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「黙っててあげる」





ボクは大学2年の秋、友達から譲ってもらった単車で旅行に行った。
400ccながらも単気筒、とてもキビキビは走れないけど、
一人、秋の山あいの道をドライブするには丁度いいのかもしれない。
神経質なシフトチェインジは無用だし、静かな中に響くサウンドもアナログでいい。
夕方になるまでは上機嫌なドライブが続いていた・・・
しかしその時は突然やって来た。
“ガチャン!!!”
後方下の方から嫌な金属音と振動が伝わって来た。
動力を失ったのですぐに分かった、チェーンが切れた。
譲り受けた時点で錆び付いていたし、正直緩みも知っていたけれど、
大事になるとは考えていなかった。
ボクは焦った。片道300キロ走行ながら、日帰りの予定だったから・・・
夜遅くなっても、“その日のうちに帰ればいいや”ぐらいに思っていた。
国道よりも10キロ以上山間部に入った場所。それに雲行きも怪しくなっていて、
今更ながら、自分の甘さを後悔していた。

“1時間近くかかるかなぁ・・・”
何とか携帯の電波が繋がる場所だったのでバイク屋に連絡はついたが、
すぐに対応してくれると言いながらもこの場所、それは仕方なかった。
修理屋さんの腕が良かったのか、修理は思ったよりも手早く済んだのだが、
もう辺りは暗くなり始めていた。それに小雨が降り始め、
新品のチェーンを気遣いながらも、ボクは少し焦って来ていた。
“もう少し・もう少し”と小雨の中を急いでいたが、雨は突然大雨に。
既に濡れていたボクはすっかりタイミングを遅らせてタンクバッグから雨具を取り出した。
もう体の中まで濡れていて、メットの中、靴までもびしょ濡れだった。
山間部特有の、あまりの雨の強さに怖気付き、急いで電話ボックスの中に逃げ込んだが、
わきから入り込む雨の勢いは強く、足元をかばう場所もない程。

普段なら家族に助けなど求めないところだが、誰もいない何もないこの場所、
そして恐ろしい程の雨の勢いにすっかり弱気になり、ボクは家に電話をしていた。
“どうしたの?”
電話に出た母親の声に少し安心した自分がいる。
大きな雨音をバックに母親に事情を説明していたら、意外にも、
この近くに友人がいると言う。
近くとは言っても山あいの場所、地図上では20キロ弱の距離がありそうだ。
でも、すっかり弱気になったボクは母親に助け船を求めてしまった・・・
「電話してみる。折り返すから待ってなさい」
その言葉の後数分、電話を切った余韻が残るうちに返事が来た。
「連絡ついたよ。中学の時の友達なのよ。場所言うから、今日はお世話になりなさい。
もう一度こっちから連絡しておくから、着いたら連絡ちょうだいね・・・」
母親の有難みを感じながら、まだまだ雨の強い中、ボクはポータブルナビを見ながら、
もう暗くなっている道を必死にその場所目指して走り続けた。

その場所は分かりやすく、日帰り入浴でも有名な温泉旅館の近くにあった。
ボクのバイクの音に気が付いた様で、家の中から傘をさした女性が出て来てくれた。
「ビショ濡れじゃな~い! 早く中に入って拭かないと・・・」
状況が状況だけに、初めて会ったと言うのに挨拶も出来ないまま、
ボクは雨を浴びながらタイヤにロックを掛け、タンクバックを外して家の中へ・・・
差し出されたタオルを受け取ってホッとした。
挨拶しようとしたが、「お母さん心配してるから、ちゃんと拭いて、すぐに連絡して!」
そう言ってボクの荷物も持ってくれて、そのまま中に案内された。
古い家・暗く黒光りした長い廊下、そして広い家・・・
田舎にありがちなそんな大きな昔ながらの家だった。そしてしっかり片付いていて。
すぐに母親に電話をして、その母親の友達に代わってもらい・・・

同級生なのだから母と同じ年なわけだけど、知らない女性だし、
都会に暮らす母に比べると大人っぽく感じた。
母と同じ年の女性に“大人っぽい”とは変な言い方だけど、本当にそう。
自分の母親がはしゃぎ意味なところもあるけど、おっとりしていて、
老けて見えるって意味じゃなくて、大人の御淑やかな女性って言うか・・・
母親にこの地方に住む友達の事を聞いた記憶がないから、
きっと親友と言うほどの仲ではなかったのかもしれない。

「子供、もう外に出てるのよ。東京で一人暮らししてて・・・
夫は隣の県に単身赴任してるんだけど、帰ってくるのが週末だけなの。
静かでしょ?!  物凄く田舎だからね。あなたのお母さんは昔から都会的だったわ。
そう、となりのお風呂、うちも自由に使っていいのよ。良かったら入ってくれば?!
もし面倒ならお風呂つけるけど、せっかくだから露天風呂入ってくれば?」
“温泉がただ・自由に入れる”とはなんて贅沢な話だろう。
確かに隣だから近所付き合いなのかもしれないけど、少し驚いた。
ボクは着替えを渡されて、それを受け取って玄関へ行こうとした。すると・・・
「こっちこっち、狭いけどこっちの台所の方から出てくれる。そのサンダル使って!」
案内されたのは玄関とは反対側、家の裏手になる場所。
またもや驚いた。草木が生茂る細い小道を通り抜けると、そこは温泉施設の露天風呂入口。
そう、既にボクのいる場所は温泉施設の中だった。
自分の家が露天風呂に繋がっているなんて、何とも羨ましい。

雨は小雨になっていたが、先ほどまでは豪雨と呼んでいい勢いだった。
きっとそのせいだともうけど、露天風呂はスカスカ、人がまるっきりいない。
一通り入って部屋に戻った。
「空いてたでしょう?! 大雨だとさすがにねぇ。でも泊り客は寝しなに入るから」
食事の支度をしながらボクに話しかけてくれた。
美保さん。お転婆キャラの母親と違って、なんか良いとこの娘さんな感じな人。
母親意外のこの年齢の女性、それも母親と違って大人らしい人、ボクには少し新鮮。

急にも関わらず、母親のスーパー惣菜夕食の真逆、田舎料理中心の手料理で、
なんか農家民宿とか古民家泊みたいな感じがした。
煮物とか苦手だと思っていたけど、トラブル疲れもあったせいかビールがおいしく、
普段食べない大人の料理が意外に美味しかった。
入浴・食事と遅くなったので、あっと言う間に10時を過ぎていた。
「布団敷いただけで何もないけど、この部屋使って・・・」
そう言って、美保さんはボクを2階の一番奥の部屋へ案内してくれた。
“良かったら飲んで!”と、缶ビールも置いていってくれ、
「ゆっくり休んでね」と言って部屋を出て行った。
疲れたとは言ってもまだ10時過ぎ、部屋にテレビはない。
ボクは電気は消したものの、視界に入ったビールを手に取った。
一口飲んで、そのビールを窓際のテーブルに置いた。


窓の外に明かりが見える・・・
ボクは静かに曇りガラスの窓を開けた。木枠の重い窓を力づくで開けたところ、
その視界に驚いてまた一気に、でも静かに閉めた。
見える。風呂が見えてる。
扉の内側に座り込んで想像していた。“玄関から入って来て・・・ 風呂がこっちで・・・”
そう、確かにさっき行った露天風呂の、それも女風呂が自分の部屋の目の前の方向だ。
ボクは恐る恐る押さえ込む様に力を入れて、再び、でも今度は小さく窓を開いた。
見える。確かに見える。
何もつけていない女性が風呂の中を行ったり来たりしている。
美保さんが言っていた通り、雨のせいなのか、この時間に沢山入っていた。

大学生風の女の子もいるし、30前後の人妻風のスタイルの良い女性もいた。
夜なので顔は分からないけど、体はしっかり見える。
いつしかボクは、缶ビールを飲みながら顔を窓に押し付けていた。
次々に入って来ては出て行く。おばさんやお婆さんも多いけど、若い子もちゃんといる。
30分ぐらい経った時に入って来た3人組のグループ、それを見た頃のボクは・・・
ズボンの中に手を入れていた。
一人、特にグラマーで胸の大きい女の子がいて、ボクはその子でいこうと・・・

人の気配にドキッとした。
既にズボンも脱ぎ、下半身を広げてペニスを握っていたボク。
暗い廊下側の扉は広く開いていた。そしてそこに美保さんがいた。
「あっ!  ・・・  ボクは・・・」
何も言えないままのボク。美保さんは静かに部屋の中に入って来た。
レースのパジャマを着ている。
「静かに! 見てていいのよ。窓の外を見てて。こっちを向かなくていい・・・」
静かに近づいて来る雰囲気は感じながらも、ボクは美保さんを見れなかった。
自分の状況に言い訳が出来ないし、その静かな物言いに体も従ってしまった。
ボクは体をねじらせて窓の外を見ている。でも、もちろん、そこに意識は行かない。

美保さんが静かに隣に座ったのが分かった。
そしてそのまま、自分のペニスが何かあたたかいものに包まれたのも・・・
“あっ!”
ボクは抑えながらも声を上げたが、「そのまま、そのまま外を見てて!」
美保さんのその声に、ボクは美保さんの方を見る事が出来ない。許されない。
柔らかく優しくあたたかく・・・
静かに包まれていたそれは、やがて静かに動きを伴う様になった。
上下。
ゆっくり、そして先端の境の部分に引っ掛かる様にやさしく吸い込まれる様な・・・
ゆっくりのまま、でも、やがて大きく強く上下されるようになった。
声が抑えられない。
初めての感覚だし、本当に優しくて・・・
ボクが声を大きくしてしまうと、その動きは激しくなった。
“あああぁぁ!!!!”
ボクは我慢できず、美保さんに振り向いていってしまった。

おそらく大量に出してしまった。
でも、美保さんは何事もない様に口に含んだまま大切にそれを扱ってくれた。
「気持ち良かったんだね。沢山くれたね。・・・」
美保さんはそのままボクのペニスを愛し続けてくれた。
一瞬小さくなったかもしれないけど、そんな事を続けられてはまた・・・
細く遠く離れたかと思えば、今度は深く大きく吸い込まれて。
頭が狂いそうになった。
ボクを一生懸命に奉仕している美保さんは下着を透けさせて・・・
押し倒した。
必死に美保さんの胸元のボタンを外して、ボクは布団の上で美保さんの胸を開いた。
ブラジャーを押し上げて、その柔らかな胸にしがみ付いた、顔を埋めた。
もう止められない、美保さんの両足を抱える様に持ち上げ、
ボクは一気に美保さんのショーツを奪い取って投げ捨てた。
暗い部屋の中、美保さんの足を大きく広げ、そこに割って入った。
あたたかい。そして柔らかい・・・

ボクは途中で躊躇うように一瞬止まったが、
「大丈夫、黙っててあげる・・・」
耳元で吐息の様に美保さんにそう囁かれて、もう自分を無くして突き上げた。
女性の乳房をあんなに強く掴んだ事はない。
美保さんの事を壊しそうな勢いで扱ってしまったが、美保さんは反対に体を濡らした。
最後には激しいキスで美保さんの口を押えたまま、
ボクは美保さんの下腹部に大量に放出して尽きた。

そのまま横になり布団の上で抱きしめて横になったが、
美保さんは再度、ボクのペニスを手で上下させた。
続け様に大量の精液を放出した直後だと言うのに、結局また反応してしまった・・・
3回連続でいかされた。今までに経験のない事。
疲れ切って、ボクは美保さんを抱きしめたまま眠ってしまった。
朝、ボクは下半身の違和感で目覚めた。
そう、美保さんはまたもそれを口にしていたのだから・・・
昨夜の事など忘れたかの様に、ボクは大きな声を上げて、また美保さんの口の中に出した。
でも、美保さんはそれでもやめてくれない。
また大きくさせてしまう。
ボクは狂って、美保さんを布団の上に押し倒して四つん這いに直し、
後ろから激しく突いた。
今度は美保さんが狂った様に激しく声を上げた・・・
“きっと美保さんが欲しかったのはこれなんだ!”
“全てはここに来るためのリードだったんだ!!”、そう思いながら尻の上に出した。


「気にしないで。お母さんには黙っててあげる」
ボクは玄関で美保さんにハグされ、そしてその家を後にした。
全身が自分のモノではないような不思議な感覚、宙を浮いたような感覚でいた。
気怠いまま、長い距離を走り家路についた。少し重い気持で。
母親の、“美保どうだった?”の言葉に、意味は理解した上で、
少し違う意味合いを突き付けられている様な変な、恥ずかしい気持で・・・
自分の母親の同級生とは。

後から母親に聞いた。
美保さんは昔から目的に対して一直線、それも静かに実現するタイプだそうだ。
あれが、あの夜が“目的”とは思いたくないが、
あきらかに一番奥の露天風呂を覗ける部屋を用意した事になるし、
ボクはオナニーする事まで予想されていたと思うと・・・
でも、あんな経験はなかなか出来るものじゃないし、事実、美保さんは・・・
“最高だった”なんて言い方は失礼だけど、もうあれ以上は経験できないかも、
そんな風に思わせるほど凄かった。
一人で寂しい女性のところに舞い込んだ“獲物”だったのかなぁ・・・
ボクは誘導されたのか。
でも、忘れられない経験をさせてもらった事に感謝している。




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