンダーガール・GAKO。
何も知らなかった俺を導いてくれたガコ。幸せは意外にも知らない場所にある。
そんな事を教えてくれた年上の恋人。そんな夏の記憶・・・




最後までお読み頂きありがとうございます!
この記事をお楽しみ頂けた方へのおすすめ作品は・・・


「夏の女神は突然に」
高校生の夏休みに仲良し3人組で過ごした海辺の民宿での3週間の生活。
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「困り顔の天使」
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(恋愛 悩殺水着 年上彼女 お姉さん ナンパ)


テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
ジャンル : アダルト

tag : 純愛系細身微乳ビキニ貧乳地味女海水浴

「夏の女神は突然に」





僕らの十代の夏、スコールのように駆け抜けて行った想い出・・・



社会人デビューした僕らにも、やっとネクタイが似合う様になってきた。
今でも両親は僕の事を一人前には思っていないけど。
会社帰りに久しぶりに一緒に飲んだテツとジュン。

テツ。正式名称は川原哲也。のんびりしてて悪事が嫌いで・・・
良い奴。今はアパレル系の会社で仕入れの仕事をしている。
ジュン。正式名称は橋本淳也。要領が良いかな。
少し悪戯好きで、今は居酒屋の店長をしている。
そして自分(ヒロ)。正式名称は・・・ 浩哉。少し優柔不断で意志が弱いタイプかも。
業務用冷蔵庫の営業職で日々苦戦している普通の男。だと思う。
僕らは偶然にもって言うか、全員名前の最後に“ヤ”が付く3人組。
まぁ元々、それがきっかけで仲良くなったんだけど。
テツとは中学が一緒だったけど同じクラスになった事がなくて、
結局はジュンも合流してからの高校時代の友達。親友ってことで。

高校時代の僕たちは本当に毎日一緒にいて、休日まで一緒に過ごしてた。
そんな僕たちは二年生の夏休みの3週間、
テツの祖父母が経営する海辺の民宿にお世話になった。
さすがに忙しい夏の民宿にただお世話になる訳には行かないので、
一応、“お手伝いをしに”という大義名分を使っていたけど・・・
お手伝いなんて、本当に最低限の事しかしてなかった。
僕たちは沢山遊ばせてもらった。
特に、最初は勇気がなくて地元の子供たちを横目に見て怖がっていた“度胸試し”
要は、高い岩場から海の中に飛び込む遊び、それに夢中になった。
帰る頃には地元の子供たちに負けないぐらいになっていたし。
また、沢山の岩場や海で遊びまくった。
僕たちは年齢にして幼いと言うか素直と言うか・・・
地元の子供たちと遊んでいて全く違和感を感じないし、ほとんど小学生なみだ。
マセた中学生なんかを見ると、僕たちより大人に感じるぐらいだった。
それでも毎日が楽しくて楽しくて仕方なかった日々は今でも宝物。

久しぶりに集まった僕たちは・・・
いや、しょっちゅう会ってるか。
まぁ、毎日会う事が当たり前だったあの時期からすれば、という事で。
相変わらずあの夏の話をしている。
本当に目を輝かせて毎日を送っていた日々だった。
そして必ず最後には出る話で、だけどその話が出ると静かになる話がある。
テツは別にして、僕とジュンは。
僕は甘酸っぱい想い出と思っているところがあって、
ジュンはほろ苦い想い出と思っているようだ。
現実にはお互いがその詳細を知らないのだが・・・
その話を持ち出すのはいつも他人事で興味本位のテツだ。

“お前たちさぁ・・・”
必ずその言葉で始まる。いつも同じ口調、そして同じタイミング。
テツは良い奴だけど、その話をする時だけは悪い奴の顔に見える。


3週間。最初の1週間はあっと言う間に過ぎたし、
毎日出会う人・場所・物、何もかも新鮮で興味だけで生きている感じだった。
でも、その一週間が終わると少しテンションが下がったのはみんな感じていた。
そんな時だったんだ、女神が現れたのは・・・
“女神”
僕たちがそう呼んでいる女の子の事。
偶然にも学年は一緒で、近くの別荘に来ていた女の子だった。
彼女の正式名称はマリア。
でも、誰もどんな字を書くのか知らない。音だけの“マリア”
名前通りなのか、顔は完全な外人顔で、それも西洋人。
髪は金髪ではないけど、ブラウンって言うのかなぁ・・・
あの頃の幼い僕らにとって“異人さん”に見えている訳だし、
彼女の口からは僕たちよりも正確で綺麗な日本語が出ているのに、
最初は不思議で不思議で仕方なかった。
でも、良くも悪くも僕らは素直で、一週間あればすぐに打ち解けていた。

あの年頃の女性だからなのか、それとも文化的影響なのか、
僕らにとって彼女は途方もなく大人に見えていた。
高校生になっても彼女どころか外で遊ぶことさえ楽しんでいた僕ら。
その前に突然現れた彼女は眩しくて。
特別な色の長い髪が綺麗だなぁと思った。
近くで見れば見るほど見た事のないような整ったパーツで出来た綺麗な顔。
話す事の一つ一つが正確で分かり易くて、でも難しくて。
僕たちの後半2週間はその女神を交えた4人での楽しい時間に明け暮れた。
彼女も少しずつ変わって行った。
僕らに影響を受けたなんて思わないけど、なんか子供っぽい笑顔が増えて。
人って沢山笑うと性格も変わるかもしれない。そう思った。

たった一人でいる事の多かったマリアに理由を聞いた事がある。
そのマリアと言う名前の由来同様、彼女は自分の事を話したがらない。
沢山の僕たちが知らない事を知っているけど、そこに自分の事は挿まない。
確か兄弟はいないと言っていた。両親は忙しいとも。
学校での事を聞いても何も返事が返って来た覚えがない。
今になって思えば・・・
生まれや育ち、肌の色や顔かたち、あの年代の高校生は微妙な時期だったはず。
僕たちみたいないつまでも分かり易い人間がむしろ少数だったのかもしれない。
マリアはイジメられていたのかもしれない。孤立していたのかもしれない。
同じ年にして子供のような僕たちでさえ、一緒にいる事が楽しそうだったから。
人が羨むであろうあんなに綺麗な顔をしていても・・・


「おい、もう教えろよ! 時効にしてやるからさぁ。何があったんだよ。言ってみぃ?」
テツは半笑いでジュンと僕に聞いてくる。
そんな時だけテツが僕たちより優位に立った言い方で・・・
僕とジュンは必ず目を合わせてしまう。それも毎度同じタイミングかもしれない。
そして必ずジュンが先に言葉を出す。
「何もないよ。無かったの! 残念だけど。時間がもう少しあればねぇ・・・」
そのセリフすらいつも同じだと思う。
まぁ、僕もジュンの事は言えず、いつも同じ言い方をしている気がする。
「何も無かったよ。マリアは3人の友達だって、彼女自身が言ってたろ!」
いつもそんな誤魔化すような物言いしか出来ない。

言うまでもないけど、間違いなく3人ともマリアの事が好きだった。
幼過ぎる高校生ではあったけど、僕らも異性をちゃんと気にする年頃だ。
ただ正直、何も具体的な事なんて知らなかったしやっぱり中学生レベルだったかな。
好きな女の子がいたとして、それをどうすれば良いのか。
女神(マリア)が現れるまではそんな事なんて現実味がなかったし・・・
突然現れたその女神は僕らには住む世界が違うそのままだった。
だからきっと、マリアは僕たちに飾らない笑顔を見せてくれたんだと思う。

なんて綺麗事。
テツに言われても何も言えてない僕とジュンは・・・


3週間のうち、2日間だけテツが体調が悪くなり寝込んだ事があった。
もう週の終わりには帰ると言う時期が迫って来ていて・・・
僕らはテツを部屋に残したまま、マリアと遊びに行った。いつも通り。
仲良くなって来て一緒に入江で水遊びもする様になって、
マリアは水着を着る様になった。そして見せる様になった。
彼女には特別でない、でも僕たちには特別過ぎた真っ赤なビキニ。
下は短パンのような水着だったんだけど、その胸元が眩しくて。
マリアは痩せていたし、今から思えばきっと胸が大きかったわけじゃないと思うんだけど、
その頃の僕らは同じ年の女の子の、それも大人っぽい真っ赤なビキニ。
そして谷間のある胸元になんて免疫力がないし、僕らの表情は明らかに変わっていた。
マリアは人一倍相手を見ている。きっと見抜いている。
今までの楽しかった純粋な楽しい日々は、自分が迷っているそれと同様、
純粋な目から一瞬でも大人の男と同じいやらしさを感じてしまったのだろう・・・
彼女は同じように笑っていてくれた。
だけど、別れが近づいたある日にみせたあの悲しげな一瞬の表情は今も忘れない。

彼女はテツのいないその日、僕たちを一人ずつ岩場の陰に呼んだ。
先に水に入ったのはジュンだった。
マリアは僕に、“声を掛けるまで暫く待ってて”とそう言った。
一人になってしまった僕は、何だかおどおどして不安になるし・・・
何よりすぐ近くにいるはずの二人から何の声も聞こえないのだから。
物凄く長い時間を感じた。
「ヒロ! いいよっ、こっちに来て!!」
僕と入れ替わりに出て行ったジュンの表情は初めて見るものだった。
マリアは水の中にいた。僕を微笑んで待ってる。
年上の女性の様に優しく、でも、やっぱりその真っ赤なビキニは大人っぽくて。

「一週間ぐらい? 一緒に遊んでくれてありがとう。みんなと遊べて楽しかった・・・
ずっと笑ってなかったの私。まぁ、色々とあってね。
でもスッキリした。きっとここでの夏休みを忘れる事はないと思うよ。
・・・
何か照れるなぁ。色々してもらって何も出来ないけど・・・ 」
マリアはそう言ってそっと僕に抱き付きキスをして、
自分の背中に手を回してビキニの紐を弛めた。そして・・・
静かに僕の手をとって、それを自分の胸に近づけた。
僕はなんて馬鹿だったのだろう。そしてきっと彼女を傷つけてしまった。
緊張し過ぎて怖くなってしまった僕は、彼女の手を払いのけてしまったのだ。
“だっ、だめだよ・・・”
きっとそう言った気がするけど、正確には憶えていない。思い出せない。
どんなに彼女を傷つけただろう。その重さも意味も当時の僕には分からなかった。
まだ高校生の彼女がひと夏、それも1週間程度一緒に過ごした友達の為、
きっと彼女は勇気を出して僕たちへのお礼を必死にしようとした・・・
それなのに僕は、自分の怖さだけに潰されて彼女の気持ちに寄り添えなかった。
彼女だってきっととても怖かったはずだ。
必死に勇気を絞り出してやった友情への御返しのつもりのキスと・・・
それに対してあんな事をしてしまった自分の行為が、後になればなるほど、
年齢を重ねれば重ねるほどに痛みを増やしていた。

後半の彼女。特に水着を見せてからの彼女を見る僕たちの視線に、
彼女は何かを思い、何かを心に決め、そしてあの行動に出たのだと思う。
あの時は大人を感じた彼女のキスも、今になって思えば彼女自身も震えていた気がする。
それに、あんなに大人を求めて見ていた胸元も、
ほんの一瞬だけ目にしたその胸は心細くまだまだ幼くも見えた。
僕たちは勝手に彼女を大人と決めつけ、彼女に大人を求めてしまった。
大人の雑誌に載っている様なビキニ女性のそれと一緒にしてしまい、
彼女に身の丈以上の物を求めてしまっていたんだ。
ジュンが何をし、どんな振る舞いをしたのか、そしてどう感じたのか・・・
それは僕に分からない。お互いに細かい事は話せないままなのだから。
でも、あの時期に毎日一緒にいた僕たちだから分かり合う事もある。



今日もテツはマイペースで飲んでる。
そしてテツは僕とジュンが良い思いをしたのではと思い込んでいる。
同時に、女神に対して悪さをしたのではとも疑っている。
でも、テツは良かったんだ、あそこにいなくて。
こんなにほろ苦い部分を持たないまま、美しい女神だけを記憶に残しているんだから。

テツが復帰したその海には、もうマリアは来なかった。二度と。
最後にマリアと時を過ごしたのは僕たち二人だ、確かに。
でも、テツが寝込む前までのマリアのその笑顔と、あの日のマリアの顔は違っていた。
あの日のマリアは美しくも冷たい海を感じさせた。
テツが思い出すマリアは、ずっと暖かい海の様なマリアの笑顔なのだからそれの方がいい。
不安で悲しくも見えたあの美しい女性の顔はテツには見せたくない。
自分に付いたマリアという名前に翻弄されていたのかもしれない・・・
本人には直接言った事はないが、僕たちも“女神”と彼女につけてしまっていた。
周りが彼女に多く求める中、彼女はどこに自分を見い出せていたのだろう。
僕たちの前に突然に現れた女神は突然に去って行った。
沢山もらったのに・・・

きっとマリアは自分の女神を見つけている。そうであって欲しい。
“女神”と過ごした夏は永遠に3人の中に。





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(プラトニック 女友達 水着 想い出 旅行)



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「看護師さんを好きになること」





「でもまぁ退院出来て良かったよ。一時は本当にどうなるかと思ったぞ!」(父)
「お母さんもさすがに今回は心配した。優斗が帰れた事が本当に嬉しい!」(母)
まだ完全に体調が戻ったわけじゃないし、傷跡は痛々しいまま。
でも父と母が言う通り、周りにとても心配させた事は確かだね。
少しずつ体調が回復して退院し、こうして自分の家に戻って来ることも出来た。
大変な思いをして、とても辛かったはずなのに・・・
でもボクは・・・  この言葉にならない寂しさって・・・


高校受験を直前に控えたクリスマス前、ボクはひどい体調不良が続き病院に行った。
子供の頃から病気がちで、その時もかかりつけのお医者さんに行ったんだけど、
“うちでは検査できない”と言われて紹介状を書いてもらい、大学病院に送られた。
1週間にわたって検査の毎日を送り、そして年末を目前にして入院になってしまって。
受験の事もあるし、体調不良の上に検査続きのクリスマス、そして年末なのに・・・
年末年始は大学病院も余計な仕事はしないみたいだったけど、“緊急性”があるようで、
ボクは年末、それも30日に手術が決まった。
消化器系の病気なんだけど、ボクの年齢では比較的珍しい病気の様で、
検査も、その結果を見る先生もすごく慎重なのが分かった。
色々な先生が入れ替わり立ち代わりボクの検査結果を見て難しい顔をして・・・
本人的にはすごく痛いとかじゃなかったから切迫感がなかったんだけど、
先生たちはみな“緊急性がある”と言うから、両親も本当に心配してたみたい。
当初は手術前入院を含めて3週間ぐらいで退院できる予定だったのに、
手術時間は8時間を超え、術後経過も悪く、結局は2ヶ月に近く入院してしまった。

ボクの入院した病棟(5F)は消化器疾患の患者さんばかりだったんだけど、
まわりはみんなおじさんやおじいさんばかり。違う病室もおばさんとおばあさん。
患者さんも病院の人も、中学生男子がここにパジャマを着ているのが珍しそうだった。
ちょっと迷惑なほど声を掛けられて、元々あまり会話が得意じゃないボクには辛い。
何より手術直後は本当に辛くて、余計な人から声を掛けられるとイライラしてた。
そんな時・・・  思い出してしまって。
美咲さんの事、そして愛衣さんの事も。そうだ、未来ちゃんの事もだ。
今日もあの時の様に白衣を着て病室を回ってるのかなぁ・・・って。

美咲さん。今でこそ・・・  最初は・・・
なんか・・・  特別な人になってしまった。ボクみたいな男は弟にも思われないな。
愛衣さんは一番話せた気がするし、色々と気を紛らせてくれて。面倒見のいいお姉ちゃん。
未来ちゃんは・・・  もちろんボクより年上だけど、危なっかしくて・・・
本当に点滴の交換で痛い思いしたし、何回も怖い思いした(笑)
でも、ボクよりお姉ちゃんなんだけど、なんか可愛い感じだった。
誰だっけ、アイドルに似てて美人なんだけど、必死過ぎておかしかった。
美咲さんは20代後半みたいで、綺麗な人だなぁって感じ。
でも、冷たいって言うか少し怖くて・・・
それが変わって行って、最後には特別な人になってた気がする。
わかんないよぉ。ボクが知らないうちにボクの事を知ってて、辛い時にはいてくれて・・・
愛衣さんや未来ちゃんみたいな優しい言葉や笑顔なんてないのに、
美咲さんに触れられるとなぜか落ち着いて楽になる。安心できるんだ。
そんな事に気が付いたの、もう退院する間際で。自分が情けなくて。
愛衣さんは真っ黒な髪と大きめのメガネがトレードマークの・・・
なんか、アニメオタクの女の子とか、メイドさんとかにいそうな人。
でもいつもニコニコしてて明るくって、他の患者さんにもとても人気があった。
可愛いのかは微妙だな。でも、あんなお姉さんがいたら楽しいかもって思う。
時々頼んだ事忘れてるし、平気で“えぇ~ 面倒くさいなぁ~”って言ったり(笑)
美咲さんとは真逆で、楽天的って言うか合理的って言うか。でも楽しい人。
未来ちゃん。研修中の看護師さんで、なんかまだ高校生みたいだった。
でも必死で、いつでも一生懸命やってくれるんだけど、少し不器用なのかも。
美咲さんを尊敬してるみたいだった。

本当に心配をかけた両親には申し訳ないけど、今、ボクはこの3人の事で頭がいっぱい。
だって、クリスマスは特に予定がなかったけど、受験の事、年末年始も台無し、
そして手術後もなかなか良くならなくて辛かった。
そんなボクの病院生活を少しだけ、ううん、とっても色づけてくれたのは3人。
病院の生活は平坦で長くて、ストレスだけが溜まって行って・・・
でも、朝一の検温とか回診の時とか、食事の前後とか・・・ 就寝前後とか、
消灯後の巡回や点滴交換や血圧測定、3人がいるだけでプラスの気持ちにしてくれる。
最初は美咲さんの事、少し怖かった。応対が冷たい人だなぁと思った。
でも、ボクが子供だったんだよね。ちゃんと見てくれてて、必要な事をちゃんとネ。
好き嫌いが多いボクに、美咲さんは少し怖い顔してた。
でも、後で分かった。先生から点滴が長引いてる理由を母さんが説明されてたから。
まわりのおじさんたちに丁寧な言葉なのに、“なんでボクだけ?”とか思ってた。
でも、もっと近い距離で、弟の様に見てくれてたんだね。
綺麗な人は笑ってないだけで冷たく見えたりして・・・
美咲さんは仕事が完璧だし、患者さんや他の看護師さんとふざけたりしないし、
だから、とても遠く感じたんだ。

愛衣さんは入院直後から何でも話せて、人見知りのボクでもすぐに打ち解ける事ができた。
師長さんが来ると逃げて行くのが面白かった。愛衣さんはキャラがいい。
ボクが冗談で悪口言うと、“点滴、速くするからね!”って言ってきて・・・(笑)
帰って行く歩き方や後姿で笑わせてくれたね。ピンクのボールペンが可愛い。
髪を束ねるゴムとかクリップとか、いちいちキャラ物なんだよねぇ。
未来ちゃんは頑張ってるかなぁ・・・  辛い思いしてるのかなぁ・・・
お姉さんなのに、“あんな妹が欲しいなぁ”と思わせるような人だった。
まだ年が近いような感じがして、直接触れられるのが少し恥ずかしかった。
パジャマの交換で点滴を通す時に、すごく顔が近づいた事があって、
可愛い人だとは思ってたけど、あんなに近くで見ちゃうと照れくさくて・・・
肌とか仕草とかも、言葉もかなぁ、まだ高校生の女の子みたいだから。
患者の方が心配になってたよ。中学生のボクに心配させて。
でも、きっといつか、美咲さんみたいな看護師さんになるのかなぁ・・・
それとも愛衣さん?(笑)
3人とも好きだよ、ボクは。

もう退院が近くなった頃、ボクが眠れずにラウンジに座っていると、
美咲さんが巡回からナースステーションに戻って来たところで・・・
人の噂で美咲さんが春に病院を退職するって聞いた後だった。
そして・・・
少しずつボクの中で誤解が解けて、ううん、違う、
ボクがやっと美咲さんを少しずつでも理解出来るようになって来た所だったので、
あの深夜のラウンジで、ボクは複雑な目で美咲さんを見ていたのだと思う。
だから?  美咲さん、いつもと違ってた。
廊下からこっちに向かって来てボクを見つけ、まだ距離があるのに、
「どうしたの? 眠れないの?!」、微笑んで言ってくれた。
本当にドキッとしたんだ。
きっと美咲さんの笑顔を一回も見ていないわけはないはずだけど、
あれより前の美咲さんの笑顔を知らない。どうしても思い出せない。
いつもの冷たい手際よさみたいなのじゃなくて、なんか熱のある感じで来たんだ。
そして隣に座ってくれた。
「少し偏食直ったね。痛み、楽になった?  男の子なんだからしっかりして!」
笑顔だった。
色々な理屈や記憶も消えて、あの瞬間だけで美咲さんの大ファンになった。

何回あったかなぁ、あれから。
片方が解ければもう片方も同じ。夜中に二人だけで話せた美咲さんは表情をくれた。
「今日は疲れたよぉ~!!」と、勢いよくボクの横に倒れ込んだり、
「お腹空いたぁ~」 「眠いよぉ~」 ・・・
それまで、そして昼間に見せてくれない表情を溢れる様に見せてくれた。
ボクの存在は水や空気のようなものなのかなぁ・・・
相手が誰かなんて関係なくて、ただ吐息を大きく気にせずに吐いただけなのかなぁ・・・
今までの完璧な看護師さんだった美咲さんの、きっと“普通の”人間味なのに。
何か似たような想いがあった様な気がして引っ掛かっていた。
でも、すぐに思い出した。
小学3年生の時の担任の先生が大好きで、その先生も・・・
うん、綺麗で完璧主義者だった気がする。
そんな先生が運動会の片付けの後に、椅子に倒れ込んで“疲れたぁ~”と笑った。
普段冷たい感じに受け取っていた先生がボクの横で笑顔を見せて・・・
そうだ、あの先生もあのあと産休で職場から離れたんだ。


もう退院間際の夜だった。
深夜の病室の巡回でも、人によっては血圧や体温もはかる。
でもボクは、もう既にその必要が無くなっていた。
美咲さんも当直メンバーだったが、その日のボクの部屋は別の担当で、
その人の巡回が終わった。深夜に眠れない癖がついていたので、
もう病室に懐中電灯が入って来るところでわかる。
さっきラウンジには行ってしまったし、美咲さんには会えなかった。
我慢して病室のカーテンに時々あたるクルマのライトを見ていた。
入院中の苦しみは、痛みの次に眠れない事。贅沢な事だけど・・・
しばらくして、また懐中電灯の光が入って来た。
体調の悪い人がいればこまめにチェックに来るし、ナースコールもある。
でも、みんな安定しているし、コールを押すような物音もしていない。
何だろう? 
不思議に思っていると、ライトは窓側のボクの方にやって来た。
カーテンが開いた。
小声で、「血圧はかるね。あと体温も」、体温計も渡された。
指先の酸素チェックのクリップまで・・・
美咲さんだ!
“なんでですか?”と言いかけた時、「しっ!」と小声で口に人差し指をあてた。
普通に血圧を測り、体温計を受け取る。
クリップを見ながら、「問題ないね(酸素量)」と静かに言った。

少しの沈黙の後、ボクは異変に気が付いた。
美咲さんはボクの手を握っている。普通に握手するように・・・
そしてさらに数秒そのままの時間が続き、さらに包むようにもう一つの手をあてた。
ボクは何も声を出さなかった(出せなかった)が、美咲さんも言葉ないまま。
静かにボクを見つめいている様に見える。微笑んでいる。
でもその微笑みはラウンジでの微笑みとは違う、後に涙になりそうなと言うか・・・
長く感じた。
そして美咲さんは静かに頷いた様に見えた。そのまま静かに部屋を出て。

それが美咲さんとの最後の記憶。
シフトだったのか、それとも有給休暇とか・・・
退院までの二日半会わないまま、ボクは家に戻った。
本当は愛衣さん・未来ちゃんに聞きたかった。聞けたはず。
でも、勇気がなくて・・・
美咲さんの事を好きになってて、大好きになって憧れて。
正直、ボクにはあの夜の意味が分からない。もっと大人になればわかるだろうか・・・
“入院なんて二度としたくない!”って言わなきゃいけないんだけど、
でも、言えないんだ。
愛衣さんが環境を作ってくれて、未来ちゃんは一生懸命さを見せてくれて、
それで・・・

おそらく一生消えないと思う。
だって、あのままじゃ綺麗過ぎるよ記憶が。美咲さんずるい。
まだ人の事も女性の事も何も分からないボクを相手にずるいよ。
何だったのあれは? どんな意味なの?!




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「想い出に恋をして」





想い出は自分の子供の頃の、そう、少年だった頃の話で・・・


公園で友だちと遊んでいる時だと思う。
自分が高いところにいて、公園の外の通りを眺めていたのかもしれない。
左の方から彼女は歩いて来た。
目が合って、きっと少しだけ睨む様な不思議な表情で俺を見てた。
俺も気になっていた。そんな事を彼女に言った事はないと思うけど。

まだ6年生だった俺。そして2学年下だから、君は4年生か・・・
今でもその風景だけが鮮明に残っている。
落ち着いてるんだよねぇ・・・
俺よりも二つ下のくせに、基本おっとりしている性格だと思うんだけど、
でも、何か言ってもからかっても、君は呆れ顔で“はいはい!”な感じで。
悪戯もしたかもしれないけど、いつも半怒りの表情の様でいて心地いい。
不思議な子だった。

たまに擦れ違う様に会うだけの関係なのに、名前をフルネームで知っていた。
まだ6年生の俺が、正確な漢字で覚えている人間なんてそうはいないのに・・・
少し大柄で、太ってはいなかったけど丸い、とにかく優しいイメージ。
怒り顔なイメージなのに、優しさばかり伝わっていた。
本当に不思議な子で、俺にとって不思議な存在。
知り合いになったきっかけも思い出せないし、どんな会話をしたのかも。
年上には何人かお姉さん的な女の子の知り合いもいたけれど、
年下の女の子の知り合いは君だけだった。何故?
本当に自然な空間を作ってくれて。
まったく仲良くなんかないのに、会話なんて少ないのに、なんか近くて・・・
本当に不思議な子。異性が近くにいてあんなに居心地がいいなんて。

いつも通りの向こう側にいる君を見つけてしまう。
君も見つけてくれた。そして少し怒ったような呆れたような顔で少しだけ笑うんだ。
でも、自分の近くや隣にいる時の君は妙に優しい表情ばかりで・・・

君は俺の記憶の中の変な場所にいる。たった一人、オンリーワンの存在として。
妹が欲しかったのかなぁ・・・
でも、あんな怒り顔で笑う妹なんて(笑)

あの時期だけよく会った記憶があるけど、その後はめっきり会わなくなったね。
久しぶりに見た時、君はセーラー服になっていて・・・
すごく背が高くなった気がしたし、少し綺麗になった?
大人っぽくなったくせに、あれから何年も経っていると言うのにまた同じ表情をして。
少しだけ顔を赤くした様に見えた。俺もそうだったと思うけど。

きっと君みたいな女性が自分の理想なのかもしれない。
長い月日、まったく気付く事さえ無かったけれど・・・
ずっと変わらずに立体的で温もりのある気持ちを抱えていたけれど、
“好き”って事に気が付かなかった。俺は子供だった。
子供だった君は素敵な人だったのにね。
目が大きくてとてもキレイな肌をしていたね。
最後に見た頃にはメガネをしてた?

想い出してよかった。
忘れたくない想い出、それも特別も激しさもないけれど、
きっと真綿のような心地良さ溢れた最高の想い出なんだ。
素敵なお母さんになってる?!
それともシワいっぱいの怖いお母さんになってる??
もうまったく違う道を進んだ俺たちだから、きっと遠くにいるのだろう。
仮にスーパーで隣にいても気付かないね。


あの頃の君に感謝して。
不思議な人だよ、君は・・・





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今でも大切なままの彼女。そしてその大切な彼女と過ごした忘れなられない夜は・・・





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「5月18日生まれ」





何故だろう。何故この日は消えないままなのだろう・・・



18:30。
目の前で向かい合わせて座り、黙々と仕事をしている部下二人を見ている私。
あと2.3時間は掛かるかなぁ・・・
週末金曜日だと言うのに、そして他の部署の明かりが消えて行く中で・・・
別に予定があるわけではない。
定時で家に帰ったところで、既に親離れしている子供たちは自分の部屋。
女房もテレビを観ながら最近買ったスマホでのLINEに夢中なよう。

真面目な部下だと思う。
私自身が仕事の出来るタイプでなく、年数だけで今のこの席にいると自負している。
そんな上司の下にいても、文句など言わずに真面目に仕事をしている連中だ。
今回部下が起こしたミスは初歩的なもので、まぁ凡ミスの部類。
でも、しっかり反省しているし、そして懸命にリベンジを試みている。
そんな彼らを見て過ごす時間を苦痛になど思っていない。
むしろ彼らの仕事をただ行動予定の書き込みや交通費申請の処理で時間を潰している、
そんな自分が申し訳ない様な気さえしている。
“彼らには自分たちでしっかり解決できる能力がある。そしてそれを待つのも私の仕事だ”
時折彼らを見ながら、そう自分に言い聞かせていた。


卓上カレンダーを睨んでいた・・・
“5月19日水曜日 「13:00 役員会議」”
そして月曜日に目をやれば、
“5月17日月曜日 「10:00 山城精機中央研究所」”
太字で書かれたその二日間を行ったり来たり・・・

前任者から引き継いだトラブルを抱えていた。
今彼らが目の前で向かい合っているような規模のトラブルでなく、
訴訟問題にもなりそうな規模のトラブルで、下手をすれば社運にも影響する。
私のミスでも私の所属する現部署(メンバー)のトラブルでもないが、
紛れもなく書類の発信部署は必ず今のこの部署の名前であり、
この件の処理を一任された役員と管轄部署で後任の私が渉外担当になっていた。
もう足掛け2年になろうとしている案件。
月曜日に事実上最後の説明(交渉)を先方で行う。役員・顧問弁護士・私。
そしてそこでの先方との交渉の流れを水曜日の役員会議で説明する。
奇跡的な先方の受け入れがなければ、もう大方交渉決裂は見えている・・・
本当に嫌な仕事だ。

きっと数分間卓上カレンダーを眺めていたと思う。
17日・19日。月間メモの中でも一際大きく太く書かれたその二日間を。
不意に18日に目が留まった。
“5月18日”
小さくも薄くも、平日には基本的に何かしらの予定が入っている日が多い。
しかし、その恐ろしいほどに黒く広がって見える二日間の真ん中には何もない。
“5月18日”

私は思い出した。
“そうだ、5月18日だ。(この日の前後には毎年それを想っている)”
自分がどんな状況にいても、それは楽しくても苦しい状況でも。
何故だかその“何でもない日”をずっと抱えて生きて来た。
誰にもと言うか、自分にも説明の出来ないその日を・・・
5月18日。
それはある女性、と言うか女の子の誕生日なのだが・・・
瑛美さん。名字も辿れば思い出せるが。
顔・・・
美人だったと思う。恥ずかしくて、面と向かって直視した記憶が・・・
綺麗と言うのか可愛いのか、でも、とても優しくて清潔感漂う人、それが顔にも溢れて。

私より一つ年上の女性。
最初に会ったのはまだ私が中学生の時だったし、最後の記憶も高校1年だったか・・・
きっと全部合計しても実際に会ったのは両手を必要としない回数。
二人だけで会った回数なら、片手を使い切れない。
電話は“デート”よりは少し多い記憶があるが、とても彼氏・彼女とは言えなかった。
それなのに何故だろう・・・
毎年緊張感を持ってメモ書きしている自分の女房、辛うじて子供。
過去に“大恋愛”とも言って言いほど印象の強かった彼女たちさえ、
もう正確な誕生日などはあやふやだ。
“この前後だったかなぁ・・・”とか、“あれっ、これは違う子か・・・”とか、
自分でも情けないが、見事にどれもあやふやな記憶になっている。

自分でもどうしても分からない。
なぜ彼女の誕生日だけが鮮明なのか。他のどの女性よりも一番遠い誕生日のはずなのに。
その女性は元々兄の知り合いだった女性。兄の彼女に近い存在にも見えてたけど・・・
私の5歳年上の兄が大学生だった時、知り合った直後に既に紹介された事がある。
兄の友人の妹で、その兄の友人も家に来た時に数回挨拶した記憶のある人だった。
最初は兄の彼女だと思っていたし、あきらかに兄の事が好きだったと思う。
私にとって大人に見える女性でも、兄に対してはまだまだ子供だったはずだから。
内向的で取り柄のない私に比べれば兄は遊んでいたし、少し人気もあった人。
兄を見ている瑛美さんを横から見ていた記憶、今も残っている。
その前後に兄は大学のサークルやバイト先で知り合った女性と遊んでいたから、
きっと瑛美さんとは正式な恋人には遠かったのかもしれない。

瑛美さんは真面目な人でお嬢様だった。
お嬢様と言っても特別なものでなく、まぁ私の家が普通、もしくはやや低かったせい。
でも、成績は勿論、県下ではナンバーワンのお嬢様校として有名な女子高で、
レベルこそ高かったが公立出身の兄、そして成績も評判もさらに下の私・・・
当時のセーラー服姿の彼女は“お嬢様”以外の何物でもなかった。
長い髪は結わいていて、真っ黒でツヤのあるカバンは汚れなくしかもしっかり膨らんで。
崩した生徒が元々少ない中にあっても、その中でも優等生的だったかもしれない。

年が一つ上だっただけでなく、彼女は落ち着いていたし受け止めてくれるタイプの人。
あの季節、あの年頃はただですら女性が大人に近く見える年頃だったが、
きっと大学生の兄から見ても、あの大きな優しさを持った彼女は魅力的だったと思う。
清潔感漂う人もいるし、真面目な人も綺麗な人もそれなりにいた。
でも、綺麗で可愛い事の前に、優しくて大きくてあたたかい女性・・・
後になって思えば、その全てが揃っている人は本当に少ないのかもしれない。
女房とは恋愛結婚で、それなりに美人だし、それなりに大きな女性に思えたから結婚した。
もちろん後悔なんてしていないし、きっと幸せな部類なんだと思う。
でも、あの時のあの瑛美さんは私の歴史の中に不思議なエアポケット的に・・・
初恋も片想いも恋愛も、そして溺愛も地獄もそれなりに見て来た。
なのにそんな女性たちの中で誕生日をはっきり言える女性は一人だけ。
一緒に祝った事さえないのに・・・

彼女などいなかった私に、兄が瑛美さんを回したようなところがある。
ある意味失礼な話だ。
遊んでいた兄にとって、純真な当時の名門高校生女子は重かったのかもしれない。
“遊び相手”とか、“悪い事の対象”みたいな考えを前にしていたなら。
でも不思議だし、そして複雑に思える事がある。
彼女がそれに従ったこと。
ボウリング程度のデートが精一杯だった。電話では少し話せていたかもしれないが。
私の初体験もそれより2年以上後になってからの事だったし・・・
私のつまらない話にも優しくあたたかく付き合ってくれた。電話でも声に笑顔を混ぜて。
会っていても、きっとつまらないであろう私との時間に嫌な顔を少しも見せない。
だからむしろ痛い。今になって思う程に、彼女の大きさを感じてしまうし。


彼女の学校はとても校則が厳しい学校だったので、学校や家の近所でデートは出来ない。
ボウリングと途中駅の駅ビルの屋上でデートした記憶がある。そして・・・
結果的に最後になったデート。その後に数度電話はしたかもしれないが。
“デート”なんて言葉が恥ずかしくなるほど何もなかった。
ただ色々と話すだけ。ただただ一緒にいる時間が過ぎるだけ。
何も特別な事などなく、好きとか、気持ちを言ったり聴いた事すらなかった。
聴く勇気なんて、きっとあの頃の自分に無かったのだろう。

最後となったデートだけは特別だったかもしれない。
お互いに制服のままだったが、それでも少し遠出して海に行った。
海とは言っても電車で30分多く乗っただけの漁師町みたいな・・・
寂しい駅だし、駅から海へと続く道も魚臭さと汚れたアスファルト、
閉まったシャッターが続くだけの人通りの少ない道。
やがて沢山の船が正面に見えてくる。船とは言っても漁船で、雰囲気もない。
どんな風に歩いたか・・・
隣で、それもきっと今それを見ればカップルとは言わない様な距離を空けていたと思う。
彼女の笑顔を少しだけ覚えているけど自分の記憶が曖昧で、
もしかすると少しどこかの方向に進もうと自分なりに秘めていたのかもしれない。
“どちらが海に誘ったのか”
彼女から何かをお願いされた記憶がない。私の話をいつも聴いていてくれた。
だから、やはり私が海に誘ったのだろう・・・

正面には沢山の漁船が係留されていて、そこは海らしくない。
私たちは左手に曲がって、右手に沢山の漁船を見ながらさらに奥を目指した。
その先に小さいながらも岬がある事を知っていて、勿論そこを目指したのだと思う。
そう、何か、そのあたりから急激に会話が減っていたような記憶もある。
恥ずかしい話だが、今から思えばその年齢的にも性的な目的を抱えていたのかもしれない。
高校生男子にとって“女性”は興味から逃れられないブラックボックスだったはず。
あんなに清楚で明るく優しく、その正しさに性的な部分など無縁にも思えるが、
きっとあの頃の私も例外でなく、瑛美さんまでもその対象として頭を支配されていたのか。
でも、本当に今でも思い出せない。
小学生・中学生と性に目覚めた少年は勿論女性をその興味で追いかける様になった。
事実、そんな記憶の線上に多くの女性が上がる。
クラスメイト・先生・アイドル・先輩・・・
しかし、どうしても記憶にない。
感情的に、今でも瑛美さんを思い出す度に“素敵なお姉さん”が浮かんで来る彼女に、
そう彼女に対し、私は本当に他の性的対象として見ていた女性たちと同じ扱いをしたのか、
それを考えると自分が愚かに見えてならないし、そして悲しく虚しい。
あんなに大きく、そして受け止めてくれた彼女を前に・・・


岬に辿り着いた私たちは何を話していたのか。何も覚えていない。
そしてその風景だけを鮮明に覚えている。本当に鮮明に・・・
誰もいない岩場の陰で、彼女はスカーフを外し、制服のファスナーを広げた。
そして今から思えばスリップ、それも純白の彼女その物の様な・・・
彼女が制服の上を脱ぎかけたそのシーンを鮮明に覚えている。
微かな記憶だが、私がそれ以前の電話のあたりから女性への興味を吐露していたのだろう。
そして岬の誰もいない場所にまで行って、きっと懇願したのだと思う。
“見せてほしい・・・”
今から思えば最高に恥ずかしい事をした。そして情けない。
私に都合よく、仮に自分の事を“弟の様に”見ていてくれていたとしても、
年上でありながらもきっとまだ初体験さえしていなかった彼女が私の為に・・・
恥ずかしさや戸惑いみたいな表情はあったかもしれないが、
彼女はまったく嫌な表情みたいなものを私に見せなかったと思う。
ほぼ間違いなく彼女は自分の中で、
私の事を恋愛対象として受け入れる事が出来ていなかったはずなのに。
そう思えてしまうほど、自分が恥ずかしくてどうしようもない。
そして、彼女の大きさの前に言葉も無くなってしまう・・・


帰りの道もおそらく会話は少なかったと思う。何の記憶も残っていない。
結果的に電話が最後になったのだと思うけど、“別れ話”みたいな終わりがあったのか、
どんな会話が最後の話だったのか、それすらも思い出せない。
今になって思えば、今だからこそ、あの頃の私は本当に幼かった。
そして彼女はそんな自分とまったく違う宇宙にいる様に大きかった。
きっと真面目で経験のないはずの彼女にも戸惑いも緊張もあったはずだ。
だけど、男でありながらも一つ年下の少年の前ではお姉さんでいようとした。
きっと勇気がいたはず。ドキドキしていたと思う。
それなのになんと興味本位で曖昧な扱い、そしてそれを大切にする事もなく・・・
ごめんなさい。そして本当にありがとう。
もう届くはずもないのだけれど・・・

きっと彼女のこと、素敵な恋愛をして今頃は幸せな家庭の中にいると思う。
少しも疑わない。
きっと私の事、そしてそんな記憶が取り出される瞬間など存在しないだろう。
5月18日。
それは瑛美さんの誕生日であり、一度も一緒に過ごした事さえない日。
だけど何故か、そして一生忘れる事のない誕生日。
黙々と仕事をする部下たちを見ながら、私は不謹慎か・・・


でも良かった。
5月17日と5月19日がどんなに嫌な記憶になったとしても、この日は変わらない。
相手の中では何気ない一瞬であっても、私には財産だ。少し苦く酸っぱいけど・・・
数人の女性と関わりながらも、その人が幸せであって欲しいと願えるのは何人いるか。
瑛美さんに対し、ほんの一点の曇りなく幸せが願える自分がここにいる。
少し早いけど、誕生日おめでとう。
末永く幸せでありますように。
赤い丸印で・・・





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「島の女」
夏休みに離島の民宿でのアルバイトに向かう大学生。
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(プラトニック 年上女性 制服 バースデー 想い出)


テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
ジャンル : アダルト

tag : 美人オフィス記憶憧れ年下メモリアル恋愛経験

「キスは浮気になりますか?」





社会人になって間もない頃だったかなぁ・・・
普段ナンパなどしないオレが、思い出したかの様にナンパする時がある。
仕事帰りだったり、休日のドライブ帰りだったり。
グループがグループに仕掛けるナンパと違い、一人対一人のナンパは難しい。
“その手のお姉さん”へのアプローチならまた別の話かもしれないが。
普通の男が普通の女に仕掛けるナンパ。それも夜の生活道路で。
駅前や繁華街はする方もされる方もその気。そして答えも早い。
お互いの身なりや性格も含めて分かり易いし、その行き先までもが分かり易い。
でも、そうでないナンパにはそうでない行く先があったりする。
それは・・・

本来ならナンパされないタイプの女性であったり、
本来ならナンパしないタイプの男であったり、
本来ならいるはずのない車の中で時を過ごしているのだから。

楽しい会話だけで終わる事もある。
それからも友達の様な関係になり、長期の付き合いになる事もある。
恐ろしいほど自然に求め合う事になる事もある。
でも経験上、意外とそんな女性とは一度きりの関係で終わる事が多い。
ナンパする場所がどこか?
駅にしても繁華街にしても、それが自宅や自分の生活域から離れていると、
人は“そんな顔(気持ち)”でいたりする。まぁよそ行きの顔とでも言うか。
しかし地元・生活圏にいて、自宅に帰る寸前とかデート帰りとか・・・
きっと友人や恋人との時間を引きずっていながらも、元の自分に戻ろうとしている。
そんな場面の女性と時間を過ごすほど、その素顔に近いであろう魅力を感じる。
“さっきまで友人の前ではしゃいで見せていた顔・恋人の前で甘えていた顔”
余韻を残しながらも、今、目の前にいるその横顔には違う色気を見せる。
知らない男の助手席にいる緊張感、そんな男の隣にいる罪悪感。
何より、もう少しでありのままな自分に戻ろうとしていた間際の顔だ。
そんな時、時に大胆だったり、そして正直だったりする。


彼氏への不満は少ない言葉数で言う。
自分の恋愛経験や性体験へもクールな言葉を並べて客観的だ。
何より、自分がどうしたいのかにも正直だ。
知らない男の車に乗り込む事は、ある意味一つのハードルを越えている。
しかし先程も言った様に、ここは駅でも繁華街でもないし何より、
ナンパなどしなさそうな男とナンパのイメージに距離感を感じさせる女。
そしてナンパなど意識にない場所。
ナンパがそのままセックスにしか結びつかない二人もいれば、
ただコーヒーを楽しむ時間だけでも成立する二人もいる。
入口の可能性はそのまま、二人の関係も自由度も広げてくれる。

男と女の間でセックスはとても重要だと思うし、ナンパにその要素は大きいと思う。
しかしセックスは快楽の達成には分かり易い近道だが、奥行きに乏しい。
性的なバリエーションやプレイ心理的なものまで、その方向の奥行きは否定しない。
でも、どうしてもセックスの回には同居出来ない固有の魅力が隠れてしまう。
それはどんなに仲が良くなってもセックスが日常化しても同居出来ない・・・
セックスをしない事に意味があるのでなく、きっとそれが違う場所にあるだけに思う。
念を押すが、体が結ばれる事は大きな目的の一つだし確かに快楽に重要で否定できない。

気になる女性を前にした時、そこに何を求めるのかと言うこと。
体全体から溢れだす魅力を前に交わる事しか考えさせないぐらい強烈な女性もいれば、
ただただその女性と話しているだけで楽しい事もあり、これも嘘ではない。
また、何が魅力なのかが最後まで分からないままなのに、長く関係が続く事もある。
自分が持っている物と相手が持っている物が交わる時にそこに生まれるモノ。
それは快感かもしれないし、言葉では表せない何かなのかもしれない。
でも、どうしても肉体に依存しやすくなってしまう。
それだけが確かな様な、そこには真実がある様な気がしてしまう事も・・・
ナンパは不自然な出会いであり、強制的出会いだ。
しかし最初の目的(片側)はハッキリしていて直観的だ。
そして多少は引きもあるだろうが、目的を晒した相手を受け入れるか否か、
それも分かり易い部分でもある。
男が最初に自分が一緒に過ごしてみたい女に対し、その目的を隠さずに飛び込む。
女はその目的をはっきり自分に向けて来た男を振り分けるだけ。
女のストライクゾーンは思うより狭く、そして広い。
一球目の判定でゾーンを狭くしてしまうと、もう自分のペースにはなり難い。
ゾーンよりもむしろ、バットの“振る気”の方が遥かに大切なのだが・・・


話しだけの時間を過ごした女性。カラダだけの時間を過ごした女性。
飲みに行ったりカラオケに行ったり、体の関係を含めて続いた女性もいた。
そんな中、“キスだけの女性”もいた。
あの遊んでいた時期、女性たちの中では一番鮮明に記憶のある女性。
音楽科の大学生でピアノの指導アルバイトをしていると言っていた。
縛ってまとめた髪と黒いニットには知性と清潔感があった。
素朴な笑顔で人当たりも良く、“夜のナンパ”には無縁の女性にも見えた。

オレには当時年上の彼女がいたが、彼女も彼氏とのデート帰りとの事だった。
そんなに必死に落としたつもりはない。
自然にクルマに乗ってくれた感じだった。
後から理由も聞いた。確か、
“信用出来そうだった”とか“いい感じだった”とか言ってくれた記憶がある。
しっかりした性格と、ハキハキしていて社会人でももう通用しそうな知的な大学生。
大人しくも黒いニットの彼女を助手席に見れば、胸の形も綺麗だった。
通り沿いの公園横に車を止めた。確か22時ぐらいでもう車は少ないし。
彼女にキスをしながらシートをやや倒すと、“ダメっ!”とは言ったと思う・・・
でも、彼女はオレのキスにしっかり応じた。
と言うか、むしろ彼女の方が積極的に唇を重ねて来た。

その時初めてキスの恐ろしさを知った気がする。良い意味での。
彼女の唇は本当に薄くて、唇の位置を探すのに苦労するほどだった。
今でももの凄くリアルなイメージが残っている。
桁違いにスベスベしていて、細く薄いはずの唇から伝わる印象が、
そのまま脳の奥にまで刺激を送って来た。いっそう唇を求めさせる。
胸に触れたが、“ダメっ!”彼女はそう言って再び薄い唇でありながら本当に熱いキスを、
こちらに向けて送り込んでくる・・・
再び胸を触り、さらにシートをより倒そうとするが、それへは必死で抵抗する。
なのに、キスだけは全く抵抗するどころか、恐ろしいほど熱いキスを続けてくる。
オレが強引に彼女のニットを途中まで捲ったが、結局は胸さえ開けないまま終わった。

今でもあれ以上のキスの経験はない。
キスが上手い女性はそこそこいるし、感触の良い女性もいるんだけど・・・
キスだけで虜にされた気がした。
“感触いい唇ですね。キスしたくなる唇だと思う・・・”
彼女はそう言ってくれた。元々彼女は“キスが大好き”らしいが・・・
結局彼女とはキスだけの関係だった。
音楽科の女子大生と薄くも激しく熱いキスのコントラストが効果絶大で。
その先を狙ってみたけれど、彼女はキスと裏腹、身持ちは堅かった。
キスが大好きでキスだけを求め許しながらも、彼女は彼氏との関係を普通に続けた。
一方、こちらはその浮気心への後ろめたさも抱え、
結局は大切にすべき年上の彼女との別れに繋がってしまった。


唇の主はキスが大好きと公言し、夜に知らない男の車に乗りキスを許しても、
“それは浮気ではない”と揺れる事はなかった。
オレは潰れた。
自分から誘い、自分の意志で浮気をしている様でいて、
キスに踊らされ虜にされ、そして“キスだけに溺れた自分”を許せなくなり・・・
キスの主に聴いた事がある、“キスは浮気にならないの?”と。
いつも笑いながら、“(小さく縦に首を振り)うん、ならない!”それだけ返した。

もちろん、キスが浮気になるかどうかなんてそもそもナンセンス。
シチュエーションも価値も、そこにいる人間が千差万別なのだから・・・
結局、オレは彼女のキスの前に虜にされ気持ちまで奪われたが、彼女は違った。
それだけの事。
でもせっかくもらった痛みを伴った教訓だったから大切にした。
セックスや気持ちとはまた別の括りとして、キスはとても大切で恐ろしい事。
きっとあれ以降のオレは別物になったと自分でも思っている。

でも一度だけその後に、それも偶々ナンパした遥か年下の女の子に言われた事がある。
「あなたとキスしてるとどうしようもない気持ちになる。全て奪われそうになる」
“少しやり過ぎてるかな”なんて反省したり・・・





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「フェロモン」
既に就職の内定ももらっている大学4年の女子大生。
しかし彼女には人知れず大変な問題があった。どうしてもそのままでは・・・






(リップ 自由恋愛 パートナー 美人 素顔)


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