「昔の彼女」
久々の平日休み。
とは言っても急遽とった有休で、しかも免許の更新の為だった。
違反があった俺は警察での手続きとはいかず、免許センターへと行った。
長々と眠くなるような講習を受け、なぜか余計なお金までとられ帰宅の途についた。
途中、喉が渇いたし見たい雑誌もあったので、
家からは少し離れた場所で、普段はあまり通らない街道沿いのコンビニに入った。
入口を入り雑誌の並ぶ方向に向かい始めた時、そこで時間が止まった。
見た事のある顔。見覚えのある顔。
そしてとても近くに感じる顔・・・
もう5年近くなるか。
今年30になった俺が25の頃に付き合っていた彼女なのだから・・・
何人かの女性と付き合ったし、期間の長い人や激しい恋愛もあったけど、
一緒にいて一番楽で、お互いにチカラが入らなくても満足していた関係だった彼女。
二人ともその事を感じ、“カラダの相性”も含めてそれは続くと思っていたが、
お互いのゲームの様な異性関係に流れが行ってしまったまま1年足らずで別れてしまった。
“自然過ぎた”その関係は俺の中でも余韻が長く残っていたし、事実、
その後の恋愛がそれを打ち消そうとするかの様な偏ったものが続いた。
今付合いが始まったばかりの恋愛も抱えていたが、イマイチ距離感が上手く行っていない。
そんな俺の前に彼女が・・・
俺より二つ下だけど少し生意気で、でも愛嬌があってそれも嫌じゃない。
飾らない性格でありながら、どこか可愛くて、色々と許せる女だった。
元々学生時代からスポーツが得意で、今はジムでインストラクターをしている事も、
それもその頃の知り合いから聞いて知っていた。
第一声はあっちから掛かった。
「えっ! 久しぶりー。 元気だった?!」
少し日焼けした感じの肌色と白い歯、最近仕事ばかりの不健康な俺には眩しい。
「あっ、うん。まぁ元気と言えば元気だけど・・・」と俺が言うと、
「何それ?! 何かさえない返事だね」と彼女は笑う。
その表情はつい先日一緒に過ごした様な錯覚に陥る感覚だ。
まるで一緒に過ごした時間のままの様な。
「ねぇ、結婚したの?」と彼女は聴いて来た。
「結婚なんかしてねぇーよ」「お前こそどうなんだよ!」と俺が笑いながら答えると、
「結婚なんかって何よ! 何だ、今でも遊んでるわけか・・・」、そう答えた。
「遊んでるって何だよ! 別にそんな生活してねーよ」「お前こそ遊んでそうだよ!」
そう言った俺に、少し怒った顔を作り、「あ・な・た・に・、言われたくない!」
そう言って笑った。
俺は正直に付合い始めの彼女がいる事を言った。なぜか彼女には正直に言える。
彼女ももう1年近く付き合っている彼氏がいると正直に言ってくれた。
二人は雑誌の前で近況など、ずいぶん長い間話していた。
その頃好きだったアーティストの新譜の話など・・・
「あの頃の私たちって仲良かったよねぇ?!」
彼女は突然言葉を漏らした。
「えっ?! 女って昔の恋愛なんか捨てちゃうんじゃないの?!」
俺はある意味未練もあって、その言葉を彼女に投げた。
「・・・」
彼女は少し黙った。そして、
「正直後悔したの、あの後。無くしたくなかったんだよ。あの時の関係」
「私バカだったと思う。ゲームのつもりだったけど、いつまでも・・・」
「確かに女は捨てるんだと思う・・・ でも、捨てられない物もあるよぉ・・・」
元気そうな彼女が、少しだけ寂しい表情を見せた。
「ごめんごめん。付合い始めの彼女いたよね。それに自分にも彼氏いたや」
彼女はそう笑った。
二人はそれぞれ別々の買い物をして、やがて個々に外に出た。
「あっ?! 懐かしいなぁそのクルマ」
彼女は俺のそのクルマの助手席を覗き込んでいた。
「悪かったねぇ! ずっとローンが残ってて、去年やっと支払いが終わったの!!」
俺は怒った口調で彼女に言った。まぁ、言ってみた・・・
彼女は、
「違う、違うよぉ~ 懐かしいんだよぉ、この助手席」
「この助手席の想い出が大き過ぎるもん・・・」
彼女はそう言った。
「乗れば良いじゃん!」、俺はそう言ったが、
「やめとく、今は乗れないじゃん・・・」、そう言って彼女は自分のクルマに行った。
俺は自分のクルマの運転席のドアを開け乗り込もうとした。
でも、空いたままの助手席を見て止まっていた。
そして自分のクルマへと乗り込む彼女を追っていた・・・
俺は運転席に座った彼女の扉を開け、彼女にキスをした。
彼女の髪を押さえ、強く抱きしめてさらに強くキスを・・・
少し時間を置いて彼女は俺を押して、
「ダメだよぉ・・・ えっ、ダメ・・」
そう言いかけた彼女をまたキスで押さえた。
「えっっ、どうしよう・・・ 私、困っ・・」
再び押さえ、本当にその場に押し倒そうな勢いで彼女を抱きしめた。
「助手席に座れよ! 俺の助手席に座れよ!!」
俺は彼女に言った。
無言で、でも彼女は縦に首を振った。
彼女は俺のクルマの助手席に座った。
静かにその場の余韻に浸っている様・・・
瞳を閉じ、何も言わないままシートを感じている。
俺もそんな彼女を見ていて、あの頃の二人を思い出していた。
俺にとってもこのクルマの助手席に座る彼女は特別な女だったから。
彼女は俺が運転したまま助手席から乗り出し倒れ込み、口でやってくれた・・・
それが何度もあった。本当に愛してくれて、いつも自分からやってくれて、
どんな時も嬉しそうに飲み干してくれた。
このクルマ、そして助手席の彼女。
それはいつまで経っても彼女との特別な時間のままだった。
「抱いてよ!」
彼女は俺に言った。
今度は俺が無言で縦に首を振り、彼女のクルマをコンビニの駐車場に残したまま、
数分のところにあるホテルに向かった。
勿論二人とも緊張している。
毎日の様に、そして当たり前に求め合った時間を過ごした二人でも、
もう長い時間を別々に過ごしたのだから・・・
あれからお互いに違う異性と過ごし、きっと何かが変わっているはず。
ロビーを抜けても、「何だか緊張するね・・・」
彼女のその言葉が無くても、俺ももちろん緊張していた。
部屋に入った。
「一緒にシャワー浴びようよ!」
彼女は昔からしっかり言葉を言う。でも、そんなところにも救われたりする。
俺たちは一緒にシャワーを浴びた。
インストラクターとなった彼女は年齢とは逆に、鍛えられたその体が眩しい程だった。
「もう、弛んでるなぁ・・・」、彼女はそう言いながら時間を感じさせず俺の体を洗う。
「しょうがないだろ! 仕事で忙しいんだから」と俺が言うと、
「今度うちのジムに来る?」、彼女はそう笑った。
俺は抱きしめた。離れた月日の分まで抱きしめた。
彼女は、
「えっ・・・ そんなに抱きしめてくれた事ないのに・・・」と少し照れた。
彼女の方から優しいキスをする。
彼女は床にしゃがみ、俺の陰部を洗い始めた。既に大きくなった・・・
そしてそれを口にする。
思い出す。彼女は本当にそれが上手い。元々上手かった。
でも、今、目の前の彼女はそれを遥かに超えて上手い。
先端の扱いも上手いし、上手に手を混ぜて来る。
俺が「いっちゃうよ!」と彼女に言うと、
「お願い! 私の口にちょうだい!!」
彼女は下から見上げた。
「えっ? ここで出すの?」と俺が聞くと、彼女は縦に首を振る。
俺は上手過ぎる彼女の口の中に出した。数年ぶりに・・・
彼女はニッコリと微笑んで、それを昔の様に飲み干した。そして、
「信じないかもしれないけど、私、フェラ嫌いなんだよ」、そう言った。
その言葉は俺と付き合った時にも俺に言っていた言葉だった。
そしてデジャブーのように、
「あなたに口でするの大好きなの。自分でも分からないけどすごく幸せになるの」
その言葉を、それもまた数年ぶりに聞いた。
俺は彼女を抱き上げ、そしてキスでお礼した。
抱きしめると、「ベッドに行こう?!」、またもや彼女らしかった。
彼女から手を繋ぎ、二人はベッドに入った。
昔より数段がっしりしたカラダになっていた彼女。
俺が彼女のカラダを愛撫していると、「筋肉ついたでしょう?!」、そう俺に言った。
俺はただ優しく、そして彼女の全身を愛した。
彼女は真剣に、そして大切に自分のカラダを愛撫され興奮していた。
自分が昔よりバージョンアップしたように、俺にもそれを感じた様だった。
俺は徹底的に彼女の陰部を愛撫した。
あの頃はいつも彼女がただひたすらに俺を愛してくれた。俺は愛された。
だから俺は彼女の足を大きく広げ、本当に大切に愛撫を続けた。
彼女は興奮して足を閉じようとするが、俺はそれを許さない。
どうしても俺を愛してくれた彼女を愛したい。その気持ちが強かった。
彼女には相変わらず“俺をイかせたい”、その気持ちが強いようで、
「待って! だめだめ、だめっ! だめ、替わる!」と仰け反りながら何回も言った。
でも、俺は、今この場をもらった俺は譲れなかった・・・
俺は暴れる彼女を口だけでイかせた。それが彼女への想いだし、感謝だった。
彼女は顔を隠し、「もう~・・・」と照れた。
シーツはかなり濡れていた。
俺は恥ずかしい事に、いつも自分ばかり愛され、正直、
彼女を大切にした記憶が殆ど無かった。それなのに彼女はいつでも俺を愛してくれた。
今俺は最高の幸せを感じている。
彼女が俺の前でイってくれた。
俺はまた彼女の股間に顔を埋めた。
イったばかりで感度が良いままの彼女は相変わらず、「だめだめだめっ!」と仰け反る。
本当に可愛い。
愛する事が誰よりも得意なのに、愛される事がこんなに苦手な彼女・・・
俺はやっと彼女の中に入った。
彼女は大きな声を上げた。
「あああぁぁぁ!」
そして強く俺に抱きついた。
「何で離れたの! 何で離れたのよ!!」
彼女は激しくヨガりながら、俺に抱きついたまま激しい振動で自分がイッた合図を見せた。
俺は彼女から退いた。
すると彼女は満たされて息が上がったままなのに、
「何で? だめ、私だけなんてダメだよぉ!!」
そう言って、グチャグチャに濡れたままの俺のペニスを口に含んだ。
最高に上手く、誰より俺を愛してくれるその表情を見ながら俺は尽きた。
彼女の口の中に尽きる事はなんて幸せなんだろう・・・
そしてそれを飲み干してくれた彼女が見せてくれる微笑み。
俺はこの女が大好きだ。この女しかいない。それに気が付いてしまった。
俺は自由を好んだし、彼女を自由にするスタイルでいた。あの頃。
でも、今回分かった。
もう今のままの状況ではいられない。
俺は自分の付合い始めたばかりの彼女と強引に別れた。
そして“らしくない”と彼女に言われながら、でも、
彼女に頭を下げてまで、彼女に1年近い付き合いになっていた彼氏と別れさせた。
でも彼女は、初めて見る“自分を手に入れようとする俺”に興奮していた。
そしてあの頃とは位置関係は変わったが、
今度は本当に熱く寄り添い合うカップルとなって復活した。
相手の心を愛撫する様になった。
今、俺たちの相性は体だけでなく、全ての相性が最高なのだと信じる事が出来る・・・
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