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「兄貴の彼女」




もう遠い記憶・・・

オレの兄貴は遊ぶ事が好きだ。
趣味にしろ飲み会にしろ、そして女性関係にしても。
ただ、その彼女と付き合う様になって、女性関係は少し落ち着いていた。
その彼女はアパートに一人暮らしで、兄貴とは半同棲にも近かった。
その頃オレはまだ高校生だった。
既に大学を卒業し社会人となった兄貴とは大きく年が離れている。
そして、特に仲が良いと感じてもいなかったのだが・・・

それでいて、兄貴に彼女が出来る度、何故かオレがデートに持ち出される。
自分で分かっているが、オレは地味だし面白くもない。
なぜ毎度そうなっていたのか、それは今でも知らない。

その頃のオレはまだ初体験どころか、女の子と付き合った事も無かった。
若い女性と数多く話す場面は、いつだって代わる代わる、兄貴の彼女だった。
勿論女の子に興味津々で、胸元やスカートの奥などが見えれば目に焼き付いた。
そんな何人も紹介された兄貴の彼女の中で、どうしても忘れられない人がいる。
智美さんという女性だった。
兄貴とは職場の友人の紹介で知り合ったようだが、兄貴にしては違うタイプで、
いやらしさや派手なタイプでなく、清潔で几帳面なタイプなのに笑顔のある人。


そんな智美さんの一人暮らしのアパートに兄貴は入浸りのわけだが、
何故か、時々オレを連れて行く。「この事は親に内緒な!」と言うくせに。
それどころか、オレをそのアパートに直接呼んだりする事もあった。

そんな事が繰り返されたある日、兄貴に用事を頼まれた。
「俺、会社終わったら智美のとこに行くんだけど、智美体調悪くて今日休んでるから、
おまえ、彼女に何か体に良い食べ物でも届けてやってくれない!」、そう言って来た。
もう智美さんとは仲良くなっていたし、断るような用事もないので、
「わかった、何か買って届けるね」と返事をした。

彼女の住むアパートの最寄駅に着いた時、運悪く雨がパラついて来た。
コンビニの袋を抱え、彼女のアパートに急いだが途中でどしゃ降りになり、
彼女のアパートに到着した時には、全身びしょ濡れだった。

ドアホンを鳴らす・・・
彼女はすぐに出て来て、しかもいつも通りの顔をしている。
逆に、ずぶ濡れのオレを見た彼女は驚いていた。
「どうしたの? びしょ濡れじゃない?!」、彼女は声を掛けた。
「兄貴が、智美さん具合悪いからって・・・」とオレは答えた。
「とにかく入って。風邪ひいちゃうよぉー!」と姉や母のように言ってくれた。
オレが床が濡れる事を躊躇していると、「気にしなくていい」と肩に触れた。
「冷たいっ!」「風邪ひいちゃうよぉ~」と智美さんは言い、
「すぐにお風呂入れるね。うち、シャワー寒いんだよねぇ。でも、すぐに沸くから!」
そう、オレにタオルを渡しながら言ってくれた。

「智美さん、具合悪いんじゃないんですか?」と体を拭きながらオレは言った。
智美さんは少し微笑みながら、「もう大丈夫なの。朝だけ特に悪かっただけだし・・・」
「それに・・・ 女はよくある事だから」と台所でお茶の支度をしながら答えた。
紅茶を入れてくれて、「あったまるから。お風呂、すぐに沸くから」と続いた。
「あと少しかな・・・」「あっ、着替えどうしよう?!」と智美さんは突然声を上げた。
「お兄ちゃんの使う?」と尋ねて来たので、「・・・別に」とオレも返事に困った。
「上着はすぐには乾かないかなぁ・・・」と智美さんは考えていた。


洋服ダンスから衣類を探しながら、「ごめんね、私の為に寒い思いさせちゃって・・・」
と、とても後悔と言うか、辛さが伝わってくるような言葉をかけてくれた。
「あっ、気にしないで下さい。オレも、智美さんの事心配になりましたから」と答えた。

「お風呂見て来るね!」と智美さんは風呂に向かった。
特に必要の無かった様な食材に引き換え、こんなに負担をかけてしまい、
オレの方が申し訳ない気持ちが溢れてきた。
「沸いたよ、体冷えちゃったから、よ~く温まってね!」と微笑んだ。
リビングから風呂場にオレを誘導する時、再び、オレの肩に触り、
「冷たいっ」と智美さんは言った。
オレはバスルームへ入った。
知らないわけではないが、このバスルームの湯船に浸かっている事が、
とても不思議に思えたし、智美さんの真の生活空間に存在するのが気持ちをザワつかせた。

少し浸かっていて洗い場に出ようと立ち上がった時、突然扉が開き、智美さんが、
「下着と着替えこれでいい?」とオレに見せて来た。
オレは慌てて湯船に浸かり、「えぇ、それで・・・」としか出て来なかった。
智美さんは驚いたオレに、「ごめんごめん、驚かせちゃったね」と笑った。
智美さんは脱衣所に戻ろうと扉を閉めながら、「流してあげるね・・・」
オレにはそう言った様に聞こえたが、そのまま扉がしまったので、錯覚だと思った。
扉が閉まったので、オレは洗い場に出てイスを置き、洗面器にお湯を張っていた。
その間、ガラス戸の外で智美さんが動いているのが分かったが、
智美さんは洗濯でもしていると思っていた。
次に扉が開くまでは・・・



お湯が溜まり、勝手にボデォタオルを使うのは気が引けたので、
オレはフェイスタオルにソープをつけて洗おうとしていた。
静かな音で扉が開いたので、そちらの方向を見た。
智美さんが立っている。ライトベージュのスリップ姿になっている。
「背中流してあげるって!」と浴室に入って来た。
「えぇっ!」「あぁっ!」、オレはその程度の言葉しか出せず、返事にならない。
彼女は「そのまま前を向いて座っててくれればいいよ」と言った。
オレの張った洗面器を後ろに置き、そこにボディタオルを浸し、
彼女はオレの背中を洗い始めた。少しして、「濡れるなぁ・・」と呟き、
「ちょっと待って」と、一度外へ出て行った。

戻った彼女はスリップを着ていない。
スリップの色と同じ、ライトベージュのブラジャーとパンティを付けている。
同級生の女子の制服から透ける白い下着と違うこの色は、大人の女性を感じさせた。
彼女は再び、オレの背中から洗い始めた。
お湯を掛けながら洗って行くが、洗面器にお湯を張ろうと前に屈む度、
彼女の胸がオレの背中にあたる。
つづいて肩から腕を洗おうとした時、オレは恥ずかしさに耐えられず、
「あぁっ、オレ、自分で洗います!」と彼女に答えた。
もう、少し大きくなっていた事を隠したかった。
「○○くん、経験あるの?」と智美さんは突然聞いてきた・・・

「えっ?!」と驚いたように答えると、「勿論女の子との経験だよ」と彼女は言った。
「あっ、ありません。オレ、そう言うのダメだから・・・」と必死に答えた。
その間も彼女の顔など見れず、床や自分の足元を見ていた。

「私は○○くんのお兄ちゃんの事が大好きなの。だから浮気はしない」
「でもね、△△の大切な弟さんだし、私の為に来てくれたの」
「だから、何か出来る事で答えてあげたい・・・」、彼女はそう言った。
オレは何も言葉が出ず、しかも動けなかった。
「ごめんごめん。また体が冷えちゃうね」と彼女はシャワーを掛けながら、
「今度はこっちに向いて!」、そう言った。オレは言われるまま、彼女の側を向いた。
相変わらず下を見ているオレに、「見ても良いんだよ。私のなんか」と彼女は言った。
「高校生の男子でしょ。女性の体に興味があるのは当然だと思うよ」
「私なんかじゃ意味ないかもしれないけど」「○○くんなら見てていいよ」
智美さんは本当に優しく言ってくれた。

智美さんは湯船から沢山のお湯を床に掛け始めた。シャワーも出しっ放し。
風呂の中は蒸気で一杯で、既に智美さんの顔は汗だくになっていた。
「ここに寝れるかなぁ?」と智美さんが言って来た。
僕は意味が分からず、「・・・」、反応できずにいると、
彼女は背中を抱き、「床に仰向けに寝てくれればいいの」とオレの体を誘導した。

お湯を掛けながら、体中を洗ってくれた。
勿論、既に大きくなってしまっている。
「体触る?」「いいよ!」と智美さんが言って来たので、オレはお腹まわりを触った。
それが続いて不自然さを感じた彼女は、「あっ、下着が濡れるの気にしてくれてるんだ?」
そう言って、ブラジャーを外してくれた。
彼女は痩せていて、胸は大きくない。今思えばBカップも無かったのかもしれない。
しかし、何の経験もない、若い女性の裸など知らない高校生のオレには焼き付いた。
そっと触らせてもらった。
手の中で握りしめるその感触に、オレは最大限に大きくなっていた。
既に全体を洗い終わっていた彼女は、それを握った。
オレは「あっ!」と声を上げてしまった。

「胸触ってていいよ」「ごめんね、下はダメなの。今日は生理だから・・・」
そう言いながら優しく触り、ゆっくりと上下してくれた。本当にゆっくり・・・
オレの反応を知ってか、やがて強めに握り、少しだけスピードが上がったところで、
オレは尽きてしまった。彼女の顔にまで大量に掛かるほどに出してしまった。
そのまま体中をシャワーで流してくれ、「先に出て」とオレが先に出た。

風呂から上がったオレは、まだ興奮状態だった。
やがて少し長く感じた時間が過ぎ、智美さんが上がって来た。
沢山汗をかいたせいか、髪まで洗っていて、タオルで乾かしながらやって来た。
「何か飲む?」と優しく聴いてきれた智美さんからは甘いシャンプーの香りが漂う。
「ふぅ~」と冷たいジュースを飲みながら髪を乾かす智美さんは微笑んでいた。
ただですら頭の血が引いてないのに、目の前の風呂上りの智美さんは、
完全に胸が露わな状態、つまり下着を付けないでTシャツを着ている。汗で濡れている。
下は短パンで、床に座った智美さんの素足はとても綺麗だった。
「すっきりした?」と聞いて来た智美さんの意味がわからず、反応出来ずにいると、
またオレの顔を見ながら微笑んでいた。
その時、また大きくなっていたオレの下半身に智美さんは気が付いた。

「元気だね!」とにっこり笑って言った。
智美さんは立ち上がり、電気を消した。まだ昼間なので窓明かりで薄暗い程度だが、
ソファに座っているオレの前に、智美さんは床に直に座った。
「横になって!」そう言われたので、それに従った。
智美さんはオレの借り物のジャージを下へ下した。直に穿いていたのでそれ一枚だった。
彼女は突然握り、また先程のように優しく上下した。
「あぁ、沢山出て来るねぇ」と彼女は上下しながらオレに言った。
次の瞬間、突然生温かい不思議な感触にオレは声を上げてしまった。「あぁー!」
彼女は口に含みながら、「触っていいよ!」と自分のTシャツの中にオレの手を入れた。
果てるまではあっと言う間だった・・・



帰り際に智美さんが言った、「お兄ちゃんには秘密にしてね!」が忘れられない。
その直後、何故か兄貴と智美さんは分かれてしまい、音信不通になった。
あの時ほど、兄貴を冷たい目で見た事はない・・・




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