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「永遠の宝物」




僕は小さい頃から泣き虫だった。弱虫だった。
それは今でも変わっていないと思う。
僕のお姉ちゃんはしっかりしていた。僕と正反対だった。
そしていつも守ってくれた・・・



お姉ちゃんはしっかりハキハキした人で、いつもおろおろしていた僕に、
「しょうがないなぁ~ 男の子なんだから、もっとしっかりしなよ!」
そんな言葉で叱るが、それでも最後には、
「よしっ。じゃぁ行こっか?!」
そんな言葉と優しい笑顔で僕の手を引っ張ってくれた。
僕が上級生の男子からいじめられていても、お姉ちゃんは助けてくれた。
そんな僕の為にあの夏のお姉ちゃんは・・・


お姉ちゃんが中2で僕が5年生、そんな夏だった。
両親はお姉ちゃんをとても信頼していたので、僕の面倒はお姉ちゃんの仕事だった。
5年生だと言うのに、痩せて小柄だった僕はまだ低学年と変わらない。
お姉ちゃんだって大きかったわけではない。ただ人一倍しっかりしていただけ。
両親が忙しかった祭りの夜、僕が駄々をこねて“祭りに行きたい”と泣いた。
家の家事まで手伝っていたお姉ちゃんは嫌がったけど、
泣いてお願いする僕に、「仕方ないなぁ~」と声をかけてくれた。

夏祭り。
この近所だけの小さい夏祭りだった。
出店も神社の境内へと続く中央に5件ぐらいが出るだけ。
広い神社の一角にある広場を使った盆踊り会場にしか人は集まらない程度。
既に家での花火で着た事のある浴衣を、お姉ちゃんは僕にも着せてくれた。
今でも忘れない・・・
お姉ちゃんは紺色に花火の絵が入った浴衣だった。
会場に行けば、やっとお姉ちゃんは楽しそうな笑顔になった。
祭りの明かりに照らされたお姉ちゃんの笑った横顔も忘れられない。

僕から頼んだのに、僕は早々に飽きてしまった。
昼間にカブトムシ探しをした事があった境内の裏手にお姉ちゃんの手を引っ張った。
「カブトムシいるかなぁ・・・」
僕が探すと、「夜だから見えないよぉ!」「暗いから帰るよ」とお姉ちゃんは言った。
帰ろうと神社の入口を目指そうとした時、
数人の若い男たちに囲まれた。きっと高校生ぐらいだったと思う。
「浴衣かわいいねぇ~」「それ、弟? お姉ちゃん面倒見いいねぇ~」
男たちは笑いながら言った。
お姉ちゃんは僕の手をとって、そのまま何も言わずに帰ろうとしたが、
男たちは「遊ぼうよ。そんなに冷たくしないで!」とお姉ちゃんの前を塞いだ。

「やめて下さい!」
いつものお姉ちゃんと違って、とても慌てているのは僕にも伝わった。
僕は怖くて何も言えなかったし・・・
お姉ちゃんと僕は男に腕を掴まれて、建物の横へと連れて行かれた。
僕は“やめて”と声を出そうとしたが、男に口を押えられたまま運ばれた。
奥まったその場所に着くと、男が僕にナイフをあてた。
僕は怯えて震えていた。
お姉ちゃんは、「やめて! お願いやめてぇ!!」と叫ぶと、
「静かにしろよっ!!」と両腕を男たちに押さえられた。
僕はただ、「お姉ちゃん! お姉ちゃん!!」と泣き叫ぶだけだった。

僕はコンクリートの段差の部分に座らされ、男に押さえられていた。
お姉ちゃんは体を激しく振って男たちを掃おうとしていたが、
帯を解かれ、浴衣を脱がされてしまった。
男たちに体を触られているお姉ちゃんを見ていて、僕はショックを受け、
もう頭の中が混乱していた。
裸のお姉ちゃんが何人もの男たちにキスされたり抱きしめられたり・・・
そして男にお尻を触られたり胸を触られたり。
いつも僕を守ってくれるお姉ちゃんが泣いている。声を出して。
僕は見た事が無かった。
やがてお姉ちゃんはお尻を掴まれて、男に後ろから抱かれていた。
何人もの男たちが同じ事を・・・


男たちは裸のお姉ちゃんを突き飛ばして帰って行った。
僕はお姉ちゃんに駆け寄り、「お姉ちゃん・・・」と大声で泣いていた。
それでもお姉ちゃんは沢山涙を流しているのに、
「大丈夫? 怪我してない?」「帰ろっか・・・」と浴衣を着ながら言った。
お姉ちゃんは言葉もなく、ただ僕の手を引いて帰った。


その事はお姉ちゃんにも僕にも、大きな傷を残した。当然だ。
それだけの事があったのに、今でも僕たちの両親はその事を知らない。
お姉ちゃんはその事を一人で抱え、むしろまだ子供だった僕を心配した。


僕が中学に上がった時にはお姉ちゃんは高校生になった。
家族の中ではお姉ちゃんは“しっかり者”のままだが、
普通の女子のような“恋愛”にまったく関心を示さない。
僕は勿論分かっていた。“男性不信”になっていたのは当然なのだから・・・
僕も“普通”では無かった。
目の前で大切なお姉ちゃんをレイプされた事のショックは計り知れず、
直接的に抱えた物とは別に思春期の男として、それは大きく影響し、
歪んだ性意識になって行った様に思う。
成長が遅かった僕は、まだ何も性の事を知らなかった。
その僕の目の前で起きたあの出来事、“初めて見た性”

それは僕が高校生になり、姉が大学生になった時に顕著になって行く・・・
僕は偏った“性”への意識を作ってしまった。
小学の終わりから中学、そしていま高校生となったこの“一番大切な時間”、
いつでも性の話になれば“あの事”が浮かんでしまうし、
仲間たちが大好きな女の裸となれば、どうしても裸にされた姉の姿が消えない。
一時的に大きさが変っても、それでも頭から消える事は無かった。

姉はと言えば、大学生となっても男性と付き合う事がなかった。
普通に美人だし、性格も良くて友達も多い姉。
周りからは“男嫌い”のキャラに勝手にされていた。
僕と姉はもうずっと“あの話”はしていない。
僕は本当は変わらずに姉の事が大好きだったが、もうそれを表に出せる年じゃない。
むしろ反抗的というか、“母親や姉は女として認めない”態度になっていた。

でも僕にとって二つ目の事件が起きてしまう・・・
自分の部屋でオナニーしていたところを姉に見られてしまった。
勿論、普通にまずいと思ったが、それはそれだけの問題では無かった。
大きな傷を持った姉にとって、それを知る弟が“あの男たち”と同じ様に、
“女性”を性の対象としている事、それがどんな意味を持つのか。
僕の大好きな姉が、僕を冷たい眼差しで見るようになった。
僕にとって、こんなに辛く苦しい事はない。

長い間その状態は続いた。
ある時、両親が旅行に出かけて姉と二人きりになる時が出来た。
夜、姉の用意した食事を二人して静かに食べていた。
ついていたテレビのニュースで“集団暴行”の事件が流れた・・・
箸を止めた姉は、
「もう忘れたの?  私は忘れられないっ。忘れられないのよっ!!」
声を荒げ、瞳にはこぼれそうな涙を溜めていた。
「僕は・・・」
言葉を探しても何も出て来ない。
姉は下を向いて泣いている。
僕が思っていた以上にずっと、姉には鮮明に残って消えないでいる・・・
それが伝わる。


その場では何も言えなかった。
お互い自分の部屋に戻り、そして僕は考えていた。
とりあえず“謝ろう”と思い、姉の部屋に行きノックして扉を開けた。
姉は着替えているところで、下着姿だった・・・
僕は「ごめんっ!!」とすぐにドアを閉めて部屋を立ち去った。
少しして姉は僕の部屋に来た。
「何か用?」、そう聞いた。
「あぁ、あの・・・ 謝ろうと思って・・・」
そう言うと、
「いいよっ、別に。あなたが悪いわけじゃないんだから・・・」
「私が悪いのよ・・・」
と姉は悲しい顔をした。


改めて思った。
僕は姉の事が大好きだと。
部屋を出て行った姉を追って廊下に出た。
僕は後ろから姉を抱きしめた。
「何してんの?」「何してんのよぉ?!」姉は僕の腕を解こうとする・・・
「好きなんだ! ずっと。ずっと子供の頃から好きなんだ! 大好きなんだ!!」
そう叫んだ。
「何言ってんのよ! 私、あなたのお姉ちゃんなのよ!!」と姉も大きな声で言った。
僕は抱きしめながら泣いていた・・・
「お姉ちゃんの事が大好きなんだ。お姉ちゃんの事が頭から離れない」
姉は、
「えっ。なんで泣くの。あなたは大切な弟なんだよ」、振り向きながら姉は言った。
そして泣いている僕を姉は抱きしめた。


「もう高校生だよ。いつまでも泣いてちゃ・・」と僕に顔を近づけた姉を、
壁に押し付け、僕はキスをしてしまった・・・
「ううう・・・」
口を塞がれた姉は言葉にならない言葉を出した。
一度は離そうとしたが、僕はまた必死なキスをした。
お姉ちゃんは動かなくなった。
僕は“あの時の事”を思い出してしまったのかと思い、
姉を抱きしめた。“愛”で包まなければと思った。
それが伝わったのか、「大丈夫・・・」と姉は返した。

その夜、姉は僕の布団で眠った。
大好きな姉のぬくもりに包まれて眠った。

僕たちはお互いに傷を抱えて苦しんで来た。それは僕たちにだけしか分からない。
僕は女性への興味を歪めたし、姉は男性への興味を閉ざした。
でも、それをお互いに理解した上で、そしてお互いの事を思っている。
姉は性に興味を持った弟に応えてくれた・・・
弟の為に服を脱ぎ、肌を触らせ、そして触ってくれた。
姉も、完全に閉ざしていた“女性としての自分”を、今やっと開花させた。
僕たちは愛し合った。
一番心を知り、一番苦しみを知っている。
こんなに長い時間好きだった愛もそこにある。

二人は夜に一緒に眠ったり、
両親がいない時には一緒にお風呂に入った。
僕は恥ずかしい事でも姉に頼めたし、姉も優しく答えてくれた。
お互いの心だけでなく、体まで一致させた最強のカップルだ。
誰も僕たちには入れない。入り込ませない。
時と共に、激しく求め合うようになった。
友だちからの誘いを断ってまで、親が外出の時は早く帰る。
姉もそうしてくれる。
姉の背中やお腹に出すこと・・・
そして口で受け止めてもらうこと・・・
僕の最高の幸せだ。
そして大好きな姉の隅々まで愛し、姉を幸せにする事はそれをも超える。



親は不審に思っている。
大学生の姉と高校生の弟が他の異性に興味を持たず、そして異常なほど仲が良い事。
でも、それが“悪い事”とは言えない。
だって、壊れて無くしてしまった同士がお互いを埋め合っているのだから・・・
やがて姉は卒業し就職する。僕は大学生になる。
姉が結婚し僕は就職する。そして僕も結婚した。
でも、今でも二人きりになれば愛を確かめ合う・・・


だって二人は“二人で一つ”なのだから。
僕は永遠の姉を愛し、姉は永遠の弟を愛してくれる・・・
だから二人は生きて行ける。






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