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「御満講の掟  ~ 女主・奈津子誕生の時 ~」





静かな空、遠い森を目指して大きな鳥が飛んで行く。
山から山、鳥たちは下界の景色を見、そこに何を思うのだろうか・・・



深武群臼鷹村、冬には一面白に覆われる程に冷え込むし、夏でも縁は深く濃い。
田畑、薄い緑は点在する茶色の屋根近くに小さくあるのみだ。
共に暮らす者どもの食い扶持の分だけ耕し生きて行く、それが村に生きること。
町の物は食わず・求めず、ここで老い、そしてここに尽きて行く運命。
村に残る者、大半を占める年寄りたちの生き方そのものがそこにある。

少なくも若い者もいる。彼らはごく一部の者を残して街に出て行く。
この村の匂いも音も感じない、遥か遠くの場所を目指す者ばかり。
残るか否か、そこに中途半端な価値観など存在し得ないことを表わしている。
新しい文明・時代に生きて行けばいい、それが幸せであろう。
しかし、特別なチカラ、または特別な運命を背負った者だけの景色もまた失せる事もない。
その他大勢として生きるもよし、選ばれた運命・苦しみを背負い己を全うするもよし、
今、一人の女人が運命の岐路に立っただけの話・・・

もう平成という世の中さえも終焉の時を迎えようと言うこの時代、
“臼鷹村”という存在そのものが時代錯誤だ。そこに生まれたと言うだけ、
たったそれだけの理由で一人の人間の人生が形どられて行くのだから・・・
今邑奈津子(いまむら なつこ)と言う女性、
今邑将臣(いまむら まさおみ)という父親の娘に生まれただけの普通の女性なのだが。
一つ言える事は、周りを巻き込むような特別な人生を背負う者と言うのは、
その人が発する独特のオーラがあるものだ。
それを知っている・受け止めている先人・伝道者たちはその者に敬意を払い、
言葉なくも、自然に特別な距離を保ち、そこに特別な扱いをしているもの。
そこにパワーが宿り、その者が大きくチカラを集め熟成の時を重ねて行く。
いつしかそこには計り知れぬ奇跡の泉を創り上げる。


今邑奈津子、今ちょうど二十歳の時を迎えた。
本来臼鷹村の風習では男は15、女は17の時をもって成り人とする。
“成り人”と言う成人扱いのようなものだが、特別な事はなく儀式だけの決まり事。
村はずれにある鷹野上神社で行われる御成新葉祭、それが各人の大人への入口になる。
奈津子も既に17の時にそれを終えている。そして大学進学、都会に出て行った一人。
しかし複数の中に特別な存在は紛れていて、それは静かに佇み仄かに光を発して・・・
“将臣危篤、早急に帰れ!”
奈津子のスマートフォンに村に住む後輩男性からメールが入っていて、返信するも不通。
分家である伯父さんの家に連絡して父の危篤を確認、急遽帰省する事になった。
大学の講義を休み簡単な身支度だけ、ワンルームの部屋もそのままに。
飛行機では空港から不便な場所にあり、結局鉄道・バス頼み。
乗換時間を合わせての8時間半という大移動を苦にもせず、奈津子は村の医院に向かった。
普通なら“救急車を呼ぶだろ?”と思うだろう。
だが、待ち時間なしで片道山越えの45分、それも標高差・急カーブ続きの山道、
町に向かうまでに病状は急変してしまうだろう。
臼鷹村に住むと言うことは、そんな覚悟の上でもあると言うことだ。

半日1本のバスが到着するバス停には伯母が迎えに出ていた。タクシーなど無いし。
そもそも村民はみな知り合いだし、早くに父娘だけの生活になってしまった奈津子、
伯父さん・伯母さんとは家族のような付き合いの中で生きて来た。
「伯母さん、父は? 父は大丈夫ですか?!」
奈津子の必死な問いかけにも、伯母は無言のまま車を走らせた。
でも・・・  方向が違う。
村に一つしかない医院なら、少し前に曲がるべき場所を越えてしまったのだ。
「伯母さん、医院!!、行き過ぎっですよ行き過ぎっ!」
必死な顔で運転席に向かって奈津子は言う。
“伯母さんは混乱して通り越してしまった”と考えるのも無理はない。
だけど違う。言葉を繰り返す間もなく車は減速し反対に曲がる。
見慣れた景色、そう、将臣が住む、そして奈津子の部屋も残る自分の家に来たのだ。
「えっ・・・  どうして?」
何も考えられない、いや、嫌な予感が頭の中を覆ったのかもしれない。が、次の瞬間、
玄関の前に立った父・将臣の姿を見ればさらに混乱することになる。
クルマから降りた奈津子、言葉も出ないままだ。
「じゃあね、奈津子にちゃんと言いなさいよ!」
伯母は将臣にそう告げて、早々にクルマで去って行った。

「?  えっ? お父さん、どういうこと?!  えっ?! なんなの?」
奈津子は完全に動揺している。意味がわからない。
さらに将臣に特別表情もないし、元々口数の少ない男でもあるし・・・
「入れ!」
そう言って静かに家の中に入って行った将臣、不満をぶつける先も見失い、
奈津子もそれに続いた。
いつも通り、普通に生活している温もり匂い。汁物だろう、湯気もたっている。
「えぇ? お父さん元気なの?!  危篤だって・・・  ちょっと・・・」
奈津子の表情・口調は完全に呆れ怒っている言い方になっている。
それでも相変わらず、
「まぁ座れ、汁作ってある・・・」
台所に行ってしまう将臣。
優しく素直、家族想い、父親の事が大切、本当にいい子過ぎる程の奈津子。
誰からも好かれ、村に生まれながらも恵まれた容姿、街の娘にも負けない、
本当に村一番の宝とも言われる奈津子、今、その彼女がふてくされ怒っている。
無理もない、長い時間をかけ帰って来た。それより、本当に心配だったんだ。
「飲め、熱いから気を付けろ」、そして横に箸・七味。


奈津子の機嫌が平たくなって行く。汁が奈津子の胃袋を満たして行く時間を使って。
「おいしい・・・」
表情は少しも解けていないが、湯気がやわらかくしたのかもしれない・・・
「でも、安心した。 ほんと心配したよ、あぁ~ぁ、大切な講義だったのに・・・」
大学入学の時から帰っていなかった奈津子、それなのにむしろ、
今親子二人はとても自然で時間の流れ・二人の距離など感じさせない。
お腹を満たしたせいか、奈津子は少し姿勢を崩す。
「何なのかな、こんな事までして私を連れ戻すなんて・・・」
そう、そんな大事までして奈津子を連れ戻す理由。
今、将臣にそれを伝える時が来たのだ。


将臣は今、臼鷹村で“村主代”という立場にある。
現在“村主”はなく、“村主代”である将臣はこの村の主である。
しかし一般的な“村長”なような立場でなく、ある意味で宗教的な官職のような・・・
現代社会の中でいう地域の統括者・責任者・世話役のような意味合いも確かにある。
それでもこの村は小さ過ぎる村、深武群には隣接する町・村に大きいものがあり、
行政的役割は大方、そちらの方で統括して行っている。
だからこそなお更、村の存在意義、そして将臣の役割は伝統の継承そのものだ。
深武地域には古くからの変わった伝統を継承する地域が数多く残っている。
行政こそ時代の流れに合わせて統合されているが、
村(町)という単位には特別な意味がある。
分かりやすく例えれば、一つの村(町)には一つの神があると言うか・・・
都会では神事とか宗教とか、思想での選択だとか、生き方などとほざく人間もいる。
しかしこの地方の村にあって、“村神”は生きているそのものであり、
衣・食・住、すべては当たり前にその中にあるものなのだ。

この村だけのしきたり・言い伝え・・・  数えきれない。
凡人には理解に苦しむようなものも多くなっているし、狂気に映ることも。
それでも信じ、それを守り続ける事、それがここで生きるそのものなのだ。
そして今回、奈津子の事。
村では代々“血筋”を守り抜いて来た。一見特別でもないようだが、少し違う。
血縁を引き継ぐのではなく、あくまで村主(又は代理の者)の娘、それが女主であり、
その女主に交わる者を決めるのは村主(又は代理の者)である。
儀式に選ばれた男子を持つ親は村主の使いを断ることは出来ず、従えない場合、
村を出ることになる。精の無い者・奇形と呼ばれる者は除外される。
女主(二十歳になる前は女代と呼ばれる)になる前まで本人に知らされる事はなく、
知った後、伴侶・子をもうけても自ら“女主”を名乗ってはならない掟がある。
また、女主となる事が決まった時(女代時代)から、
村主(村主代)・守主頭・守主までの間でだけ事柄が共有される。
女代が二十歳を迎え女主となる時、鷹野上神社にて御成祭(本祭)が行われる。
その夜、その儀式をとり行うのが彼ら“御満講”の面々なのだ。


おんな子は小さい時だけ、言い伝えの昔話のように年寄りから“童歌”を聴かせられる。
“夜の社に顔隠し ともる灯りに 深入れば   村の神様   さは笑ふ”
微かな記憶。でも、少し成長しておとこ子にそれを話したところで、誰も知らない。
それどころか、その歌を歌っていたはずの母・祖母に訪ねても誰もが知らないと言う。
幼い頃のおんな子だけに断片的に、それもそれも微かに残る記憶の童歌、そして・・・
奈津子の中にもその忘れていた記憶が頭の片隅にある。
自分に直接関係ないまでも、“村主代”と呼ばれていた父親の特別なチカラ。
また、そんな“今邑親子”の扱われ方、奈津子は凡人ではないのだ。
奈津子とはとても現代的な名前のようだが、こちらは戸籍の為の当て字でむしろ、
村人・御満講の中で選ばれたたった一人の女人にだけ与えられる名前が引き継がれる。
それが“菜・土・娘(児)”である。
一代また一代、“なつこ”は受け継がれている尊い言い名なのだ。
村人が餓える事なく“菜を与えたまえ・(菜の育つ)土を与えたまえ”、
それを委ねられたおんな子に与えられた名前だ。
村主という社会管理は男人の長が行うこと。しかし、村を守り繁栄する力は女主にある。
意味合いは違うが、女神のような一面も含んでいるのかもしれない。


口数の少ない将臣。口下手だし・・・
奈津子にもなかなか伝わらない。しかしとても神秘的で重要な事柄である事は理解できる。
“絶対に男をつくるな”  “如何わしい行為はしてはならない”
恐ろしい程に言われて来た。村の顔役のような人々には特に。
それは今となれば御満講の守主の面々だったのだが。
ずっと昔、小学・中学の時代、奈津子には好きなおとこ子がいた。
一学年上の達也と言うおとこ子。
都会に出て普通の大学生の生活に紛れていた奈津子、
“男子・女子”と言うようになっていて、“おとこ子・おんな子”・・・
そんな言い回しをすっかり消し去っていたが・・・
まわりの逞しいおとこ子に群を抜いて力持ちで、少しぶっきらぼうで、
でも、奈津子が転んでいたなら手をさし伸ばし、泣いていたなら“大丈夫?!”とだけ、
そんな少し武骨なおとこ子がおり、奈津子は恋していた。
結局、村を出る最後まで、出てからも、奈津子の気持ちは吐露されなかった。
その後の大学生活を含め、好む男子が目の前を横切っていっても、それでも、
消えることなく、自分らしい自分のまま好いていたおとこ子、ずっと達也ただ一人。
二十歳にして、穢れないまま達也だけを焦がれて今日まで来た奈津子。

突然、予期せぬ父からの言葉で自分の存在を知った。
女代であった事、そして女主となる事、“本祭(御成祭)”の事・・・
詳細など教えられないし、聞く事も出来ない。
“御成祭”を取り行なう事、そしてその中心に自分が立つ事なんて信じられない。
今日まで都会の生活が繋がっていて、もうそれに慣れた自分がいて。
言われるまま穢れるような行いは無いままに来たが、まさか、
自分の結婚・人生が戻る事さえ忘れていた村にあったなんて信じられないでいる。
恋愛すらした事のない人生なんて、今を生きる・都会に生きる普通の女性に分かるのか?
奈津子はそれをも知らぬまま、そのままで女主にされると言うことだ。


疑問・不満、無いはずがない。しかし言えなかった。
なぜだろうか。それでも、やはり奈津子は女主になるべく育って来たという事か。
たった二日後、奈津子は御成祭を迎える事になる。
村をあげての大祭のように思われるが逆で、ごく限られた人間による“密祭”だ。
宮司・守主たち・御満講の一部の人間、そして将臣と奈津子だけが・・・
いやもう一人、村主(今は村主代である将臣)に選ばれた“継守男”の存在がある。
たったそれだけの面々で行う、しかし数十年に一度の村一番の大祭“御成祭”
すべての参加者が白装束に身を包み、陽の傾く頃、神社に集まって来る。
本殿を囲むようにたいまつが焚かれ、本殿の中に入るのは女代以外3名+1名だけ。
御満講の見届け人として、汰平(守主頭)・幸藏(守主)・仁吉(守主)、
そして女主に重なる“継守男”となる男人。
継守男となる男人もまた、村に残り“穢れなく生きて来た男”と認められた者。
そんな若い女人と若い男人の交わりを儀式に則って正しく取り行なうのが守主の役目だ。

部屋の中は大きな蝋燭5本で灯された灯りだけ。
二人が交わる高台(こうだい)を囲むように、四面角に1本ずつ、
そして枕側頭上となる位置に1本の5本の灯りが揺れる。
黒面をつけた3人の守主を橙色の炎が照らす。
胡坐をかいて座った守主たちのシルエットが背面の板壁に浮かぶ・・・
時は来た!
村主代である父・将臣にそっと背中を押され、奈津子が中へと入り込む。
将臣は目を伏せ扉を閉じた。女代・奈津子との最後の瞬間だった。
奈津子には白面が着けられている。それも目に貫通穴はない。
視界のない奈津子を守主が近づき、腕を絡め高台に誘導する。
最低限の物言いしかしないが狭い村の事、聞き覚えのある声に気が付いているだろう。
それでも特別な女代である奈津子、余計な言葉など発する事もなく静かに高台の上、
布団とは言えぬ厚さ、清く白浮きする敷物の上に静かに横たわった。
他の者たち同様に白装束だが、最低限、足袋もなければ下つけもない。
将臣が閉じた扉の方に素足を伸ばし、視界のない白面は天井を見上げている。
今、奈津子はどんな表情をしているのだろう・・・
震えてなどいない。往生際よく、女主になるべく者に相応しい品格が漂う。
思考でなく、運命が一人の女人を動かしている、そんな姿にも見える。


「清めの儀、 今日ここに、女主になるべく“女代清めの儀” ここに取り行なう・・・」
静かな閉ざされた中、少し大きくはっきりした口調が響き渡る。
守主が移動する時に出る床のきしむ音、糊の効いた衣服の擦れるような音、
風圧・体温、
仰向けに横たわる奈津子には、自分の横に立った守主たちが感じられただろう。
次の瞬間、自分の腰回りにある結ばれた紐は解かれた。
覚悟していただろう、だが、まったく男性経験のない女性として・・・
悲しいくらい淡々と事務的な作業だ。
気遣いなど感じられない程にしっかりと強く広げられ、
自分の上半身が曝け出されたのが分かる。
神事とは言え、男たちが複数で自分の周りを囲んでいる。
手際いい、勢いは止まる事なく、下穿きも脱がされた。
下着ははなからつけていないので、白装束の下という事だが。
いやらしい言葉だが“全裸”だ。“自分は全裸にされた・・・”
この舞台に相応しい人間だとは言え、いささか覚悟も揺らぐ、
それも男性未経験の二十歳の女性としてむしろ当たり前な事なのだが。
温度と湿気を帯びたような憶えのある香りが一瞬した後、体が冷たく感じられた。
自分の体を液体が流れているのが分かる。お神酒による清めの儀式。


敷物に多く滴る量が奈津子の全身に浴びせられる。
そして両側から布であろうか、重く湿ったものが自分の肌の上を這う。
面のすぐ下の首元あたり、胸元、乳房・・・
中肉中背、どちらかといえば引き締まった奈津子の体型、無駄な緩みはない。
だから、だからこそ・・・
仰向け、上に向いて横になっていると言うのに、その乳房は形のまま崩れていない。
カップのそのまま“ツン”と天井に向かったままだ。
“御椀型”と呼ばれるであろうその美しい乳房を円を描くように布が撫でる。
清めのお神酒で光り輝き、炎だけの灯りの中に浮かびあがって美しい。
緊張のせいもあり、かたく尖らせた先端、
まだ男を知らぬ清らかで若い肌、奈津子は腹部を波打たせ少し震えるようになった。
胸下・腹部・縦長の綺麗な臍、さらに下へ、
下腹部・まだやわらかささえ感じさせる陰毛・そして脚の付け根に。
特別な酒なのだろうか、ゆっくりと時間をかけて降りて来た部分も乾くことが無い。
太腿・脛・足先、奈津子の前身は奥と両側にある灯りに映し出され輝いている。
眩しく白浮きするような薄い光でなく、重厚で深い、濃く厚い光に包まれ・・・

奈津子の体温も影響してか、アルコールの成分は強く蒸発しようとしているようで、
その影響なのか、横たわる奈津子、口、鼻、少しずつ息を大きくして行く。
それとともにだろうか、“酔い”に似た赤みは光の加減、
奈津子の全身を黒光りに似た皮膚に変貌させていた。
気怠いように、“あぁ~ぁ・・・”と微かに声をだす。
また次の瞬間、今度は脚を広げられお神酒を含ませた布は陰部へと入り込んだ。
下から上へと拭きあげられる。
1往復・2往復・・・ 繰り返される程、中央付近で沈み込むようになり、
そのうち深く吸い込むようになれば、そこで寄り道、奥まで清められるように中に。
男性経験に関係なく、いや、それを飛び越えてと言うか・・・
こんな経験は普通に生きる女性の想像を超えた経験であるはずだし、
口・鼻だけでなく、全身の毛穴・陰部の粘膜までアルコールを吸い込んでいる。
最後に、その口の中にゆっくりと少しずつ、けれど多い量のお神酒が送り込まれた。
もう奈津子には全身が自分のものでないように感じられるほど酩酊状態に近い。
面のせいか、さらに息づかいが荒くなって来ている。
突然太腿が押さえ付けられた。そして脚を広げられ硬く大きな手が入り込んで来た。
「あぁっ!! やめてぇ!」
上半身を大きく動かし仰け反ろうとするが、二の腕と肩を押さえられた。
少し暴れるも、アルコールが全身に回っているのか動きは鈍い。
抵抗しようとしても無視されるように、手がより深く入って来る。

「あぁ、、 あぁ、 やめてぇ! お願いっ、ダメぇぇ、あぁぁ、やめてよぉ!!」
狂うように・のた打ち回るようにすすり泣いて・・・
でも守主たちの行いは止まるどころか激しさを増し、濡れて滑る乳房まで激しく擦る。
若さに弾けた御椀型の上向きで形を変えない乳房を掴み上げられ、
それが哀れな程に激しく揉まれてしまう。
男性経験のない女性には辛過ぎる行為なのかもしれない。
大きく声を上げ、乳房を天井に突き出すように高く上げて仰け反り、大声で尽きた。
尽きた・・・
きっと初めての経験なのだろう。
白面の横からは涙であろう水滴が顔の横を這って耳の近くを落ちて行く。
体を波打つようにすすり泣く奈津子。
しかし、守主の抜き出したその手先には崇高な光り輝く液体が纏わりついている。
これでいいんだ奈津子。今、君は女代を終える儀式を終えた。
そしてついに女主になる瞬間を迎えるんだ!


激しかった息づかいが鎮まり、奈津子はそのまま眠りについてしまった様だ・・・
ほんの数分。
きっと再び開いた扉にも気が付かなかったはずだ。
中に入ったのは奈津子と同じ白面をつけた男、そう、継守男となる男。
でもこちらは奈津子と違い貫通していて視界が確保されている。
奈津子より先の任命の時を経て、今日の日の心構えは作って来た。
まだ若く女性を知らない男。しかし女代を女主に生まれ変わらせる役割、
そして運命を捧げて女主を守り村を繁栄させる大切な役割を背負った男となる。
未知のもの・まだ知らぬ女人を前にしても高ぶってはならない。
神聖な場所、私欲の為の交わりなどでなく、与えられた天命を遂行する役割を担った男。
目の前に全裸の、それも全身を光り輝かせ激しく尽きたそのままの姿・形のまま、
そんな女体を前にしても冷静でいられる事、それを求められたのだ。
目の前に横たわる女はやがて村を守る神の使いとなる者。
蔑んではならない・憐れんでもならない。
ただただ拝命されたまま、女代に重なり、村として愛し、そこに我を捧げること。
それだけをそこに行う使命。


そっと白を脱ぎ捨て、裸体になり奈津子に重なった。
眠りに入っていたとは言え、先ほどの余韻、そして光物は消えぬまま、
そこに抵抗はない、運命のように静かに入って行く・・・
だが、突然眠りから引き起こされた奈津子、それも陰部に男先を受け止めてだ、
驚いて騒ぐのも無理のない事。
それでも我に帰れば、自分に重なり自分が受け入れているそれこそ、
自分を女代から女主に変える為に呼び寄せられた継守男のそれである事に気が付く。
そしてその自分の為に運命を捧げてくる懸命さに迷いないチカラを感じているだろう。
さっきの余韻は消えていない、奈津子はすぐに乱れる。
左右に首を振り悲鳴を上げ、弾力のある乳房さえ激しく揺らしている。
お神酒を追い出すように今度は自身の汗を噴出させ、その光で全身を輝かせる奈津子。
男が奥に入り込むために姿勢を下げれば、奈津子はついにその背中に腕を回した。
それでも男は無言だ、ただ前へ前へ自分の村神への思いを送り込むだけ。
奈津子から噴き出す汗、奈津子の立てた爪の痛みも背中に感じながら、
それでも男は懸命に奈津子を突き続ける。
やがて再び乳房を持ち上げて仰け反った奈津子のその先端、
それが黒ダイヤのような輝きを放ち、胸元の汗は逆流して奈津子の首に向かい、
二つの頂点、奥に出来た点が綺麗な三角形となった時、その時を迎える。
奈津子の大きな息づかい・互いの先と中がぶつかり合う音、
男人の大きな声、そして奈津子の両乳房を鷲掴みにした瞬間、部屋は白光に包まれた・・・


上に重なり伏せる事なく、男は自分の役割に従い奈津子から、
いや、今この瞬間“女主”となった奈津子から静かに下がり離れた。
少し広がったままの奈津子の開いたその奥、白濁した聖水が流れ出る。
傾斜などないはずの高台を正面左側に流れて行く・・・
静かに細く、でも途切れる事なく長い時間流れ続けた。
やがて床に、そしてついに壁にまで流れ着いた。
言葉などでない、少しの唸り声・吐息、でもそれだけで気が付いた、
奈津子を女主にしたのは達也だ。継守男は達也だったのだ。
たった一人焦がれて、でももう結ばれる事もないはずだったであろう達也。
都会の暮らしの中に身を置き、もう村の事・達也への思いも消えかかっていた・・・
運命とはどんなに細く、そして見えない糸であっても強力だ。
消える事も切れる事もない。
女代であり女主となるのが奈津子であった事、それを知った時に達也はどう思ったのか。
いや、きっと幼い頃から運命にあったのだろう。
だから早くから近くにいて、そして奈津子を守って来たのだろう。
普通なら好む者同士が結ばれる事、ただただ嬉しいものだろうが・・・
彼らには凡人にない役割がある。



女主になったところで何も変わらない。村で普通に暮らす奈津子。
継守男となっても何も変わらない。村で普通に暮らす達也。
凡人には何も見えず、そして分からない世界。
それでいい。
二人は見えないチカラで村を守っているのだから・・・





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