「俺たちの聖羅が・・・」
目を疑った・・・
自分の意思を失い、男たちの間で弄ばれる聖羅・・・
少し浅黒い肌と、話して見れば活発な聖羅。
それでも、何処にでもいそうな、派手とは言えない大学生だと思う。
少しだけモデルの仕事をしているとは聞いていたが、それをひけらかすタイプでない。
それもあってか、グループの中に彼女のファンは多く、僕も例外でない。
正直な気持ちを吐露したなら、「憧れの人」だと思う。
一ヶ月ほど前、久しぶりに東京の繁華街に買い物出掛けた時、
普段は見ない派手な服を着た聖羅に偶然出会った。
彼女の隣にはサングラスをしたかなり年上であろう人物が横にいた。
特に表情もなく、会話もしていない感じだったので、恋人とは思えない。
こちらから声を掛ける事には気が引けたが、彼女が僕に気付き、声を掛けて来た。
「これから仕事なの。またネ」
そんな感じの言葉だったと思う。少し冷たい感じが、綺麗さと相まってドキッとした。
彼女などいないどころか、女性とはマトモに付き合った経験などない僕にとって、
聖羅は本当に眩しい存在だった。
彼女の中では僕の事などグループの一人でしかないのだと理解しつつも、
それでも近くにいる事が幸せに感じるぐらいだった。
この世の中にどれだけの異性が存在するのか分からないが、聖羅はダントツだった。
一ヶ月ほど前の買い物の時に、店側の手違いによって間違った品物を持ち帰ってしまい、
今回再度、同じ繁華街を同じ様な時間に歩く事になった。
「よっ!」
突然声を掛けられた。
最初気が付かなかったが、前に聖羅の横にいた男性だと少し時間を経て気付いた。
「聖羅、今の時間ならスタジオで仕事してっから、見て行けばいいじゃん!」
そう言って、スタジオの住所と地図のある名刺を僕に渡し、
「おれ、買い物してからスタジオに戻るから」と言い残し、足早に走り去った。
聖羅の綺麗な姿を見たいのは勿論だが、前回の彼女の感じを思い出し、
クールな表情が浮かんでしまい、少しの時間考え込んでしまった。
しかし、二日ほど前の講義の帰りに話した時の楽しげな表情が勝ち、行く事にした。
名刺を見ては人に尋ね、都会の小さな路地、そして雑居ビル・・・
なかなか見つからない行先に冷静さを失い始めていた。
そんな複雑な感情の中、やっと目的のビルを見つけた。間口が狭く、少し古びたビル。
外から見ると、3階のガラス部分に看板が出ているので間違いないと確信した。
正面左にある、薄暗く今時急な階段が世間知らずの大学生にはとても不安になった。
2階もスタジオのようだが、名前があるのは3階。
3階に辿り着き、扉を開けようとすると勢いよく扉が開いた。
「何か御用ですか?」
僕と同じか、少しだけ年が上ぐらいの男性に用件を問われたので、
聖羅の友人である事、名刺をもらって、ここに来る事を勧められた事を伝えた。
その男性は少し薄笑いになりながら、中へ案内してくれた。
段ボール・ケーブルが散らばり、そして大勢の人々が忙しそうに行き来する。
「これが聖羅が働く業界ってものか」
そんな心のつぶやきを自分に言い聞かせるように、高鳴った気持ちを紛らわそうとした。
「○○さんもう少しで戻って来ると思うから、ここで待ってて」
そう言われ、少しだけ片付いたスペースの折りたたみ椅子に座った。
5分程度だったと思う。
「おおっ、ごめん、俺のこと待たなくてもよかったのに」
そう言って笑いながら、奥のスタジオへと案内してくれた。
「今、撮影中だからさぁ、声かけたり、近づいたりしないでね」
念を押される様に言われ、僕は小さな声で「はい」を繰り返した。
スタジオの入り口に近づくと、カメラが数台入口側を塞ぐように横並びし、
奥の方が明るく照明で照らされていた。
聖羅・・・
最初、聖羅がどこにいるのかが全く分からなかったが、その光景に唖然とした。
頭の中が真っ白になり、何が行われているのかが分からなかった・・・
AVだ。
目の前で撮影されているのは完全なAVの撮影に間違いない。
聖羅・・・
裸の男性が三人、中央に水着の女性が1人・・・
聖羅。
まだ20数年しか生きていない僕。生まれて初めて、こんなショックな出来事はない。
目の前の聖羅。
彼女は四つん這いでオイルまみれになり、露出の激しい水着からは乳房も出ている。
クスリでも飲まされているのか、表情も無いまま、かったるく男たちに身を委ねる。
前後を男たちに塞がれ、下にまで男が入り込む。
やがて、ただですら露出の多いオイルまみれの水着も脱がされ、
浅黒い彼女の肌は全て露出することになる。
やがて男たちが行為に及ぶと、彼女は少しづつ声を上げるようになる・・・
あの聖羅が、自分から男性の性器を掴み、また別の男性の性器を口に含む。
さらに激しく声を上げる様になった聖羅は、男たちに裏返され、
下の男には激しく胸を揉まれ、同時に挿入され、残りの男にまで弄ばれる。
スタジオに響き渡る聖羅の激しい声は完全に僕を崩壊させた。
激しいショックで、撮影終了と共に、僕の方が先に部屋を飛び出してしまった。
結局その日は彼女とは会わず、僕のあり得ない一日は終わり、
それから一週間ほど、頭の中が破壊されたようになっていた。
聖羅は講義を休んでいたのか、その一週間が経つ頃、久しぶりに元の聖羅を見た。
聖羅とその周辺は変わらない様でいて、僕には少しだけやつれた様にも見えた。
帰り際に一人になった僕に声をかけてきた。
「スタジオ来たんでしょ?!」「見られたんだよね」
少し辛そうな顔をしていた。
「どうしても断れない仕事だったんだぁ」
聖羅らしくない低いテンションで話して来た。
何も言えないままそこで別れた。
僕は負けた。欲望に負けた。
聖羅の事を好きだ。女として好きなんだ。
聖羅が出演したAVを探した。必死になって探し、そして購入した。
聖羅の黒光りした肉体と、支配された表情は頭から離れず、もう友達とはなれない。
モデル(女優)として存在した聖羅は僕を支配してしまった。
周りは誰も気付いていない。
同じ名前での出演作品もない様なので、出演はあれだけだったのかもしれない。
僕だけの聖羅。
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