「妹、腕の中で就寝中だけど・・・」
この寝顔を見ているといつも胸が重くなるような感じになって・・・
世間的にいけない事をしているから?
最近付き合い始めたばかりの彼女への申し訳ない気持からだろうか。
色々と混じり合ってしまって、その理由なんてはっきりしない。
“片親家族”なんて、今時は珍しくもないし。
お兄ちゃんの事が好きな妹、また、妹の事が好きな兄なんて関係も珍しくはないと思う。
でも・・・
自分でも認めます、僕たちは大きくボーダーラインを越えてしまった事を。
幼少期から僕たち兄弟(兄・妹)は仲が良かったと思います。
妹とは5才年齢が離れていますが、一時的に、そして数回、
少しすれ違うように距離を置いた時期もありましたが、それでも仲の良い兄弟です。
妹が3才の時に父親は家を出て行ってしまっていますから、きっと妹の中の父は・・・
自分ではわかりませんが、もしかすると初めから妹の中では僕の中に父の何かを、
そう、自然な事として探しているのかもしれません。
母親。“”彼女“”は僕たち兄弟の為に頑張ってくれました。
母親の事を“彼女”なんて言うのはおかしな事なのかもしれませんが、
ある意味・・・ それが私と母との距離感なのかもしれません。感謝の対象としての。
僕は両親が不仲になった時期も子供ながら、ずっと横で見ていました。
暴力こそ無かったものの、激しい口喧嘩が毎日のように続いた時期もありましたし、
理的ながら冷酷な父を嫌っていました。
また、その父に向かい合っていた母をもまた嫌ってしまった感じかもしれません。
妹は顔を知らない父・家庭にいない母・子供らしさを無くした僕、
そんな環境の中で育っていたのですから、今でも可哀想に思っています。
まだ1年ぐらいの時間しか過ぎていないはず・・・
彩音(妹)との関係が特別な方向へと進んでしまったのは前の彼女と別れた直後でした。
同じ年のその子とは1年ほど付き合っていて、もう気心も知れて、
僕は勝手に安定期みたいな安心感に包まれていたのですが。
別れの時は突然で一方的で、“こめん、好きな人が出来た・・・”とそれだけ言われ。
予期せぬショックだったし、裏切られる事への特別な想いもあって・・・
妹も彼女とのデートに何回か連れて行った事があったし、彼女も人柄が良くて、
まるで姉妹のように妹を可愛がってくれたんです。
“あんなお姉ちゃん欲しいなぁ~”なんて、僕を喜ばしてくれたりもしました。
だからこそ、僕の落ち込み方を含めて痛みを感じ取ってくれていたのだと思います。
少し荒れていた・・・ おかしくなっていた・・・
なぜそうしたのかも思い出せないのですが、僕は乱暴な振る舞いを妹にしました。
帰宅して自分の部屋に入って着替えていた妹のところに行き、
「彩音、ハダカ見せてよ。お兄ちゃんに見せてよ!」と言うような事を言ったはずです。
一瞬時間が止まった感じになりましたが、妹は意外な行動をしたのです。
何も言わず僕の顔を見る事もなく、静かに制服、そして下着を外しました。
元々妹は童顔ですし背も小さい方で、そして5才下の何も知らない妹・・・
正直、まだ子供のような体だったのですが、でも僕の前で脱いでくれたんです。
肉体だけでなく、男性との事なんて、まだ何も知らないであろう彩音のまま。
落ち込んでいるであろう兄の為に、そこまでの事をしてくれました。
少し恐ろしくなって、僕は彩音をそのまま残して自分の部屋に逃げ込んでしまった。
そんな事があったのに妹は文句なんか言うこともなくて・・・
彩音、ブスとかじゃないんですけどいつも仏頂面なところがあって、
知らない人からは怒っているように見られたり、愛想が良いタイプではありません。
だけど、あまり口数は多くないんだけど、本当は優しくて人想いなんです。
彩音にしてもショックな事だったはずですが、その後も何も言わず、
家族の中で僕との関係も普通にしていてくれました。
それどころか、“大丈夫なの?”と、不器用な、そしてあどけない顔で聞いて来たり・・・
母親は食べさせる為に働いて来ました。今では夜だけの仕事になりましたが、
昔は昼にも3.4時間の仕事を入れていたんです。
夜の仕事って言っても20時過ぎに出掛けて行って翌朝に帰宅する、
食品工場の生産ラインでのパート従業員の仕事をしています。
だから・・・ だからこそ、僕たちに無関心でも仕方ないのだと。
最初の頃は無関心ではなかったのかもしれません。でも、毎日毎日すれ違いだし・・・
朝食ギリギリでのすれ違い、そして夕食後には慌しく出掛けて行ってしまう母。
長い夜は僕と妹二人っきりで過ごすのが当然の生活で育ったのです。
いつだっただろうか・・・ 彩音が僕のベッドに来るようになったのは。
まだ彩音が小さい頃には一緒に寝てやった事はあったのですが、
彩音が進学してからは勿論そんな事はありませんでした。
でも、あの彩音の部屋での事件から数ヶ月経った後だったと思いますが、
彩音の大切なクラスメイトが突然転校になった時に泣いた彩音を抱きしめました。
そして一緒に眠ってやったのです。
でも、僕は男だから・・・
不愛想で子供っぽい彩音だけど、でももう女の子から女性へとどんどん変わって行く時期、
すぐ隣で寝ていれば気になってしまいます。
この時期の5才という年齢差は何とも微妙で・・・
僕が彩音の胸に触れたのが最初だと思います。
少し驚いてはいたけど、でも静かに僕を見つめるんです彩音。そして何も言わない。
僕が彩音の胸を握るように触っても、それでもじっと僕を見つめているだけ。
妹の事が可愛いと、より強く思うようになった分岐点でしょうし、
可愛い → 好き → 愛へと切り替わって行くのが自分で分かるんです。
彩音は表情が不器用だから損していると思いますが、本当に優しくていい子なんです。
胸を広げるようになりました。そして直接触れ、そこに顔を埋めるように。
より強く罪の意識を感じるのは、やはり彩音が童顔で幼く見える体のせいなのでしょう。
でも、一度だって“嫌”とは言わないんです。
まったく高さなんてない彩音の胸。辛うじて周辺の感触・軟らかさで分かるものの、
その白い肌を通り越し、凸部の色さえ透き通るようで、そして小さくて・・・
誰だって、兄弟である事を越えて罪の意識を溢れ出させるに十分でしょう。
少し震えていて、そして自分の肉体を自身で押さえつけているように強張って。
瞳を閉じるようになりました。
そして僕が彩音の胸に顔を埋め、その胸に口をつけるようになった頃、
少しだけ小さな声での反応をするようにもなりました。
でもそれは、まったく性的な反応とかそんなものではなくて、未知なものへの反応。
そんな日々が増えるようになったある日、僕に新しい彼女が出来たんです。
今の彼女なんですが、優等生的で大人な女性です。
綺麗な子だし、もう彩音に紹介もしましたが、彩音も気に入ってくれています。
でも・・・
前の彼女との別れ、そしてその後の彩音との日々、そして新しく始まった恋愛。
僕と彩音の関係が正解の無い不思議な、そして複雑な関係になったのです。
彼女と付き合い始めた頃には、もう彩音は僕に抱き付くようになってくれていました。
正直言うと、もう数回ですが、勢い余ってと言うかキスまでしてしまっていました。
ほんの一瞬の弱いキスで、お互いに驚いて我に戻るように離れたのですが・・・
でも、一度そんな事があればそれはさらに深くなってしまうもので、
お互いにブレーキを掛けながらもアクセルを踏んでしまい、
いや、ブレーキを掛けながらのキスは余計に強く激しくなってしまっていて・・・
キスが激しくなってしまえば強く抱きしめてしまうし、二人は迷路に入って。
彼女とのデートの夜、僕はその余韻で火照っているし、
彩音もまたどこか、いつもよりさらにきつめの表情になってぎこちなく、
口が悪くなったり、どこか拗ねているようになって。
だから互いに反応し・・・
彩音が暗くなった僕の部屋にやって来くるし、僕もまた彩音の部屋に行ってしまう。
僕を見つめて寂しい顔をする彩音が愛おしくて抱きしめてしまう。
不愛想なくせに相手を気遣って、そして優しい言葉を掛ける。
僕が彩音の部屋に行った時、僕は・・・
まだ初体験すらしていない彩音に手でする事をお願いしてしまったんです。
さすがに驚いた顔をして、「えっ!」とだけの反応はありましたが、
彩音はそれでも応じてくれて。
男性のそんなところを見る事もないし、もちろん触った事などないし、
僕と反対側の壁の方を向いて僕に添えられた手に従うようにぎこちなく動かします。
時々僕の反応で彩音もドキっと驚いて手を緩めますが、僕が再び手を添えて。
そんな事を繰り返し、そしてその時が来れば彩音は泣きだしそうな表情で・・・
何も知らない妹にこんな事をさせる兄なんて、最低の兄だと思っています。
彩音が僕の部屋に来る時、少し怒った感じの表情で入ってきます。
「今夜、ベッド・・ いい?!」
僕の顔を見る事もなく抱えて来た枕を僕の枕の横に置き、隣に座ります。
「ヤキモチとかじゃないから!」
そう言って先に布団の奥深くに入り込んで包まり、何も話しません。
でも、布団を少し捲ると横向きのまま、こちらを見ているんです。
静かにじっと見ていて、そして瞳が潤んでいるのがすぐに分かるんです。
まるで不機嫌な小動物、でも愛おしくて抱きしめずにはいられません。
彼女という存在がありながらも、でも、腕の中に入り込む妹が愛おしくて。
そんな風になってしまえば、もうブレーキなんて掛かりませんよね。
妹が初めて言葉にした時でした。
「好きっ!」
とても小さく、僕の顔を見る事なく抱き付いたまま心の悲鳴のようでした。
「ごめん、彩音、 もう我慢できないよぉ~!」
僕は彩音の上に起き上がり、そして彩音のパジャマを全て脱がし上に重なりました。
恐ろしい程に僕たちは一つになっていたと思います。
痛みに苦しんでいるはずの彩音、でも必死で僕に抱き付いてくれて・・・
自分の妹だと分かっていても、本当に好きで、必死でキスをしていました。
彩音の綺麗なお腹の上に射精してしまった愚かな兄。
自分のした事の恐ろしさ・・・ 母親、彼女、世の中??
罪の意識と、でも、それでも僕を必死で見つめてくれている彩音。
何も知らない女の子に生々しい兄の性の全てを晒している事、なんて罪深い事だろう。
年齢差を越えて必死で僕に応えようとして・・・
平日、夜から朝にかけて母親は家にいない。僕たち二人きり。
彼女との甘いデートのひと時を終えて帰れば、そこに彩音がいる。
ほんの数ヶ月単位、そんなスピードで恐ろしく綺麗になって行く彩音。
大人っぽくなったし色っぽくなった。
彼女とのデートを終えたばかりだと言うのに、キッチンに立つ彩音、食事中の彩音、
いちいち気になって仕方ない。
綺麗なんだ、女として。自分の妹がどんどん魅力的になって行く姿が怖い。
正直、今の彩音は彼女の存在のように僕の横に並んでいる。
さっきまでのデートよりも遥かに濃密で熱い時間がそこから始まる。
彼女以上に妹と言う彼女の方が強力になってしまって。
僕たちには制約が無い。時間・場所、朝までずっと二人でいるのだから。
一緒に食事をして一緒に片付けをし、そして一緒に風呂に入り同じベッドへ。
彼女どころか夫婦のような濃密さもある。いや、その前に家族・兄弟なんだけど・・・
怖くてたまらない。関係性が強くて当然の位置にいるのに、さらに好きでたまらない。
家族として兄弟として十分過ぎるほど大切だと言うのに、愛おしくて愛おしくて。
自分の片想い・一方通行ならばまだ外への興味でやり過ごす事も出来るが、
彩音が僕を大切にしてくれる事、深い愛を放ち続けてくれる事、だから止まらない。
このままでは結婚できないかもしれない。
彩音がこのままずっと家族で、そして妹で、そして・・・
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