「ハーフ・ハーフ」
窓から校庭を眺めいている。
もう夏休みが目の前に来ているけど、僕が“宙に浮いた気持ち”でいるのは、
夏休みを前にしているからでも、好きな女の子の事を考えているからでもない。
この春まで中学生だった僕の、春休みに起きた特別な経験・・・
体験なのだろうか、その事が頭から離れないからだった。
もうすぐ高1の夏休みに入ろうとしているが、僕には勿論彼女などいない。
付き合った事もないし、勿論経験もない・・・
ない・・・
中学の卒業式を直前に迎えていた時、その話はやって来た。
母親から、「ねぇ、早紀がお前に来て欲しいって言ってるんだけど?」
そんな聞かれ方だったと思う。
早紀ちゃんは僕のおばさんなのだが、でもお姉さんな人。要は、とても若い。
うちの母親は姉妹の中で一番上なのに対し、早紀ちゃんはずっと離れた妹なのだ。
僕の母親より遥に年下。
僕の子供の頃から田舎に行けば、早紀ちゃんは僕の事を可愛がってくれた。
勿論僕も大好きだった。
僕が最後にうちの母親の実家である田舎に行ったのは小学校の4年と時だったと思う。
早紀ちゃんが大学を卒業した頃だった。
僕の母が東京に来たように、早紀ちゃんも東京に来るはずだったが、
おばあちゃんはずっと体が悪かったし、元気だったおじいちゃんが先に死んでしまった。
おばあちゃんもそれから何年も経たないうちに亡くなって、早紀ちゃん1人になった。
早紀ちゃんは地元で就職して働いていたが、最近になって独立する事を決めた。
自宅を改装して、アクセサリーの店を始めるとの事だった。
その店の準備の為、短期間でも男手が欲しい様だ。
春休みだし、特別予定の無い僕には断る理由など無かった。
もう久しぶりの母の実家だし、前に早紀ちゃんが旅行でこっちに来た事があったが、
それももう3年以上前だと思う。確か僕が行ってそんなに経っていなかったから。
一応僕も高校生になろうとしていたし、少し照れくさい。
でも早紀ちゃんに会いたい気持ちもあったので、田舎に行くのが待ち遠しかった。
それでも春は早く、すぐに卒業式・春休みが来て、1人新幹線に乗り母の田舎に向かった。
新幹線ホームに向かいに来てくれていた。
久しぶりに会った早紀ちゃん。何だか照れくさくて、顔を見るのも話すのも緊張した。
もうすぐ高校生になるというのに、僕に対しては小さい頃と同じ様に接した。
駅で一緒にご飯を食べていても、早紀ちゃんの運転する助手席にいても、
早紀ちゃんの顔を見て話すのが出来ずにいた。
前のイメージよりも大人になった感じと少しふっくらした感じに見えた。
うちの家族はみんな痩せているし、昔の早紀ちゃんは化粧なんかも感じなかった。
“早紀ちゃん”という言葉さえ、まだ発する事が出来ていなかったぐらいだ。
だんだんと駅から離れると、やはり田舎に来た感じがする。
覚えている道も多く、懐かしさもあった。
家に着くと、店になる部分で建築業者の人たちが作業していた。
早紀ちゃんはその性格からなのか、近所の人たちにも人気があったし、
業者の人たちも知り合いの様で、何だか賑やかだった。
僕が使う部屋に荷物を置き、家の中を回ってみた。懐かしい・・・
おじいちゃん・おばあちゃんの仏壇にお線香をあげた。
「何やるの?」と聞くと、「今日はまだいいよ」と笑った。
「下の部屋にあった物を片づけたり処分したいし、箱に詰めてもらったり・・・」
と、早紀ちゃんは色々考えていた。
夕方には作業していた人たちも帰り、家の中は静かになった。
早紀ちゃんは夕食の支度をしていた。
遠くから早紀ちゃんを見ていると、早紀ちゃんが変わったのか僕が変わったのか、
“何が変わった”とは言えないのだが、でも景色が違う・・・
夕食が豪華だった。
お客さんとして迎えてくれたのか、食欲があっても食べきれないぐらい出た。
食べ過ぎた食事が終わり、リビングで寛いでいると、
後片付けを終えた早紀ちゃんがやって来て、「お風呂入れるね」と言った。
その言葉を聞いて、初めて、この広い家に早紀ちゃんと二人きりでいる事、
そして、改めて思えば、高校にあがる前の男子と、28歳の早紀ちゃんが二人きり・・・
その瞬間から、昼間に一度消えた緊張がまたやって来た。
今度の方が、何だか胸のもっと奥から来るような緊張感だった。
少しすると、
「沸いたよ! 先に入って。タオル置いとくからぁ~」と風呂場の方から聞こえた。
リビングに来た早紀ちゃんとすれ違う様に、僕は風呂場に行った。
着替えは昼間に置いていたし、僕は服を脱いで下着を洗濯機に入れるか迷っていた。
そして洗濯機の中を覗くと、早紀ちゃんの下着が置かれていた。
ベージュのブラジャーとパンティ・・・
僕はその瞬間、体が何かに支配されたかの様になり、その場に固まってしまった。
大きなブラジャーを見て、さっき食事の支度をしていた早紀ちゃんを思い出していた。
景色が違って見えた理由・・・
早紀ちゃんの胸に目が行っていたのだと気が付いた。
僕は血液がドクドクと音を立てるような音を感じて、心臓もドキドキしている。
洗濯機の底に手を伸ばしていた。
大きなブラジャーを手にとってしまった。
既に全て脱いでいたので、僕の下半身は状況が変わっている。
早紀ちゃんのブラジャーの匂いを嗅いだ。
汗の匂いと、その中に香る甘く優しい大人の匂い・・・
その時突然扉が開いた!
全裸で勃起し、早紀ちゃんの下着を嗅いでいた瞬間をもろに見られてしまった。
早紀ちゃんは「キャっ!」と少し声を上げ、すぐに扉を閉めた。
僕はどうにもならない気持ちで風呂に入った。
風呂から上がるのが嫌だった。
時間が長い事に気を使ってくれたのか、
「いきなり開けてごめんね!」と扉の外から言ってくれた。
涙が出そうだった。
その声で、何とか風呂から上がり、リビングに向かった。
早紀ちゃんはテレビを観ていた。
「私入ってくるね」と、僕とすれ違いで風呂に入った。
その日は眠れない夜だった。
そして次の朝も、早紀ちゃんは普通に接してくれたが、僕が上手く出来ない。
でも、救いの神か、色々な用事や来客などがあり、
何とか今日も夕方を迎える事が出来た。
今日も食事の後に、僕が先に風呂に入った。
僕はテレビを観ていたが、テレビの横に置かれている屑籠がミラー缶で、
こちらから見えないはずの脱衣所が見えていた・・・
早紀ちゃんが服を脱いでいる。
僕は昨日も気遣ってくれた早紀ちゃんへの裏切りのような気がして、
時々無理にテレビを観ようとするが、映像が入って来ない。
やがて着替えが終わった早紀ちゃんがバスルームに入る音がした。
またあの鼓動が・・・
僕の血液を支配する。
僕は操られたかのように、静かに脱衣所の扉の前に導かれてしまった。
洗い場の音がしている。
曇りガラスから早紀ちゃんの姿が見える。
横に向いた時、その膨らんだ乳房が僕の中に突き刺さった。
あくる日、用事があると出掛けた早紀ちゃんの留守に、僕は洗濯物の横に立っていた。
早紀ちゃんのブラジャーを外し、香りを嗅いでいた。
“あの匂い”は無く洗剤の香りだったが、それでも興奮してオナニーしてしまった。
今日も夕方、そして夜が来る・・・
もう、あの興奮から逃れられない。
今日も早紀ちゃんが後から入り、上がって洗濯をしようとしていた。
すると近所のおばさんがやって来て、話し込んでいた。
僕は脱衣所に・・・
“この香り”
全てを支配するこの香りが僕の全てを狂わせる。
「だめ。」
小さい声が聞こえて驚いた。
早紀ちゃんが後ろに立っていた。
「ごめんなさい!」と言い、僕は跪いた。そして涙まで流してしまった。
早紀ちゃんは、「いいよ、泣かないで!」と優しく言ってくれた。
僕は電気を消した後も、布団に包まって泣いていた。
「いい?」
突然布団が捲られ、早紀ちゃんは横に入って来た。
「いいっ。そのまま。そのままでいて」、そう言った。
隣に寄り添う様に寝てくれて、
「気にしなくていいよ。男の子だもんね。私が呼んだんだし・・・」
「苦しい思いさせちゃってごめんね」「悪い事しちゃったね・・・」
そう言って、僕を子供の様に抱きしめてくれた。
僕の顔は早紀ちゃんの胸の中に包まれた。
ブラジャーをしていない様で、とても柔らかい。そして温かい。
そして・・・
“あの匂い”に包まれた。
僕は顔を埋めながら、大きい早紀ちゃんの胸を横から触っていた。
早紀ちゃんはパジャマのボタンを開けてくれて、直接包んでくれた。
“暗闇の中の天国”
こんなに安心出来て柔らかくて温かい。早紀ちゃんが大好きだ。
僕が勃起している事に勿論早紀ちゃんは気付いていたのだと思う。
早紀ちゃんは耳元で、
「そのままにしててね!」と、僕を仰向けにし、
早紀ちゃんは置き上がって、布団を大きく被った。
次の瞬間、布団の中から籠った声で、「腰上げてくれる?!」と聞こえ、
パジャマのズボンとパンツを一緒に下された・・・
そして、
今まで経験した事のない、生温かい物に包まれた・・・
思わず声を上げてしまったが、早紀ちゃんからの言葉はない。
僕は何も分からないまま、すぐに射精してしまった。
少ししてから、布団から出て来た早紀ちゃんが口を拭いているのが分かり、
今、口でされたんだと分かった。
早紀ちゃんは僕を抱きしめながら、「二人だけの内緒だよっ」とだけ言い、
すぐに布団から出て自分の布団へと行ってしまった。
全てが暗闇で、夢のような・・・
この明るい朝に普通に笑ってお早うの挨拶をする早紀ちゃんは、ゆうべ・・・
分からない。
夢だったのかもしれない。それはその日だけだったから。
そしてあっと言う間に別れの時が来てしまった・・・
窓から校庭を眺めている。
夢だったかもしれない。
現実なら・・・
どちらだろう?
こんな想いはいつまで続くのだろう・・・
この作品の続編が出来ました ⇒ 「ハーフ・ハーフ ~ 再会 ~」
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