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「ハザードランプ  ~ 恋の手解き2(熟女編) ~」





机の上には雑誌・カタログ。
H社のは赤がかっこいいしスタイリングがいい。   でも・・・
S社のはメットスペースが大きいんだよなぁ~
Y社なら3万安いかぁ・・・
僕の目的はズバリ、スクーターを手に入れる事である。
親からは早々にきっぱり、“今回は援助なし!”って言われてしまった。
成績が思ったよりも悪かったし。仕方ない。
貯金がある事はあるけど、仲間との交際費やスマホ・ゲームもバカにならない。
はぁ~  何だか人生は大変だっ。

僕は母親の伝手で、と言うか、近所のおばさんの紹介でバイトを始めた。
物流関係・運輸関係と言うか、まぁ、要するに運送会社の仕事だ。
中堅の運送会社だと思うんだけど、テレビCMはやってないと思う。
ラジオCMや、新聞の隅っこの方に小さく広告が出てる程度の地味な会社。
コンビニやスーパーも考えたんだけど、時給が全然違うし、
まぁ、考える間もなく紹介されちゃったって事もあって・・・
始めてみたら本当に大変で、運動なんてほとんどした事ないから、
腕や肩はパンパンだし、とにかく腰が痛い。
荷物を何回も落として怒られるし、何だか人生の地獄を見たような気分にもなった。
辞めたいけど紹介だったし、辛いままだったけど時間が過ぎちゃって、
本当に辛いだけだった最初の三日間が過ぎた。
そしたら少しだけ景色も変わって、現場のパートさんや運転手さんとも話すようになって、
少しだけ楽しくなった気がして。

僕の仕事は営業所に届いた荷物の仕分け作業で、これが凄い勢いで・・・
パートのおばちゃんたち、ホント、人間離れしてるって言うか、
僕、おばさんなんて馬鹿にしてたけど、撤回します、凄いです!
自分の母親みたいな人たちと触れ合いながら会話や笑顔も増えて、やっと1週間だった。
その時・・・
突然担当作業の変更を言われて。
「秋山君(僕)、明日からトラックに乗ってもらえる。斉木さんと組んで!」
そう所長から言われてしまった。
“トラックに乗る”と言っても、それは助手席の事で、
僕の役割と言うのはドライバーの運転する2トン車に乗って一緒に営業所を出て、
担当エリアに到着後にドライバーを補佐しながら個別に荷物を届ける仕事。
同じ営業所所属ながら、僕の所属していた内部の仕分けグループとは別のグループで、
“外勤”て呼んでたけど、ドライバーと助手、あとクレーム担当の人が所属している。
朝一とか、昼休憩なんかですれ違うし、少しだけ会話や挨拶はしてたけど、
せっかく一週間かけて作った人脈が消えてなくなる様で少し気持ちもブルーになった。

そう、斉木さん、配送担当者一覧の真ん中近くに名前のある人。
“斉木由紀子”って書かれてる。
ドライバーさんも仕事の事を含め、時々僕たちのところに来て会話はあるんだけど、
斉木さんは・・・
他の男性ドライバーの数人は僕も話した事があるし、いつも冗談なんか言ってて、
いつの間にか名前も覚えてたりする。おばさんたちも賑やかだし、冗談も返すし。
けど、斉木さんはいつも素通りと言うか、感じ悪いわけじゃないんだけど、
静かに微笑む程度で、特に交わろうとしない。おばさんたちも冗談を言わないし。
40前後なのかなぁ・・・
背は低い方だと思うし痩せていて、どうしてドライバーなんだろうって。
それに、他の男性ドライバーたちはポロシャツにタオルを首に掛けてたりするんだけど、
斉木さんはいつだって制服のジャンバーを着ている。
それもしっかりファスナーを上まで上げているし、とても清潔感もある。
斉木さんの体格には少し大きい感じのサイズだけど、動くから顔は汗で光ってる。
なのに、いつでもしっかり制服を着ているから偉いと思った記憶がある。


“斉木さんてどんな人なんですか?”
僕はやっと仲良くなった数人のおばさんたちに聞いて回った。
なぜかどれも返事が似ていて、
「真面目な人だよ、仕事出来るしね。余計なこと言わない、扱かれるぞぉ~(笑)」
よりによって大半が同じ答えだった。
少し不安になった。“厳しいのかなぁ・・・”と。
僕より一週間前に入った主婦のパートさんが前任で、斉木さんと組んだ人。
凄くハキハキしてて、あれだけしっかりしていればすぐに馴染むんだろうなぁ・・・、
そんな雰囲気いっぱいだった人なのに辞めちゃって、そのあとが僕に。
正直、頭の中がいっぱいになって、新しい担当勤務の前日は寝れなかった。
でも、その日も朝が来て、僕は斉木さんとトラックに乗る。

営業所の事務所で業務主任さんに斉木さんを紹介されて、そして担当トラックに向かった。
真新しいトラックも何台かあるんだけど、斉木さんの担当車は少し古いもの。
ドライバーが先に配送分をトラック前に支度しているんだけど、
その荷物の積み上げ・並びが綺麗で、すごく分かり易く分けて整理されていた。
新人の僕用に気遣ってくれたのか、これなら積み込みも分かり易い。
すっごく緊張してたから、何だか積み込みがスムーズに出来て、少し緊張が解れた。
「よろしくね、大変な仕事だと思うけど、サポートするから・・・」
出発してすぐ、営業所から右折して道に出て、最初の信号で停止した時、
僕を見ることなく、前を向いたまま斉木さんは僕に言ってくれた。
でも、なんだろう・・・
表情はないし、まるで僕が存在していない様ではあるんだけど、確かな優しい声だった。
少し、温もりも感じて。
仕事は大変だ。時間との勝負だし、斉木さんも荷物を片手で抱え、絶えず携帯をかける。
僕も指示された荷物を次々にインターホンを鳴らして届けて行く。
恐ろしく忙しいが、忙し過ぎて、あっという間に昼ご飯だ。
でも、僕たち外回りの昼ご飯は勿論、時間通りには行かない。
僕はバイトだから、営業所に下されてそのまま休憩室に向かい食事をするが、
斉木さんは午後便の荷物の支度、出来るところまでの積み込みもやっていた。
斉木さん、いつ食事を済ませたのだろうか・・・
僕がトラックに戻る頃には荷物の再チェックをしている。

1日は2日になり、2日は1週間になる。そして1ヶ月・・・
相変わらず斉木さんに助けられて何とかやっている。それでも僕なりに成長したと。
まわりも、“頑張ってるか?!” “ 辞めんなよっ!!(笑)”
営業所全体で声を掛けてくれて、少し嬉しい。
相変わらず斉木さんは黙々と仕事をしているし、
僕が他の人に声を掛けられていても、軽く微笑む程度で素通りだ。
車の中でも世間話の時間はない。それは、荷物の配送を終えて営業所に戻る時でさえ。
他のバイトさん・パートさんに聞くと、渋滞中や営業所へ戻る時には世間話をするよう。
“嫌われているのかなぁ・・・”  “(僕に)興味がないのかなぁ・・・”
そう思ってしまうし、元々、少し人見知りぎみなところもあるし・・・

珍しい日がやって来た。
長く勤務している人たちは、たまにあるイレギュラーな日も珍しくはないらしい。
トラックの配置やドライバーの重複日など、シフトから外れる仕事が発生する事がある。
僕みたいなバイトは普通、他のドライバーさんのトラックに変更するのが普通らしいけど、
まだまだ仕事が出来ていない僕を配慮してくれたのか、
それとも、本当に斉木さんの仕事の方に手が足りなかったのか、
僕は斉木さんと組んで用品倉庫の4S活動を手伝った。
整理・整頓・清潔? 清掃??  あと何だっけ・・・  
“4S”ってなってて、会社の何とか方針とか貼ってあるし、本部の人も来るらしく、
一番奥の倉庫にある梱包備品・小物棚を中心に、ホコリ臭い場所を片付ける事になった。
暑い日ではないのに、西日も当たっていて部屋の中が暑い。
僕からみれば名目通りに積み上げられている様に見えるが、斉木さんは全部棚から下ろす。
しっかり棚を水拭きし、少し崩れて隙間を持って並んだダンボールも、それが綺麗に並ぶ。
無言で黙々と、“この人は手抜きという物を知らないのか?”、
遥か年上の大先輩だけど、僕の方が心配になるほど斉木さんは一生懸命な人だ。
暑い部屋だし、斉木さんは少し無理な姿勢で脚立に上がって作業している、
横から見える斉木さんの横顔は汗で光り、それは首筋まで滴っている。
いつも通り、大きめのジャンバーは首元までチャックが上がったままだ。

「斉木さん、暑くないんですか?  みんな気軽にラフな格好してるじゃないですか?!」
僕は手先を止め、立ち上がって高い場所で作業している斉木さんに声を掛けた。
3メートル程の場所だし何も仕切る物もない、聞こえているはずだが反応がない。
無言のまま、表情も変えずに作業している・・・
僕は、何かまずい事いってしまったかなぁと不安になって、
手元の作業を再会しながら、少し考え込んだ。
でも、次の瞬間だった、
「私、胸が大きいんだよねっ・・・   ・・・   ・・・ 」
僕は確かにそう聞こえたはずだが、斉木さんはまったく表情を変えず作業のまま。
自分の側が空耳だったのではないかと疑った。
数秒、無言で斉木さんの横顔を見ていた。
「恥ずかしいのよ。人に見られるのが嫌で嫌で。 だから上着を脱がないんだぁ・・・」
前を向いたまま、作業を続けたままだが、少しだけ頬を弛めて、
その口元は確かに動いていた。


そんな特別な1日を経て、いつも通りの作業、いつも通りの斉木さんと運転席にいて、
でも、やはり少し何か変わった気がする。
それまであまりプライベート、特にリアルな話なんて皆無だった斉木さん。
それが突然表情まで添えた仕事にない口調だった先日の倉庫での出来事。
しかもその内容が僕には少し刺激的で・・・
イケないイケないと思っていても、運転する斉木さん、荷物を積み込む斉木さん、
小走り気味で荷物を届ける斉木さん、その胸元を見ている僕がいる。
小柄に見えるし、顔や腕なんかでも、どうみても細身のタイプに見えるし、
それにいつも通り大きめの上着を着ているから、その胸を想像する事なんて無かった。
でも、よくよく見ていると、いや、見続けてしまったので、そんな場面があった。
小走りした時、確かに大きく揺れた気がした。
上着が膨らんでいるし、それに思うよりも全然低い場所に感じたから、
きっと今まで気づかなかっただけなのかもしれない。

少し時間が経ってからだろうか、斉木さんと同僚のドライバーさんで、
他の営業所から応援で来ている40代後半だと思う男性ドライバーから声を掛けられた。
「斉木さん、胸大きいだろ?!」と。
ロッカーで、それも誰もいない時に突然小声で言われたので、何だか・・・
複雑な気持ちだった。
正直、僕の頭の中に“その件”は大きく膨らんでいたし、でも、斉木さんは尊敬する人。
そして僕はパートナーだし。
そんなパートナーの艶めかしい事を突然言われて、それもそんな風に見ている目を知って、
なんだか少し重いものが覆いかかって来るようで・・・
あの男性ドライバーのあの表情、言い方、本当にいやらしかった。
“斉木さんの胸が狙われている”、そんな視線が他にもあるのか?  気になった。

しばらくは平穏な毎日が続いたが、突然、斉木さんが仕事を休んだ。
所長からは朝礼で“風邪で休む”と報告された。
僕は他のドライバーと組んだが、そんな事はどうでもよかった。
もう仕事にも慣れて来ていたし、少し仲の良いドライバーさんだったし。
でも、毎日毎日一緒にいるのが当然のパートナーがいない事、違和感が大きくて・・・
斉木さんの事、少しずつ他のパートさんから聞いていた。
20代の早い時期に結婚していたらしく、20代後半に離婚したらしい事。
子供はいない事。隣町の駅前商店街を奥に入ったところにあるアパートで独り暮らし。
そして・・・   離婚の関係もあって、実家の御両親とも疎遠になっているとか。
心配になった。少しの体調不良で休むような人じゃないし、そばに誰もいない。
僕が具合悪い時、母は面倒なぐらい世話を焼くし、父もすぐ“病院”に行かせる人だ。
斉木さんはどうしているだろう・・・
職場の人たちに住所なんて聞く事もできず、でも、僕はその駅に行っていた。
職場で噂程度に聞いたその場所、確かにアパートがあり郵便受けには“SAIKI”

でも、ふと気が付いた。あてもなく来たので僕は手ぶらで・・・
名前も確認できたので、駅前に戻ってコンビニに入った。
何を買ったらいいだろう・・・  風邪の時。食事? 温かいもの?? 健康ドリンク?
いくつか適当に選びながら、
“もし迷惑がられたらどうしよう” とか、
“誰か男の人がいたらどうしよう” とか・・・
色々と考えていたが、レジのカウンターの上にカゴを置いていた。
いつしかカゴの真ん中ぐらいまで買い込んで。
大きな袋を抱え、僕は再び斉木さんのアパートの前へ。
斉木さんの部屋は“203”、小さいアパートで、2階の一番奥がその部屋のよう。
静かに鉄の階段を上がり、コンクリートの床を奥へ。
途中の“202”の部屋は窓も開き、人の気配も感じる。その前も過ぎた。
“SAIKI”
その古さを感じる茶色の扉、独身でドライバーの給料をもらっているのに、
とても地味な生活にも見える。何も自分の事を話さない斉木さん、どんな生活なのか。

インターホンではない、呼び鈴? ブザーだ。
“キンコーン” 小さくだが、確かに中に響いた。
今になって少し後悔した。具合悪くて寝ているんだから、突然の来客は迷惑だよなぁと。
でも押してしまったし・・・
静かだ。特に返事も、物音も聞こえない。廊下側の窓は閉まっているし、明かりも消えて。
“もしかしたら病院に行っているのかなぁ・・・”
そう考えながらも一度押してしまった呼び鈴、僕はもう一度押そうとした。
“カチャ、、カタンっ”
鍵が開く音、そして茶色い扉は少し開き、薄暗い中が少し見えた。
「えっ?  大樹くん?!」
斉木さんは外の明かりが眩しいのか目を細め、気怠い感じ、
グレーのスエットの上下、そしてボサボサの髪、額には冷却シートを付けている。
「えっっ、 何で? なんでここ知ってるの?! えぇっ!! 恥ずかしいよぉ」
斉木さんは少し慌てて、本当に驚いていた様だった。
「あっ、これ、食べて下さい!  何を買ったらいいのか分からなくて・・・」
僕はコンビニの袋を突き出して、斉木さんに渡して帰ろうとした。
でも、斉木さんは具合悪いと言うのに、僕を中に入れてくれて・・・


女性一人の部屋、それもとっても年上で、普通ならきっと接点もなくて。
「ごめん、寝てたから散らかってて・・・」
そう言いながらテーブルの周りを少し片づけている斉木さん。
いけないと思いながら、僕は不謹慎ながら興味津々、女性一人の部屋を見回してしまった。
さっきまで寝ていたであろうベッド、捲れた上掛け、寝ていた場所にある窪み、
そこに温もりが残っているように見える。
特に荷物が多いとは感じないし、とても整理されている。
意外だったのは、何て言うか・・・
普段はまったく感じさせないのに、女性らしい部屋と言うか・・・
きっと僕が知らないだけで、普通の女性ならもっともっとファニーな感じなのかも。
でも、普段の斉木さんしか知らない僕には、人形・レース、ピンクの小物・・・
まったく見た事の無かった斉木さんをそこに見た気がして。
視界の中に洗濯物が見えた。見てはいけないと思いつつ、でも見てしまう。
濃いブルーの、すごく大きなブラジャーがそこに掛かっている。
あの小さく細いカラダ、斉木さん・・・
改めて、簡単な片づけをしている斉木さんのスエット、その上半身に目が行く。
そう、大きく膨らんでいる。毎日見ている斉木さんじゃない。
こんな姿を見たら、誰だってそこに視線が行ってしまう、そんな感じの・・・
僕は不謹慎だ。見舞いに来てるというのに。
かえって気を使わせ、具合悪い斉木さんに申し訳ない。
その日はお茶を頂いて帰った。すごく丁寧に礼を言ってもらって。


それがあった事もあるのか、距離が縮まった気がする。それも大きく。
運転中のほんの少しの空き時間なんかでも、少し何かを言ってくれる。
僕の方を見てくれる。
仕事を覚えてきたし、手際の良さや仕事ぶり、斉木さんと働くのが楽しくなっていて、
そして、斉木さんを見ている時間も長くなっていた。
正直、あの胸の事もあったし。
自分の部屋に帰っても斉木さんの事を考えている事が多くなった。
机の上に重なっているスクーターのカタログ、壁にある “川原アイミ”の褪せたポスター。
バイトの目的だったスクーター、ずっと気になっていたアイドルたち・・・
今、違うなっ。誰にも言えないし、言わないけど、斉木さんの事が好きだと思う。
人として“好き”という恋愛感情、そしてエッチな事・・・
胸、やっぱり僕は胸を気にしてるんだ。
斉木さんがあんなに真面目な人だから、なんか申し訳なくて・・・


休みの日に部屋に呼ばれた。“先日のお礼に手料理で・・・”と。
僕は色々考えた。
お礼なんて言うほどの事はしてないし、仮にお礼にしたって、
簡単なプレゼントとか、ファミレスで食事ぐらいでいいのに・・・ と。
それなのに部屋に呼んでくれた事、どう考えるべきなのか。
その当日までの数日間、運転する斉木さんの横顔を見ながらその事ばかり考えていた。
でも、素直に、斉木さんの部屋に行ってみたいと思ったし、嬉しいし。
当日、少しだけ綺麗なジーンズと買ったばかりのシャツを選んだ。
普段は酒なんて飲まない僕だけど、ワインを買ってみた。1500円の国産。

綺麗に片付け・掃除されていて、体調が戻って間もないのに、
僕を迎える為にやってくれた様で、何だか申し訳ない気持ちになる。
テーブルの上には手作りの料理が並ぶ。
女性ドライバーとして、作業姿・制服姿のイメージがとても強い斉木さん。
でも、そうだよね、結婚されてたんだよねぇ・・・
その歳の女性として普通なのかもしれない、なのに、
そんなところにある違和感も不思議な感覚で。
セーターを着ている、下はスキニーパンツだ。少しだけメイクも。
今までに見た事のない斉木さんがいて、僕は少し動揺していた。
職場の斉木さんは職場の斉木さん、プライベートはプライベート。
そうだろう、きっとそうで、それが当たり前のはずなんだけど・・・
眩しい。既に大人の女性に大人っぽいとは失礼だけど、とても綺麗で。
それに、斉木さんが一番注意しているはずのカラダの線も見せている。
いや、きっと普通の女性として当たり前で、まったく特別なんかじゃないのに。
この目の前の斉木さんを僕だけに(職場の同僚で)見せてくれた事が嬉しくて・・・
スキニーパンツは似合っている。斉木さんは本当に細くスラッとしてるから。
セーター・・・
“部屋着でごめん”と言っていた。分かる気がする、これを着て外に出ない理由。
本人が言うように、確かに不自然で不格好なのかもしれない。
これだけほっそりとしたカラダに、やや下にあって突き出しているその大きな膨らみ。
これを着て出ない事が当たり前に思える。納得する。
でも、今、斉木さんはその姿で僕の前にいる。


普段は口にする事のない酒、女性と食事の機会すらない僕。
いつもなら作業着で運転しているその女性が今、目の前に・・・
別人のようで、でも斉木さんで・・・
こんなに笑ったっけ?  こんなに話したっけ??
無邪気で、とっても若く見えるし、なんか同級生の女子のような感じさえする。
良い気持ちで。なんて居心地が良いんだろう。
もう間違いない、確かに斉木さんの事が好きだ。
なんで僕を誘ってくれたのだろう、自分の部屋に。
楽しい会話をしながらも、でもずっと薄っすらとそれを考えていた。
「大樹くん、本当に真面目だよねぇ~  仕事頑張ってくれてる。 助かってる。
   いつも頼りになってるよ。 それにね、仕事が楽しくなったんだぁ・・・
   先日は本当にありがとうございました。 下手くそな私の手料理も食べてくれるし。
   昔のダンナとは大違いだなっ。 こんな人だったらもう少しねぇ・・・ 」
斉木さんは片手にグラスを持ち、少し顔を紅め、脚を崩して僕を眺めるように言う。
今度はテーブルに肘を置き、手のひらで頬を押さえてため息をつき、
「好きになるかも・・・  ごめん、いけないねっ。 私、酔ったかなぁ・・・
   こんなおばさんが大学生の真面目な子を相手に何言ってんだろっ。
   酔っぱらいおばさんの戯言、許してね。 寂しいのかなぁ、嬉しかったの!」
僕は女性を知らない。もちろん大人の女性の事なんか全くわからない。
斉木さんはいったい何を言ってるのか、僕はどう答えればいいのか。
僕は斉木さんの事が好きなのに。

少し会話が途絶え、斉木さんは空いた皿を持ってキッチンに立った。
キッチンに立ち、洗い物をしている斉木さんの後姿をずっと見ていた。
次の記憶・・・
僕は後ろから斉木さんに抱き付いていた。
腕を回し、その細いカラダを抱きしめるように。
彼女の黒髪に自分の頬を当て、強く抱きしめた。
「えっ?!  えっ、、いいけど・・・  私はいいけど・・・  でも・・・ 」
彼女は姿勢を変えないまま、振り向く事なく僕に応える。
“受け止めてくれている”と言うか、抱き付いた僕をそのまま感じてくれている様に。
「ねぇ、私41だよ。 それに離婚経験もあるし、ブスだしね。
   大樹くんの様な真面目な男子とこうしているの、いいのかなぁ・・・ 」
水道は流れたまま、でも皿を持った手は止まり、そのままの姿勢で彼女は話す。
「キスしてもいいですか?」  僕は不器用だから聞いてしまって・・・
でも、彼女は大人だから、優しいから・・・
「 (うん) 」
何も言わず、前を向いたまま静かに顔を床におとした。
僕は彼女を振り向かせ、そして向かい合うより早く彼女の唇に自分の唇を合わせて・・・
本当に好きだと思った。
こんなに心が痛い(?)“キュン”とした経験はなく、もうすべてが異次元の様で・・・
「いいよ、待って、これだけ片付ける。 少し緊張しちゃって・・・ 」
そう、物凄く緊張していて気が付かなかったけど、彼女の手も震えている。
僕はテーブルの方に戻った。
少しして彼女が来た。
「えっと・・・  どうしようか・・・  えっ、どうするんだっけ・・・」
いつもは手際が良くて、何でもバリバリ片付けてしまう彼女なのに、
こんなに困っている彼女、頼りない彼女、僕は見た事がない。
彼女は床に座り込み、後ろのクローゼットに持たれかけた。
姿勢がまっすぐになった事もあるが、彼女の胸が強調された。
少し勇気を出した、
「そっちに行ってもいいですか?!」

僕が彼女の横に座って、でも、その彼女の緊張が伝わって・・・
強張った彼女の顔、仕事の時と別人な自信無さげな表情をしている。
僕も緊張しているのに、それでも僕の方が積極的になれた。
横に座って少し、勇気を出して少し、長い時間を経て再度唇を重ねた。
彼女が優しく僕を見つめて、僕は無意識に彼女を床に倒して。
「汚いよっ。 もう垂れてるし・・・  形悪いから・・・ 」
彼女は天井を見たままそう言った。
一部が大きく膨らんだセーターを捲った。ワインレッドの大きなブラジャー、
そしてそれをゆっくりと持ち上げる。
それまでの窮屈な場所から解放されるかのように、それは弾き出る様に広がった。
きっと若い肌じゃない。ハリがあるとか・・・
きっと美しい胸じゃない。淡い色とか・・・
でも僕はその溢れ出た彼女そのものの様な大きな胸に顔を埋めた。
彼女は僕の頭を抱えてくれる。
両手から溢れ出る彼女の胸、柔らかく、僕が必死で触るのが恥ずかしそうで。
彼女は腕で目を隠している。肌からは甘い仄かに漂う良い香りがして・・・


彼女は僕に教えてくれた。何も分かっていない僕に、でも気遣う様に。
遥か年下の性を知らない男性に恥ずかしい思いをさせる事なく、
一つ一つ言葉を、そして手を添えて・・・
誘導してくれて、僕は彼女の腹部に射精して終わった。
恥ずかしそうにしている僕に、
「小さいお風呂だけど、一緒に入ろうか?!  壁が薄いから、静かにね」
そう言って僕が汚した自分の腹部を拭いた後、僕の陰部も拭いてくれて、
彼女は起き上がって風呂の準備に行った。


「少し時間かかるかなっ。 うちのお風呂オンボロだから。 担当車と一緒!」
そんな冗談を言って、そして静かに僕を抱きしめて。
一緒にお風呂に入った。
性体験も勿論、女性と一緒にお風呂に入るなんて初めて。
それも僕の入っている湯船の中に、僕の上に彼女が座ってくれて・・・
「しぃ~!」
彼女の可愛いポーズ、僕たちは静かな声で会話する、そして唇を合わせる。
「あっ!」
僕が彼女のお湯に浮く胸を後ろから掴むと、少し薄目をして声を漏らす。
だから、僕は一層強く掴む、そして強く揉んでしまう・・・
彼女は振り向いて僕に激しいキスをする。水が沢山あふれ、
水面から浮き上がった彼女の胸が露わになる。
強く抱き付くから、僕との間に挟まって、彼女の胸は大きく潰れて・・・
激しいキス、彼女は僕を触ってくれる。
水の中深くに手を潜らせ、その尖った先を包み込むように握って・・・
「あぁぁぁぁ」
僕は恥ずかしくも声を抑えられない。こんな事されるの初めてだし・・・
「ああっ!!  ダメっ、ダメです、、 あっ、 出ちゃいます!」
湯船から立ち上がる前に、水面に出してしまった。
「あっっ、ごめんなさい!」と謝る僕に、
「いいよいいよっ、気にしないで。 逆に嬉しいって言うか・・・  私のせいで・・・」
彼女は少し微笑んで、そして静かに近寄り、僕のモノを口の中に含んでくれて。
経験がなくて、気持ち良いとは聞いていたけど、こんなに凄いなんて。
彼女そのものに包まれている様で、その幸福感は経験した事のないものだった。


僕たちは付き合っている。彼女の指示で職場は勿論、周りに秘密にしているが・・・
僕が彼女の部屋に通う形、そして遠く離れた場所でデートもするけど、
職場では勿論、関係者のいる様なところでは関係を見せない。
少し寂しい僕、でも彼女は、
「今は幸せ、大好き。 でもいつか離れる時がきっと来る。 その時にね、
   大樹がこんなおばさんと付き合ってたなんて思われたくないの。 だから・・・」
そう言って彼女は頑なだ。
ついつい、不意に僕から甘えが出てしまいそうな時、彼女は少しだけ怖い顔をする。
僕はまだまだ子供なんだと自覚する瞬間でもあって・・・
何故だろう・・・  こんなに好きなのに、そして愛してくれているのに。
周りに分かってもいいのに。
由紀ちゃん(そう呼んでいる)は強い。
僕が甘い時間にどっぷりと浸かってしまいそうな時、必ず厳しい表情をする。
そして僕に目を覚まさせる。
少し不安になる時もあるけど、そのくせ、二人の部屋では優しく包んでくれて・・・
もう、分からないよっ!
好きなだけじゃダメなのかなぁ。ずっと一緒にいたいのに。
僕の愛おしい人、斉木由紀子、その人。

職場で“あの”男性ドライバーが由紀ちゃんを見ていると嫌な気持ちになる。
視線が由紀ちゃんの胸元にあれば、メチャクチャむかつく。
ずっとずっと僕は由紀ちゃんの隣に座っていたいから・・・




最後までお読み頂きありがとうございます!
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