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「 GAKO  ~ スレンダーがアリな理由 ~」





就職して最初の夏だったと思う。
専門学校を卒業するも狙っていた分野への就職は叶わず、
最後にはアルバイトでも決める様に選んだ就職先だった。
まだ二十歳になったばかりの俺は青く、何も見えていなかったその頃の記憶。
そんな俺の中で、少しだけ離れた場所にしまった“GAKO”の事・・・


デザイン系の専門学校に進みながらも、就職した先はインテリア関係。
当初は落胆したが、そこには自分を必要としてくれる仲間、そして仕事があった。
兄貴と呼ぶには少し離れた上司、そして3つ年上の先輩。
俺は特にその二人に面倒を見てもらっていた。仕事の後、そして休日も。
仕事の事はもちろん、クルマの事や釣りの事、そして女遊びまで教わる事になる。
夏を迎える頃には仕事にも慣れていたし、人間関係も、むしろ学生時代よりも濃厚。
面倒見が良い二人のアニキを同時に持ったようだった。

お盆休み、3人で海に行った。
一番上のアニキ(上司)が彼女と別れたばかりだったし、
二番目のアニキ(先輩)は付き合いかけの彼女がいるも、そこはお構いなし。
願わくば“現地調達”も目論んでの海水浴でもあった。
どんよりして気温が低かったせいか、人の出が悪く期待していなかったが、
やり手の先輩が数百メートル砂浜を縦断して3人組を調達して来た。
上司の為と言いながら彼女持ちである自分の為と言うところがいささか問題だが、
上司も俺も、その行動力とやる気には脱帽としか言い様がない。
それも“厳しい環境”なわりに、それがなかなかどうして、期待以上がそこに来た。
しかし“3人組”、こちらもそうだが、3人と言うのは難しい。
3人とも良い男とか、3人とも良い女とか言うケースは少ないもの。

茶髪がかっていて少しケバイ系の、ピンクビキニの目鼻立ちクッキリ美人は予想通り、
まぁ少し強面で良い男系の上司の横に座った。
ライトブラウンのショートヘアーで、気配り美人の良い女系の青ビキニの彼女、
期待虚しく、でも、今回の功労者である先輩の横に。
そして・・・

先の二人も別路線な感じだけど、それよりさらに別のところにいる彼女が俺の所に。
まず、彼女だけビキニじゃない。胸元までカットが入っているものの、
少し地味で流行りに関係無さそうなワンピース水着。それも上を羽織っている。
しかも・・・
ピンクビキニの彼女はくびれていながら、胸の膨らみが目を引き寄せる。超俺好み。
そのままグラビアから出て来そうなスタイルの人。
そして青ビキニの彼女も痩せ型ではあるんだけど、まぁカップはCぐらいありそう。
ところが俺の隣に座ってくれた彼女なんだけど、谷間に高さを感じられない。
水着に元々入っているであろうパッドの高さだけな感じで・・・
ずっと巨乳好きで来た俺にとって、上司と先輩が羨ましくて羨ましくて。

ピンクビキニの子は性格もイケイケ系っていうか、少しヤンキー入ってる感じ?
青ビキニの子は頭も良さそうだし、何でも出来るタイプ。
そして俺の隣、彼女はいつも受け身な感じで、元気な二人から、
「“ガコ”は奥手だからねぇ・・・」と何回も言われてた。
そんな風に言われても、その子は黙って静かに笑ってる感じで、
完全に男なれした二人とは別世界の人間に見える。
人が良さそうで、まったく飾り気がなくて、いつも聞き役で・・・
あんな二人と一緒にいるのは少し可哀想な感じだった。

3人とも俺の二つ上。高校の同級生との事。
ピンクビキニはショップ店員と想像通り、そして青ビキニは保険会社。
そして俺の隣の彼女は看護師さんだそう。取り合わせも面白い。
ピンクは派手な美人、青は控えめな美人、そして・・・
う~ん・・・
一般的に美人とは言われない。そう思う。
それに彼女たちと一緒にいるのが皮肉にも思えるけど、胸がない事も致命的。
普通の位置関係ならせめて、“それでも胸だけは勝っている”
そんな状況でも良いと思うんだけど。それもない。
二人の胸元を見てしまうと、なんか痛々しくなるほど平らな胸元。


上司は初めて会ったとは思えない様な自然な感じで、ピンクとはすぐに意気投合。
二人を見てると普通にカップルに見える。
先輩はノリが良いし青ビキニは話題に事欠かない、ここも盛り上がっていた。
俺の隣に座った彼女は友達二人を見守る様に微笑んでいて、時々こちらを向き、
「ごめんね。私が隣になっちゃって・・・」
そんな言い回しも含めて、年下の俺から見ても恋愛も不器用そうだし、
男性を前にした女性としては“ぶっきらぼう”に感じられるほど飾れない彼女。
自信たっぷりのピンク、そしてそれに負けない実力がありそうな青、
隣にいる彼女だけが自分に自信がない、それが前面に噴出していた。
付き添い・引き立て役、彼女はそんな嫌な役を一人で全て受けている感じがする。
上司とピンクが泳ぎに行っても、先輩と青が海の家に買い物に行っても、
俺たちだけはパラソルの下に座ったままだった。
「私の事は気にしないで。ごめんね・・・」
その日のうちに何度それを聞いただろう。
今までに何度それを聞いただろう。


上司はピンクと関係したようだが、特に恋人みたいな関係になる事はなく離れた。
先輩は青と良い関係になったのだが、それが彼女にバレて強制終了。
実は俺たちだけが今も付き合っている。
少し変わった漢字を書く事もあって、みんなから“ガコ”と呼ばれているのが俺の彼女。
ぶっきらぼうで地味で、そしてお姉さんの様に俺を心配してくれるガコ。

俺たちは海の後、すぐに付き合ったわけじゃなかった。
上司が瞬間沸騰で終わり、続くかもと思った先輩もやがて呆気ない終わり方。
俺たちはそんな二つの行方、その遥か外にいた気がする。
強制終了で終わった先輩が青ビキニから借りたままになったDVDを、
何故か俺がガコに渡す事になった・・・  まぁ、それがきっかけ。
予定の変更があって電話連絡し、再度あう日時を決める電話の時に長電話になり、
DVDを渡して俺たちの夏が終わるように思えたが、
酒が入って寂しかった俺は、携帯の履歴をスクロールしていて不意に電話してしまった。
何回か話をしている中で、あんな位置に置かれながらもいつも友達を心配して、
そして俺たちに気遣って・・・
年上でしっかり者ながら、なんか俺にはガコが可愛い女に見えてきた。
潮目が変わったのが分かった。
それまでの自分とは違って来て、素朴で飾らない彼女の性格、そして顔が可愛いと。
本当に飾る事を知らないと言うか、髪も化粧も最低限しかしていない。
20代半ば、それもあんなに良い女系の友達と一緒にいるのが不自然なほど質素だ。

DVD返却後の無駄電話で取り付けたデート。と言ってもガコはそんなつもりじゃない。
「どうしたの? 彼女たちと連絡とりたいの??」
まったく自覚が無いと言うか、きっと今までの経験のせいなんだろうけど・・・
そんなぎこちないデートの帰り道、地下から地上に上がる人気のない階段に来た時、
俺は少し強引にガコにキスした。
ガコは身を固めて小さくなった。抱きしめるとさらに小さくなった。
「えっ、冗談だよね? 悪戯?! 私なら遊べるって思ってるの・・・    」
俺はガコの問い掛けの途中で再びキスをした。さっきより一層激しく深く。
「 ・・・ 」
ガコは動かない。顔を下げて髪に覆われてしまって表情も見えない。
ただ無言のまま下を向いていた。
静かな時間が長く感じられた。そして、
「いいよ。遊びでもいい。私、正直に言うね。あなたの事が好き・・・」
自分から告白したつもりだったのに、彼女がそんな言葉をくれた。
年上の女性を可愛く感じた事など初めてだった。
彼女は秋を感じるようになった季節の中、俺のボロいアパートに来る様になり、
“手作り=母親”と思っていた料理を、俺の為に作ってくれた。

掃除・洗濯、そして性格同様に飾らない手料理。
20代半ばの女性にして不器用過ぎるそのセックス。本当に経験が少ないのだと思う。
その場その場で俺に気遣って、“どうしたらいいの?”と俺に聞いてくる。
年上の彼女に対し、“可愛くてキスしたくなる”そんなセックスを繰り返した。
まだ経験不足の俺が教える側になるなんて・・・


いつしか好みが変わっていた気がする。
今も変わらずに大きな胸の女性が好きだけど、ガコを知って小さい胸もありに思えた。
いや、ガコだからそれが良いのかもしれないし、ガコにそれが似合っている。
日中の明るい時間、窓際にあるベッドで交わった事があった。
日中の明るさの中、それでも室内の遮光も手伝ってガコの体の輪郭が浮き出る。
痩せて胸のないガコは、細く長いラインをベッドの上に描く。凹凸の無い。
でも、少し黒光りしたその体は繊細にして美しく、唇で触れたくなる。
そして下腹部から包み込む様に両てのひらをすり上げて行くと、
いつしかそれまでの感触と違った、微妙な弾力がそこに現れる。
そこを見る事なく、俺はその部分で指を折る。両手の中に乳房を包み込む瞬間だ。

高さ無く、存在のアピールなどないのに、それなのに優しいそれがそこにある。
俺は遅れて上に上がって行き、片方ずつ乳房を口に含み、
そして一番大切な彼女の愛を感じられる口元にお礼のキスを送る。
彼女は静かに俺の顔を見ている。俺も彼女を見ている。
そして俺の背中に手を回し、俺を強く抱きしめてくれる。

“胸がない女が好きだ!”とは言わない。
でも、胸が無い事がこんなにも美しく、そして最高の感触がそこにある事を教えてくれた。
こんな事で気付かされた・・・
彼女の性格そのものがそれだ。
何かを押し付けて来る様な際立った個性などそこに持たない。
でも、こちらが求めてしまう、こちらに求めさせるそれを彼女は持っている。
こちらが全身で愛したくなる。
大きい胸は揉ませようとするが、ガコの胸は自分の全てで受け止めたくさせるもの。
小さい乳首を含め、全てで愛さなくてはいけない気にさせるもの。
“恋は下心”と言うが、乳房目的ではそこだけになってしまう。
そんなものでない、“人間すべて”を愛したくさせる不思議な魔法だ。


まだまだ若いし、俺は社会人として始まったばかり。
仕事も、人としても未熟だ。
でも、ガコが隣にいてくれる空間はなんと幸せなんだろう・・・
“結婚”なんて口にするのは早過ぎる年齢だけど、ガコの近くにいたい。
ガコが隣に寝ている時間が最高に好きだ。

スレンダーガール・GAKO。
何も知らなかった俺を導いてくれたガコ。幸せは意外にも知らない場所にある。
そんな事を教えてくれた年上の恋人。そんな夏の記憶・・・




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(恋愛 悩殺水着 年上彼女 お姉さん ナンパ)


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