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「困り顔の天使」




「課長、今年の新人って可愛いらしいですねぇ?!」
うちの課の男性社員たちも、その手の情報には関心が強い様だ。
俺が話す事には無関心を決め込んだあの連中も、女性の後輩には興味津々。
そんな奴らを見ていると、自分が既婚者である事が寂しくも思う。
大切な女房よ、申し訳ない。


新潟支店に飛ばされ、静岡支店に回され本社に戻されて5年になる。
本社時代には既に係長職になっていて、静岡時代は課長代理の扱いだった。
静岡でモーレツに成績を出していたせいか、本社帰還時は栄転+課長昇進。
そのせいか、本社の他の管理職からは冷たい視線を受け、同期にまで避けられた。
元いた本社に帰りながら、相変わらずアウェイの状態が続いて・・・
ここ数年に身についた事と言えば、同僚管理職に頼らない事と、
寂しさを気にしない事こそが楽に生きる事と見つけたぐらいか・・・

2週間に渡っての人事部の教育研修が終わった新入社員。
それを配属先部署が引き取るのが今日。そして迎えに行くのが課長職。
人事部がこっちに連れて来るのが仕事に思うが、うちの会社は・・・
また、うちの会社はドライで、力のある部署から新人を獲得して行く。
残念ながらうちの課は力の弱い部署。これは俺のせいでなく、この課の歴史そのもの。
他の管理職たちと顔を合わせる場が大嫌いな俺だけど、
それにしても“格”がそのまま表れるこんな日は最大級にストレスの溜まる日だ。
偉そうな管理職の部署は、そこのメンバーも偉そうだし。
なぜか新人までデカい面してる奴が不思議に配属になる。
今年も例外なくその日が来てしまった。

第一会議室に行くと、既に満面の笑みで幅を利かせた課長級が顔を揃えていた。
部長や次長の隣で堂々と話してる神経が、そもそも苦手なんだ。
俺と同期の出世頭は、もう“将来の統括本部長”と言われている。
確かに既に次長、それも筆頭にいるので、もう確実なのかもしれない。
でも、階級的には一つしか違わないし、俺だって出世が遅いわけではない。
なのに奴と来たら、役員・部長連中の真ん中で大声でしゃべってやがる。
また、そういう奴に限って、俺を見つけて近づいて来やがる。

「おいっ! お前の所、カワイイ女の子配属になって良いなぁ。皆、羨んでるぞ!」
あいつはいつも通りイヤミたっぷりに言ってくる。
しかし不思議な事に、今年に限ってはそれほど関係のない課長連中までその事を・・・
冗談など言わない連中だから、本当にそうなのだろうか。
でも、どう考えてもうちの部署に優秀な人材が来るはずもないし、あり得ない。
俺は人事部の担当者が新人たちを連れてくるのを静かに待っていた。
その間にも数人、それも役員にまで声をかけられた。

こちらに大勢やって来た。
でも、どれがそこ子だか分からない。女性の採用人数はそうは多くないのだが、
それでも一目で分かるほど少なくもない。
何より、“カワイイ”のレベルなんてものは人それぞれなのだから。
何故うちの部署に??
そればかりが気になって仕方なかった。
すると後ろから声をかけられた。
「○○課長、彼女が今日から配属になる結城愛菜(マナ)さんです!」
人事部の若い男性から彼女の書類と一緒に渡された。紹介された。
驚いた。かわいい。確かに一目で分かる。そう、かわいいに間違いない。

彼女は自分から挨拶した。
「今日からお世話になります結城愛菜です! 宜しくお願いします」
何て言うのか、カワイイにも種類があると思うが、動物のような可愛さと言うか・・・
それも小動物的な感じではなく、レトリバーの様な?
ゆっくりした、そして甘い感じのしゃべり方。そして背が高い。
167と言っているが、パンプスの踵が高いタイプのせいか高く感じた。
こちらも簡単に自己紹介して、彼女を会場から部署に連れて行こうとした。すると・・・

「あー・・・ すみませ~ん。さっきの部屋にポーチ置いてきちゃったぁ~」
大声、そして眉毛をハの字になるほどに垂れ下げて申し訳なさそうな顔をした。
勿論仕方ないので、
「あぁ、ここで待ってるからとって来て」と言わざるを得ない。
しかし・・・
帰って来ない。20分以上経ったというのに帰って来ない。
もう新入社員の引き取りも全て終わり、会場内は無駄話の管理職だけが残っている状態。
「あれ? ○○課長、どうしました??  新入社員に逃げられた?!」
帰り際の管理職たちに笑われ・・・
そうしていると俺の携帯が鳴った。
「お疲れ様です営業3課の高井です。課長のところの新入社員の女性がこちらに・・・」
俺はそのまま営業3課の部屋に向かった。
階も違えばフロアも違う。俺が普段行く事が絶対にない場所。
そして俺の昔の失敗を知っている連中が数人いる場所。
よりによって、絶対に自分からは行きたくない場所に行ってくれた。

「おぉっ! ○○課長!! 珍しいぃ~」
フロアに入った瞬間、完全なるアウェイ感が充満している。
いたよいたよ。奥の壁の所に張り付いてる・・・
「〇〇課長、おたくの新人さん迷子になっちゃったって!」
それまたそこにいた営業部の次長が大声で言いやがって。
仕事中の連中も一斉に笑ってた。
あの子もあの子で、
「すみませ~ん! 本当にすみませ~ん!!」と声が大きく、お辞儀もデカイ。
早くこの場から逃げようと連れ出そうとしたら、彼女、コピー機のトレイにぶつかり、
思いきり割ってしまった・・・
やっと分かった。そうなのか、これがうちの部署に配属された理由なのかと。

兎に角頭を下げて、トレイの弁償代もうちの部署に請求してもらう様に手配して、
彼女が誰かにぶつからない様・忘れ物が無い様に注意し、その場から逃げた。
いや、去った。
久しぶりに大汗をかいた。サウナでも汗が出なくて悩んでいたが一変した。
本当に嫌~な汗、びっしょりになった。
彼女を課の人間に紹介して、彼女の世話役の女の子に彼女を預け、
俺は間髪いれず男子トイレに向かった。それも大便器の中に逃げ込んだ。
便意など全くないし、水分すら汗で飛んでしまった。
疲れたんだ。ただですら毎年嫌な思いをする日だと言うのに、今日はキツかった。
もう当分営業部には足を運べない。管理職連中にも会いたくない。
新人より、こっちの方が心が壊れた。


自分の課に戻った。自分の席に座った。
彼女がこっちに飛んできた、結城愛菜。その人。
そしてまた大きく眉毛が下がっている。申し訳ない顔をしている・・・
「先程は申し訳ありませんでした!」
いちいち声が大きいしアクションも大きいので、必ず視線を集めるタイプだ。
それにああやって来られてあの顔されると、ドキッとするわ!
トラウマになりそうだった。

ふと思った・・・
そうだ、彼女の世話役の女の子、結婚退職するんだ。彼女、その交代要員だ!
まずい、この課内の中心的役割が彼女に委ねられる事になる・・・
絶望だ。
パッと見はその優しい顔、そして柔らかそうな綺麗な髪。
こんな子がそばにいたなら幸せだろうなぁ~
そんな風に思わせる風貌なのに。
しかし彼女はそんなに甘くない。ある意味爆弾だ。しかもコントロールが効かない。
俺の本社勤務も5年で終わるか。まぁ、管理職連中にバカにされるよりもマシか。
俺はずっと彼女の顔を見ていた。一層彼女の眉は下がって行く・・・



それでも、何とか、どうにか半年が過ぎた。
俺は5キロ体重が減った。白髪も一気に増えた気がする。
彼女は・・・
今も困り顔。それは変わらずによく見せる。
でも、仕事での凡ミスなど皆無だし、周りの信頼も勝ち取った。
むしろ半年前の彼女の事が今の彼女に一致しないぐらいだ。
そして・・・
あれほど恐れ、ストレスにも感じた彼女の困り顔、実は・・・
今、俺はあの時の俺とは逆だ。
彼女の困り顔がかわいい。愛おしくて。
彼女は真っ黒で大きな瞳を見開いて俺を見る。話を聞いてくれる。

妻には申し訳ないが、一番大切な女性かもしれない。
勿論不倫相手などではない。彼女を包むほど大きい男でもないし。
でも、今暫くはこの子のそばにいたい。困り顔の天使の・・・





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(プラトニック 職場女性 新人研修 不器用 リクルートスーツ)


テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
ジャンル : アダルト

tag : 同僚女性部下年下オフィス職場上司配属不倫

「好きになっても良いですか? ~ バックヤードの聖母 ~ 」




僕は大学通学途中のターミナル駅でバイトしている。
珍しさの無い丼ぶり物のチェーン店。
他にやりたいバイトがあったのだけれど、母親の紹介でその店に決まってしまった。
母親の高校時代の部活の後輩という女性が店長をやっている店。
僕には夢があった。
大学に入ったらきっと、かわいい女の子が多い店でバイトしてそこでカップルになる。
そう決めていた。高校時代にはそのプランは固まっていたのに・・・

僕は結局、母親の頼み事を断り切れない御人好しで、“良い子ちゃん”なんだ。
大半が男ばかりで、引継ぎ前の昼間のシフトだっておばちゃんばかり。
良い思いが出来ない人生に違いない・・・



そんな思いで始めたバイト生活だった。
でも、その状況はやがて変わっていった。自分の予定とは違う方向で。
2ヶ月ぐらい経った頃だろうか・・・
僕たちのシフトから大勢の脱落者が出て、しかも募集に応募はあるものの続かず。
そんな状況が繰り返されていた。
僕らは勿論だが、母親の後輩である店長の朱美さんは本当に大変だったと思う。
元々知り合いと言う事もあったし、その頃には僕も慣れていたから、
当初は週4日の予定だったシフトも、終わってみれば週6日勤務な事も多かった。
仕事が嫌いだったわけじゃないし、お金が増えるわけだから不満は無かったけど、
使う暇が無いのも、どこか目的を無くした様で変な感じで。

それに自然にそのシフトを受け入れていたのは、母親の知り合いだからと言うだけでなく、
朱美さんが尊敬・信頼できる人だったからだと思う。
僕の母親も同級生の中では若い方だが、朱美さんはその後輩。
なのに可哀想に、結婚した男性が散々だった様でシングルマザーになっていた。
中学生の子供を実家に預けながら、朱美さんは必死に働いていた。
30代後半だと言うのに、俺たち大学生男子よりもよく動く。
昼間の勤務から俺たちのシフト中盤まで、連続10数時間の勤務も日常的だったし。
文句を言わない人。そしていつでも笑顔でいる人。
それはお客さんだけでなく、僕たちバイトなんかでも同じで・・・
こんな言い方は失礼だけれど、朱美さんは背が小さいしショートカットだから、
何て言うか童顔だし、子供みたいなカワイイところもあって。
確か身長も150センチちょっとだったと思う。

忙しい中で少し手が空けば、僕たちにお茶を入れてくれたりする。
自分は連続勤務中だと言うのにだ。疲れた顔を見せないで笑っている。
でも・・・
だからこそ、僕はどんどん朱美さんの表情が気になっていた。
どうしても一人の時の朱美さんの表情まで追いかけてしまう。
さすがの朱美さんも、不意に疲れた・疲れ切った表情の時がある。それに気が付いた。
そんな時、僕は胸が痛くなる。
あんな小さな体で必死に店を回している朱美さんが・・・
最近、その痛みが自分の中にずっと残ってしまっていて、それが消えない。
少しでも休んで欲しいと思ってしまって。そんな事ばかり考えて。

母親は言う。
「朱美は元気だから大丈夫だよ。あの子部活の時だって私たち先輩以上だったから!」
「別れた旦那の暴力からも子供を守りきった強さがあるしね」
僕の母親も強い人だから、その母親が言う朱美さんの強さは本物だと思う。
でも、その朱美さんの強さはいつだって守りたい誰か(何か)の為な気がする。
朱美さんは紛れもなく子供を守ろうと必死なのだと思う。
何より、僕を朱美さんのところでバイトさせたのだから、母親だって心配している。


店内のお客さんの波が途切れて、相方が休憩している時でさえ僕は店内に残る。
店長である朱美さんにはそれは迷惑なのかもしれない。
でも、朱美さんを見ていたい気持ちが大きくなって・・・
そして僕は、僕の中の“朱美さんの近くにいたい”、そんな気持ちにも気づいていた。
大学生の僕が、自分の母親の後輩である30代後半の女性を好きになる事は・・・
普通なら“バイト先のおばさん”との関係に過ぎないのかもしれない。
彼女に無関係でバイトした先の店長だとしたら、違っていただろうか。
彼女が小さい体で頑張っていなければ違っていただろうか。
年の大きく離れた知り合いのシングルマザーを好きになった大学生はどうしたら・・・
そう。僕は店長の事が、朱美さんの事が好きだ。

初恋から今までの、同級生や先輩・後輩を好きになった気持ちとは違う。
また、先生を好きになった様な気持ちとも違う。
説明なんか出来ない。遥か年上のしっかりした女性。
なのに守りたくて、僕になんか何の助けも出来ないのに、それでもそばにいたい。
朱美さんはカワイイ人だけど、別に性的な魅力で惹かれているわけではない。
子供のようなサイズだし、また、そっちの趣味もない。
でも・・・
抱きたいのではなく、抱きしめたくなる人。
僕なんかより遥かに大きくしっかりした人だから、抱きしめるなんておかしい。
それでもあの後ろ姿を見ている程、どうしてもその気持ちは膨らんで行く。

バイトの中ではある意味僕は特別な存在だ。
それは先輩の息子という事もあるし、こんな状況で優先的にシフトに入っているから。
だけど、それは女性店長である朱美さんにとっての異性という扱いには程遠い。
勤務時間のせいだけでなく、大学にいても自宅に帰っても頭の中は朱美さん一色だ。
母親もさすがに、“少し疲れてるんじゃない?”と聞いて来る事がある。
でも、求められる限り、僕の方から彼女と一緒の時間を減らす事などあり得ない。
今、彼女は僕の全てなのだから。


急に暑くなった日があった。しかも湿気が多くてムッとした日で。
僕らも全員汗が溢れた日だった。店長も一層疲れた顔になった日。
そしてそんな時に限って体調が悪いとバイト一人が早退した。
別に少し気持ちが悪くなった程度なのに、店長が帰した。朱美さんはそんな人だ。
僕のシフトに入って2時間以上過ぎたところだった。人の波も引いて・・・
店長が急にその場に蹲った。
「店長大丈夫ですか?」
僕が声をかけても、店長は“大丈夫”と微かに発するだけ。動けない。
疲れも溜めに溜め、そして急の厚さと湿気と。本当に辛かったはずだ。
僕は店長を抱え、一旦バックルームに座らせた。
しかし店長は蹲ったままだし、顔色も青ざめている。
この場所では楽な姿勢になれないので、僕は店長のクルマの鍵を探し、
店長のクルマまで店長を運んでシートを倒し、そこに寝かせた。
まだ気温が高かったので、彼女のクルマのエンジンをかけ、エアコンをつけた。
瞳を閉じた彼女は涙を流していた。そして“ごめんね・・・”と・・・

その後は僕と新人で何とか店内を回した。客数も比較的少なかったし。
1時間以上過ぎた頃、僕は店長のクルマに向かった。
彼女は目を開けている。空を見上げる様に、そして沢山泣いたのだろう。
僕が近づくとこっちを見た。そして慌てて涙を拭いていた。
彼女は急いでシートを起こし扉を開けた。
「ごめんね。迷惑かけちゃって。ありがとう。頼りになり過ぎるよ・・・」
彼女は優しく温かい笑顔を俺に見せてくれた。
“ちょっと”
そう言って彼女は僕を手招きした。
静かに僕の首の後ろに手を回しながら“こんな事しか出来ないよぉ・・・”
優しく、でもしっかりと僕の唇に彼女は唇を合わせてくれた。

「忘れて!」
そう言って彼女はクルマのドアを勢いよく閉めて、足早に店内に向かって走った。
誰もいない駐車場に残された僕に、何故か風が吹き抜けた気がした。
店内に戻った店長は元気いっぱいだった。
あの笑顔は誰をも幸せにする笑顔。大切な笑顔。

家に帰ってからも、その事から頭が離れなかった。
大好きな店長、いや、朱美さんを僕は守れたのだろうか・・・
そして彼女の遠慮がちで控えめで、でも必死にくれたキスな気がした。
彼女は志の高い人。店のバイトだし、何より先輩の息子。
バツ1のシングルマザーとなった自分にも厳しい人なのだから。
だからこそ、そんな彼女が精一杯くれたあのキスは嬉しかった。
きっとどうなるものでもない関係。
“僕たちの関係”などと呼べる様なものでもないし・・・
僕が男と意識されたものでもない。それぐらい分かっている。
でも、好きな女性が自分からくれたキス。それは嬉しいに決まっている。

僕は好きだ。特別な関係になどなれなくても、それでも好きだ。
ちゃんと大人になる。この気持ちを大切にして・・・





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「兄貴の彼女」
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(プラトニック 年上女性 ショートカット アルバイト チェーン店)


テーマ : スイートストーリー(恋愛系作品)
ジャンル : アダルト

tag : 女性店長憧れ聖女バイト先責任者シングルマザー大学生

「ハーフ・ハーフ  ~ 再会 ~」




これまでのストーリーはこちらへ⇒ 「ハーフ・ハーフ」




周りの連中は必死に黒板をコピーしている。スマホ・デジカメ。
俺は・・・
窓から中庭を見ている。
あれから何年経っただろう。今も忘れる事のない記憶。
夢なのかも分からないままになっていた記憶。
高校進学前の、まだまだ幼かった俺に突然訪れた青い季節。
大好きなお姉さんの感触・香り・・・
今も忘れない。
高校時代、そして大学に入った直後に彼女が出来た時、少しだけ薄れても、
それでもそんな波が消えた後にはいつも動く事のない大切な記憶。
早紀ちゃんがやって来る・・・


母親が入院して1ヶ月が経とうとしている。
まぁ手術も終わったし、経過も良好なので、来月には帰ってくる。
自分の兄弟や父方の親戚、友達やご近所さん、もう沢山見舞いも来ていた。
そして早紀ちゃんも来る事になった。
心配する姉である俺の母には“旅行ついで”と気遣った理由をつけて。
この5年ほどの間に、何回かニアミス程度の事はあった。
だけど両親が早紀ちゃんの住む実家に旅行で行った時も、
早紀ちゃんがこちらにやって来た時も俺には予定が合わなかった。
一度は高校の修学旅行と重なった為、そしてもう一回は・・・
その時に付き合っていた彼女への気遣いと言うか・・・

俺は家族は勿論、彼女にも友達にも誰にも話していない。言えない。
叔母さんの家で特別な体験をしたなんて。
でも、俺の中ではあまりに大きな記憶となり、彼女が出来てもどこか違っていた。
あんなに優しく、そして大きく包まれてしまったから・・・
そんなものを若い女の子に求めても無理だとは分かっているはずなのに。
そしてその優しさには香りと温もりが伴っているのだから。
自分でも恐れていたが、早紀ちゃんは自分の理想像になっていた。
子供の頃の優しいお姉さんだった早紀ちゃん。
そして、俺の全てを支配してしまったあの夜の早紀ちゃんも。
どんな女の子もそれを超えたりなんかしない。


俺は期待、そして大きな不安に被われていた。
早紀ちゃんはうちに泊まる事になっていた。それも2泊。
父の帰りは深夜と呼べる時間に近いので、昼間は事実上二人で過ごす事になる。
二人はあの時間からもう5年ほど過ぎている。
途中、家族のいるところで電話で話しただけだし、お互いに普通だった。
早紀ちゃんは今も独身のままだけど、30を回ったところ。
俺は大学に進学し、少しは大人になったと思う。女性経験もした。

俺は早紀ちゃんを前にしてどう向かい合えば良いのだろう・・・
あの時、早紀ちゃんの住む家に向かった時の期待感とは逆に、今、
早紀ちゃんが俺の家にやって来る不安感でいっぱいになっている。
高校時代も大学になって付き合った彼女も同級生だったが、二人とも、
“あなたは年上のお姉さんを求めているんじゃない?!”と言われた事がある。
あの事があったからなのかは分からないが、それを言われる度、
いつだって早紀ちゃんが、そしてあの夜の事が思い浮かぶ。

それに綺麗事なんかじゃない。
俺はあれ以降、数えきれない程に早紀ちゃんでオナニーしてしまった。
彼女がいた時でさえ、罪悪感に囲まれながらもしてしまった。
大きな胸、温もり。あの優しい匂い。早紀ちゃんの声も大好きだ。
本当に分からない。
子供の頃から、自分の好きな女性の頂点はいつでも早紀ちゃんだったのかもしれない。
それは性的な成長前も後も、違う姿の早紀ちゃんがそれぞれいて・・・


ついにその日が来た。
再会は病院の廊下だった。
あの頃よりももっと太った気がした。それに少しおばさんにもなった気がした。
でも、やっぱりその優しい笑顔・声に触れてしまうと、大好きだと思う。
あれからの時間、そしてあの時よりも年老いた早紀ちゃん。
大学生の俺からしたら“熟女”と呼ばれる世代だけど、やっぱり理屈抜きで好きだ。
母のベッドの横に腰を下ろした時、早紀ちゃんはジャンパーを脱いだ。
生地の厚いTシャツだから透けたりはしないけど、より大きくなっていた。
俺の母親も、「早紀、ずいぶん太ったでしょ?!」と笑っていた。
早紀ちゃんは照れ笑いしながら、
「やめてよ、若い男性の前で! もう~」と赤い顔をして俺の顔を見る。
スッピンに近い赤ら顔の早紀ちゃんに、何故かドキっとした。

二人は母の見舞いを終え、バス・電車を乗り継ぎ、
そしてスーパーに寄って夕食の買い物をして家に向かった。
「元気だった? 大きくなったよね。なんか良い男になっちゃって・・・」
早紀ちゃんは移動中そんな話をしながら照れ笑いを繰り返した。
二人きりでも、早紀ちゃんはまったく早紀ちゃんの家での事に触れない。
だから勿論、俺もそんな話題に触れる事が出来ずにいた。
もう家に着く直前に、「今、彼女いるの?」と早紀ちゃんに聞かれて、
ただ正直に“今はいない”と答えただけなのに、すごく熱くなっていた。
「周りの女の子は見る目がないね。こんなに格好良くて優しいのにネ!」
玄関に辿り着いた時にその言葉を聞いた。お世辞でも嬉しかった。

早紀ちゃんは過去にもこの家に来ているので、家は珍しくない。
スーパーで買ってきた物をキッチンに持って行くと、「手伝うね!」と荷物を置き、
ジャンパーを脱いでキッチンにやって来た。
まだエアコンが効かない室内。外からの帰りで、早紀ちゃんの首元も汗ばんでいた。
Tシャツのワキには汗のシミが広がっていて、それに気が付いた早紀ちゃんは、
「いやぁ、恥ずかしい・・・」とキッチンから飛び出し、荷物へ向かった。
自分も沢山汗をかいていたので思わず、「シャワー浴びれば?!」と言ってしまい、
直後にその言葉を発した自分が恥ずかしくなってしまった。
早紀ちゃんも顔を赤らめ、「あっ、ありがとう・・・」と笑っていた。
早紀ちゃんはソファーに荷物を広げていた。
洋服を取り出した中に、早紀ちゃんの下着が見える。大きなブラジャー・・・
俺は“あの時”のあの鼓動を感じていた。思い出した。

あの時、洗濯機・風呂、そして布団の中で・・・
早紀ちゃんの下着・早紀ちゃんのシルエット、そして早紀ちゃんの感触。
全てのあの瞬間が昨日の様に思い出された瞬間。
自分でも分からない・・・
俺は静かにキッチンを抜け出し、片付けをしていた早紀ちゃんに後ろから抱きついた。
「えっ?! ダメだよっ。ダメ・・・」
俺がより強く抱きつくと早紀ちゃんは、「ダメだって、汗臭いから。おばさんだよ」
そう言って離れようとした。
俺は洗濯物の広がったソファーの上に早紀ちゃんを押し倒してしまった。
そして早紀ちゃんの両腕の手首を押さえつけ、早紀ちゃんの上に載った。

「ダメ! やめてぇ!! こんなのダメだって! あなたの叔母さんなんだよ!!」
早紀ちゃんは必死に抵抗する。
俺は必死だった。そして叫んだ、 
「俺、ずっと早紀ちゃんのこと好きだった! 大好きだったんだ!!」と。
その言葉を叩きつける様に投げ、俺は早紀ちゃんの胸元に顔を埋めた。
その瞬間、早紀ちゃんの腕からはチカラが抜け、俺を静かに見つめ、
「何で・・・ おばさんだよ。何で・・・」
そう言って静かに、そしてあの時の様に俺の頭を包み込んで抱きしめてくれた。
俺は早紀ちゃんのTシャツを捲り、そしてブラジャーも捲った。
大きな胸を必死で掴み、そこに顔を埋めた。
「汗臭いでしょ?!」
早紀ちゃんは恥ずかしそうに俺を見る。
でも、そんな汗の匂いも含めて、早紀ちゃんのこの香りが俺には最高なんだ・・・


俺は早紀ちゃんのジーンズも開こうとした。
俺だってもう女性経験もある。普通の男として先に進もうとする。
しかし早紀ちゃんはさすがに、
「だめっ!! 私、お母さんの妹なんだよ!! そんなの出来るわけないっ!」
早紀ちゃんは必死で俺をかわした。
「分かった・・・」
俺は諦めて、汗を流す為に早紀ちゃんを先にシャワーを使わせた。
でも・・・
曇りガラスの先にある早紀ちゃんのカラダ。
そして籠に入れられた早紀ちゃんの下着。汗の染みた下着・・・
俺はあの時の大きな記憶さえ更新する様に、思い切り香りを嗅いだ。
もう興奮は最高潮に達していた。

俺は服を脱ぎ、早紀ちゃんがいるバスルームの中に飛び込んだ。
「えっ! ちょっと! 本当にダメだってぇ・・・」
胸を押えながらこちらへ振り返り、俺を押し出そうとする。
体全体がふっくらしていて、こんな体を“グラマー”と言うのだと思う。
俺が陰部まで視線を落とすと、
「見ないで! だめ! 出て行って!!」
早紀ちゃんは怒った口調で必死に俺を追い出そうとする。
あの夜でさえ、俺は完全なる早紀ちゃんの裸を見ていなかった。
今、俺の目の前に夢にまで見た、想像でオナニーに使っていた裸がここにある・・・
昔の俺だったなら、きっと引き下がっていたのだと思う。
だけど、今の俺はもう違う。絶対に早紀ちゃんを手に入れたい。
俺は初めて見る全裸の早紀ちゃんを前に完全に勃起していた。
それをぶつける様に早紀ちゃんに抱きついた。

「お願い!! 本当にやめて。こんなのだめ、許して!」
早紀ちゃんは必死だった。そして泣きそうになった。
俺が少しチカラを弱めると、「私が悪いんだよね・・・」と床に崩れた。
あの時と同じ言葉・・・
早紀ちゃんはどこまで優しいのだろう。

「お願い。目をつぶって!」
早紀ちゃんはしゃがんだまま俺に言った。
俺が立ったまま静かに目を閉じると、早紀ちゃんは俺の体にシャワーをかけた。
そして肩・胸・お腹・腰回り・太腿とシャワーを流して行った・・・
「私・・・ 罪だよね。こんな事しちゃいけないんだよね・・・」
静かに言葉を発した後、軽く手で擦り、それを口に含んでくれた。
あの時の感触。でも今は、全裸の早紀ちゃんが目の前にいる。
俺は約束を破った。
目を開けて、上から口でしてくれている早紀ちゃんを見ていた。
そしてその下には大きな胸が膨らんでいる・・・
俺はあっと言う間に放出した。それも量が多かったのか、早紀ちゃんの口から溢れた。

俺は早紀ちゃんが愛おしくて、そこにしゃがみ、早紀ちゃんを抱きしめてキスをした。
しかし早紀ちゃんは必死で俺を押え、先にバスルームを出て行った。


夕食の時、口数は少なかった。さすがに少し反省したが、でも、
どうしても早紀ちゃんの事が好きだ。この気持ちは止まらない。
早紀ちゃんは夕食後、二人でいる事にも罪悪感があるのか、
早々に片づけて自分の休む部屋に入ってしまった。
俺はリビングで少し考えていた。勿論、母の妹である早紀ちゃんを好きな事、罪悪感、
それからは逃れられない。
でも、どうしても諦める事などできない。
9時を回った頃、俺は早紀ちゃんの部屋のドアを叩いた。
既にパジャマになっていた早紀ちゃんが扉を開けた。
「何?」
わざと素っ気ない対応をしていると言うか、辛そうな表情にも見えた。
それでも俺は「入れて!」と部屋の中に強引に入った。

「私、どうすればいいの・・・」
早紀ちゃんは苦しそうな表情で俺を見る。
「好きなんだ。どうしても早紀ちゃんが好きなんだ!」
俺のその言葉に観念した様に固まり、早紀ちゃんは動かなくなった。
少し静かになり、
「お父さん何時に帰ってくるの?」と早紀ちゃんは俺に聞いた。
「きっと12時近いと思う・・・」と俺が答えると、
「分かった・・・ うん。分かったよ・・・」
早紀ちゃんは静かに頷いて、ベッドの前に向かい立ち止まった。
そして・・・
パジャマの上着のボタンを外し、上を脱いだ。ブラはつけていない。
続いてパジャマの下も脱いだ。薄いベージュのパンティだった。
早紀ちゃんはそのままベッドの中に入って仰向けに寝て、瞳を閉じた。

「電気消して。好きにしていいよ。私の体、自由にしていいよ」
「でも、お願い。一つだけお願い。中には入れないで欲しいの・・・」
俺は電気を消した。
そして早紀ちゃんの入ったベッドに入った。
布団を捲ると、早紀ちゃんの大きな胸がそこにある。
それでも俺は、それより先にキスをした。その口元に夢中になった。
でも早紀ちゃんは恐れ、
「だめ! そんなのだめよ。体だけにしなきゃだめ!」
そう言ってキスを嫌がった。
大好きなのにキスをさせてくれない早紀ちゃんの胸を力一杯掴んだ。
手の平から溢れ出る事を許さない様に必死で掴んだ。そして口に含んだ。
早紀ちゃんは激しく揉み続けられるうち、時々苦しそうな反応を見せる様になった。
それを恐れたのか、起き上がって俺のモノを急いで口に含もうとした。

俺は早紀ちゃんにさせない。
早紀ちゃんは早く終わらせようとしている。それが見える。
そんな事は嫌だ。長い時間愛し合いたいのだから・・・
俺は早紀ちゃんの股間に手を入れた。
「キャ! だめ!! そこはだめ!」
必死で俺の手を押える早紀ちゃんだが、中が濡れている事は分かった。
俺はキスをさせてくれず、下半身も守ろうとする早紀ちゃんを余計に欲しくなった。
強引に体位を変え、早紀ちゃんの陰部を愛撫しようと股間に顔を埋めるが、
早紀ちゃんは必死で抵抗する。
太腿の内側から舐め、必死に陰部に近づこうとするが抵抗がすごい。
俺はもう一度体勢を直し、早紀ちゃんの両手首を押さえつけ激しいキスをした。
何度も何度も早紀ちゃんは逃げようとするが、諦めずにキスを続けた。
そして俺が早紀ちゃんの脚を持ち上げ抱きつこうとすると大きく声を上げたが、
俺は必死で上に載った。

「ダメ・・・ 本当に許して。もうダメ・・・ お願い・・・ お願いだから・・・」
激しいキスをしながら上に載って押さえつけているうち、
ついに早紀ちゃんの中に押し込んでしまった。
早紀ちゃんは絶望的な声を上げた・・・
「あぁ・・・ だめぇ・・・ お願い・・・」
早紀ちゃんは泣きながら、そして俺の背中に腕を回して抱きしめた。
俺は激しく突き上げた。早紀ちゃんは自分で自分の腕を噛みながら必死で我慢する。
大きな胸が円を描くほどに俺は早紀ちゃんを突いていた。
最後には早紀ちゃんが思いきり顔をそらした状態で悲鳴に近い声を上げた。
そして俺は早紀ちゃんの顔やベッドのヘッド部分にまで飛び散る量を射精した。


「ああぁぁぁ・・・」
早紀ちゃんは激しく泣きながら、俺を抱きしめた。
こんな事になり、最後まで抵抗したにも関わらず感じてしまった自分を責める様。
早紀ちゃんだって女のはず。そして独身の女性だ。
許されない関係だって事は分かってる。でも、俺は一人の女性として早紀ちゃんが好きだ。
俺の理想の人で、周りのどんな女性よりも好きにさせる女性。
早紀ちゃんをこんなにも傷つける俺は鬼畜かもしれないけど、俺は後悔しない。


俺は次の日もキスをし続け、そして再び抱いた。
早紀ちゃんとの壁を無くしたかったから。
最後の夜になってしまうのだから、俺は必死に抱いた。
そして、今回も早紀ちゃんは愛撫される事を拒否していたが、俺は諦めなかった。
自分が全てをかけて愛したい女性に愛撫出来ないなんて考えられない。
俺がしている事はレイプに近い。レイプだったと思う。
でも、俺が必死で懇願し、辿り着いた早紀ちゃんの奥底・・・
そこは困難の先にあったからこそ最高の景色の湖が広がっていた。
やっと辿り着けたその場所。全てを注ぎ込んで愛撫した。
早紀ちゃんもシーツの海を泳いでくれた。
はるか年下のまだまだ未熟な男の必死な愛。早紀ちゃんは受け止めてくれた。

最後の朝、もう二人は最高のカップルがするキスが出来たと思う。
新幹線ホームに送った俺は、人の目などを気にせずに早紀ちゃんに激しいキスをした。
こんな叔母さんと甥っ子の関係は許されないとは思う・・・
だけど、法律や道徳を超える想いだってあると思う。
俺には過去に・現在に、そして未来に、これほど好きになれる人など出ないと思うから。



そんな俺にはショックな便りが届いた。
早紀ちゃんは店を休業し、しばらく海外で暮らすとの事。東南アジアの街で。
親戚や周辺には、アクセサリーの勉強や仕入れと言っているが、俺には・・・
申し訳ない気持ちが溢れる。でも、俺の気持ちは揺るがない。
許されない愛だとしても、俺は早紀ちゃんを待っている。
そして早紀ちゃんに似合う大人の男になる。
誰の許しもいらない。早紀ちゃんにだけ許されればいい。



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「スイート・モーニング・スイート」




ずっと寝顔を見ていたい。
優しい光と時間、ずっと寝顔を見ていたい・・・



こんな関係になるとは思わなかった。
もう少しで1年になると思う。
目の前で静かに寝息をたてる玲香と出逢ったのは。
玲香は大学のサークルで先輩たちと一緒に、
地元のよさこい祭に参加していた。
華やかな赤と黒を基調にした衣装。元気と笑顔の溢れた踊り。
まだ新人の玲香は後ろの方で踊っていた。
前にいる先輩たちと違って、とても上手いとは言えない。
でも、とても良い表情で、そして必死に踊っていた。
私はいつしか、そんな玲香にズームを合わせ、
必死にシャッターを押していた・・・

私は一応、プロカメラマンだ。一応。
しかし、どうしても”一応”と付けてしまう。
カメラが好きで始めた仕事だったが、実際は甘くない。
立場・肩書きは”フリーカメラマン”だが、
私の仕事の大半は、望遠・夜・盗撮・・・
週刊誌の取材チームと一緒に行動し、彼らの欲しい画を収める。
要するに普段は、”被写体に嫌われる黒い仕事”だ。

そんな私が久々の、祭の写真というラフな仕事をした時だった。
望遠レンズ慣れしてしまったせいか、普通にしていても、
前列の人間より、後列の被写体の方が撮りやすくなった。
チャンスの少ない仕事を強いられるせいか、
無駄なショットも少なくなった。
次々と凄まじい数の人々が踊る中、私は少しどんくさい動きの、
でも、温かい笑顔と一生懸命さ溢れる彼女から伝わるもの、
それに強く惹かれた。
踊りの上手い子、美人も沢山いた。
しかし、彼女は正面から私のレンズに入って来た。


自分でも不思議だった。
なぜ彼女にそんなに惹かれたのか・・・
後になって冷静に考えれば、その頃は本当に荒んでいた。心が。
周りから見れば順調に仕事をしている様に見えただろう。
仕事が少ない仲間も多い中、私は忙しかった。
しかし、仕事とは言え、私の写真で多くの人の人生を変えた。
それも、例外なく転落し苦しみ、時に消えて行く・・・
有名人を離婚させ、芸能界を引退させた。何人も。
そしてついには、ある一人のアイドルを追い込んでしまった。
彼女が消えた時のショックは今でも消えていない。
回りも”仕事だから・・・”とは言ってくれたが・・・

そんな私の前、ファインダーの中に写り込んだのが彼女だ。
玲香の無償な、そして汚れていない内面が眩しかった。
必死になって撮っていた。撮らされていた・・・

そのチームの演舞が終わった時、
彼女は数人の先輩と一緒に私のところに来た。
彼女は一番後ろにいたし、私とは一言も話していない。
リーダー格の先輩なのだと思うが、
「すみません! あのー、写真頂けないでしょうか・・・」
周りにも沢山のサンデーカメラマンが広がっていたが、
撮られる側も撮る人間のスキルが分かるのだろう。
踊りのレベルの高い彼女たちだからこそ撮られ慣れ、
どのカメラが自分たちを上手く撮っているのかが分かる。
ある意味、ハキハキとした彼女たちのプロ意識に翻弄された。
どの世界にいても素人でも、そこにレベルが存在する。

「良い写真撮れてるか分からないよ!」
そんな言い訳をして、簡単な連絡先交換して彼女たちと別れた。
私はその後も仕事を続け、彼女たちとは再度、
別の会場で出くわした。今度はチーム全体をしっかり撮影した。
しかし、それでも彼女の枚数は圧倒的に多かった。
きっと何でもない普通の”かわいい女の子”・・・
なのに、彼女の表情が変わる度・髪がなびく度にシャッターを。
ずっと美人もそうだし、嫌になるほど人間を写して来たのに。
どんなフィルターも全て素通りしてしまう素材に出くわした。
勿論、それは私にだけなのだろうが・・・

全ての会場・全ての演技が終了し、私はカメラをしまい、
歩いて15分ほどの私鉄の駅に向かった。
演技を披露したチームもジャージ姿などでホームにいた。
同じホームに入線して来る電車も、行く先・種別が異なり、
私は先に入線して来た電車を2本見送った。次の急行に乗る為。
電車が停まり、私が乗り込んで反対側の椅子に座った時、
ホームのはるか先の方から、
「待ってぇ! 乗ります!!」
賑やかな声がホームに響いた。
”雪崩れ込んで来る”とはこんな状態を言うのだろうな勢いで、
十数人のジャージの女性たちが乗り込んで来た。
激しく息を切らし、
自分たちに車内の視線が集まった事に気付いたのか、
「ご迷惑をお掛けしましたー! 申し訳ありませんでしたー!」
その集団は一斉に、それも深く頭を下げた。
私は圧倒されたし、その威勢の良さと潔さにも圧巻だった。


何か嬉しくなって笑っていたら、偶々彼女と視線が合った。
さっきは言葉など交わしていなかった彼女だが、
会釈をしてくれて、私も静かに軽く会釈を返した。
彼女以外は私に気付く事もなく、祭の話に没頭していた。
私は遥か遠方なので、この電車の終点の乗換えで、さらに遠い。
彼女たちは地元が多いのか、一人、また一人と下りて行く・・・
私は手帳を見ながら、次の週のスケジュール確認をしていた。
すると突然、「隣、いいですか?」と声が聞こえた。
見上げると、彼女だった。
私に沢山のシャッターを押させた彼女・・・


さっきと同様、”写真が欲しい”という話をした。
私は勝手に、”彼女を追い続けたカメラ”に気付いている、
そう思っていたのだが、彼女は目が悪いとの事だ。
普段は仕事で冷静に、対象に気付かれぬ様撮っている自身がある。
しかしドキっとした。今日はそんな自身が無かった。
最近忘れていた、”食べるため”でなく、撮りたいものを撮った。
素人の頃、被写体を求めていた頃の私を思い出した・・・

彼女は素朴で、飾らなくて素直で。言葉が下手で・・・
どこか不器用で。
でも、きっと優しい御両親・御家族、温かい家庭に育ったと思う。
そんなものが彼女からは溢れてくる。
派手な衣装やメイクなど押さえるほど、内面がきれいな子だ。
汚い・醜い日常にどっぷり浸かったせいか、彼女が眩しい。
こんな時代でも、スレていない女子大生もいるのか・・・

年齢を聞いたら、彼女は私より二周り以上下だった。
離婚した妻との間に子供はいないが、いればこれぐらい。
でも、私と別れた妻との間だったなら、こんな子は生まれない。
私は正直に言ってしまった・・・
彼女に魅力を感じ、沢山の写真を撮った事を。
彼女は照れていたが、”自分が踊っている写真を持っていない”
そう言って、より写真を欲しがった。
話の中で、チームに対して送る写真と別に、
彼女には彼女中心の写真を渡す事になった。
電話番号とアドレスを交換して、彼女とは終点で別れた。


彼女は終点のターミナル駅だったが、私はさらに隣の県の中心。
快速電車で2時間近くかかる場所。
部屋に戻った私は、疲れも感じないままPCを開いた。
カメラ編集のソフトを開き、カードを接続した。
普段の仕事でも勿論すごい枚数の編集をするが、
イベントや祭、特に今日の様な場面では、その枚数は恐ろしい。
編集部への提出用を簡単に片付けて、目的の編集に入る・・・

彼女のチーム全体の編集を先に行うつもりだったが、
彼女の素晴らしい表情のショットを見つけてしまい、
私は手にしたマグカップもそのまま、その画像を全画面表示した。
何とも言えない。そこで時間が止まってしまった。
自分の中の奥底にある何かが揺さぶられる感じがした。
彼女は可愛いし美人だ。
でもそんな事よりも内面の温かみと言うか、何かが伝わる。
モデルもアイドルも沢山撮って来た。
どんな女性にも”奇跡の一枚”みたいなものはあるし、
写真として素晴らしいものはある。
彼女のショットは何と言うか、どれも伝わって来ると言うか、
一枚に込められた魅力と言うより、被写体そのものの魅力。
それも写真でありながら内面に焦点があっている気がする・・・


結局、チーム全体の写真は大学の窓口に郵送する事になった。
そして・・・
彼女とは直接手渡しする事になった。
取材や出張でスケジュールが合わず、一ヶ月以上経ってしまった。
それでも彼女に会うのが久しぶりな気持ちにはならない。
私の部屋の編集デスクの上には、A4サイズの彼女の写真がある。
今まで自分が撮って来た最高の作品の中に並んで。
他の作品たちが”決定的瞬間の一枚”か、動きのない風景や自然。
その中にあって、彼女の写真だけは意味合いが違う。
きっと、誰かがここに立ったなら、別の写真家の写真と思う。
だけど、迷う事なく、その写真は中央に置いた。

彼女の家と大学の途中にある急行停車の大きい駅で待ち合わせた。
コーヒーショップと言うより少しレトロ系の”喫茶店”で。
便宜上、この駅での待ち合わせとなって、
この沿線には詳しくない私の頭に浮かんだのがここだけだった。
まだ営業しているのかの自信さえ無かったが、便利な時代、
ネットで検索したらあった。今も人気店の様だ。
夕方5時の待ち合わせだったが、彼女が来れたのは6時前。
ちゃんと時間前に”申し訳ありません・遅れます”と連絡はあった。
私も暇な時間はスケジュール確認や経路検索などやるので、
1時間などあっという間に過ぎてしまう。

「申し訳ありませーん・・・」
私は顔を上げたが、またもドキっとした。
前回見た彼女とは別人の様で、束ねていた髪はストレートに、
派手な衣装やジャージ姿だった彼女が、
赤いセーターとロングスカート。そしてブーツ姿。
でも顔は、派手なメイクを落としてもしっかりした美しい顔だ。
先輩たちに紛れて少し子供っぽくも感じられた前回。
そして今、私の前に立っている彼女は大人っぽく見えた。
それでも話してみれば、純粋で言葉が下手で、
可愛い女性のまま、何も変わらない。


写真を見せた。
彼女は他の人が振り返るほど大きめの声とリアクションだった。
私がせっかくなので、大きめの写真と2Lサイズを平行し、
簡単な写真集の様な構成でフォトブック風に仕上げたからだ。
顔を赤らめ、見入ると言うか、大きな自分に驚いていた。
でも、そんなリアクションの彼女を見ながら、私も恥ずかしかった。
一枚の写真に写っているものは、被写体そのものだけでなく、
撮り手をも写している事になる。
今、彼女が顔を赤らめる程に彼女の内面を写している写真は、
他ならない、それは私が求めているそのものなのだから・・・
彼女が論理的にそれに気が付いたり考えたりしないだろうが、
でも、彼女が感じる直感が冷静さを持った時、
彼女は撮り手のその意識・想いを見透かしてしまうかもしれない。

正直とは怖いもの。とても勇気のいるものだと思う。
この写真を第三者が見れば、”彼女への想い”に気付くだろう。
でも、私はそれを彼女に渡してしまった・・・
少し後悔しながら、でも、こんな写真を撮らせた彼女に。
そして彼女にとって最高に財産になる様な写真をあげたかった。

驚きや沈黙もあったものの、私も一応はプロカメラマン。
全体写真や演舞中の写真も含め、彼女は気に入ってくれた。
写真を見終わった彼女は、
「写真、本当にありがとうございました。すっごい感謝です!」
「チームでもらった写真も、みんな、本当に喜んでました」
「それに、こんなところに素敵なお店あるの、知りませんでした」
「今日は遅れてすみませんでした・・・」
「この後なにか御予定ありますか?」
そんな話になった。
彼女は遅れた事への謝罪と、写真への感謝の気持ちという事で、
私に食事を御馳走したいとの事だった。
”大学生に御馳走してもらうわけにはいかない”と言うと、
彼女は”週2回バイトしているので大丈夫です”と言い、
この駅近くにある先輩と来た居酒屋の名物を食べさせたいと、
一生懸命に私を誘ってくれた。


その店に行った。
平日の19時前だが、結構賑わっていた。
一番奥の方の壁側の二人席に座った。
大学生のお勧めと馬鹿にしていたが、どの料理も美味しかった。
まだ酒が弱いと言っていた彼女は、すぐに赤い顔になった。
彼女はお嬢様の様でいて、箸使いが下手で、そして言葉下手。
でも、そんなどれもが悪い気持ちにさせるどころか、
なぜか不思議と温かい気持ちにさせる。
勿論、品が無い(下品)なのではなく、あくまでも下手なのだ。
彼女が話していると、一生懸命言葉を捜したくなる。
彼女が食事をしていると、ドキドキして仕方がない。

欠点を魅力に変えるのは愛情だと思う。
でも、私の人を愛する能力などとても乏しい。
そんな男にさえ愛させる程、彼女は何かを持っている人だ。
つまらない話だ。女子大生のどうでもいい話だ。きっと・・・
だけど、どうにも一緒にいる時間が幸せになる。

楽しかった。彼女も酔ったし、笑顔が溢れた。
21時。それはカップルが解散するには早過ぎる時間だろう。
しかし彼女は、その時間には帰さなければと思わせる人だ。
彼女はどうしても御馳走したいと言ったが、私は、
”今度ラーメンでも御馳走してよ!”と言って、
少し強引に支払いをして、二人で店を出た。
出口を出てすぐの段差で彼女は躓いた。
私は彼女の腕を掴み、そして抱き寄せた。
壁に彼女を押し付け、彼女にキスしてしまった・・・
こんな純粋で、そして年の離れた大学生に。
でも、彼女は唇が離れた後、私に抱きついてくれた。

「また会いたい・・・」
抱きしめた彼女がそう言ってくれた事、とても幸せだった。
少しの時間抱きしめていた。
そして通りから店内に入ろうとやって来た客が、
そんな二人を自然に引き離した。


彼女を駅まで送る道、彼女は苦手な喋りで聞かせてくれた。
高校生の時に彼氏が出来た事があったが経験がなく、
男性経験のない自分が恥ずかしいと・・・
彼女はかわいい。だから聞いた、なぜ付き合わないのかと。
”自分が好きになれないと一緒にいる事が出来ない”
そんな返事だったと思う。
彼女は立ち止まり、そして私を真っ直ぐに見て言った・・・
「好きになっても良いですか?!」
「ダメですか。ダメ・・・ ですよね・・・」
彼女が足元に視線を落とし、言葉を言い終えようとした瞬間、
私は彼女を強く抱きしめていた。
あんなに素敵な輝きを発する彼女の、あまりに細い言葉。
覚悟とか理屈なんか考えさせない。大切にしたくなるだけ。



彼女とデートする様になった。
楽しそうにはしゃいだり、
表情豊かな彼女は見ているだけで幸せになる。
そして・・・
抱いた。
本当に何も知らない。弱々しく緊張して小さく動けなくなる彼女。
精一杯、大切にしたくなる。
彼女は”ごめんなさい”を連発しまくる。
何も出来ない、されるままの自分が辛いらしい。
そんな彼女を見る度、強く抱きしめてしまう・・・
するとそんな私の反応を気にしてまた言う、
”ごめんなさい”

どんなに好きな女とした時も、遥かに年下とした時も、
こんなに相手の全身を大切に愛した事はない。愛せた事はない。
”愛撫”という言葉は卑猥な言葉の様に使われる事もあるが、
”愛する人を撫でる様に大切にしたい”
私はそんな気持ちで使いたい言葉だ。
溺愛なのだと思う・・・
無償だし、存在そのものがそこにあるだけでいいのだから。

どんなにセックスの上手い女性も、こんなに気持ちを満たさない。
彼女の様に溢れさせる事なんてない。
彼女が恥ずかしさで仰け反っても、
私は全身で時間をかけて奥深くまで彼女を愛す。
唇・乳房・陰部、そして肛門まで愛したくなる。
こんな風にさせたのは初めてだ。
この年になって、そこそこ経験も積んだつもりなのに・・・
セックスの楽しみは女性に愛させる事だと思っていたが、
こんなにも愛する事で、こちら側が満たされるなんて・・・
自分が果てる事が幸せだと思っていたが、
彼女が泉の様に全身で反応してくれる事は他に変えられない。
こんなに潤してくれるのに、なぜ謝るのか。
だから、私は彼女の溢れる海に溺れてしまう。

彼女はセックスを学ぼうと必死になる。私を喜ばせようと。
上に載ろうとしたり、口に含もうとしたり。
でも、私は無理をさせない。彼女を抱きしめてキスをする。
彼女は少し瞳を潤ませ、「どうして・・・」
そう言って大切にされる事に苦しそうになる時もある。

昨日の夜・・・
私たちは始めて喧嘩のような状態になった。
彼女は先輩にしつこく、
イケメン男性(他校の大学生)を紹介されているようだ。
私は不意に、でも本心で、
「君には良い彼氏が出来るといい。幸せになって欲しい・・・」
そう言った。言ってしまった。
すると彼女は、今まで見た事のないような不安な表情と、そして、
大粒の涙を溢れさせて怒り、そして泣いた。
私は驚いたし、とても痛い気持ちになった。
その後、謝りながら、長い時間彼女を抱きしめていた。


そしてその後、本当に激しく求め合った・・・
初めて抱いた時とは別人の様に、”女性”の彼女を見た。
髪を乱しながら私を強く見つめ、そしてキスを求め・・・
彼女も私も、激しく声を上げていたと思う。
特別に予約したスイートルームでの、昨夜の事。

今彼女は日差しの中、うつ伏せのままシーツの中で眠っている。
広い海を思いっきり泳いだ様な疲れなのだろう・・・
彼女の横顔、肩、少しだけ出た背中。
こんなに大切で、そして大好きな女性。
彼女は少し動き、静かに薄く目を開けた。
再び目を閉じて、
「昨日の言葉、嘘だよね。ずっと一緒にいるよね!」
強く大きめの声・口調で私に言った。
私は少し沈黙し、そして彼女のもとに近づき、
一気に彼女を覆っていたシーツを剥いだ。
「キャーっ!」
叫ぶ彼女より先に、私はバスルームに逃げ込んだ。
彼女は遅れて、乱れた髪と全裸のまま、
私が先に入っていた浴槽に入ってきた。

向かい合って入った彼女とキスをし、
彼女を反対側に向けて、彼女を抱く様に自分の上に載せた。
こんな朝、スイートルームのバスルームで抱きしめる・・・
何て幸せな時間だろう。
首元へのキスを繰り返し、シャワーで戯れ。
バスルームから上がって、二人は全裸のまま窓の前に立った。
ここは高層階。視線など気にしない。
いや、むしろ、日差しや世界に見せ付ける様に、
彼女を抱きしめ熱いキスをした。
人生の中に、こんなに甘い朝が何度あるだろう・・・


幸せな時間をありがとう。
私が許される限り、君を全てで愛する。大切な君を。




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「夏の夜。そして彼女と呼べないまま・・・」
例え好きな思いが強くても、それを口に出来ない時期がある。そして後悔。
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「P・T・C」
VIPのみが集う秘密の会員制サークル。そこは解放された大人たちの世界。
そんな世界にまた新しい夫婦がデビューし・・・

「フェロモン」
既に就職の内定ももらっている大学4年の女子大生。
しかし彼女には人知れず大変な問題があった。どうしてもそのままでは・・・






(女子大生 よさこい プラトニック 溺愛 年の差 純粋 純愛)


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「午前2時の女神」




交通事故で足を悪くしたのは3年前。
医者からは、
「レントゲン上では完治しているのですが・・・」
その言葉が繰り返される様になったので、俺は通院をやめた。
しかし今でも痛んでいる。痛みで眠れない夜もある。

そんな状況で落ち込んでいた時だった・・・
親戚のおばさんが”湯治”を薦めてくれたのは。
関節痛などへの効能で人気の温泉らしいが、そんな期待より、
自分の痛みを理解してもらえない環境から逃げたかった。
交通事故の後に職場での関係もギクシャクしてしまい、
事実上戦力外となった俺は閑散職場に飛ばされていたし、
俺が長期休暇を申請しても、誰にも迷惑はかからない。

まだ30代だと言うのに、もう何処か終わった気分でもいた。
他人から見れば”足を少し悪くしただけ”なのだろうが、
その事は俺の状況を大きく変えてしまった。


”湯治”
行く先は有名温泉地ではあるが、
名前も知られていない民宿を少し大きくした程度の旅館だ。
HPを見れば、建物ももう古くなっている事がすぐに分かる。
それでも、そんな鄙びた宿が俺にはお似合いだ。
俺は1週間の予定で、一人にしては少し多めの荷物を積んで、
一人気まま、その温泉宿に向かった。

温泉街の建物が連なる中に紛れて建っているその宿。
入口が狭いので、民家と間違ってしまいそうだ。
湯治が中心で、しかも人の少ない時期らしく、
駐車場の車も数台。それも関係者なのかもしれない。
下足箱も数える程しか使われておらず、
女将に案内された部屋までの廊下にも人気はない。
古い扉。そして歴史を感じる一人には広過ぎる畳部屋。

俺は荷物を置いてすぐに買い物に出掛けた。
玄関には子供がいて、少しするとその母親らしき女性も。
どうやらこの宿の家族らしい。
後から紹介されたが、一応は”若女将”との事だ。
どうみても普通のお母さんだし、物静かな人だった。
一週間とは言え、食事は全部自分で支度する事になる。
外食も良いが、それだけでは飽きるし湯治っぽくない。
朝食や雨の日の外出の事も考えて、チルド食品やレトルト御飯、
飲料水やアルコールなどを買い揃えて帰った。
食器類や料理器具は全て揃っている。
食事以外にやる事はひたすら入浴って事だ。

館内に人が全くいないせいなのか、風呂は男性用のみ。
それを時間別に交互に使っているようだが・・・
まぁ、きっと宿泊者は数人しかいないのだろうから問題はない。
風呂は1階よりも少し下がったところにある。廊下も暗い。
しかしいざ入ってみると、浴室は小ぎれいだし、
小さいが露天風呂の景色もなかなかだ。温度もちょうど良い。
これなら何とか1週間の湯治ライフも行けそうだ。


夕食時、俺が調理室で弁当類を温めていると、
やっと一人お婆さんがやって来た。
「どこからいらしたの?」「いつまでいらっしゃるの?」
「ここにあるものは自由に使っていいのよ」
そんな会話を数分間していたと思う。
誰もいないと、こんなお婆さんでも楽しく話せるものだ・・・
温めた食事をテレビを見ながら、静かに食べた。
夕食後も勿論やる事と言えば入浴のみ。
着替えとタオル、そして洗濯用の洗剤も持って風呂へ向かった。
途中で若女将親子とすれ違い、
「お洗濯ですか?」「場所わかりますか?」と尋ねられたが、
昼間のうちに女将に教えられていたので、それを伝えた。

真っ暗になってからの露天風呂も悪くない。
少しだけ山の輪郭が見えて、そして町の灯りと・・・
昼間も入ったので、簡単に入浴を済ませて洗濯に向かった。
静かな宿。静かな夜。これからしばらくはこんな時間。


二日目からは散歩・散策、そして買い物。
それほど広くない町はすぐに頭の中に入った。
宿の近くのラーメン屋が期待に反して美味しかったので、
帰るまでにもう一回は来ようとか、そんな楽しみも見つけた。
二日目の夜、男女入れ替えのぎりぎりの時間に風呂に行くと、
風呂から女将とお孫さんが出てきた。
まぁ小さな宿だから、宿の御家族も利用しているのは・・・
それにしてもまだ早い時間だったから、これも面白い。
大手の宿だったら考えられないだろう。
仮にスタッフが使うとしても、それは深夜になってから。
何ともローカルな時間が過ぎる・・・


そして3日目は車で観光に出掛けた。
名物を口に入れたり、知り合いへの土産も物色した。
美味しいツマミを手に入れたので、その日は酒の量が増えた。
飲み過ぎて22時前に布団に倒れてしまったが、
目を覚ますと時間は深夜1時を回ったところだった。
やる事もないし、寝しなの入浴もしていなかったので、
俺は風呂に入る事にした。入浴は夜中もOKなので。
ただですら人がいないが、階段も廊下も真っ暗。
風呂場に向かう途中も最低限の明かりしかついていない状態。
電気が消されていたので自分でつけ、静まり返った風呂に入る。
扉を開ければ、深夜の透き通るような空が広がる露天風呂だ。
星がきれいだし、本当に静かだ。

低めの温度のせいでゆっくりと風呂に入れる。
しばらくすると脱衣場に人影が見えた。
この時間も一応男性の入浴時間だが、宿の主人だろうか・・・
俺はこんな時間に入っているのが少し不自然に思われると思い、
恥ずかしい気持ちもあって、夜景を見ていた。
内湯からはお湯が流れる音・桶の置かれる音が響いていた。
少しして、「御一緒してよろしいですか?」と声が聞こえた。
振り向きながらその声に驚いた。若女将だ。
宿の若女将なんて雰囲気は全くなくて、か細い声の大人しい人。
その若女将が静かに露天風呂に入って来た・・・
小さな宿の小さな露天風呂。無理すれば5人入れるかの感じの。
タオルで隠していたが、湯船には外して入った。

「眠れませんか? 何もない宿ですから・・・」
若女将は静かな声で発し、そして静かに顔を落とす。
「いやっ、少しお酒飲み過ぎちゃって・・・」
俺は自分でも明らかに焦った感じになっているのが分かった。
少し世間話をしていたが、何を話したか覚えていない。
俺は先に上がろうとした。
すると若女将は、
「お体、流させて頂けませんか?!」と言って来た。
既に湯船から上がっていた俺を追って、
「遠慮しないで下さい。何もない宿なんでこれぐらいしか・・」
そう言って若女将もタオルをつけて、一緒に内風呂に入った。

「遠慮しないで下さい」
そう言いながら洗い場に積み上げて整頓されていた椅子を置き、
洗面器にお湯を張り始めた。
「どうぞ座って下さい」
俺はそのか細い言葉に誘われる様に、そこに腰を下ろした。
若女将は自分の体を隠したタイルを外し、それを桶で濯ぎ、
俺の背中を洗い始めた。
目の前の少し曇った鏡には、ほっそりとした若女将の裸が映る。
「寒くないですか?」と俺にシャワーをかけながら洗ってくれ、
鏡越しに自分の裸体を晒している事など考えない様に、
一生懸命俺の体を洗ってくれる・・・

肩・腕、太腿・足・・・
「立ち上がって頂けますか・・・」
若女将は俺の顔を見る事なく、俺にそう告げた。
これはどんな意味なのか。どこまで覚悟しているのか。
それでも、そんな事を考えながらも俺は立ち上がった。
彼女は怯む事なく、立ち上がって俺の胸元を洗い、
一度タオルを濯いだ後、今度はしゃがんで尻を洗い・・・
俺はもう、大きくしていた。
もちろん彼女は知っている。目の前にあるのだから。
「洗っていいですか?」
俺の顔を見上げ、股間をタオルで洗った後、
手にボディソープをつけて、素手で洗ってくれた。
その手は大切なものを洗うように丁寧に優しく。

「座って下さい」
一度全身を流し、体が冷えない様に気遣ってくれる。
今度は椅子を下げ俺に足を伸ばさせ、足先・指先を丁寧に洗う。
何故そこまで丁寧に、そして優しく出来るのか・・・
ほっそりした体を震わせながら、彼女は一生懸命洗った。
その姿を見ていた俺は、彼女にシャワーをかけた。
そして彼女の肌に触れた。
冷たくなっている。こんなに体を冷やしてまで・・・
俺は抱きしめた。
しかし彼女は、「私は大丈夫ですから」、そう言って、
俺からシャワーを戻させ、俺にかけた。

俺はもう一度彼女からシャワーを奪い、
「もういいよ、一緒に温まろう!」と言い、
彼女を露天風呂に連れ出した。

「あったかい・・・」
彼女は首まで浸かって、俺に微笑んだ。
俺は彼女の正面に向き、湯船の淵に彼女を追い込んだ。
抱きしめようとすると、
「ダメです。私なんかダメですっ」と弱く言う・・・
彼女の顎を持ち、「何で? 何でダメなの?!」そう言うと、
とても困った顔をして言葉を無くした。
俺は強引に彼女を抱きしめた。
本当にか弱い体。愛おしくなるような体。
彼女は俺を見つめた。俺は堪らずにキスをした。
「ダメ・・・ ですっ・・・」
俺が体勢を変えようとした時、無理な姿勢になり、
思わず「痛っ!」と足の痛みで声を発した時に彼女は、
「無理しないで下さい。足、痛められてるんですよね」
そう言って、俺の脚を優しく擦ってくれた。

「ダメです。無理しないで下さい!」と恐れる彼女を、
俺は自分の膝の上に乗せ、思い切り抱きしめキスをした。
彼女は静かに瞳を閉じて、俺のキスを受け入れてくれた。
しかしタイミングが悪い事に、近くを救急車が通り、
彼女は、
「家族が目を覚ましてしまうので・・・」
「もし・・・  また同じ時間で・・・」
そう言い残し、彼女は去って行ってしまった。
俺は湯船に深く沈み、ついさっきまで流れた余韻に浸っていた。
脱衣場に上がった頃には3時半前だった。


実は次の日には、彼女は実家に行っていた様で会えなかった。
それでもその次の日、午前2時前・・・
浴室には彼女の姿があった。
露天風呂で彼女と色々話した。
半ば強制的に年の離れた夫とお見合いで結婚させられた事。
そして、結婚前からずっと夫には女がいる事も。
でも彼女はそれらの理由で夫を裏切っているわけではない。
体の弱い子供の面倒すら何もせず、遊びばかりの夫が許せない。
そして、もう廃業を目の前にして女将任せの夫に失望していた。
夜中の風呂は、彼女の特別な時間らしい。
普通の恋愛すら許されなかった彼女は、いつか、
自分が本当に許しても良い人に会ったなら、
深夜のこの空の下で心と体を曝け出す覚悟をしていたらしい。

俺は思い切って部屋に誘った。
しかし、彼女は縦に首を振らない。
”どうしても部屋には行けない”
それが彼女を抑えていた。
そしてその日もそんな中途半端なまま過ぎてしまった。


俺は残り二日になってしまった焦りもあり、覚悟を決めた。
彼女が今日も同じ時間に来てくれたなら・・・

彼女は来た。星空の下にある露天風呂に。
俺はキスを。そして抱きしめ、そして・・・
静かに湯船のわきに彼女を寝かせた。
優しさに溢れる彼女の顔を眺め、そして乳房に触れ。
彼女の全身を撫でた。そして体中をキスした。
俺が彼女の中に入った時、彼女から吐息が漏れた。
彼女の優しい手が背中で感じられた時、
俺は”これで良かった”と強く感じた。
彼女の下腹部に俺の精液が広がった時、彼女は優しく微笑んだ。
「幸せな気持ちになれました。ありがとう・・・」
今度は彼女の方から俺を抱きしめ、そしてキスをくれた。


最終日の夜。
彼女を部屋で抱いた。
彼女が最後まで抵抗を感じていた客室で。
俺に全てを見せてくれた。体。心。
彼女は泳ぎ、大きな海へ飛び出した様だった。
俺では少し役不足だったと思うけど、必死に愛した。
彼女が大切に優しく洗ってくれたように・・・

その後、宿は閉鎖したようだ。
もうHPも無くなっている。
勿論、俺の記憶から消える事などないのだが。





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「恋の手解き」
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「秘密の花園」
後輩部員へのバトンタッチの為の公演を控えた女子校演劇部。
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「島の女」
夏休みに離島の民宿でのアルバイトに向かう大学生。
大人しい男の気持ちを揺さぶった大人の女。そしてどうにもならない気持ちは・・・





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「夏の夜。そして彼女と呼べないまま・・・」




“好きなんだ。大好きなんだ!”
結局、その言葉は最後まで言えないまま別れてしまったけれど・・・


お互いに大きなダメージを負ってしまった同じ年の女性との恋愛。
そして、その反動で屈折してしまった年下女性とのクールな恋愛。
その後、そんな僕を癒し・受け止めてくれた年上の彼女・・・
僕が20代前半で、彼女が20代後半で、
僕が小さい事に拘る性格で、彼女はいつも笑って受け止めてくれて。
彼女を見ているのが大好きだった。
何かをしている彼女。キッチンに立つ彼女。

僕は平日、仕事が終わると彼女が一人暮らすアパートに向かった。
少し広めのワンルームの部屋には、彼女お気に入りの大きなソファーがある。
グラス・食器、彼女が好むシンプルな物は、いつしか僕好みにもなった。
彼女が作る“特別でない料理”も、繰り返す程に僕の好物になって行った。
周りから“難しい人間”と言われる僕を、彼女は包み込んでしまう。

そんな彼女とは体のマッチングも最高だった。
正直、彼女に対してあの頃の僕はまだまだ青かったと思う。
でも、少し無茶な僕をも楽しんでいてくれたのかもしれない・・・
あの当時は勿論、女性との関係を増やす程に“相性”という言葉が重くなる。
それを一番感じるのが彼女の事を思い出す時だ。
あんなに“相性が良い関係”はもう二度とないと思ってしまう。
なぜあんなに包み込まれてしまったのか、それは今でも不思議だ。


彼女を思い出す時、飛びぬけた頂点に立つ記憶がある。
きっと関係も一番いい時期でもあったのだろう・・・
優しい表情と優しい声、そして優しい肌で満たされた記憶。

僕はもちろん若かったし、彼女は30を目前にし、成熟していた。
優しいのにくっきりした顔だち、そして小柄なのにグラマーだった。
“痩せてDに落ちた”と言っていた時期があったから、
普段はEカップだったという事だと思う。太めでも細めでもない。
胸だけが良い形で存在し、その体が柔らかい“大人のカラダ”だった。
彼女は元々地黒の肌だ。バストやスタイルも少し“ラテン系”なイメージだった。
それでいて、とてもおっとりした優しい日本女性だ。

あの頃の僕は過去の恋愛のストレスやトラウマを持て余していたし、
年上女性への“ちからまかせ”も、もう本当に必死だった。
キッチンで抱き、洗濯中に抱き、玄関の扉にも押し付けた。
“これでもか!”と言わんばかりに後ろから突いた。
彼女はそんな僕に応えてくれた。
今から思えばそれは僕のプライドを気遣い、上手く誘導してくれていたのかもしれない。
窓から学校が見える部屋なのに、わざとカーテンを全開のまま抱いたり、
大きく声を上げる彼女を隣の部屋との壁に押し付けて突いたり・・・
本当に恥ずかしいほど青かった気がする。
でも、そんな彼女との体の関係も大好きだった。

僕は女性の陰部への愛撫は苦手だった。と言うか、正直嫌いだった。
それまでは反応が良い相手には行っていたものの、
匂い・感触、そしてそれをしている自分が苦手だった。
けれど、彼女はそれを自然に変えた女性だった・・・
どうしても愛したくなる、それをする事を好きにさせてしまった。
彼女を立たせ、壁に手をつかせ、そして大きく足を広げさせる。
僕は沢山の時間、そして奥へ奥へと彼女を探す。
彼女が息を乱したり、足を閉じようとしたり、
偶に“ビクっ”と体を震わせて応えてくれると、それは最高に嬉しかった。
何より、指やペニスを使わずに僕の口の中を満たしてくれるのだから・・・
乾いた僕を潤してくれるようで、僕をどんどん好きにさせた。


そう、彼女との頂点に立つ記憶・・・
夏の夜。
二人でバスタイムを過ごし、エアコンの効いたキッチンに出て来た時だ。
彼女はバスタオルで体を包み込み髪を拭きながら、キッチンの照明をつけようとした。
僕は不意に、彼女の手を静かに掴んで下した。
僕の方を向いた彼女に静かに、でもすべて包むようなキスをした。
「えっ?!」
少し不思議そうな表情をした彼女が可愛く、今度は抱きしめた。
「ん?! どうしたの?」
優しくした僕に応えるように、とても優しく小さい声を僕の耳元に置いた。

「何か、明かりない方が涼しい気がして・・・」
「あの灯りだけでいいかな」
僕は二人で旅行に行った時に買った、小さなキャンドルライトを指さした。
彼女は黙って優しく微笑み、言葉なく部屋の隅にあった台の上にセットした。
振り向いた彼女に僕は近づき、「まだ髪が濡れてるね・・・」と、
彼女の髪に指を通した。
口を静かに閉じたままの彼女は綺麗で、僕は彼女の顔を少し見つめていた。
そして裸のままの自分に合わせる様に、彼女のタオルを外した。
やや青い色調の涼しい色と、その光が横から当たった彼女のシルエットは綺麗で、
僕は柔らかく優しい彼女の胸を手の中に包んだ。
彼女は僕の胸に顔を埋め、静かに背中に腕を回していた。


涼しげな最低限の光の中で、彼女は床に膝を落とし優しく口で愛してくれた。
僕は微かに見える彼女の顔が愛おしくて・・・
“どうしても自分の方がしてあげたい”
そんな気持ちにさせる。
彼女をフローリングの床に倒し、大きく足を開き、僕は気持ちの全てで愛撫した。
その時の彼女は今までに見た事が無いような反応だった。
暗闇の中で激しく乳房を揺らし、彼女は上へ上へとずり上がる。
そしてその後には濡れた道が出来ていた。
僕はその道を追ってどこまでも、そして奥底を目指した。
冷蔵庫に彼女が頭をぶつけて、僕たち二人は笑った。
「キスして」
真顔になった彼女は僕の顔を見てそう言った。
応じて優しくキスをすると、「もっと!」
再び長いキスをしても、「もっと!!」
さらにキスをしても、「もっと!!!」
口調は怒っているのに、瞳からは涙をこぼしていた。

抱きしめた。
言葉などないまま抱きしめた。年上の彼女が可愛く見える。
僕は彼女を床に押し倒して激しいキスのまま突き上げた。
彼女の下腹部に大量の湖が出来たし、彼女もまた、床に湖を作った。
光の関係で、床の湖は透明に光り、彼女の上に出来た湖は幻想的な白い湖だった。
彼女を寝かせたまま、僕がテッシュで拭いてあげた。
僕は床を拭いている時には冗談で、
「あ~あっ、こんあにビショビショにしちゃって!」と笑って言ったら、
彼女は「エイっ!」と僕に蹴りを入れた。
倒れ込んだフリをして蹲った僕を心配して顔を近づけた彼女を、
僕は思い切り抱きしめて自分の上に載せた。

彼女はグラマーだけど、上に載せると改めて小柄な事がわかる。感じる。
なお更、愛おしくなる。
彼女は口に含んでくれた。
「いいよ、もういいから横に来て」
そう僕が言っても、「やだっ! させてほしいの・・・」
と返事の間だけ口を外して、また口の中に含んでしまった。
出したばかりだし、彼女の口の中に出した事は無かったのに僕は彼女の口の中に果てた。
何て優しい顔をするんだろう・・・
彼女を引き上げて、自分の横に寝かせ腕枕をした。
少しの照明だけの暗い部屋。天井。
暑い夏の、でもとても涼しく幸せな時間がそこにあった。



なぜ別れてしまったのだろう・・・
今でもしっかりした説明は出来ない。
風の便りでは、彼女は幸せな結婚をしたようだ。
彼女は人を幸せにするし、幸せが似合う人だ。
別れた女性なのに、彼女だけは“幸せでいる事がとても嬉しい”
そんな気持ちにする女性だ。
素敵な夜をありがとう。






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「昔の彼女」
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「スイート・モーニング・スイート」
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「番(つがい)」




今年も同じ季節がやって来た。
君と出逢ったこの季節が。時々僕の顔を見てくれる君が愛おしい。


ちょうど2年前の5月だった。
4月に大学に入学した僕がやっと大学生活に慣れて来た頃で、
やっと出来た友人(すぐに彼女となった)女の子に誘われサークルに入った・・・
ボランティア活動なんかに全く興味などなかった僕が、誘われて行った現場。
僕は仲間たち、特にすぐに恋人になる彼女の事ばかり見ていたその季節。
初めて障害者に接し何も出来なかった僕。
逆に、障害者として新人のボランティアを面倒見てくれていた女性・・・
僕が僕を誘った彼女との短かった恋愛を終わらせた後も、その場所で包んでくれた。
大きな時間を費やしてやっと、僕は一人の人間としてその役割を理解出来た。
僕を導いてくれた人・・・

未来(ミク)ちゃん。
僕の2才年上で、本当にパワフルでしっかりした女性だ。
同じ世代のボランティアたちを正しい方向に導いてくれる人。
時に厳しい事を言うけれど、悩んでいる時・苦しい時にちゃんと助けをくれる。
普通でいる弱い人間を支える、“弱者”でありながら強い人だ。
僕にとってお姉さんの様な、時にお母さんかもしれない存在。
何かミスする事があっても、未来ちゃんが微笑んでくれれば不安は消えて行く。
未来ちゃんは高校時代にあった交通事故から車イス生活になった人だった。
それまではバスケ部だったらしく、本当に元気な人だ。
スポーツが苦手な僕よりもぜんぜん元気。
僕が短かった恋愛の事も忘れかけた頃、いつしか自然に視線は未来ちゃんにあった。
“大好きなお姉さん的存在”
きっとそんな感じだったけど。

未来ちゃんの笑顔が大好きだ。
大学で出会う人も自分の生活の周辺にいる人々も、笑顔はどこにでもある。
しかし未来ちゃんの笑顔は何かを伴わない、何と言うか純粋な笑顔なのだ。
きっと僕の勝手な思い込みかもしれないが、僕にはそう見える。
秋から冬に変わった頃には、未来ちゃんは僕の視線に気が付いていたと思う・・・
「見てないでこっち手伝ってよ!」と笑う事が多くなったから。
それほどに未来ちゃんの傍にいた。いつでも。

未来ちゃんは美人だと思う。
ちょっと“昔の美人”な感じで、今風に言うと“昭和の匂いがするタイプ”の美人。
だから余計に安心できるのかもしれない。
髪を下していても・束ねていても、いつだって昭和な感じがする。
その事を本人に言うと怒る。その怒った未来ちゃんも大好きなのだが・・・
僕はいつでも未来ちゃんの傍にいたし、未来ちゃんもそれが普通になった頃、
二人きりの作業中にどちらからともなく“好きな人”の話になった。
僕が先に未来ちゃんの好きな人の話を聴くと未来ちゃんは、
「私はねぇ・・・」と笑いながら話を濁した。逆に僕に対しては、
「大学って美人が多いんでしょ?! 今時女子はスタイルも良いしね・・・」
そう言って僕を睨んで見せた。
僕は正直に言った。
「未来ちゃんの事が好きだ」と。
彼女は微笑みながらも少し寂しい顔をして、
「私が年下で・・・  普通の体だったらねぇ・・・」と自分の足元を見ていた。

僕は少し怒った口調になってしまって、
「どうして?! 年上ってダメなの? 車イスだとダメなの??」、そう聴いた。
彼女は少し間を空けて、
「私も自分があなたの立場だったらそうかな・・・  でも実際は違うんだよねぇ・・・」
そう言って僕の顔を見た。
僕は彼女の車イスに近づき彼女の体に触れようとした、キスする為に。
しかし彼女はそれに気が付いた様で体をかわした。
「ダメだよ。大学には普通の女の子が沢山いるでしょ?! 私じゃダメだよ」
少し瞳を潤ませながら彼女は言った。
そんな初めて見る彼女の表情を見たなら尚更、僕は彼女の肩を強引に押さえた。
「好きだって! 僕が好きになっちゃいけないの?! ダメなの?」
そんな言葉をぶつけると、彼女は突然顔を崩して泣き始めた。
僕は少し驚いたけど、彼女を抱きしめた。
今まではいつも包まれる様な愛を感じていたのに、初めて自分が愛を放出する気がする。

彼女の髪を触り、僕の肩に彼女を包んだ。
彼女が初めて細く弱い自分を僕に見せてくれた瞬間だった。
それでも、お互いの気持ちを確かめ合っても、まだ普通に“交際”とは行かない。
もちろん現場で一緒の時の距離も縮まったし、電話やメールもする様になった。
でも、なかなかデートとはならなかった。
僕の勇気が足りない。また、彼女のブレーキも強かった。
もう次の年の春が目の前に来た頃、やっと初デートが出来た。
彼女が車イスという事もあり、人の少ない公園デートだった。
みんなといる時とは別人の彼女。大人しくて気遣いで・・・
“僕が傍にいると彼女を小さくしてしまう”
僕はそんな気持ちにもなったぐらいだった。
でも僕は、彼女が小さく見える時ほど背伸びをした。
年下の健常者に気遣いする彼女に強引なキスもした。


そんなデートを数回した。
僕は彼女を“かわいい”と思う様になっていたし、
彼女は僕を一人の男性として認めてくれた。年下扱いはなくなったと思う。
家の人間が留守の時に、僕は彼女を僕の部屋に連れて来た。
彼女は最後まで返事を濁したが、僕は半ば強引に誘った。
後になって思えば、彼女には色々な気遣いがあったのかもしれないが・・・
僕が彼女を僕のベッドに座らせ、ただ楽しい会話だけしていたら突然、
「えっと・・・  私で良ければ・・・ 何て言うか・・・ 触っていいよ」
彼女は真っ赤な顔をして僕に言ってくれた。
僕は、「えっ?! 別にそんなんじゃ・・・」と返したが彼女は、
「普通のカップルならそうなってるでしょ?! 私の体じゃ気持ち悪いかっ・・・」
彼女はそう言った。
僕は怒ってしまった、
「いい加減にしろよ! 僕は未来が大好きなんだよ。そんな事ぐらい分かれ!!」
彼女は静かに「ごめん・・・」とだけ言った。

「ねぇ、私に何が出来るの? どうしたらいいかなぁ?」
彼女は僕に聞いてきた。
僕は彼女の隣に座った。
「こうして近くにいられる事が幸せなんだけど、ダメかなぁ?」
「未来を見ている事が幸せなんだけどダメかなぁ??」と彼女にキスした。
彼女は僕のベッドの上で本当に小さくなっていた。
普通の人には考えられない程、彼女にはこの部屋に来る事は大きな事だったのだろう。
「私じゃダメかなっ・・・」、彼女はそう言いながら僕の手を自分の胸にあてた。
僕は彼女の胸を掴んだ。やわらかい胸を。
彼女は着ていたセーターを脱いだ。そしてシャツのボタンを外しながら、
「こんな事なら素敵な下着をつけておくべきだったなぁ・・・」と微笑んだ。
ピンクのブラジャーが見えた。そしてきれいな胸。

僕は彼女の手を止めた。
でも彼女は優しく僕を手を押さえ、シャツを脱ぎ、そしてブラを外した。
色白の優しい肌と淡い色の柔らかそうな胸がそこにあった。
僕は抱きしめた。そして自分も上着を脱いだ。
彼女の胸を掴んでしまうより、彼女の肌をしっかり感じたかったから・・・
勇気を出して僕の為に脱いでくれた彼女自身を感じたかったから。
彼女の温かく柔らかい体を全身で感じた。僕は。
この人とこうしてキスしている事が幸せなのだから。

彼女はスカートも脱ごうとした。
でも僕はそれを止めた。彼女をベッドに押し倒して強く抱きしめてキスをした。
何度も何度もキスをした。
そして彼女に服を着せた。
彼女は何か申し訳なさそうにするが、それは違う。
大好きな彼女。そして本当に綺麗な体も見せてくれた。もちろん抱きたい。
だけど何かそれだけではない。説明など出来ないが、違う。
大切にしたい・・・
それも説明ではないのかもしれない。


少し時間が流れた頃には二人は両家族の公認になっていた。
僕の部屋だけでなく、彼女の部屋にも行く様になったし、
僕も彼女もお互いに“恋人”としてまわりに紹介する様になったし・・・
愛はますます深まっていたと思う。
彼女は二人きりの部屋では直接触らせてくれるし、僕をしようとする。
でも僕はそれを我慢した。どうしても、時に苦しいけど我慢した。
卒業して就職し結婚できるまで、我慢する事を心に決めていたから。





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「島の女」
夏休みに離島の民宿でのアルバイトに向かう大学生。
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「さよならアネキ」
伝説の不良と学校では呼ばれていた姉。その姉も今は落ち着いた。
その姉から“中途半端”と揶揄される弟グループは姉に・・・

「兄貴の彼女」
まだ性に青い高校生の男子にとって、年上のお姉さんは眩しい存在。
そしてそれが兄貴の彼女で・・・







(プラトニック 年上 大学生 ボランティア 恋愛 年下 障害)



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「彼女が少女?! 少女が彼女???」




「いつまでも悲しんでたって仕方ないじゃん! 愛美ちゃん可愛かったもんね・・・」
「もう二度とあれほどの彼女は出来ないだろうけど、落ち込んでちゃダメだぞ!」


何だ?
どこからその声が入ってくるのか誰が言っているのか、俺には分からない。
しかし・・・
目の前には俺を見ている少女がいる。そして彼女の口元はそれを呟いている。
俺は何が起きているのかが理解出来なかった。

「分からないのも無理ないね・・・(笑)」
少女はそう笑って俺に言う。その言葉たちは間違いなくその少女が発信源だ。
しかし何故その少女はそんな事を言うのか、それを知っているのか・・・

俺は半年前に彼女を事故で亡くしていた。突然の交通事故で。
彼女とは2年近く付き合っていたし、週の半分は俺のアパートに来ていた。
同じ年、そう生きていれば二人揃って28になっていたはずだった。
喧嘩が多かったけど、それでも仲直り出来た後は最強のカップルになれた二人。
いつしか俺たちは二人で一つと思う様になっていたぐらいだったし・・・
それなのに前日の笑顔が嘘のように突然俺の前から消えてしまった。
待ち合わせの場所で遅刻とばかり思っていた俺は愛美を責める言葉ばかり考えていた。
こちらから連絡しても携帯は繋がらず、俺はそのまま2時間以上その場所にいた。
そして怒り、諦めて自分のアパートに戻って間もなく彼女の友人から電話が来た。
その子は俺と愛美が付き合っている事を知っていて、愛美の携帯から掛けてくれた。
“愛美が・・・”
今はその言葉しか思い出せない。


俺はただ少女を見た。
“何言ってんだこの子??” “何なんだこの子は?”
俺はただ固まっていた。
「私の名前は優菜。でも・・・  愛美っ(笑)」
「あなたが大好きだった愛美ちゃん。すっごく美人だった愛美ちゃん!」
俺がポカーンとして聴いていると、俺の肩に軽いパンチを入れた。
?????
すっかり忘れていたが、それは愛美が俺によくやっていた仕草だった事を思いだした。
血の気が引き、体が固まってしまった。
「やはり理解出来んね。無理もないよね、私も誰にも言えてないんだから・・・」
少女はポンと俺が座っていたコンクリートベンチの横に座った。


まだ小さい体。痩せているし化粧などしていない。
素直な淡い髪をポニーテールにしていて、ほっそりとした長い足はカモシカの様。
あどけない表情も含め、まだ小学生に見える。
俺は黙っていた。と言うか、言葉がまったく出て来ない。
誰でも同じ状況になったなら同じようになると思う。
ただ静かに彼女を見た。その小さな彼女を・・・

「会いたかった。ずっと会いたかった・・・」
「一人だったんだよ。ずっと一人。誰にも何にも言えなくて・・・」
彼女は涙を浮かべていた。
顔も違うし声も違う。でも、それなのにどこか彼女と同じ物が伝わって来た。
「愛美? ・・・・・」
俺がその子に声を掛けると彼女は泣きながら、
「優菜! でも愛美なんだってば・・・」
彼女はそう言って顔を落とした。
少しするとその子の両親と思える夫婦がやって来て、
「申し訳ありません。ちょっと病気があってこの子、少し不安定で・・・」
そう言ってその少女を連れて行った。
俺は見送ってしまったが、後になって後悔した。何も聞けて無かったから。


それでも約1週間後の土曜日の昼間、彼女は俺のアパートの扉を叩いた。
「懐かしいなぁ~ この部屋。匂い」
上がり込んだ彼女は瞳を閉じていた。
俺はしっかり丁寧に、そして何度も同じ事を確認しながら話を聴いた。
彼女が意識を戻したのは2ヶ月程前の事だったらしい。愛美として。
しかし彼女自身も知らない大人たちに囲まれ、そして何より自分の体に驚いたそうだ。
あと少しで28才になろうとしていた女が、小学5年生の女子になっていたのだから。
あまりに複雑な環境の為に、彼女は口を閉ざしたらしい。“愛美”は封印した。
事故にあった瞬間にフェードアウトした記憶。そしてベッドから記憶は再スタートするが、
肉体や環境が全く知らないものだったという事だ。
正直、そんな説明を受けても半信半疑だった。映画の話にしか思えない。

愛美を封印し口も閉ざした彼女だが、優菜ちゃんの事を少しずつ知る事になる。
小学5年生のその女の子は部活でイジメにあい、川に身を投げたそうだ。
消防に発見されたそうだが、意識が戻らないままだった。
そしていつしか、二人の魂は入れ替わり、“愛美の心+優菜の肉体”としてここにいる。
その説明を優菜の肉体である俺の彼女であった愛美として俺に言って来る・・・
話を聴くほど、顔や声が違っても、確かに愛美に見えてくる。
俺は嬉しくなって愛美を抱きしめた。すると・・・
「ちょっと! ダメ。小学生抱きしめちゃダメでしょ?! 犯罪でしょ?!」
愛美であるはずのその子が俺に言う。
「ちょっと待てよ! だってお前愛美だろ?? 彼氏に抱きしめられて問題あるか?」
俺は言った。すると彼女はさらに、
「あぁ??! もしかしていやらしい事考えたでしょ?! 私小学生だよぉ~」
その子はそう言って俺を睨んだ。

こちらも混乱した。確かに女性として小学生の女の子を抱きしめてはまずい。
しかし会話は完全に28才の愛美だ。
俺の部屋に歯ブラシも下着の替えも置いていて、毎回求め合っていた二人・・・
その愛美として会話できるのに、肉体が小学5年生とは何とも残酷だ。
愛美は親の目を盗んでこの部屋に来るようになった。特に週末は。
俺の腕の中で眠る事もあるし、ソファーでは俺にもたれかかる。
そんな時、痩せてはいるけれどまだブラジャーすらつけないその胸が俺に当たり、
微妙に柔らかいその感触にどうしても気持ちがそちらに行く。
すると彼女は怖い顔になり、「変態! スケベジジィ!!」と俺に言う。
でも、彼女はそう言いながら笑っているのだけれど。
俺が調子に乗って彼女の胸を触ると、彼女は俺にビンタした。
「おいおい・・・ そりゃぁ~ないだろう!」
俺がそう言うと彼女は、

「私だってあなたに抱かれたいよ。あなたが辛いのだって分かるよ。分かってる」
「このカラダは優菜ちゃんなんだよ。私のものじゃない。彼女の体を勝手には出来ない」
彼女はその小さな体で苦しい声を上げた。
俺は少し申し訳ない気持ちになった。
愛美がいてくれるだけで幸せなはずなのに、体まで求めようとした。
そしてその体は優菜ちゃんなのだから・・・
小学5年生の体そのもの。


俺は数年間苦しむ事になった。
小学生から中学生へ。彼女はどんどん成長して行く。
中身は既に大人の愛美だが、その体の成長は生々しい。
それを前にして我慢すると言うこと・・・
ある意味それは地獄の日々だった。優菜ちゃんの肉体は美しく変貌する。
しかしそれを愛する事は優菜ちゃんを否定する事。そして愛美をも否定する事。
それでも一番苦しんでいる愛美にはそれを言えず、俺は一人苦しんだ。
もちろん愛美もそれを感じ申し訳ない気持ちを溢れさせていた。
それを見ていれば俺の我慢など単なる我がままなのかもしれない。

愛美は相変わらず家族や学校の中では“特別な存在”として生きていた。
俺と一緒にいる時間だけが“愛美”としていられるのだから・・・
残酷にも優菜ちゃんの肉体はより“美少女”となって行った。
クラスメイトや身近な人間からの告白に苦しむ愛美。
もちろん俺だってそんな話が嬉しいはずもない。
中学から高校に上がる頃は本当にそのピークで、
二人ともノイローゼになりそうだった。
俺は覚悟を決めた。優菜ちゃん16才の誕生日に愛美と一緒に愛美の墓参りに行った。
そしてその愛美の墓前で、
「優菜ちゃん、ごめんなさい。俺は愛美が大好きです。どうしても一緒にいたい」
「どうかあなたのカラダを抱く事を許して下さい。一生愛する事を約束しますから!」
愛美は横で泣いていた。



その夜、愛美を抱いた。他人は“女子高生を抱いた”とするかもしれない。
しかし俺たちは結婚を約束し、優菜ちゃんの人生も抱える事を約束した。
俺たちは3人で生きて行く事を選んだ。




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「午前2時の女神」
鄙びた湯治専門の小さな温泉宿。建物は古くなり訪れる客も少なくなっていた。
そんな宿にいた若女将は大人しく・優しく、そして・・・

「ビジネスホテルにて」
仕事で上手く行かず左遷され、妻と子供は家を出て行ったままの中年男。
強制的にとらされた消化の為の休みに沖縄旅行に出かけるが、そこで・・・

「恋の手解き」
身勝手でわがままなお姉ちゃん。そして我が家に訪れたお姉ちゃんの友達。
そんなお姉ちゃんの友達は次々と意外な行動をして・・・






(彼女 純愛 子供 愛情 プラトニック 成長 結婚)


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「恋の手解き」




「姉ちゃん、オレが冷蔵庫に入れたコーラ飲んだろ! ふざけんなっ!!」
オレの姉ちゃんはやりたい放題だ。
オレの物は勝手に食べ・使い、何でもオレにやらせるし・・・
毎日一回は必ずムカつく事をやる。本当にムカつく女だ。
子供の頃からずっと変わらない。

姉ちゃんはあんまり勉強しないけど、でもどこか手際が良くて、
今は一応有名大学の2年生。オレは公立高校の2年で、それも馬鹿にしている。
オレは姉ちゃんの事をブスだと客観的に思うけど、でも何故かいつも彼氏がいる。
遊びが好きって言うか、いつも帰りが遅くて出歩いているタイプだ。
今も付き合い始めたばかりの彼氏がいるけど、もう違う男が気になっている。
あの顔でそれが出来るのが不思議だ。
オレは自分が格好良いとは思わないけど、お笑い芸人の様な顔をした父親似の姉より、
周りから美人と言われる母親似と言われるオレの方がマシだとは思っている。
ただ、オレは自分でも思うけど、何て言うか・・・
まぁ奥手と言われる事が多い。
中学時代から今まで何回か告白されたり、好きな子と友達にはなったけど、
恥ずかしいけど、まだ初体験も出来ていない。

友だちが初体験を終えた話を次々にするので焦っているし、羨ましいのも認めている。
姉ちゃんに馬鹿にされるのもムカつくし。
でも、なかなかそうなる機会が無かったし、一度だけなりそうな時があったけど、
コンドームとか無かったし、それを買う事も恥ずかしくて出来ないままだった。
その子を触れるのに、結局は夜になってその子の事を浮かべてオナニーするだけ・・・
情けないと思うけど、いまだにそんな高校生だった。
でも、突然その景色が変わる時が・・・


ある日の事、学校から帰ったオレの携帯に電話が入った。
「雄太?! お姉ちゃんだけど、悪いけどさぁ友達が家に来るからさぁ、
あんたその子をリビングで待たせておいてもらえないかなぁ・・・」
いつも通り調子は良いけど、別にそれほど困る事じゃないから、二つ返事だった。
「その子“藍香”って言うんだけど美人だよ! アイドルより可愛いよ!!」
「帰れるのがいつになるか分からないんだけど、また連絡するから宜しくね!」
そう言って姉ちゃんは電話を切った。
うちは両親が共働きでどちらも遅いせいもあって、だから余計に姉ちゃんは自由。
当家の夕食はいつも7時半ぐらいだし・・・


30分ぐらい経ったのか、インターホンが鳴った。
ドアを開けた先に立っていたのは、姉ちゃんが言う通り、確かに美人だった。
姉ちゃんが言った“可愛い”と言うよりも“綺麗系”だと思った。
ブスな姉ちゃんの友達だからと思っていたけど、何か不意をつかれた様な・・・
その人をリビングに通した。
オレがジュースを入れてそれを出すと、その人は笑っていた。
「お姉ちゃんが言ってた通りだね。ホント、性格が逆なんだね・・・」と言った。
「オレの悪口言ってたんですか?!」とオレが聴くと、
「えっ?! 違う違うっ。自分と違って真面目でしっかりしてるって!」
そうその人は言った。
「雄太君だよね?! わたしは藍香って言います。ジュース御馳走になるね」
その人がオレの名前を知ってた事が何か嬉しかった。
オレはテレビをつけてテーブルの上にリモコンを置き、
「どうぞ自由にして下さい!」と言って、自分の部屋に下がった。

部屋に戻ってベッドの上でマンガを読んでいた。10分ぐらいの間。
するとオレの部屋の扉がノックされて、「雄太君、いい?!」と廊下から聞こえた。
オレが返事をしながら扉を開けると、藍香さんは手に持っていたスマホをオレに渡した。
電話の先は姉ちゃんで、“帰れるのが6時を過ぎるから宜しく!”そんな勝手な内容だった。
オレが姉ちゃんとやり取りしてる間に、藍香さんは興味津々オレの部屋を歩き、
オレが電話を切る頃にはオレの勉強机のイスに座っていた。
体を右に左に回転させながら、貼ってあるアイドルポスターを眺めたり・・・
「へぇ~・・・ 男の子の部屋ってこんな感じなんだね・・・」
「私ね、一人っ子なの。それに、中学・高校の頃の彼氏の部屋って行った事ないし・・・」
「これが高校生の男の子の香りなんだねぇ・・・」
聴いていたこっちが何だか恥ずかしい気持ちになった。
特に言葉が出て来ないし・・・

そうこうしていると、「雄太君て彼女いるの?」
そう聞かれたので、「いや・・・ 別にいませんけど・・・」
そう答えると、「じゃぁ、好きな人はいるの??」「川原アイミ以外で・・・(笑)」
そう聴いて来た。
“川原アイミ”とは壁に貼られたポスターのアイドルだった。
「いませんよ! それに川原アイミは何となく貼っただけで・・・」
オレは少し焦って答えた。
藍香さんは笑いながら、
「ごめんごめん、そうじゃなくて、私、一時期川原アイミに似てるって言われてたの」
「あっ! 今はこんな髪形なんだけど、えっと・・・ ・・・ ・・・この頃っ!」
藍香さんはそう言いながらスマホの画面をオレに差し出した。
オレは「えっ!!」と声を出しそうになった。
確かに似てる。でもそうじゃなくて、高校時代のものらしく、
制服を着てギャルっぽい感じの藍香さんは本当に芸能人見たいだったから・・・

オレは今一度藍香さんの顔を見た。確かに川原アイミに似ているし、見る程に美人だった。
その事に気が付くと、何か変な緊張感が出て来た。
「ねぇ、忙しい? もし暇だったら何かして遊ぼうよ!」、藍香さんが言った。
オレは「別に用事はありませんけど・・・ 遊ぶって言っても・・・」
そう言いながら部屋を見渡していた。
「あっ、ゲームでもやります??」とオレが聴くと、
「私、ゲーム苦手なんだよねぇ・・・」と藍香さんは困った顔をした。
「えっ?! トランプとかですか?」、そう言っても藍香さんは困った顔のまま。
少し藍香さんは考えていて・・・
「私ね、男兄弟がいないでしょ?! だから色々お話してみたいの」
「なんか、弟と話している気分を味わいたい。っていうか、お姉ちゃんになりたい」
「なってみたいなぁ・・・  雄太君のお姉ちゃん。こんな可愛い弟が欲しいもん」
オレは真っ赤になっていた。


「えっ、オレってどうすれば良いんですか??」、オレは困った。
「そんなのもカワイイんだよねぇ・・・」
藍香さんがオレをまじまじと見つめて言う。藍香さんが美人だと分かってしまったので、
そんなに見つめられるとこっちは目のやり場に困る。
さっき見せてもらったギャルっぽいアイドルの様な藍香さんも凄かったけど、
目の前にいる清楚な感じの藍香さんは本当に綺麗で、やっぱり芸能人の人みたいだ。
そんな感じだったから、それから暫くの間はどんな話をしているのか意識が飛んでいた。

しっかりした話になったのは、“お姉ちゃんに恋愛相談コーナー!”
そんな事を藍香さんが言った時だったと思う。
「お姉ちゃんがどんな悩みも解決してみせます! だから何でも相談して!!」
何か、とっても嬉しそうな藍香さんを見ていると、こっちまで幸せな感じがした。
最初は“好きな子の事”を聞かれていた。
「雄太君、真面目だよねぇ。女の子を大切にしてくれるタイプなんだね・・・」
藍香さんはどんどん興味を持って聴いて来る。そして“奥手”の話になった。
「初体験の事とか聞いて良いのかなぁ?」、そう藍香さんは言った。
オレは、「そんなのしてませんよぉ~ オレ、そう言うのダメだし・・・」、そう言った。
藍香さんは上を向いたり横を向いたりしながら、色々考えているようで少し沈黙した。
「ねぇ、そんな時って、お姉さんってどんな協力が出来るのかなぁ??」
藍香さんはオレに顔を近づけ、大きく黒い瞳を向けてオレに聴く。
「えぇっ! そんなの姉ちゃんに何か相談しませんよぉ~!」

オレのその答えに、藍香さんは少しだけ寂しい顔をした。
何か申し訳なくなってしまい、「うちの姉ちゃんと藍香さんは違いますよぉ~」と、
苦し紛れにわけの分からない言葉を発してしまった。
「雄太君ってさぁ、私みたいな女ってどう??」、藍香さんはいきなり聴いて来た。
「藍香さんはうちの姉ちゃんと違って美人だし・・・ お姉ちゃんなら嬉しいですよ」
オレがそう言うと藍香さんは静かになり、少し沈黙して、
突然オレを抱きしめて来た。
オレは驚いて、「えっ?! どうしたんですか? えっ・・・」と困っていると、
いきなりキスをされた。
甘い香りがして、優しく包まれる様な不思議な感じ。
藍香さんはオレを抱きしめながら耳元で「いいよ触って」、そう優しく言った。
オレが緊張して動けないでいると、藍香さんはオレの手を自分の胸に誘導した。
柔らかいし温かい。
キスや女の子の胸に服の上から触れた事もあったけど、
こんな甘い感じのものでなく、ただ必死にキスをして、興味本位で胸を触っただけだった。

藍香さんは自分のシャツのボタンを外し、胸元を開いてくれた。
「ちょっと恥ずかしいなぁ・・・ 電気暗くしていい?!」
そんな藍香さんの問いに、オレは黙って頷いた。
藍香さんが立ち上がって電気を消してくれた。そしてシャツを脱いでくれた。
ピンクの下着。オレを胸元に誘導してくれたので、オレは顔を埋めた。
いい匂い。それに、女の人の胸元ってこんなに優しいのかと、初めての感覚だった。
オレは大きくなっていたし、少し濡らしてしまっていた。
藍香さんは「少し待って」と部屋を出て行き、やがて戻って来て、
オレにズボンを脱ぐように言った。
オレが恥ずかしくて躊躇っていると、「大丈夫、恥ずかしくないよ」と声を掛けてくれた。
ズボンを下すと、既に膨らんでいたトランクスを藍香さんは優しく下した。
“ヒヤっ”とした。
藍香さんは洗面所でハンカチを濡らして来たようで、それでオレのを拭いてくれた。

女性に見られるのも、まして触られるなんて初めてだったので、とても興奮した。
「痛かったら言ってね!」
優しい声を掛けてくれて、藍香さんはオレの大きくなった部分を優しく拭いてくれた。
それが終わると、「横にすわるね!」、そう言ってスカートも脱ぎ、
下着姿になってオレの横にすわってくれた。
「触っていいよ」と藍香さんに言われ、そして藍香さんはオレを触ってくれた。
こんなに気持ちがいいなんて・・・
でも、何もされてないのに、オレはすぐにそこに出してしまった。
「あっ、ごめんなさい!」、オレは慌てて謝ると、「いい、いいよ大丈夫・・・」
そう言ってベッドから降りて、床に座りながらティッシュで丁寧に拭いてくれた。
綺麗に拭いてくれたと思った時、
「雄太君、少し瞳を閉じてて!」、藍香さんがそう言った。
オレは言われるまま瞳を閉じた・・・

突然来た、今まで知らなかった感触に驚いた。
オレは驚いて目を開け、「あぁっ!!」と声を上げ仰け反ってしまった。
「ごめんごめん。驚いた?! でも、見ないで欲しいの。もう少しだけ瞳を閉じてて」
藍香さんはそう言い、再びあの感触が起こった。
オレは「あぁ・・・」と声を出してしまったが、藍香さんはゆっくりと口を上下させる。
本当に怖いくらいの感覚だった。恥ずかしいし、何か我慢できない様な感覚・・・
「横になって!」
藍香さんは言った。
オレが横になると、藍香さんは今度は手の平で包んでくれた。
そして優しく包んでくれたその手をゆっくりと上下させた。
自分の手では知らなかった快感。そしてまた温かい感触が訪れ・・・


オレは我慢しようとしたが、大声を上げて藍香さんの口の中に出してしまった。
慌ててしまって、
「あっ、藍香さん、ごめんなさい! 本当にごめんなさい!!」と謝った。
藍香さんは笑いながらオレの顔を見て、
「いいんだよっ。友達の弟さんだからこれ以上は出来ないし・・・」
「それにね、何かお姉ちゃんになれた様な気持ちにしてくれたの。ありがとう!」
そう言ってまたティッシュで拭いてくれた。


二人とも洋服を着て電気をつけると、もの凄く眩しかった。
藍香さんはオレに近づき、また抱きしめてくれた。
それから1時間近くして、姉ちゃんが帰って来た。
藍香さんが帰った後、姉ちゃんがオレの部屋に来た。
「藍香、美人でしょ?!」
「何か藍香ってさぁ、あんたの事よく聞くんだよねぇ・・・」
「小さい頃に弟さん亡くしてるみたいだし、ブラコンなのかなぁ・・・」
一人で勝手にしゃべっていた。
「昔の写真みせてもらえば良かったのに。川原アイミにちょー似てる写真あるし・・・」
「もしかして好きになっちゃった?? あの子私の次に人気あるからねぇ・・・」
オレのバカ姉は言いたい放題だった。そして礼も言わずに部屋から消えた。
でも、今日だけはバカ姉にも感謝する。
あんなに素敵な女性を教えてくれたのだから・・・





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「塾の先生へ・・・」




“ずっと見ています。
先生の横顔が大好きです。
みんなの話を聴きながら笑って添削をしている先生が大好きです・・・“



「ああーーー!!  こんな手紙なんか渡せないよぉー!」
孝也は一時間以上座っていた勉強机を離れ、ベッドに倒れ込んだ。
屑籠には書き直した何枚もの便箋が溢れていた。


中学3年。受験を控えていると言うのに、年号も単語も入って来ない。
孝也の頭の中は“麻里”という漢字が埋め尽くしていた。
麻里・まり・マリ・MARI・・・
毬でもマリンでも、それに近い音が全て麻里に繋がるのだ。
テレビでもネットでも、その言葉には反応してしまう程。

麻里に出会ったのは半年ほど前の事だった。
その塾にはもう1年ほど通っているが、その頃には麻里はいなかった。
性格が陰湿で孝也を馬鹿にしていた前の先生が大嫌いだった孝也。
勉強はますます嫌いになるし、もう塾もやめようと思っていた。
そんな孝也の前に突然現れたのが麻里だった。
とは言っても、最初から麻里の事が好きだったわけではない。
“前の先生のおかげで”最悪だった孝也の成績。
塾に通いながらその成績という事に呆れた麻里は、孝也に沢山の課題を挙げた。
その頃の孝也の口癖は“マジかよぉ~”ばかりだった。
ただですら嫌いな勉強を人より多くやらされる・・・
孝也は蕁麻疹を出した事もあった。親まで笑っていたが。
でも、そんな孝也は少しずつ変わった。


苦渋の中に何かを見つけた時、麻里は最高の笑顔で返してくれた。
みんなが帰って行く中、一人残された孝也を待ちながら添削をしている・・・
いつしかその横顔が孝也の喜びになっていたのだ。それは知らないうちに。
いつも同じ角度・同じ位置の麻里を見ていた。
そのせいで、頭の中に出て来る麻里まで、いつでもその画だった。
授業中に穴が開くほど見ているのに。緊張しながらも話しているのに。
それでも頭の中は麻里の“その”横顔だった。


麻里への想いに気が付いた頃には勉強が嫌いとは口にしなくなっていた。
徐々に成績が上がった事に、両親も不思議がったぐらいだった。
しかし、ここに来て孝也は苦しくなっていた。
それは成績が頭打ちになっている事もあるが、それより深刻な問題があったからだ。
麻里の事が好きで仕方ないのだ。
つまり、麻里の事しか考えられない程に好きなのだ。
孝也はもう中3だ。好きなアイドルもいれば、エログラビアも気になる。
勿論オナニーもする。
学校のクラスメイトの女子も、勿論美人の先生もグラマーな先生も脱がしている。
頭の中で。
でも、どうしても、一度たりとも麻里を脱がした事はない。脱がせない。
それどころか、最近はエロへの興味すら感じなくなっていた。

麻里は痩せているし、長い黒髪、そして清潔感のある大人な女性。
確かにセックスアピールを感じるタイプではないが、それでも、
普通の美人でも、痩せていても、孝也はクラスメイトを裸にしていた。
なのに、時折大きく開いた胸元が見えたり脇が見えても、そこには行かない。
あの横顔、そして思惟と言えば微笑みながら掛けてくれる麻里の優しい声、
それで十分なのだ。それだけでいい・・・

最近ではあまりに孝也の視線がある為、麻里も時々孝也を見る様になった。
「何?」「何か分からないところある??」
目を合わせて、少し微笑みながらそう言って、また机に視線を落とす。
孝也はただ“見ているだけ”という幸せな時間まで脅かされ始めた。
それもあって、もう気持ちがどうにもならない苦しさの中をさ迷っていた。
親が外出している時など、布団を被り枕に向かい、
「麻里先生が好きだーーー!! 大好きだぁ!!!」
そう叫んだりもしていた。
その想いは深刻で、とうとう成績が下がり始めた。
両親は孝也の深刻な顔を、勉強のせいだと思っていて、むしろ、
“勉強はそこそこで良いんだよ”とまで言ってくれていた。


しかし、麻里先生に学校でのテスト結果を報告する時が来ていた・・・
「あれっ、テスト結果出てるよねぇ? どうだった??」
孝也は“ついに来たかぁ・・・”と落胆し、席も立てなかった。
その表情に気付いた麻里は、
「悪かったかぁ・・・  でもしょうがないね。また頑張ろうよ!」
そう優しい笑顔で声を掛けた。
しかし・・・
孝也は何も言わずに教室を飛び出して行った。
それは涙を溜めたところを見られたくなかったからなのだが・・・

心配した麻里は家に電話したようで、家の人間に聞いて孝也の携帯に電話を掛けて来た。
「どうした?  ごめんね。何か私、悪い事言っちゃったのかなぁ・・・」
「孝也君のせいじゃないよ。ちゃんと勉強頑張ってるんだから」
「私のチカラがまだまだ足りないんだよぉ。ごめんね」
孝也は麻里の優しい声で涙を流していたが、それは電話で助かった。
「別に違うよ。今回は余計なこと考えてて、ちょっと調子が出なかっただけ・・・」
「もうすぐ家つくから、もう切るよ」
そう言って、麻里からの電話を一方的に切った。
本当は心配してくれている麻里に対し、こんな切り方などいけないと思っていた。
しかし、もう声も震えていたので、どうしてもそれに気付かれたくなかった。
孝也は自分が心配を掛けてしまった先生の為と思い、勉強を頑張った。
成績は回復したし、少しお釣りも来た。
高校も当初の志望校より2ランク上に見事に合格した。
しかし、それは麻里との別れの時が来た事でもあった。


もういち早く志望校合格を決めた孝也は、塾の授業に出る必要も無かった。
後は顔出しか報告程度の事だ。
だからこそ、今、一番真剣に机に向かっていたのだ。
自分を遥か上の志望校に送り込んでくれた麻里先生。最高の横顔の麻里先生。
でも、手紙を届ける事は出来なかった・・・





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「フェロモン」
既に就職の内定ももらっている大学4年の女子大生。
しかし彼女には人知れず大変な問題があった。どうしてもそのままでは・・・

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「島の女」
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(プラトニック 先生 憧れ 純愛 スレンダー 塾 予備校)



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ジャンル : アダルト

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「フェロモン」




「驚きました・・・」
目の前に座ったその男の口からこぼれ出した言葉。
薄々感じていたとは言え、史奈には受け入れる事の出来ない言葉だった。
目の前に座るその男は大学の研修室で“香り”について研究している第一人者だった。
特に専門分野は“フェロモン研究”

史奈。
現在大学4年生で、既に数社の内定をもらっている。
成績は優秀で、何より真面目な性格。言われたテーマもしっかりと習得できる人物。
丁寧な挨拶と振る舞い、そして物事を正確に見極める能力も高い。
そんな史奈にとって唯一、そして最大のウイークポイントは・・・
“人ごみ・閉所・狭所・高温・緊張・水分・異性”
これらを避けなければならない事こそが唯一にして最大のウイークポイントだった。
その為に毎週メンタルトレーニングに時間を使い、そして、ここ数か月の間、
月に数回の頻度でこの自分の大学でない他校に通っているのだ。
勉強でも就職活動でもなく、ここで行われているのは“史奈の”研究・分析だった。
では、なぜ史奈はここに来る事になったのか・・・


現在大学4年生の史奈だが、史奈には大変な過去があった。
この年齢にして、過去に5回もレイプ被害にあっている。
これは実際に被害として立件した物の数で、実際の未遂や痴漢行為などは数知れない。
史奈はどんな女の子なのか?
子供の頃から大人しく、けっして自分から人前に出る様な子供では無かったし、
目立つ服装もしなければ、自分から男性に近づく事もない。
そんな史奈が苦しみ始めたのは初潮を迎えてしばらく経ってからだった。
まだまだ周りの男子が子供の様に感じられる時代から“大人からの”被害にあっていた。
最初の被害は中学入学前だった。
近所に住む中年の男に家の中に連れ込まれて悪戯された。
史奈は意図せず、中学に上がる前に女にされてしまったのだ。

その事は大変なショックだったし、もちろん行動にも注意するようになった。
しかし中1の夏には部活の先輩高校生に2回目のレイプにあってしまう。
本当に傍から見れば地味で目立たない高校生なのに。
さらに中3の春、塾の講師にレイプされてしまう。
もう、自分がどんなに努力しても“どうにもならない”と史奈は絶望した。
人間不信・男性不信となり、学校へは授業だけ、家に引きこもる日々が多くなった。
一部のこの件を知る関係者や警察の人間にも史奈の側に“非があるのでは?”と疑われる。
なぜ自分ばかり痴漢・レイプにあうのか、何も分からないままだった。

高校に上がる。
一人になる事を避け、余計な場所・知らない場所には行かなかった・・・
しかし、相手から史奈の方にやって来る。
高2の梅雨時、親戚で不幸があり訪れた親戚宅で叔父さんにレイプされた。
既にこの時には両親を含めてノイローゼ気味になっていた。
どうしてこんなにも自分の娘ばかりがレイプ被害にあうのか。
これらは“大きな事件”だが、その間にも電車・バスに乗れば痴漢され、
学校や学校帰りにも痴漢未遂・痴漢・レイプ未遂は何度もあった。
そして最後のレイプ被害は就職活動を始めた大学3年生の時。
大学に入ってからも部活・サークルには入らず、人(異性)との接触は避けた。
しかし、どうしても就職活動だけは避けて通れない。
そして、史奈がどんなに気を付けてもそれは避けられない・・・

訪問先の人事担当者にレイプされた。
見知らぬ異性と部屋の中で二人っきりになる事は避けられず、配慮も求められない。
もう史奈の中では諦めもあり、“これも就職活動として避けられない”
そう自分に言い聞かせるしかなかった。
そんな苦しい状況を続けていたある日、母親の友人に紹介され今の大学を訪れた。
それまでも色々な相談窓口には足を運んだが、どこも好転へとはならなかった。
3ヶ月以上に渡り汗の採取や体調・感情のチェックなどが行われた。
わざと狭い部屋に研究室の大学生と二人きりにされたり、
サウナスーツを着ての激しい運動、5人の男子大学生に囲まれ10分過ごす・・・
史奈にはどれも最高に苦しいものばかりだった。

データに関係なく、研究に参加した男子大学生の中にも反応が顕著だった。
室長はそのあまりに極端に表れる状況に驚いた。
その事は心配した室長が自ら史奈を駅まで送るところからも容易に分かる。
史奈の実験に参加後の男子大学生の変化がそれほどだったと言う事。
日頃は汗を抑え、狭い場所に行かず、男性の近くにも行かない。
それなにの被害にあって来た。
その史奈が激しく緊張し男たちの前で多量の汗をかいた時・・・
どれだけその威力が凄まじいものなのか。



「驚きました・・・」
室長は続ける、
「「この手の研究はサンプル数がネックですが、現在までのデータと、
私たちが今まで積み重ねてきたデータを元にして数値化したなら・・・
・・・
史奈さん、あなたは100万人に一人というレベルの強力なフェロモンの持ち主です。
つまり、大都市の中に一人だけ存在すると言うレベルなのです。
例えば大都市に100万人でも凄い事ですが、100万人の中には非対象者もいます。
男性・子供・老人・性的能力のない人・・・
それを除くと考えれば、この日本の中に数人しか存在しないであろうレベルなのです。
フェロモンは珍しいものではありませんが、その質とチカラが比にならないんです。

先日のテストでも恐ろしい結果でした。
先日行ったフルーツテスト、あの結果は異常でした・・・
事前に10種類のフルーツを好きな順に書いてもらうアンケートをとります。
本番のテストではその中で5種類に向かってもらいます。
本番で使ったのはリンゴ・オレンジ・バナナ・ブドウ・パイナップルでした。
これらが一つずつ狭い部屋に置かれ、その部屋の中で1分間近く嗅いでもらいます。
控室に戻って緑茶・コーヒー・緑茶と口に含み5分間休憩。
そして次にフルーツと繰り返し、それを5品やるわけです。
最後に今食べたい順番をアンケートに記入して頂くというものです。

事前にダミーのフルーツを含んだ10種類をランキングしてもらっている訳ですが、
このテストの終了後10分おいて、先程嗅いでもらった5種類をランキングしてもらう。
ここでポイントは、1位に来るフルーツではないのです。
10種類アンケートで下位に来たフルーツ、5段階法で下から2番目にあるフルーツ、
それに史奈さんの汗から抽出してさらに培養した物質を表面に塗っています。
この物質自体には匂いは無いので、視覚にも嗅覚にも本人の自覚がありません。
しかし、これに反応したサンプル(人)は2位や3位、場合によっては1位に、
本来嫌いだったり興味が無かったりしたものを上位に選んでしまうんです。
このテストの結果があまりに予想を超えていたので、3セットやったんです。
10人のテストを3回。つまり30人です。
順位の上昇率を見ると、1回目8割、2回目7割、3回目9割です。

興味深かったのは、2回目のテストには体調が悪い(風邪気味)の者が2名いた。
そして1回目と3回目で選択しなかった1名ずつは、異性に興味を持たない人だった。
つまり逆算すると、大半の男子学生は史奈さんのフェロモンに影響を受けた可能性を持つ。
100万人の例えは史奈さん側の存在確率ですが、問題なのはその逆側、
つまり、フェロモンを出す側の人数よりもそれに反応する人数であり確率なんです。
数十人程度のサンプルでは学説としては話になりませんが、
私が過去に行ってきた色々なサンプル調査の中でも、これは強烈な結果です。
動物や昆虫が同じ類のオスに対して影響力を持つものとされるフェロモンですが、
観念や常識、そして趣向に自由な現代を生きる人間がこんなに強く影響を受ける・・・
これは本当に凄い結果です。
多くの科学者が興味を持つものだと思います」」



室長の熱の入った話だった。
しかし史奈にとっては、“自分が特別”と言う事がはっきりしただけで、
それは何の解決にもならず、まったく救われるものではない。
病気ならば、病名が分かればそれに対処する方法にも有効だろう・・・
しかし史奈は、もう既に出来る事をやって来た。
願う先は“それ”が放出されない体しかない。
史奈はそこへのアプローチを室長に求めた。


「一つ考えた事があるんですが・・・ えぇ・・・ と・・・」
室長は言い難そうにする。
史奈は「遠慮しないで言って下さい!」と、その後を催促した。
すると椅子を座りなおした室長は始めた。

「「えっと・・・
史奈さんに変化が起きたのは生理が始まってからですよね?!
まぁフェロモンの意味合いもオスに対するものですから・・・
でね、史奈さんは今まで、そしてこれからしばらくの間はオスを引き寄せる年齢です。
そこに群がって来た者に嫌な思いをさせられて来た経験をお持ちですしね。
でもね、そこでオス(異性)を受け入れなかった事で、
メスとしての能力が抑えられないままになっている可能性もあるのでは?!
私はそう考えてみたんです。
史奈さんが男性不信になったのは無理もないし、それは仕方ない事です。
しかしその事がこれからしばらくの間、まだまだ史奈さんを苦しめるとしたら・・・
逆にね、男性を受け入れてみる。つまりお付き合いされてはどうでしょうか?
勿論、今更すぐに誰かを好きになれなど難しいとは思うんですがね、
“愛する”って事で、そこに少し変化が出る気がするんです・・・」」


史奈は困った顔をしていた。
室長の言っている事が理解できないのではない。
“だからどうすればいいのか?”、それが分からないのだ。
史奈のその顔から察した室長は、先に切り出した。
「私は心理の方は専門外なんだけど、私の知っている生徒にとても詳しい人間がいて・・」
史奈はここまで時間を共にし、今となって自分を一番知っているこの目の前の男に、
自分の全てを委ねる事にした。
後日、室長直々にその大学生を紹介された。
特別に心理を研究しているわけではないが、人当たりが良く、とても清潔感のある人物で、
年下でありながら受け入れやすかった。
史奈は何となく室長の意図を感じ、余計な詮索を抑え、年下の彼に従った。



その彼は史奈の事を聞いているわけだし、史奈に対して空気の様に水の様に接した。
初めてこんなに近くに異性といられる、とても不思議な感覚を得ていた。
ある時デート中にデパートの混み合うエレベーターに乗り込んだ。
久しぶりに忘れていたはずの緊張がやって来て、一瞬にして汗が吹き出し、
乗り込んでいた若い男たちの視線が集まって、史奈は壊れそうになった。
その時、その彼はずっと史奈の手を握っていてくれた・・・
最上階で扉が開いた瞬間に倒れ込みそうになった史奈を彼は抱きしめた。
史奈は一瞬反応してしまうが、彼の“ごめん!!”という言葉に、
逆に冷静さを取り戻し、「あっ、ありがとう・・・」と抱きついた。
階段横の人気のないスペースで優しく抱きしめられた史奈。
初めて男の人の胸元にいる事に幸せというものを感じた瞬間だった。
自分の中に知らない物が溢れて来て、雲の上にいる様だった。


史奈は彼に抱かれた。
自分自身を縛り付けていた悲しい過去。そしてそれを彼に知られる事・・・
しかし彼は全て受入れ、史奈は彼に委ねた。
彼は知らなかった“異性”を教えてくれ、史奈は女である自分を初めて受け入れた。
彼に抱かれる度に女になる。しかしそれは彼の為の女。


研究室への通いは一区切りとなった。
それは大幅に数値が落ちたと判断した室長の意向。
今も時々痴漢にあい、男たちの視線を受ける事がある。
しかし史奈は落ち着いた。頭の中が真っ白になってしまうのでなく、
瞳を閉じて彼の事を想う・・・
自分は彼の為の女。彼だけの女。
その暗示こそが彼女のフェロモンを抑える。

室長が任せた男子大学生。
彼はフルーツテストで史奈に反応しなかった男だ。
女性に興味など持たなかった男。
でも、今は違う。
室長は彼の心に史奈が合うと確信していたのだろう・・・





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オレは・・・
いつでも“冷めている”と言われる。
リョウキはそんなオレを面白く思っていないようだが、口には出さない。
オレだけ四人の中では外にいる感じもあるが、ショウとコウタはオレの顔色も窺う。
それはオレがクールで大人っぽい事もあるが、その他に大きな理由がある。
オレのアネキは3コ上だが、中学では有名な不良だった。
オレたちの中学が一番悪かった時の中心人物で、その名前は今もあがる。
そんなアネキは惰性で行った公立高校も入学してすぐに中退し、
一時は本当に手を付けられない人物だったが、スタンドでバイトを始め、
そこで知り合った男性社員に導かれ、アネキは変わっていた。

昔から、そして今も、アネキは“半端”なオレ・オレたちを馬鹿にしている。
確かにあの頃のアネキからすれば、オレたちは小さく見えるだろう。
仕事に楽しさを見つけ、それを教えてくれた男性を好きになり・・・
アネキはいつでも半端じゃない。だからオレにも母親にも上からモノを言う。
オレたちがまだ小さい頃に母親は離婚し、今は小さな飲み屋をやっている。
アネキがそうだったように、オレに対しても放任主義だ。
あのアネキに比べれば、オレなんかとても静かだと思っているだろう。

そんなオレの家は“小さい不良の溜まり場”になっていた。
別に好意的に受け入れられていたわけではない。
ただ無関心の母親と、いつでもオレたちに上から目線でモノを言うアネキ。
アネキもアルバイト中心の生活だから、
“ヒロキ(俺)も相変わらず馬鹿やってる”ぐらいにしか思っていない。


アネキは今18だと思う。
派手だった服装やメイクは消え、相変わらず茶髪のままだが、落ち着いた。
それに大人になって来たし恋をしているせいか、とても綺麗になっていた。
元々スレンダーな美人ではあったけど、あの頃は元の顔が分からないメイクだった。
それ以上に顔つきが違っていたし・・・
だから、どれだけ時間が経ってもオレやオレたちには上にいる存在だった。
そこに口に出さなくても不満を見せていたのはリョウキだ。

リョウキは派手でアナログな不良タイプじゃない。
良く言えば知的、悪く言うと陰湿で、何よりプライドが高い。
同じグループでリーダー的存在ながら、ショウ・コウタの様でないオレに距離があった。
そして、いつまでも“伝説の存在”であり、オレたちを見下したままのアネキに対しても。
ところどころにそれは現れていた。

オレたちはまだ中学生だが、既にリョウキとショウは女性経験もしていた。
他校の中学生や先輩高校生と。
あの二人は女遊びに関してはませていたので、コウタはいつも羨んでいた。
オレは興味はあったが、それでもまだキスや体に触れる程度までだった。
奴らのように、“セックスだけをしたい”な考えになれないでいた・・・
その事もリョウキの目には否定的に映っていたようだ。
オレが格好をつけている様に見えたのかもしれない。


その日も4人で部屋にいた。
オレたちは一緒にいても、テレビ・マンガ・ライン・ゲーム、
それぞれが自由に勝手に過ごしている。
たまに“良い話題”がそこに現れた時にだけオレたちはそこに集まる。
今日のそれは何気ない一言から始まった・・・

「お前のアネキ、すげぇ~美人になって来たよな?!」
そうショウの言った一言だった。
コウタも、「メチャクチャ良い女だよね」とそれに乗った。
少し黙っていたリョウキが口を開いた、オレに向かって。
「あのアネキのこと、好きになったりすんの?」
「裸とか見るんだろ?」「スタンドの男に抱かれてるんだろ?!」
オレはリョウキの言葉にイラっとした。
「ふざけんな! アネキがどうなろうと関係ねぇーよ!!」
「アネキの事なんか女と思ってねぇ!」
オレは怒鳴る様に言った。
普段冷静なオレが声を荒げた事に、ショウとコウタは驚いていた。

リョウキはそこで話をやめなかった・・・
「お前さぁ、アネキが自分の前で俺たちに抱かれても平気か?!」
「その隣で黙ってマンガ読んでいられるか??」、そうオレに突きつけた。
オレは冷静では無かったし、みんながいた事もあったので、
「平気だよ!!」「好きにしろよ! やって見ろよ!!」と怒鳴った。
リョウキは冷静に言って来た。
「じゃぁ、やらしてもらうよ。ショウ、一緒にやろうぜ!」
「お前のアネキさぁ、何様なのかいつまでも先輩面してうぜぇんだよ!」
リョウキも“知的キャラ”のいつものリョウキとは違っていた。


少し静かな時間が部屋に流れたが、それを壊したのはバイトから帰ったアネキの物音。
「ショウ、やろうぜ!」、リョウキはそう言った。
「マジかよぉ~!」と少し怯むショウとコウタだったが、
ショウにはリョウキの言う事が絶対だ。コウタはオロオロしたままだが・・・
オレは反応を見られたく無かったので、部屋の隅でマンガを読んだままだった。

リョウキは一人で部屋から出て行った。
少しすると、ベランダから干してあったアネキの下着を持って来た。
そしてそれを真ん中にあるテーブルの上に置いた。オレの部屋の扉は開けたままだ。
コウタはそれを見て興奮していた。
18のアネキは高校生が着けるような清楚な下着でなく、もう大人の女性と同じだった。
そこで盛り上がっていると、アネキが部屋の前を通った。
通り過ぎようとしたアネキだったが、見覚えのあるそれに気付き、
「何やってんの?! それ私のでしょ!!」と滅茶苦茶怖い顔になった。
「アンタたち、半端なくせしてマスばっかかいてんじゃないわよ!!」
「アンタたちじゃ女に相手にされないね!」
アネキは久しぶりに昔の顔になっていた。

アネキは部屋に入って来て、テーブルの上にある自分の下着を取ろうとした。
リョウキはアネキの手首を掴んだ。
「代わりに、今穿いている下着を脱いでって下さいよ!」
そう言ったリョウキの顔をアネキは思いっきりビンタした。
立ち上がったリョウキは、
「ふざけんなっ!! いつまでもでけぇ顔してんじゃねーよ!」
リョウキとアネキは激しい言い合いとなった。
アネキの方が先に手を出したが、リョウキに腕を掴まれ、
振り回されたアネキはオレのベットの上に倒された。
アネキの上に跨ったリョウキは、「ショウ、手伝え!」、そう声を掛けた。

「何してんだよ! あたしにこんな事して、ただで済むと思ってんのかよ!!」
アネキは激しく暴れた。
そしてオレに対して「ヒロキ! 何してんだよぉ!!」と叫んでいた。
オレはそれでも無言で横向きにマンガを開いていた。
初めて見るリョウキの激しい姿。
両腕をショウに押さえつけられても抵抗する姉にビンタを続ける。
アネキは“根性のある女”
口にハンカチを詰め込まれ、服を脱がされ始めてもリョウキを睨んだままだった。
腕を押さえられたまま胸を広げられ、やがて下半身を晒されても、
それでも心は折れない。
でも、その頃にはコウタもアネキの足を触り始め、
ベッドの上のアネキは一度に3人の男たちに弄ばれていた。

普通の“か弱い女”が犯されているわけではない。
その道を歩き、そこにプライドも持った女が
馬鹿にしていた弟グループの男たちに押さえ込まれて遊ばれている・・・
部屋の隅には“それに向かない弟”がいる。
睨むまま、されるがまま、涙を流しながらも。
ついにリョウキ・ショウ・コウタの3人はアネキをまわし始めた。
既に力尽きたアネキをそれでも押さえつけ、激しく入れる。
アネキの痩せた体はベッドの上で振り回されていた。
痩せていて膨らみのない胸を、それなのに激しく掴まれて。
特にリョウキはこれでもかと言うぐらい、後ろからアネキを激しく突き上げた。
オレは泣いているアネキも男に屈服するアネキも初めてみた瞬間だった。

奴らは何度もアネキを抱いた。
アネキを休ませたりしなかった。
そしてリョウキはベッドから下したアネキに後からハメながら、
オレの方にアネキを突きだす。
アネキはさすがに「やめて! やめて!」と言うが、
リョウキは笑いながらオレにアネキを押し出して来る。
完全にリョウキに支配された姉の姿・・・
オレたちを馬鹿にしていたアネキはもういない。


「お前もやれよ!」
リョウキはオレにそう言った。
オレは「ふざけんな!!」、そう言って部屋を飛び出して行った。

オレが部屋に戻った時にはもう奴らは帰っていた。
まだ、アネキだけがベッドに裸のまま伏せていた。
声を上げて泣いていた。
オレが帰って来た事に気が付いたアネキは起き上がり、
オレに思いっきりビンタして、部屋を出て行った。

リョウキはアネキの元の仲間にシメられた。
無残な顔になっており、歯も折れていた。もうオレたちの付合いも無くなった。
アネキは元の仲間との交流を再開したと同じ時期、
スタンドを辞め、付き合っていた彼氏とも別れたようだった・・・
一度開けた人生も、また昔に戻ってしまった。
アネキは荒れていた。
彼氏の事を本当に好きだったようで、毎日遊びまくり、酒浸りの日々となった。
オレと話す事もなく、あの事も忘れているかの様だった。

しかしある日、
遅くに帰って来たアネキは突然オレの部屋にやって来た。
酒に酔い、派手なメイクも崩れていた。
「あんた、あたしがこんななってざまぁって感じ??」
「あんたは昔っから卑怯なのよ。結局何も出来ないのよ」
泣いている。
そして突然立ち上がり、ノースリーブのシャツを脱ぎ、ブラを外した。
「自分の前であたしが犯されるのって、どんな気分だった?!」
「オナニー出来た?」「仲間に抱かれるあたしはどうだった??」
ジーンズもパンティも脱ぎ、オレの前で全裸になった。

「また何もしないの? ただ知らん顔してそばにいるの?」
「やれば良いじゃない。まだあたしを抱くぐらいなら許せるよ・・・」
「好きだったのよ・・・  彼氏の事、本当に好きだったのよ・・・」
姉は全裸のままオレの前に泣き崩れた。
それでもオレは動けなかった。
するとアネキはオレを押し倒し、
「抱きなさいよ! 惨めなあたしを抱きなさいってば!!」
そう叫んでオレの上に載って来た。
自分を壊そうとしているかの様に、オレに激しいキスをして来る。
オレはスレンダーなアネキの体を抱きしめた。
既に弱いアネキを見てしまったオレは、“この女が可愛い”とさえ思った。

アネキはオレのズボンを下した。シャツも脱がせた。
オレの胸に顔を埋め、オレの胸で涙を流し、そして上に載った。
激しく自分で動き、“全ての自分を壊してしまいたい”そんな迫力だった。
オレはもうイキそうになった時、必死でアネキを突き飛ばして外に出した。
アネキは床に手をついて座り、しばらく泣いていた。



そんな事は一回きりだった。
それで少し楽になったのか、アネキはまた働き始めた。
メイクは薄くなり、何より茶髪をやめた。
もうずっと茶髪のアネキしか見ていなかったが、アネキは美人だ。
茶髪にすれば誰でも美人に見えやすいが、黒に戻して美人なのだから、
ずっと本物だったのだろう・・・
吹っ切れたアネキと違い、オレは少しずつアネキの事を・・・






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「秘密の花園」




もう、窓の外は暗くなろうとしていた。
それでもこの部屋には、穢れなき乙女たちの愛溢れる声が響いていた・・・


名門私立女子高の名門演劇部。
先輩たちは何度も全国レベルで活躍し、ミナミの代もそれを成し終えた。
“ミナミ”
演劇部の部長を務める3年生で、演劇部のみならず、学園内にファンが多い。
飾らない人柄と、厳しくも後輩たちを思いやるその性格、
そして、ミナミには適役となった男性役に夢をみて演劇部の門を叩く者も多い。
ミナミは小柄で、しかもボーイッシュなわけでもない。
それでも、演劇部や仲間を大切にする思いや守ろうとする勇気に溢れ、
後輩たちはそんなミナミをお姉さん的憧れを超えて見ていた。

今部室に残っているのはミナミを入れて4人。ミナミ以外は2年生だ。
3年生の引退の意味と、後輩たちへのバトンタッチの意味も兼ねた公演。
既に安定した演技の3年生が帰った後、主要な2年生が残って稽古している。
ミナミはそんなこれからの幹となる2年生たちを見守っていた。

珠理。
ミナミに憧れ演劇部に入った代表格。2年生の中心的位置に立ち後輩をまとめている。
いつでもミナミのそばにいて、ミナミの事が自分の全てとなっている子。
紗矢。
珠理の親友でおっとりした性格。先輩たちの愛されキャラでいつも珠理のそばにいる。
彩華。
学校一の美人と言われながらもクールな性格で、先輩たちも別格に見ている。
他校の男子との恋愛話も噂される大人っぽい子。
3年生最後の公演に参加する選ばれた3人だった。


稽古は熱を帯びていた。
本番と変わらない空気・声、彼女たちの熱の入った稽古は続いていた。
城に閉じ込められたお姫様役の彩華、それを助けようとするが兵士に捕まり、
囚われの身となってしまうお姫様憧れの若き村人“ミナミ”
暗い部屋で椅子に体を拘束され、そして拷問を受ける・・・
そのシーンの練習を始めた。
椅子に座ったミナミを彩華が縛り上げる。

ミナミ「ちょっときつくない? そんなにしっかり巻かなくても・・・」
彩華「すみません。我慢して下さい。本番の雰囲気を出したいんで・・・」
ミナミ「わかった・・・  痛っ。本当に・・ 完全に動けないよぉ・・・」
彩華「・・・」
そして縛り終わった彩華はミナミから離れた。
「写真撮らせて下さい!」、彩華はそう言って写真を撮り始めた。
「えっ? 何っ?!」、少し不安の表情を見せるミナミに、
「あぁっ、この公演のポスターに良いんじゃないかって思って・・・」
そんな事を言いながら、やがて写真は撮り終えた。

彩華はミナミの前に立ったまま、静かにミナミの顔を見ていた。
「先輩、可愛いですよね。私が男なら欲しくなっちゃうなぁ・・・」
「何言ってんの? 早く稽古始めるよ」、ミナミはそう言うが・・・

突然彩華はミナミの胸のボタンを外し始めた。
「なっ、、何すんの?!」、ミナミは彩華が何をしているのかが分からない。
あっと言う間に胸元を開けられ、白いブラジャーが露出した。
「ミナミ先輩に何すんのっ!!」
珠理はミナミの下へ近づき、彩華を止めようとした。
すると彩華は・・・
「珠理、知ってるんだよ。いつもミナミ先輩が稽古で来ている衣装、嗅いでるよね?!」
「って言うか、ミナミ先輩の着替え終えた下着嗅いでたよね?!!」
珠理は動けなくなった。真っ赤な顔をして泣き出しそうになっている。
それを聴いていたミナミも、何も言葉が出なくなった。
「紗矢! 今の話、誰にも言うんじゃないよ!! お前の大切な親友なんだから・・・」
「お前は黙ってそこに座ってな!」
一瞬にして彩華は主役となり、周りを従わせる様に中央にいた。


彩華はミナミの顔を押さえて、自分の唇で強くミナミの口を塞いだ。
自分より小柄なミナミを“女の子を手に入れる時”のように・・・
「あぁぁ、、やめてぇ!」、キスされながらもミナミは必死に抵抗する。

「やめな~い。私、先輩の事ずっと可愛いと思っていたの!」
「小柄なのに必死で強がるミナミ先輩、私大好きなの」
「後輩の女の子に愛されている先輩だけど、本当は男からも愛されたいでしょ?!」
「珠理みたいに、沢山の女の子がミナミ先輩に憧れてる。私、開いてみたいの・・・」
「ずっと興味持ってたんだ。ミナミ先輩のその体の中身とか」
縛り上げたミナミの前、そして我を無くした珠理と紗矢の前での彩華の独り舞台。
ミナミの髪を撫で、自分の胸に引き寄せ抱き、そしてまた激しいキスをする。
そんな扱いをされているミナミを見て珠理は泣き出していた。
その珠理を紗矢が抱きしめる。

ミナミはキスの経験すら無かった。
沢山の後輩に愛されながらも、女としては未熟な女だった。
今、後輩の彩華にずっと閉ざしたままの女の部分を開かれようとしている。
彩華はもう男性経験もあるのだろう。ミナミはそのキスで熱くされていた。
何より、自分に憧れ従って来た後輩の前で“無残な先輩”を見られて・・・
縛られたまま大きく胸元を開けられ、ついにブラも外された。
「あぁっ!!」とミナミは声を上げ、目をつぶって顔を下に落とした。
彩華はミナミの後ろに回り、その正面に座る二人に見せつける様にミナミの胸を掴む。
されているミナミ以上に、珠理は激しく反応していた。

「珠理! 先輩の匂い好きなんでしょ?! 触りたいんだよねぇ?!!」
「こっち来なよ!」、そう言ってミナミの下まで珠理の腕を引っ張った。
珠理は片手で口を押えながら、ミナミの前に立ち尽くしていた。
「めんどくさいなぁ~!」
そう言いながら、彩華は珠理の腕を掴みミナミに近づけ、ミナミの胸を触らせた。
恥ずかしさなのか、触られるミナミは声を上げる、「やめてぇ・・・」
最初は無理に触らされていた珠理だったが、そのうちミナミの胸を完全に掴んだ。
そしてその時、押さえていた感情が溢れるように珠理はミナミに激しいキスをした。
「大好きです! ずっと、どうしようもないくらい好きでした!!」
珠理の激しい求めにミナミは完全に女にされていた。

その激しい二人のキスを見ていた紗矢のところに彩華は行った。
「大好きな珠理はミナミ先輩の事しか考えてないんだよ!」
そう紗矢に言いながら、彩華は紗矢にキスをした。
うぶな紗矢も、同級生の美人からのキスで自分を失ってしまった。
「ずっと珠理の事好きだったんでしょ?!」
彩華は紗矢の耳元に囁きながら胸まで触っていた。
その目の前では、珠理が抑えきれない感情をミナミにぶつけている。
ミナミに激しいキスで迫り、自分の物と言わんばかりに胸を揉む。
それを見る紗矢もその嫉妬を彩華の慰めの前に露わにしていた。


彩華は立ち上がり、紗矢を従えて珠理とミナミの下へと行った。
「珠理、ミナミ先輩の全てが欲しいんでしょ?!」
「男も、他の女子も知らないミナミ先輩が欲しいでしょ?!」
珠理は彩華のその問いに頷いた。
紗矢に向いて、「珠理が先輩の全て欲しいらしい。協力してあげよう! 手伝って!!」
そう言って紗矢にミナミの肩を押さえさせ、彩華はミナミのスカートを捲った。
現れた太腿を食い入る様に見ていたのは珠理だった。
珠理は堤防を決壊させたかの様に、理性を無くし本能のままとなった。
床に膝を下し、ミナミの露わになった太腿に顔を埋めた。
「珠理ぃー! やめてぇ~!!!」
ミナミは必死で叫んだ。

そして彩華は珠理を引き剥がし、今度はミナミのパンティも脱がせた。
それを珠理に与えると、周りの目も気にせずその匂いを嗅いでいた。
ミナミは壊れそうな恥ずかしさで「お願いっ! 珠理やめてぇー!!!」
そう繰り返すばかり。
その珠理を紗矢に見せながら、彩華は紗矢の胸を揉みながら抱きしめる。
今度は紗矢の方から彩華にキスを求めるようになっていた。
ミナミはずっと珠理に太腿を愛されていて、それはどんどん奥へと行った。
必死でのた打ち回る様に暴れるミナミだが、もう珠理は壊れていた。

珠理は指を入れた。
「あぁぁーー!!」
ついにそこに入られてしまったミナミ。男性経験もないミナミは、
自分を強く慕う後輩の女の子にそこを許してしまった・・・
ミナミは泣きながら「やめてぇ~」と絶望の声を出す。
紗矢と抱き合う彩華は時々、泣き叫ぶミナミの口を塞ぐようにキスをした。
今度は紗矢を珠理の後ろに行かせ、ミナミに夢中の珠理のスカートを捲った。
スカートを捲られた事に気付いて後ろを振り向こうとする前に、
彩華は珠理のパンティの中に手を入れた。
「ああぁ~ん・・・」
今度は珠理が激しくよがり、そのまま倒れ込むようにミナミの股間に顔を埋めた。
彩華は紗矢の手を掴み、珠理の中に入っていた自分の手と交換した。
紗矢の手に珠理は激しく興奮する。
そして興奮する珠理が前に押され、ミナミの股を大きく開ける。

彩華は立ち上がり、静かに練習撮影用のビデオカメラを3人に気付かれぬ様回した。
そしてミナミの元に帰り、胸がカメラに映りやすい様、持ち上げる様に揉んだ。
紗矢に激しく触られた珠理は大きな声を上げてよがっている。
何も出来なくなった代わりを彩華がした。
ミナミの奥に指を入れる。
既に経験のある彩華の責めはミナミを女にする。
「あっ、、あっ、」と声を漏らしながら反応が大きくなって行った。


長らくその“舞台”は続いたが、やがて時間切れとなった。
その4人の舞台は連日続いた。ビデオの存在を知ったミナミは彩華に調教された。
男を知らないまま、後輩に女にされて行く・・・
珠理は紗矢の愛に気付き、それに応える様になった。
その舞台の本番が終わった頃、4人は激しい演劇を楽しむ様になっていた。
縛られた愛する人を助ける為、自分も責めを受ける。
そしてその責めもまた愛と知り、やがてそれを受け入れる。

いつしかその舞台の客席には男たちもいた。
彩華の周りにいた男たち。
ミナミは男たちに開発されて完全な女になっていた。
珠理と紗矢も。
彩華がずっと大好きだった3人の芝居をずっと独り占めにしていた。






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「裸にされた生徒会長」
しっかり者で秀才の生徒会長女子。何も手伝わない冷めた先輩男子。
文化祭準備でそのすれ違いは決定的になって行き・・・

「こんな事もある」
繁華街にありながら立地が悪いのか人影も疎らなネットカフェ。
静かなブースの中で聞こえた静かなノック音。その先にあったのは・・・

「秘密海岸のJKたち・・・」
夏の始まり。静かな海岸。女子高生たちは戯れる。
無邪気な蕾を横目で見る男。その男がやった事とは・・・







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「止められない」




オレは悪魔なんかじゃない。
人としてやってはいけない事をしてしまった野蛮人だとしても・・・



オレの両親は訳あって別居していた。
2つ年上の姉は父と、そしてオレと母。
もうそんな生活が始まってから3年が過ぎようとしていた。
オレは現在高校1年。離れて父と暮らす姉は高校3年になっている。
父と母は何かあっても電話で連絡を取り合うだけ。
オレと姉も、別居している側の親に会うために偶に会う程度。
最後に会ってから3ヶ月は過ぎていると思う。

役所勤めで我が強い父、そしてしっかり者だが母やオレを馬鹿にする姉は、
父が建てた一戸建てに残った。
飛び出した形の優しく弱い母と、自分でも不器用な性格だと思うオレは、
古いアパートで細々とした生活をしている。
家庭を疎かにし、女を作り、そして暴力まで振るった父からやっと逃げた母。
それなのに現実主義の姉は、楽で自由な父の元を選んだ。
姉は大人だし、頭も良いのだと思う。だからなお更、オレとは仲も悪い。


姉は久しぶりに会っても上から目線で話してくる。
それはオレだけでなく、自分の母親でもある人に対してもだ。
家族の事、生活の事、そして環境・・・
高校生になったオレは日を追って荒んだ生活になっていた。
不登校の日が増えたり、夜中まで帰らなかったり。
母親が心配する気持ちは十分に伝わっていたし、申し訳ないとも思っていた。
でも、どこにも吐き出せない気持ち、それがどうにもならないでいた。
それを感じてか、母はオレを怒る事などしなかった。
むしろ、それを怒ってくれた方が楽だったのかもしれない・・・



母親に頼まれた用事で、久々に父と姉が住む家に行った。
学校帰りの時間なので、勿論姉しかいない。
姉は相変わらず上から目線だったが、その日は特に酷かった。
学校でストレスがあったのか、それとも家庭の事なのかそれは分からない。
しかし、オレの事は勿論、母親の人生そのものまで罵倒して来た。

姉はその性格もあってクールビューティだ。
県でもトップクラスの私立に通い、中学の頃から何回も告白されて来た人。
プライドが高く、そして外に装い、そのストレスをオレと母に向けた。
オレは恰好の餌食だった。
成績は悪かったし上手く言葉が出ないオレは、いつでも姉に言い負かされた。
だだですら子供の頃から距離を感じていたけど、離れて暮らせばなお更距離は開いた。
もう、“自分の姉”という感覚も完全に薄れていて、
オレと母を攻撃して来る、優等生と美人を鼻に掛けた嫌な女だった。


姉の何かが切れたのか、母の罵倒は1時間近く続いた。
その間もオレから大した反論など口に出来なかった。
そしてその矢先は“反論すら出来ない”オレに向かった。
「あんたバカだよねぇ?!」「勉強も出来なければ彼女も出来ないでしょう?!」
「生活まで貧乏な暮らしして・・・ 生きてる意味も感じないでしょ?!」

本当にこの日の姉は酷かった。
そして、姉はオレの冷静さを奪った・・・
「あんた、彼女も出来ないで死んで行くんじゃない?!」
「可哀想過ぎるなぁ~」
ソファーの肘掛けに腰を下ろす姉は、制服のスカートからパンツを見せていた。
床に座ったオレの視線の高さが、丁度それと平行の位置になっていた。
自分のスカートの開きに気が付いた姉は、
「あんた見てたでしょ?! 何見てんの?? 自分のお姉さんを覗くか?」
オレを激しく捲し立てた。
「彼女が出来ないからっていやらしい事ばかり考えてるんでしょ?!」
「お姉さんにいやらしいこと考える様になったら動物以下じゃない!」
・・・


オレはキレた。
端に腰かけていた姉をソファーの中央に押し倒した。
姉は「何すんの?! 何してんのか分かってんの!!」と激しく抵抗する。
オレは姉の両腕を押さえつけた。
「やめてぇ! いい加減にして!!」と睨みつける姉を、オレは思いきりビンタした。
あの強気の姉が、そのビンタ一つで放心状態になった。
きっと、いつも完全に見下していて支配していると思っていた弟の予期せぬ反撃、
その考えもしなかった状況に完全に混乱したのだろう・・・

オレは服を破いて胸を広げた。
姉の白いブラジャーを目の前に見た時、もう目の前の姉は“ただの女”となった。
近寄り難かった姉。冷たく嫌な奴だった姉。
でも、小さい頃から意識する事は許されなくても、綺麗な顔立ちのその顔は、
オレにはずっと潜在的にあった。その綺麗な顔は憧れにあった・・・
オレは押さえつけたままキスした。その綺麗な顔にキスした。
女性の事など知らないオレの必死なキス。
それを性格を嫌いながらも、微かな憧れだった姉にぶつけている。
細く尖った綺麗な鼻。歯並びが良く、薄めの唇と繊細なパーツは本当にきれいだ。
こんなに近くで見る姉、そして知らなかった姉がここにいる。

「やめて、お願いやめて!」
姉は声を出すが、オレは姉の腕を押さえるチカラを抜かない。
そして姉のスカートを捲る。真っ白なパンティがそこにあった。
激しく暴れ始めた姉を裏返しにした。
そしてオレは自分のベルトを外し、姉の両腕を後ろで縛った。
姉はうつ伏せにされてからも声を上げて抵抗を続ける。
足の間に割って入り、パンティの上から陰部を触った。
女性の体に触れた事のないオレは完全に興奮している。
パンティを下すと、姉のお尻が露わになった。白くて小さいお尻。
「お願いっ、やめてぇ・・・」
泣きながら叫ぶ姉。初めて見る“弟に許しを請う姉の姿”・・・

もうオレは止まれない。
姉のパンティを一気に脱がせた。
姉は両足をバタつかせて暴れるが、かえって開いた陰部が良く見える。
オレは迷いなく、ズボンを下した。
入れる場所など分からずに姉の背中に載って抱きしめていたが、
興奮して突き上げるうちに、自然に中に入ってしまった。
それまでもオレに入れられる事を恐れていた姉は「やめて!!」を繰り返していたが、
オレが入った瞬間に上げた「やめてぇ~」の声は一際違うものだった。
苦しみ・悲しみ・絶望、その全てが混じった様な、
それまでの“同じ言葉”とは全く違う声を響かせた・・・

初めて経験するその快感に、オレは激しく突き上げた。
オレが大きく声を上げる様になったとき姉は、
「ダメっ、やめてっ、中に出さないでぇ!」
そう声を振り絞って必死にオレに言って来た。
オレはギリギリでその言葉に反応し、姉の中から抜いた。
姉のスカート、ソファー、絨毯の上。そこに広がった。
オレが尽きると、姉はうつ伏せのまま顔を押さえて泣いていた。



それまでの姉とオレとの関係性は変わった。大きく変わった。
姉もその時が初めての男性経験だった。
“男に抱かれる瞬間”を弟にされた事によって、姉のプライドは完全に消えた。
オレは初めて知ったが、プライドを無くした姉は優しい姉だった。
でも、それはもう“弟”に優しくする姉なのではなく、
自分を抱いた男への“愛”へと変わったのだった・・・

オレと姉は体の関係を続けるようになった。
両親は知らないが、オレが時々父と姉が住む家に行って抱き合っている。
姉は本当にオレを愛してくれる。まったく知らなかった姉がそこにいた。
優しく男を大切にする姉。
お互いに異性を何も知らない二人なのに、行為はどんどん深くなった。
勿論お互いへの想いも。
共に高校生の姉と弟が、学校から帰ってベッドに入り、“69”までしていた。
他の男女のような気遣いや駆け引きが無い分だけ、その進行が著しく早い。
オレは正常位での行為が好きだ。美しい顔の姉に興奮している。
そして姉から求めてくるキスが大好きだ。






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(近親相姦 レイプ お姉さん 制服 憧れ 美人 綺麗)




テーマ : 18禁・H小説(オリジナル作品)
ジャンル : アダルト

tag : 高慢下着バック初体験肉体関係服従覚醒

「島の女」




今年の夏は最悪の夏だ。
“最高の夏”のちょっと手前で一気に奈落の底に落ちた・・・

本当は今頃、俺は伊豆諸島の民宿でアルバイトをしているはずだった。
“一年越しの夢”が叶う瞬間が目の前だったのに。
今、俺は病院のベッドの上にいる。しかも足を骨折している。
同室には爺さん婆さんばかりだし。悔しくて仕方ない。
ただただ、去年の夏を思い出すばかり・・・



大学2年の夏休みだった。
俺は伊豆諸島にある民宿のアルバイトに行った。
東京からフェリーに乗って、長い時間船酔いしヘロヘロになっていた。
島のフェリー乗り場に到着すると、民宿の名前が入った軽トラックがあった。
しかし、誰も乗っていない。
俺が少し待っていると、やっと茶髪の女性が現れて言った、
「大樹君だよね?  おぉ~、履歴書より良い男だね」
「あれっ?! 顔色悪いねぇ。もしかして船酔いしちゃった?」
その女性は俺に遠慮なく笑っていた。
それがその“想い出”の始まりだった。

“釣り船民宿”のその民宿も、夏場は若い人たちの海水浴や旅行がメイン。
釣り船と漁師、そして料理まで出来る宿の御主人とその御両親、
そして、俺を迎えに来てくれたその人は奥さん。小さい子供がいる。
俺の他にアルバイトが二人。少しだけ早くに来ていた一応先輩となる男1女1。
客室5部屋の、予想していたよりは綺麗な民宿だった。
アルバイトは民宿の仕事が空けば、御主人の仕事を手伝う事もある。
俺は“個室”に入れられた。
とは言っても、四畳半の部屋を板で仕切っただけの個室。

でも、思ったよりも居心地はよく、御家族はみんな明るく性格も良いし、
賄いの食事も美味しいものが多い。まぁ、作業でお腹が空くし。
景色が良いのは勿論、暇な時には海が目の前だ。
何より気楽だった。
俺は同世代が意外と苦手なのだが、幸か不幸か先輩格の二人のアルバイト、
既にカップルになっているようだった。下手に構われるより、かえってありがたい。
食事の支度・布団上げ・掃除・昼仕事・夕食の準備・布団敷き・後片付け・・・
ダラダラした大学生の夏休み生活より、とても健康的だ。


そんな日々を続ける中、俺の中で少しずつ変わって行く事があった。
俺は周りとの距離も含めて気楽だったしマイペースだったけど、
気が付くと、自分の中に生まれていたものがあった。
“奥さんへの想い”
俺を迎えに来て・俺を笑ったあの人。
元気で、そして賑やかで、いつでも笑顔の人。
ショートの茶髪には、洗いざらしのTシャツとジーンズ、そしてスニーカーが良く似合う。
他のアルバイトが“仲良しちゃん”なので、俺に気を使ってなのか、
よく話しかけて来てくれる。俺も奥さんと話すのが楽しい。
そして最近、気が付けば奥さんの顔を見ている。

御主人と夫婦の顔で会話する奥さん。
子供とお母さんの顔で会話する奥さん。
御主人の御両親と嫁の顔で会話する奥さん。
お客さんと明るく会話する奥さん。
そして、俺たちと笑い話をしてくれる奥さん・・・
いつしか、そんな奥さんの表情を浮かべながら眠る様になっていた。
好きなのだと自覚した頃だった。

自分の奥さんへの気持ちが顕著になるほど、俺は自然に振る舞えなくなる。
そんな事が増えるほど、俺を心配したのか奥さんの“声掛け”は増えた。

もう3週間を過ぎようとしていた頃だと思う。
奥さんは俺を山菜取りに誘った。夕食のおかず用にと言っていた。
俺は奥さんの運転する軽トラックの助手席に乗り、少し緊張していた。
奥さんは変わらずに明るい。
ずいぶん長いこと走った。ちょうど島の突端のあたりまで来ていると思う。
山菜を採っている時も楽しげだった。
俺はどんどん無口になってしまった。
「ごめんね。私うるさい?」
奥さんがそう言ってくれても、俺は返事すら出来なくなっていた・・・
「どうしたの?」
奥さんが俺の近くに来て、正面に立って俺にそう言った。
「・・・」
勇気を出して俺は言った、「奥さんの事が好きです」
小さな声しか出なかった。

「えっ?! えっ、、何で?! 私33のおばさんだよ! バカだし・・・」
そう言って、俺が奥さんばかり見ている中で初めての困った表情を見た。
俺は罪悪感で、「すみません。本当にすみません」と言った。
奥さんは、「何で謝るの? 嬉しいよ。そんなこと言われること無いし・・・」
優しく言ってくれた。
「困ったなぁ・・・  そんなこと言われたこと無いから・・ どうしよう・・・」
本当に困った表情になっていた。
俺は「気にしないで下さい! 俺が勝手に好きなだけなんですから・・・」
「嫌な思いをさせて、本当にごめんなさい」、そう言うと、
「えぇ~・・・ どうしよう・・・ 何でそんなこと言うの?」と、
見た事も無いほど奥さんは困った顔になり、そこにしゃがみ込んだ。

俺は奥さんに大変な事をしてしまった様な気持ちになり、
「気にしないで下さい。楽しくて明るい奥さんの事、みんな好きなんですから」
「笑顔でいて下さい!」
俺は奥さんに笑顔を戻そうと、必死になっていた。
「ありがとう・・・」、奥さんは静かに言った。

帰りの車の中では奥さんの方が元気が無かった。
俺が奥さんに話しかける、いつもとは真逆の状況が続いていた・・・
長く下り坂が続いて、海の見えるカーブを過ぎた頃、
奥さんは急にクルマを止めて、いきなり後ろを見ながらバックし始めた。
「どうしたんですか?」と俺が聴くと、
「行きたいところがあるの!」と何か一つの物に向かうような表情だった。
数十メートルバックして海側に下りる脇道に入り、坂を下った。
行き止まりでクルマを止めた。
「ここまでなの。ここからは歩きだからついて来て!」
迷いなど無いような真剣な表情で俺に言った。

草木の生い茂った足元を進み、途中、急な段差を下りたりして・・・
そこは急に現れた。
目の前に広がった最高の景色。
何もない。誰もいない。ただ自分たちだけの海岸。
「私ねぇ、ここが大好きなの。ここ、ダンナにも教えてないの」
「何かある時とか、よくここに来ていたの。久しぶりだなぁ~」
やっと奥さんは笑顔を見せた。
俺はホッとしたし、何より嬉しかった。
奥さんは何も言わず、しばらく海を見ていた。たまに深呼吸をして・・・


「泳ごっか?」
奥さんは突然言った。
俺は驚いて、「水着もタオルも無いですよ!」と奥さんに言った
それに返事をする事なく、奥さんはTシャツを脱ぎジーンズも脱ぎ、下着まで。
それを砂浜にまとめて海に走って行った。
少し沖まで行くと、「気持ち良いよぉ~!! 早く来なよ!」と大きく手を振った。
俺が動けずにいると、「早く早く!」と大声で言った。
俺は恥ずかしさもあったけど、勇気を出して全て脱いだ。そして、海に入った。
少し冷たいけど、確かに気持ち良い。

奥さんは俺に近づき、「すごく気持ち良いでしょう?!」と俺に言った。
奥さんは気持ち良さそうに泳ぐ・・・
最高の笑顔だ。
やがて俺のところに来て、「ごめんね、何も出来ないけど」そう言って、
水中で俺を抱きしめた。そしてキスしてくれた。
奥さんは「そろそろ上がるよ、髪が乾かないから・・・」と砂浜に向かった。
俺も後を追う様に上がった。
砂浜に上がった奥さんは自分のTシャツを下に敷き、そこに座った。
「タオルないからねぇ~  天然乾燥だね?!」と笑って言った。
俺も同じように隣に座った。


「あんまり見られると恥ずかしいなぁ・・・」と奥さんは下を向いた。
「私、おっぱい無いんだよねぇ・・・」と笑って言った。
奥さんはスレンダーで、確かに胸は無い。
だけど、俺は奥さんの体が好きなわけじゃない。奥さんそのものが好きなんだ。
俺は隣にいる奥さんを見ていて胸が熱くなった。
顔を押さえ、そっとキスをした。受け入れてくれる。
「私なんか・・・」とまた困った顔をする。
俺は奥さんを砂浜に押し倒した。上に載ろうとすると必死に抵抗し、
「それはダメ。それだけはダメなの・・・」
「主人と子供がいるの。大切なの・・・  だからそれだけは許して」
涙を溜めていた。それに気付かれないように奥さんはまた海へ走った。

俺は大変な事をしてしまった。
俺の為に勇気をもって行動してくれた奥さんを裏切ったのだから・・・
奥さんが戻るまで砂浜で待って、「本当にすみませんでした」と謝った。



民宿に戻る途中にスーパーで買い物をした。
その時に気まずくなっていた雰囲気をまたも奥さんが壊してくれた。
明るく冗談を言ったり、色々な表情を見せた。
きっと、民宿に戻った時に普通でいられる様、ストレッチの意味もあった様に思う。
その日から関係は変わらなくても、景色は変わった。
だって、奥さんはただの憧れではなく、俺の気持ちも知っている人なのだから。
それに、あんなに近く感じられたのだから・・・



別れの日が来るのは早かった。
あっと言う間のバイト期間も終了し、帰りの日を迎えた。
あの後に特別な事があったわけでもない。
前夜、二人だけになった時に抱きしめ、キスをしてくれただけ・・・
「私、島の女だから・・・」
その言葉が耳から離れなかった。
しかし今年、その島に向かう事は出来なかった。






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