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「“通りすがり”という悪魔たち」





「おいっ!  あの・・・」
「あぁ・・・」
「・・・  そうだなぁ・・・」
3人、顔を見合わせた。余計な事を言わなくても考えは一致したのだろう。
良からぬ考えが・・・



シーズンには行楽地へ向かう車が抜け道として稀に入り込む。
文明の最先端・カーナビはとても便利なものだが、時として、
直線やカーブを寸法で表さないような、そんな村道みたいな道には不向きのようだ。
目の前、その先は一気に幅員が狭まり、彼らの乗る大型ワゴン車では車幅いっぱいの道。
左側は山の斜面をコンクリートで固めた絶壁、そして右側は道沿いに高い木が立ち並ぶ。
辛うじて木々の切れ間に車2.3台が停められるような場所を見つけた彼ら、
そこで一呼吸、Uターン、または検討するタイミングをとろうとしていた。
車は停止後に右後ろのそのスペースへとバックで入り込んだ。
その僅かな空き地の後方も少し背の高い雑草が垣根のようになっているが、
リアガラス、そしてバックミラーに少し離れた場所で座って農作業している人が見えた。
「あの人に聞いてみようぜ!」
スライドドア、そしてドライバーも降り、結局3人で道を尋ねに向かった。

「あの・・・  すみません!」
頭に白いタオルを被り座り込んで雑草を抜いているお婆さんだろうか、
彼らは声を掛けた。
「はっ?!」
振り向いた女性の顔を見て、彼らはドキっとした。
お婆さんとは失礼、スッピンであろうがまだまだ中年前に見える女性だった。
それも・・・
彼らが一同に受けた感覚、その違和感には本人たちが気付いていなくても、
きっとしっかりした理由があったはず。そう、ちゃんと理由を持っていた。
高木佐枝子。
昭和の時期、特にバブル期にドラマで活躍した女優で、今も時々画面で見掛けるその人。
結婚して仕事をセーブし、家族での郊外の生活を選んだ事は知られていた。
当時の恋愛ドラマではクールなOL役などが多く、少し尖った美人だった女優。
間違いない、全員がスッピンでもドキっとしたその理由、それ以外にない。
高木佐枝子に違いない。
こんな何もない、まったく特別でない場所で彼らは高木佐枝子に出会った。
顔を見合わせるのも当然だろう。彼女もまた、そんな光景に慣れているだろうが・・・

道を尋ねれば気さくで、あの当時のクール美人がどこへやら、温かい笑顔。
そして家族の中にいる顔、母親の顔、自然の中に身を委ねているような顔をしている。
笑顔からこぼれる白い歯はとても健康的だし、汗で光る顔・首元、
もう女優時代の彼女は感じられない。
しかし・・・  そのきっかけを作ったであろう、凡人にない造りのレベルが高い顔。
もう年を重ね、シミ・シワも誤魔化す事なく見せていると言うのに、
顔のパーツの一つ一つがどれも美しいままだ。完璧なままと言うべきか。
深い黒のしっかり見開いた目、無駄な肉付きのないシャープな輪郭の美しい鼻、
歯並びの良さは勿論、絶妙な大きさ・形の口。
唇は細く気品溢れていて、ノンリップでも光沢に左右されないミルキーで静かな光沢。
一見、その服装も含めて畑の中にいる普通の農婦とどこも変わりない。
なのに顔を見上げたなら、スッピンでさえ一瞬で別世界に引き込むオーラが彼女にはある。
きっと彼らは感動したはずだ。
むしろあの頃画面で見ていた彼女よりもその声は生き生きとしてみずみずしいし、
何より今は“笑顔が最高の美人”になっている。

現在地、そして旧国道を抜けての目的地までのルートを彼女から聞き出し、
彼らは彼女の作業する場所から自分たちの停めた車の方に帰りかけていた。
でも、彼らはもう一度静かに顔を見合わせる。そしてまだ作業を続けている彼女を見る。
畑の中で下を向き黙々と作業している高木佐枝子がそこにいる。
周辺は一面畑だが、この区画だけが彼女の持ち物なのか少し孤立した感じで、
道路とは高い木で遮られ、そして周りの畑とは背の高くなった雑草で仕切られている。
それに、見える範囲ではまったく人は見えないし、その気配は微塵もない。
そんな時にあなたならどんな事を考えるだろうか?
彼らが考えた先、それはそれほど珍しい事ではないだろう。実行するかは別として。
だって、こんな自然の中に一人で、それもただただ地面に集中している高木佐枝子。
街中でもなかなか出会う事はないだろうし、
話すこと・笑顔を見ることもないはずだった高木佐枝子がここに一人。


彼女が目の前の靴に気付いて、しゃがんで地面を見ていた顔を上げた時には・・・
自分の周りを3人の男たちが囲んで、ちょうど正三角形を作るような形で立っていた。
彼女が彼らの顔を見上げた時、そこにあった彼らの顔は道案内した時とは別物だった。
正面の男は感情を無くしたような顔をしている。右後ろの男は少しニヤついている。
左後ろの男・・・  獲物を捕らえようとしている顔だ。
彼女は“まずい!”と反射的に動物的感が働いたのだろう、すぐに立ち上がろうとしたが、
前にいた男に突き飛ばされてしまった。畑の上に倒され、
必死で自分の体に触れようとする男たちの手を振り払おうとするが・・・
最初に首に巻き付けていたタオルを抜き取られ、それで猿轡をされそうになる。
それを外そうとしたところで腕を掴まれてしまい、続いて足を押さえられた。
今度はその腕・脚を再び引き離そうとするが、そこで猿轡を許してしまった。
結局腕を後ろに回された状態で、男は自分がしていたベルトを利用して彼女の腕を固定。
片足ずつ個々人に押さえられて、彼女は強い日差しの中、畑の上に横にされた。

「高木佐枝子・・・  いい女だなぁ。おばちゃんになってもすっげぇ美人だよ」
「こいつ、女優の時には脱がない事で有名だったよな?!」
「そうだっ!  そうそう、ベッドシーンなんかも子供だましみたいのばっかりだった」
「早くハダカ見ようぜ!」
「あぁ!」
男たちに押さえつけられている佐枝子は赤いボーダーシャツ・ジーンズ、そして、
バブル時代のブラウン管で見せたバブリーなOLのスーツ姿を打ち消す・・・
足先は土で汚れた長靴姿。それも飾り気のない、使い込んだ黒い男性用の長靴。
テレビが畑に、バブルが時を経て現代になれば、あの女優も変わった。
“高木佐枝子”が雑草生い茂る畑の上で頑なに見せなかったハダカを披露する事になる。
彼女に馬乗りになった男はわざと見せつけるように、
ボタンを弾き飛ばして彼女のシャツを広げた。
いかにもありきたりの主婦がつける、ベージュのブラジャーがそこに。
男は勢い・醍醐味を味わっているのか、そのブラジャーも引き千切ってそれを畑に飛ばす。
ブラジャーが引っ張られた時に若干形を変えたが、基本的には小ぶりな胸だ。
とても美しい胸とは言えないが、年齢のわりに先端の色が薄く、
二人の子供を育てた母親の胸としては保存状態のいい物だろう。

太陽の下、少し日焼けしている顔から首元とは違う真っ白な彼女の胸、
それを男たちは立場の格差など関係ないように粗雑に扱っている。
小ぶりながらその胸も、左右それぞれを違う男が形を変えるように握りしめて揉む。
彼女はタオルで猿轡をされたまま男たちを睨むが、もう鍵は開けられてしまった。
仕事の場で求められても応じなかったハダカを簡単に彼らに剥き出しにされて。
凄い勢いで長靴が外され、それもまた畑の後方へ飛んで行く。
青空に映える白いソックスも土埃にまみれた。
あっという間にジーンズのボタン・ファスナーも開かれれば、
そこにはベージョのガードルが現れる。これも普通の、そこに女優はない。
ただ・・・  胸元もそうだが、日焼けの無い場所は太腿も本当に綺麗で、
そのキメの細かい肌、それは、その部分は特に一般人とは違うものだった。
ガードル、そして同色のショーツ、抵抗したところで惨めな物。
世間で知られた顔・高木佐枝子が畑の雑草の上で全裸にされた。
太陽は燦燦と彼女の隠されていた肌に照り付けている。
きっと不自然な照明の光の中でなく、彼女のハダカは自然光の中で晒される事を、
この瞬間を待ち望んでいたのかもしれない。
しかし・・・  些かその恩恵に預かれる人間の数に疑問もあるが・・・

頭の上に両腕を持ち上げられるように押さえつけられ、次々に彼女の上に男たちは乗る。
小ぶりな胸をしっかりと鷲掴みし、彼女の全身が激しく上下する程に強く突き上げる。
一人が彼女の頭の上側で彼女の腕を押さえ、そして一人が遠慮なく突き上げている・・・
もう一人?!
当たり前かもしれない、お相手が有名人なら尚更こうなる事も当たり前だ。
スマホが彼女の顔・胸・陰部、撮り続けている。
やめればいいのに、猿轡をされたまま、そのレンズを睨んで・・・
表情が良過ぎる。きっとレイプシーンのある映画にでも出ていたのなら、
もっと早く、若い肌の状態で最高の裸を見せていただろうに。
でも、今、畑の中、こんなところで犯されている彼女のこのカラダも悪くない。
人生経験(結婚・出産)を経て年を重ねた、ハダカを大切にして来た彼女の、
こんな眩しい程の太陽降り注ぐ自然の下で晒すこと、これも“当たり役”だ。
せっかく在り付いた大物、彼らはしつこく何回も彼女をまわした。
そして疲れ果てた彼女、もう逆らう事もしなくなった彼女を起き上がらせ、
彼女に口仕事をさせ、そしてまたそのシーンをスマホの中に取り込む。


眩しい光の中、彼女は全裸で畑の中にずっと横たわっていた。まるで天日消毒でも・・・
全身で自然を感じているのかもしれない。あの頃になかった自然を。




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