「電話の罠」
若い人には・・・
昔は公衆電話が重宝された。ナンバーディスプレイなど無かった。
DVDはビデオ(VHSとか)だった。
エッチなビデオは街の小さな古本屋などで買った。
そうそう、テレフォンSEXやイタズラ電話も流行った・・・
私も勿論、まだ若かった。まだ20代半ばだったか・・・
隣町の静かな駅前にある、小さな古本屋に時々行った。
まだ大型のリサイクルショップは今の様には多く無い時代の事。
店の入り口には古いゲーム機などが置かれ、店内には古書、
そして中古CDやファミコン。アイドル写真集などがあり、その奥には・・・
“暖簾”を潜り抜けると、そこがアダルトコーナー。
勿論並ぶのはエロビデオだが、いちいちチェックしないのか、
中には普通にダビングしただけのようなビデオテープや、
後期の“偽装もの”でない、画質は悪いが本当の裏テープなどが混じっている事も。
まぁ、そんな時代だった。
その店は規模も小さく特別な品揃えでも無いので、稀にしか使わない。
つまり、私は常連ではない。
その店には昼間しか行った事がないが基本、その店の奥さんらしき人物が店番だった。
現在では小さな店でもアダルトコーナーに“専用レジ”があるが、当時は違う。
アダルトコーナーで選んだビデオは暖簾を出て、中央のレジで会計する方式だった。
アダルト以外でも、古本やCDを買っても、いつも無表情で特別な愛想もない、
そのレジの人妻らしき女が気になっていた。
そしてその日も。
冬前後だったか、横にストーブを置いたレジの横に立ち、
黒縁のメガネにさえない黒髪、そして茶色のセーターに黒いスカート。
ストッキングは厚手の黒いものだったと思う。
私は奥のアダルトコーナーで長く品定めした後の、血が上った状態だった。
表情も変えずに淡々とレジを打ち、袋詰めをするその女の胸元を見ていた。
特別大きいわけではないが、セーターとは形が露わになるもの。
そのブラのデザインすらこちらに伝わって来る・・・
会計も終わり、商品とレシートを受け取って外に出た。
頭の中に今の女の余韻が残っている。
ポケットにレシートを入れようと思った時、レシートに電話番号が見えた。
私に火がついた。
直後では分かりやすい。まだ日中だったし、数時間時間を置いた。
しかし夕方になり子供たちで店が混雑しては電話に時間は割けない。
そんな事を考え、私は夕方前の時間にレシートの番号に電話をした・・・
「○○書店です!」
女性が電話に出た。あの女だと思う。
私は、「あのぉ~、探しているビデオがあるんですが・・・」と言い、
「人妻物で、なんて言ったか、“何とかユキ”という女優さんだったと・・・」
そう続けた。
「ちょっと分からないんですけど」と彼女は答えたが、私はさらに、
「随分大昔なんですけど、アダルトコーナーの右奥の一番上の棚にあったと・・・」と、
彼女に探させる方に仕向けた。もちろん、そんな商品はない。
2.3分経って電話口に戻って来た彼女は、
「すみません、見つからないんですけど・・・」と私に言った。
その時は、「あっ、そうですか」とそれで終わりにした。
味をしめた。
アダルトコーナーなど無関心の様に店内中央に無表情で過ごす人妻・・・
エロい会話をさせ、アダルト作品の中にさ迷う女を想像した。
それはやみつきになる。
「レイプものなんですけど・・・」「熟女がSM調教される・・・」等々、
次々に品物を探させた。
日にちを置いて、数回やっただろうか・・・
そろそろ相手もそれに気付いて来た。私の声になのか、“同じような質問”にか。
「あのー、在庫の質問にはお答えできないんですけど・・・」と、
ついに彼女は言った。
私は、「奥さん、エロい体してるね」とぶつけてみた。
「はぁ?!」と冷静に答え、「御用がないんでしたら、失礼します」と言った。
私は「あなたが大好きなSMモノ探してよ!」と言った。
「そんなもの好きじゃありません!」と彼女は答えた。
「じゃぁ、あなたの好きなものでいいよ。あなたの体が濡れそうなもので」と私。
電話は切れた。
少し時間を置いて掛け直した。
「はい、○○書店です」と彼女。
「スケベな人妻店員が店でオナニーするビデオありませんか?」、私はそう言った。
「いい加減にして下さい!」と言い、電話は切れた。
また時間を置き、
「はい、○○書店です」と先程より遥に小さい声で彼女は出た。
私は切られては意味がないので、そこで彼女を責めた。
「あんた、エロい体してエロビデオ売って儲けてんだから、少し還元しろよ!」
「あんなビデオ売ってんだから、そんな目で見られたって文句ねぇだろ!」
「買って行く男たちがマスかいてるとこ、想像してんだろ!」と捲し立てた。
女は静かになり、「どうすれば良いんですか?」と細々とした声を出す。
私は少し“しめたっ!”と思った。
「今、どんなパンティ穿いてんだよ?! 何色だか教えろ!」と私が言うと、
「・・・」
「何色か教えろよ!!」と繰り返すと小さな声で「ベージュです」と答えた。
私は「パンティの中に指入れてみろよ!」というと、女は少し声を荒げ、
「そんな事できません!」と答えた。
そのうちに客が店内に入る音が聞こえ、女は小さい声で、
「もうお客さんが来たんで・・・」と電話を切った。
私が次に掛けると、電話には主人であろう人物が出るようになった。
私はそのまま切る。数日間、それが何回か続いた。
しばらく電話はやめた。
数か月置いて店に行ってみたが、レジは主人であろう人物がやっていた。
それでも、もうそこでは終われないのだが・・・
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