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「P・T・C」




「おい、この前の話だけどさぁ、奥さんに話したか?」
「推薦人も引き受けてくれるって言うから、入ってみろよ!」
その男はどうしようかと悩んでいる俺に答えを急がせる。


俺は祖父が起業し父が大きくした会社の子会社で社長をしている。
みんなは“何もしないボンボン”だと思っていると思う。
でも、俺なんかが何もしない方が良い、きっと親たちも社員も思っているはずだ。
俺は20代後半にお見合い結婚させられ、もう10数年やって来た。
もうすぐ夫婦で40になろうとしていた。
夫婦仲が悪いわけじゃない。妻は大学でミスキャンパスの候補になった事があり、
特別とは言わないが美人の類だと思う。今も綺麗だ。
夫婦関係もあるし、子供も欲しいと思っているが未だに子供はいない。
周りからの催促も煩いが、こればかりは・・・

親友。いや悪友と言うべきか。
“この話”を持って来たのも大学時代からの悪友であるその男だった。
奴は俺と真逆で、大学卒業後すぐに起業し、今ではレストランチェーンを中心に、
その食品グループは大成功した。
会社単体では私の父親が今も会長を務める会社のが大きいが、
グループ全体の収益では完全に奴の企業に負けている。
その行動力や見極めは俺も尊敬しているのだ。
大学時代から、性格や思考が違いながらも、それでも奴と一緒にいるのは、
奴にはそんな尊敬できるところがあるからなのだと思う・・・
でも、“悪友”と言葉が出る様に、奴はイケナイ事を俺に誘って来る。
慎重で何も出来ない俺の視界を広げて来たのはいつも奴だった。

今回奴が持って来た話・・
“子供が出来ない事” “夫婦関係” “性的魅力について”
奴が久々に会社に遊びに来て、そんな話題が飛び出した時だった。
「お前さぁ、奥さんと一緒に参加してみない?!」
奴は既に自分が参加していて、俺の知る、取引先の会社の経営者も参加していると言う、
“特別な集まり”の話だった。
その話を前回聴き、奴は改めてその話への参加を確認しに来たのだ。
俺は前回の話の時に妻へ話し、必ず了解をもらえと奴に言われたので妻に了解を得ていた。
そして妻は興味津々、その話に前向きだった。
その話・・・

通称“P・T・C”と言われているが、誰も知らない。勿論ネットで調べても出て来ない。
VIPの集まりがVIPだけの為に運営している、まぁサークル組織なのだが・・・
「Premium Topless Club」
PTCとは“Premium Topless Club”の意味だそうで、
許された大人たちの自由な交流場所との事。その名の通り、特に性的に自由な場所らしい。
自由とは言っても何でもありの乱れた物でなく、“良質な時間を共有する”がテーマ。
そして基本的な、しかし普通の人間ならハードルが高いであろう条件はある。

1 既婚者であり、必ず夫婦間での同意がある事。そして夫婦で参加。
2 国家公務員の支配職か地方公務員の代表職以上、または上場企業の経営者及び役員。
3 満年齢で30才以上であり、満年齢で60才に満たない者。
4 健康診断でのC判定以上を待たず、性病検査の結果が陰性である事。
5 性行時には男性は避妊具を利用し、女性はアフターピルを用意する事。
6 年収が最近5年以上継続して1億円超え、または10億以上の財産を所有している事。
7 夫婦共に犯罪歴がなく、所属する職場・企業にも最近3年以内に刑事処分がない事。
8 現会員3名以上の推薦を得る事。
9 他の会員の嫌がる行為や迷惑行為と思われる行為を行わない事。
10 この会の内容は口外せず、カメラ・ビデオ・録音機器を持ち込まない。

どれかはクリアできても、この全てをクリア出来ると言うのは確かにVIPだ。
しかし、奴は当然クリアしていて、俺もその条件に届くところにいた。
妻の了解済。親譲りだが一応代表者だ。年齢も勿論パス。
スポーツはゴルフやジム程度だが、健康には心配が無い。一応浮気もしていない。
5番は持参品だし、6番は両方クリアしている。7番も。
8番。これが最大のネックだが、奴、取引先の知り合い、
そして奴の仲間が名乗りを上げてくれたので、一応推薦人も確保できた。
9・10は心構え。


既に妻の了解ももらっているし、奴も推薦人を集めてくれた。
もう、この話を断る理由もなければ状況でもない。
俺はOKして入会手続きを進めた。
1か月経たずに郵送で自宅に案内が届いた。
“特別な内容”なので、どこか自宅に郵送されるのが不思議な感じもするが、
まぁ、妻も了解済みなのだから勿論関係ない。それどころか参加するわけだし・・・
書類を読んで驚いた。
まだ奴も入会前の俺に“細かい事は言えない”と言っていたが、これは凄い。
肩書きこそ書いていないが、
日経を読んでいる人なら知っているフルネームが主催者側に並んでいた。
しかも“会場”とされる場所はそこに名前のある大手不動産会社の所有するリゾート。
住所から検索すると、リゾートマンションだった。


入会の審査が通った事を奴に報告したら、さっそく奴は誘って来た。
奴とはお互いに夫婦で面識がある間柄だが、どこか不思議な感じもする。
前日に“持ち物は?”と奴に電話したら、「何もいらないよ!」と笑った。
「おやつでも持って来いよ! コンドームも下着も何でもあるよ」
奴の笑い話で少しだけ前夜の緊張も楽になった。
事が事だけに、運転手やいつも使うハイヤーも使えず、秘書に交通の手配もさせられず、
久々に自分で調べ、タクシーすら自分で手配したのは久しぶりだった。
身支度を終えた妻もどこか緊張していて、でも、どこか新鮮だった。
普通に1泊旅行に行く様な感じで呼んだタクシーに乗り、東京駅に着けた。
伊豆方面への特急に妻と乗るなんて、自分の記憶の中にあっただろうか・・・

電車の中では、横にすわった“久しぶりの妻”を見ていた。
この会への参加を決めてから、妻はエステに数回行った様だった。
何だか、隣に妻を見ていて、突然妻が愛おしくなって来た。
休日とは言え、グリーン車は意外に空いていたので、俺は妻を引き寄せキスをした。
妻もいつもと違う俺に戸惑った様で、“えっ!”と驚きながらも丁寧にキスを受けた。
車内では久しぶりに手を組んだままだった。
逆に妻が愛おしくなったが故に、これから向かう先が少し怖くなっていた。
そんな時間を過ごし、やっと伊豆にあるその駅に到着した。
駅前でタクシーを拾い、そのリゾートマンションへ向かった。
良い場所にある。
勿論海の目の前だが、有名観光地の隣町の古くなった温泉ホテル街とは違い、
見上げる様な綺麗で巨大なリゾートマンションだ。
祖父や父の顔なじみとなった老舗旅館を使う事が多かったので、
こんな場所も俺には新鮮だった。


入口フロントでは“個人名”を言った。
これは案内にも書いてあるし、奴にも念を押されたこと。
フロントの扱いは完全なるVIP対応となり、エレベーターで最上階に案内された。
そこまでの担当者はエレベーターから降りず、
エレベーター前に立っていたホテルの制服とは違う制服を着た女性が迎い入れた。
うちの会社の女子社員、特に秘書や受付にも教育しているが、
まったく上を行く礼の姿だった。
そのままフロントを過ぎ、ロビー兼ラウンジの様な場所に案内された。
飲み物の好みを聞かれ、その女性が下がり、代わりの女性が入会説明に来た。
再度のPTCサークルのルールや簡単な流れが説明された。
綺麗な制服を着たどこかの秘書のような女性は坦々と説明を進める。
逆にその内容から、私たち夫婦は顔を赤らめていた。
説明が終わり、“水着・バスローブの希望やポーチの中身について”を受けた。

“水着”
男女共、恥ずかしければ着用OKとの事。
基本的には下半身のみ着用の人はいるが、女性で上半身を着用する人はいないそう。
禁止ではないが、かえって目立つと言うか周りも恥ずかしいらしい。
“ポーチ”
これは男性には男性用、女性には女性用が渡される。
男性用は小さめで、女性用は大きい。タオルやテッシュ類、手鏡とフロント連絡用携帯。
俺のポーチにはコンドームが3個入っていた。
そして奥の更衣室の入口で妻と別れた。
担当の女性にそのまま更衣室まで送られてしまったが、後から思えば、
その前に妻と“何か”話したかった様な気持ちになり、少し後悔した。


更衣室に入ると中に裸の女性がいる。
俺は驚いて下がろうとしたが、中で着替えていた男性が声を掛けた。
「初めてですか?  こちらの女性は係の人。俺たちの準備をしてくれますよ」
少し動揺したが、その男性は見た事のある顔だった。
そう、ここ数年IT業界では順調に成長を遂げていた企業のCEO。
まぁ見たからに遊び人だし、イメージ通りだった。
俺はその女性に案内されシャワー室に入った。
「???」
その女性も中に入りカーテンを閉めた。
「お流ししますね!」
そう言って俺の体にシャワーを掛けながら俺の体を洗い始めた。
“こんなに美人が?”と驚いたが、彼女は顔が汗ばむ程にしっかり丁寧に洗った。
「女性の方も丁寧に洗わさせて頂いています。女性の方は男性が担当しますが・・・」
俺は耳を疑った・・・
自分の妻が男に洗われている・・・

「最初に異性が丁寧に体を洗う事で、楽になられる方が多いんです」
「この更衣室を出られましたら、緊張のいらない自由な世界でお楽しみ頂ける様・・・」
彼女はそう話しながら私の性器も丁寧に洗う。そしてアナルまでも。
確かに相手となる女性もこれを受けていると考えれば清潔ではあるが、
俺の妻も男にここまで洗われていると考えてしまうと・・・
そんな事を考えていたら勃起してしまった。
「楽になられますか?」、そう彼女は言った。
「えっ?!」と小さい声しか出ず、それを“肯定”と受け止めたのか、
彼女は俺のペニスを口にした。



俺は不思議な一呼吸を置いた感じで外への扉を開けた・・・
眩しい。
何とそこはこのマンションの屋上一杯に広がった楽園のような世界だった。
男性も女性もみな裸でそこにいる。話し込むカップル、手を繋ぎ歩くカップル。
端の方ではキスするカップルもいる。
俺が入口横のフロア図面を見ていると、隣に女性が来た。
「ご案内しましょうか?!」
その若い女性も水着の下はつけているが、上半身はトップレスだ。
俺が驚いていると、
「あっ、私はスタッフです。男性も女性もこの赤の水着がスタッフです」
彼女が言った。確かに赤い水着だ。
それを言われて見渡すと、若い男性も含めて数人が飲み物を運んだりしている。
最低限しか隠していない赤い水着を着て。

そんな話をしていたら、奴がこっちにやって来た。
「よぉ!  来たか。まぁ気楽にな。変な緊張すると周りも嫌がるしな」
奴が来たので係の女性は会釈をして去って行った。
そして奴と話していると、妻が更衣室からこちらに出て来た。
「あぁ! 奥さん!」
奴に言われると、妻は裸でいる事が恥ずかしい様な表情をした。
どこか来る時とは違う表情。
今頃出て来ると言う事は妻もシャワーで・・・
俺はそんな事も考えていた。
俺が妻と話し出すと、「おい! ここは二人でいたってしょうがないだろ!」
「あっ、俺、今一人待たしているから、お前の奥さん貸せよ!」
「?! 心配すんなよ。俺じゃなく、誰かに紹介するからさぁ・・・」
奴は俺と妻を奥に連れて言った。


高低差のあるフロアにはドリンク・アルコールコーナー、ジャグジー、屋外シャワー、
海を見渡すツインチェアー。日焼けから守る様な奥まったテントもあれば、
奥へ進むほど他から遮られた専用スペースがあり、しっかり見ると、
中には愛し合うカップルも見える。
その中には見た事のある女性・男性、そして奴の奥さんも男に抱かれていた。
凄いメンバーがその“カップルを崩して”愛し合っている世界。
そこにいる事が恐ろしくもなった。
すれ違いになったカップルに会釈したら、奴が笑った。
「ここではあまり擦れ違いはしないの。もししても、相手を注視しない!」
奴は何でも頼りになるが・・・

奴の使っていた場所に行くと女性が一人でいた。俺より少し年上の感じの女性。
奴は「あっ、ごめん、飲み物持って来んの忘れた!」、そう言って、
俺をその女性に紹介し、妻を他の男性に紹介すると言って妻を連れ戻って行った。
女性は「どうぞ。私で宜しいですか?」、そう俺に言い、隣のスペースに招いた。
ここは一番奥で、入口でいちゃつくカップルスペースと違い、ディープなスペースだ。
俺はいきなりこんなスペースからスタートになってしまった。
その女性は俺の細めの妻と違って豊満だ。特に目を見張るような胸だ。
女性はいきなり、「私、今日は午後から用事があってあまり時間がないんで・・・」
「あの・・・ 私で良いですか?」と聞いて来た。
「えぇ、勿論!」と俺が答えると、いきなり俺に抱きついて来た。
俺が倒れた上にその女性は乗って来て、そして激しくキスをした。
既に何も着ていない曝け出した大きな胸を俺に激しくあてる。
俺がその胸に触れると、その女性は水着の上から俺の下半身を触った。
さすがにこの勢いには驚いたが、普通にグラマーで美人の女性だったので、
そこへの躊躇いは何にも無かった。ただ、それにしても激しかった。
自分で自分の水着を下した女性は俺の水着も脱がせた。そして俺のそれを口に含んだ。
つい先ほどシャワー室で若い女性にされたばかりなのに、それも上手いフェラを。
なにの、この女性も大変に慣れているであろう、もの凄いテクニックだった。
俺を楽しませながら、自分の胸や陰部を自分で触っていた。そして、
「つけましょうか?」と言い、俺が何の事か固まっていると、
俺のポーチの中からコンドームを出して、それも見事に手早く着けてみせた。

もう彼女は出来上がっていた。
激しく俺の上で舞う。俺は逆にシャワー室の彼女に感謝していた・・・
あれが無かったら今頃はすぐに尽きていたと思う。
あれがあっても、この経験した事のない激しい攻めには我慢が大変だった。
俺はこの行為が最高に好きであろう彼女を思い、必死で我慢した。
やっと彼女が尽きそうになった時に一緒にイケた。
彼女はとても喜んで、俺に感謝のキスをして一緒に入口まで戻った。
見送りの時には彼女の方からハグをして来た。
裸の若い男性スタッフがこちらに来て彼女に、
「ご主人様、先に更衣室に入られました」と、彼女に告げていた。
それにしてもスタッフのレベルまで高く、しかも裸でこんな仕事をしているとは凄い。


俺はドリンクカウンターでアルコールを注文しソファーで飲んでいると、
奴の奥さんが中央付近にあるシャワーを若い男と一緒に浴びていた。
そしてこちらにやって来て、若い男とキスをして別れた。
奴の奥さんは俺に気が付き、俺の下にやって来た。
知っている親友の奥さんでも、今は下半身も露出した完全なる全裸だった。
今までそんな目で見た事はなかったが、思っていたよりグラマーだった。
着痩せするタイプなのか・・・
奥さんは、「さすがにあなたじゃマズイわね・・・」と笑いながら周りを見渡した。
すると、あいにく周辺には誰もいなくなっていた。
周期があるのか、“ディープゾーン”に大方のカップルが流れ、
眺望の良いスペースのカップルも話し込んだりアルコールが進んだり、
運悪くみんなが動かない時間になってしまったようだった。
「ここにいても仕方ないから、他のところでお話でもしましょうか・・・」
奴の奥さんと俺は奥のスペースに行った。

眺望の良いカップルチェアーが空いてなく、二人はジャグジーに行った。
ジャグジーは少し高い場所にあるのだが、その階段を上がる途中
カップルの激しいファックが目に飛び込んだ。
俺は横目で奥さんに見られたのでそのまま進もうとしたが、奥さんが見入った。
仕方なく、しかし本当は興味津々に俺はそのカップルを見た。
女性は大きく足を広げられ、その男に突き上げられていた。
少し角度が変わり女性の顔が見えた時、俺は唖然とした。
妻だ。妻があんなに激しく男に抱かれている・・・
俺が驚いていると奥さんは、「うちの主人も反則なんだよなぁ~・・・」と言った。
俺は最初、意味が分からなかったが、少しおいてその意味を理解した。
妻を抱いているのは奴だ。奴は俺の妻を激しく突き上げていた。
そして妻は壊れんばかりだった。

「まったく節操がないなぁ・・・」と呆れながら奥さんはジャグジーに入った。
俺は妻が気になっていたが、奥さんを追ってジャグジーに入った。
「あの人ねぇ、前から奥さんのこと好きだったと思うよ!」
奴の奥さんはそう言いながら俺に近づいた。
お湯の中で俺の手を掴み、「どうする私たち。あれを見てそのままでいられる?」
そう言って俺にキスして来た。
奥さんはキスを続けたまま俺に向かい合う様に俺の上に載って座った。
舌を入れたキスをして来る。大きくなった俺の下半身に触れる・・・
俺は奥さんをジャグジー横のスペースに押し倒し、自分の水着を下した。
そして奥さんを押さえつけ上に載った。
「ダメ! ダメよ・・・  つけてくれないと・・・」
奥さんの口をキスで塞ぎ、俺は押し込んだ。
「あぁぁ!!」と籠りながらも大きめの声を上げた。
俺は我を忘れ、さっき見た奴に負けない様、必死で奥さんを突き上げた。
奥さんも最高に興奮した様で、二人は今日これが初めての様に、いや、
それ以上に興奮したファックになった。


もうすぐ夕方となった時間に、俺たちは帰る事にした。
更衣室でシャワーを浴び(終了時は女性はつかない)、そしてラウンジに行った。
再び飲み物を問われ、飲み物を選び・・・
きっと彼女たちは俺たちがする行為・した行為を知っているのだろう。
下品な場所ならばきっと“お疲れ様でした”と声を掛けて来そうだが、ここは違う。
俺たちに触れる事無く表情も追わず、ただ淡々と、でも上品に応対している。
ここのスタッフは超一流にしてこんな仕事を受けている・・・
いったいどんな人間たちなんだろう。俺は気になっていた。
それにしても正直疲れてもいた。何しろこの歳になって短時間に3回射精している。
こんな事は考えられないし、自分が恥ずかしくも思った。
そんな事を考えながらボーっとしていると、妻は出て来た。
妻もやはり疲れた顔をしていた。まぁ今回が初めて故に激しくなってしまったのだろう。


今日はこの近くの場所に宿を取っていた。
マンション前からタクシーに乗ったが、お互いに疲れたのか殆ど会話が無かった。
時折妻の横顔を見ながら、“俺は妻の抱かれる所、しかも奴に抱かれる姿を見たが、
妻は俺が誰かを抱いていた姿を見たのだろうか・気にしているだろうか・・・“
そんな事を考えていた。するとすぐにタクシーは着いた。
宿に入ると妻はすぐにベッドに倒れ、俺も同じ様に倒れ込んだ。
二人ともフロントからの食事の連絡で目を覚ましたぐらいだった。
「疲れたねぇ・・・」「あぁ、疲れたよなぁ・・・」
何故か二人とも疲れ切って食事の時のテンションは異様に低かった。
食事を終え、少しテレビを観たりして時間を過ごしていた。
せっかくだからと俺が部屋の露天風呂に入っていると妻も遅れて入って来た。


「私・・・」
妻はそう言って俺に横たわった。
「あなたが他の女性とすること考えてたらおかしくなっちゃって・・・」
「ごめんなさい。○○さんとしちゃったの・・・」
俺は妻を抱きしめ、そしてキスをした。「俺も罪が重い・・・」
「お前が奴に抱かれるところを見て奴の奥さんとしてしまったんだ・・・」
そう言って頭を下げた。
妻は両手で俺の顔を上げ、俺にキスをして来た。
大きく湯船からお湯が溢れた。
二人は自然に盛り上がった。
妻を湯船の縁に掴まらせて後ろから入れた。妻は必死で声を抑える・・・
俺は奴に抱かれる妻・そして若い男に体を流される妻を想像していた。
俺たちは今までで一番激しいセックスをした。
俺が尽きて湯船の横に腰を下ろすと、妻は口で綺麗にしてくれた。

二人は露天風呂から上がりベッドに入ったが、顔を見合わせた時、
妻の方から俺のベッドに入って来た。
俺は妻の浴衣を脱がせた。
「えぇっ?? 大丈夫? 今日はもうやめた方が・・・」
妻の胸を掴み、キスをしてベッドに倒した。
「待って! 私にやらせて」、そう妻は言って、また口に含んでくれた。
妻の優しさや思いやりが溢れるフェラだった。
もう妻の体も全身が性器のようになっていた。
太腿でも、脇でも、そして背中でも・・・
全てに苦しそうに我慢して。でも、もう泉の様に湧いていた。
妻のこの反応は最高のご褒美の様にも感じた。
俺は全てを妻に放出した。そして思いきり抱きしめた。



あまりに激しく、激し過ぎた為、俺たちは次の機会まで期間が空いた。
それは妻とのセックスは勿論、“PTC”への参加も。
でも、忘れた頃に奴はやって来て、またそれが微妙に良いタイミングだったりする。
俺も妻もそうだった。
今度はシャワーでの息抜きはスルーした。前にも増して美人だったが。
“前回の反省”から体力の温存や見極めが大切な事も分かった。
それに、もっと色々な深さの性もある。回を重ねる程にそれが分かる。

妻も俺も変わった。
相手に優しくなったし、セックスを大切にする様になった。
月一回。それが俺たち夫婦には一番良いローテーションのようだ。



               続編が完成しました ⇒ 「P・T・C (2nd)」





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