「夏の夜。そして彼女と呼べないまま・・・」
“好きなんだ。大好きなんだ!”
結局、その言葉は最後まで言えないまま別れてしまったけれど・・・
お互いに大きなダメージを負ってしまった同じ年の女性との恋愛。
そして、その反動で屈折してしまった年下女性とのクールな恋愛。
その後、そんな僕を癒し・受け止めてくれた年上の彼女・・・
僕が20代前半で、彼女が20代後半で、
僕が小さい事に拘る性格で、彼女はいつも笑って受け止めてくれて。
彼女を見ているのが大好きだった。
何かをしている彼女。キッチンに立つ彼女。
僕は平日、仕事が終わると彼女が一人暮らすアパートに向かった。
少し広めのワンルームの部屋には、彼女お気に入りの大きなソファーがある。
グラス・食器、彼女が好むシンプルな物は、いつしか僕好みにもなった。
彼女が作る“特別でない料理”も、繰り返す程に僕の好物になって行った。
周りから“難しい人間”と言われる僕を、彼女は包み込んでしまう。
そんな彼女とは体のマッチングも最高だった。
正直、彼女に対してあの頃の僕はまだまだ青かったと思う。
でも、少し無茶な僕をも楽しんでいてくれたのかもしれない・・・
あの当時は勿論、女性との関係を増やす程に“相性”という言葉が重くなる。
それを一番感じるのが彼女の事を思い出す時だ。
あんなに“相性が良い関係”はもう二度とないと思ってしまう。
なぜあんなに包み込まれてしまったのか、それは今でも不思議だ。
彼女を思い出す時、飛びぬけた頂点に立つ記憶がある。
きっと関係も一番いい時期でもあったのだろう・・・
優しい表情と優しい声、そして優しい肌で満たされた記憶。
僕はもちろん若かったし、彼女は30を目前にし、成熟していた。
優しいのにくっきりした顔だち、そして小柄なのにグラマーだった。
“痩せてDに落ちた”と言っていた時期があったから、
普段はEカップだったという事だと思う。太めでも細めでもない。
胸だけが良い形で存在し、その体が柔らかい“大人のカラダ”だった。
彼女は元々地黒の肌だ。バストやスタイルも少し“ラテン系”なイメージだった。
それでいて、とてもおっとりした優しい日本女性だ。
あの頃の僕は過去の恋愛のストレスやトラウマを持て余していたし、
年上女性への“ちからまかせ”も、もう本当に必死だった。
キッチンで抱き、洗濯中に抱き、玄関の扉にも押し付けた。
“これでもか!”と言わんばかりに後ろから突いた。
彼女はそんな僕に応えてくれた。
今から思えばそれは僕のプライドを気遣い、上手く誘導してくれていたのかもしれない。
窓から学校が見える部屋なのに、わざとカーテンを全開のまま抱いたり、
大きく声を上げる彼女を隣の部屋との壁に押し付けて突いたり・・・
本当に恥ずかしいほど青かった気がする。
でも、そんな彼女との体の関係も大好きだった。
僕は女性の陰部への愛撫は苦手だった。と言うか、正直嫌いだった。
それまでは反応が良い相手には行っていたものの、
匂い・感触、そしてそれをしている自分が苦手だった。
けれど、彼女はそれを自然に変えた女性だった・・・
どうしても愛したくなる、それをする事を好きにさせてしまった。
彼女を立たせ、壁に手をつかせ、そして大きく足を広げさせる。
僕は沢山の時間、そして奥へ奥へと彼女を探す。
彼女が息を乱したり、足を閉じようとしたり、
偶に“ビクっ”と体を震わせて応えてくれると、それは最高に嬉しかった。
何より、指やペニスを使わずに僕の口の中を満たしてくれるのだから・・・
乾いた僕を潤してくれるようで、僕をどんどん好きにさせた。
そう、彼女との頂点に立つ記憶・・・
夏の夜。
二人でバスタイムを過ごし、エアコンの効いたキッチンに出て来た時だ。
彼女はバスタオルで体を包み込み髪を拭きながら、キッチンの照明をつけようとした。
僕は不意に、彼女の手を静かに掴んで下した。
僕の方を向いた彼女に静かに、でもすべて包むようなキスをした。
「えっ?!」
少し不思議そうな表情をした彼女が可愛く、今度は抱きしめた。
「ん?! どうしたの?」
優しくした僕に応えるように、とても優しく小さい声を僕の耳元に置いた。
「何か、明かりない方が涼しい気がして・・・」
「あの灯りだけでいいかな」
僕は二人で旅行に行った時に買った、小さなキャンドルライトを指さした。
彼女は黙って優しく微笑み、言葉なく部屋の隅にあった台の上にセットした。
振り向いた彼女に僕は近づき、「まだ髪が濡れてるね・・・」と、
彼女の髪に指を通した。
口を静かに閉じたままの彼女は綺麗で、僕は彼女の顔を少し見つめていた。
そして裸のままの自分に合わせる様に、彼女のタオルを外した。
やや青い色調の涼しい色と、その光が横から当たった彼女のシルエットは綺麗で、
僕は柔らかく優しい彼女の胸を手の中に包んだ。
彼女は僕の胸に顔を埋め、静かに背中に腕を回していた。
涼しげな最低限の光の中で、彼女は床に膝を落とし優しく口で愛してくれた。
僕は微かに見える彼女の顔が愛おしくて・・・
“どうしても自分の方がしてあげたい”
そんな気持ちにさせる。
彼女をフローリングの床に倒し、大きく足を開き、僕は気持ちの全てで愛撫した。
その時の彼女は今までに見た事が無いような反応だった。
暗闇の中で激しく乳房を揺らし、彼女は上へ上へとずり上がる。
そしてその後には濡れた道が出来ていた。
僕はその道を追ってどこまでも、そして奥底を目指した。
冷蔵庫に彼女が頭をぶつけて、僕たち二人は笑った。
「キスして」
真顔になった彼女は僕の顔を見てそう言った。
応じて優しくキスをすると、「もっと!」
再び長いキスをしても、「もっと!!」
さらにキスをしても、「もっと!!!」
口調は怒っているのに、瞳からは涙をこぼしていた。
抱きしめた。
言葉などないまま抱きしめた。年上の彼女が可愛く見える。
僕は彼女を床に押し倒して激しいキスのまま突き上げた。
彼女の下腹部に大量の湖が出来たし、彼女もまた、床に湖を作った。
光の関係で、床の湖は透明に光り、彼女の上に出来た湖は幻想的な白い湖だった。
彼女を寝かせたまま、僕がテッシュで拭いてあげた。
僕は床を拭いている時には冗談で、
「あ~あっ、こんあにビショビショにしちゃって!」と笑って言ったら、
彼女は「エイっ!」と僕に蹴りを入れた。
倒れ込んだフリをして蹲った僕を心配して顔を近づけた彼女を、
僕は思い切り抱きしめて自分の上に載せた。
彼女はグラマーだけど、上に載せると改めて小柄な事がわかる。感じる。
なお更、愛おしくなる。
彼女は口に含んでくれた。
「いいよ、もういいから横に来て」
そう僕が言っても、「やだっ! させてほしいの・・・」
と返事の間だけ口を外して、また口の中に含んでしまった。
出したばかりだし、彼女の口の中に出した事は無かったのに僕は彼女の口の中に果てた。
何て優しい顔をするんだろう・・・
彼女を引き上げて、自分の横に寝かせ腕枕をした。
少しの照明だけの暗い部屋。天井。
暑い夏の、でもとても涼しく幸せな時間がそこにあった。
なぜ別れてしまったのだろう・・・
今でもしっかりした説明は出来ない。
風の便りでは、彼女は幸せな結婚をしたようだ。
彼女は人を幸せにするし、幸せが似合う人だ。
別れた女性なのに、彼女だけは“幸せでいる事がとても嬉しい”
そんな気持ちにする女性だ。
素敵な夜をありがとう。
最後までお読み頂きありがとうございます!
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