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「夏の記憶。(洋上の暗闇に・・・)」




中年にもなると“夏”とは、ただ暑いだけの季節になる。
そんな中年オヤジにさえ、一人残らず“若い頃”はあった。
変わりない毎日とは違い、今も忘れられない記憶・・・

最初に。
ネットやDVDが乱立する現代とは違い、あの頃は雑誌とエロビデオぐらい。
今の基準で考えてしまえば、本当に“ウブ”としか思えないが、
何も余計な事が無い方が、それはそれで記憶に残るもの。
最高に腹を空かした状態で出された“おにぎり”なのかもしれない。


20代前半だったと思う。
あの頃はバブルだったし、転職が楽な時代で、転職は一つのスタイルだった。
私も例に漏れず、前の会社の待遇に不満があり、次を決めずに退職した。
今では笑えるほど、まぁ、若かったと言うこと。
また、辞めようと考えた時期と重なって、“北海道旅行”にも憧れていた。
ディーゼルの4WDワゴンも買ったばかりだったし、そこに気持ちもあった。
退職が6月末だった事もあり、7月に向かう初夏の北海道は最高のシーズン。
あの頃は恐ろしく無茶で、当日の昼に旅行ガイドを見ていて、夜には出掛けていた。
南関東の私は、北関東から乗船できる太平洋側を進むフェリーを選択。
出港は午前0時なので、スケジュール的にも何の問題も無かった。

早めにフェリーターミナルに到着し、乗船も順調。
出港の直後には館内放送で“大浴場の利用開始”が放送されたので、
タオル1枚、すぐに入浴に向かった。
夜のフェリー。しかも風呂に入っている。さらに、湯船のお湯が揺れている・・・
何とも不思議だ。
そんな船旅の醍醐味を味わい、風呂から上がってロビーを通ると、
まだ、少し賑わいがあった。
自分は2等寝台(二段ベッド)の下側の場所に戻り、荷物の仕分けをした。
小間物の整理に時間を要し、結果的に1時間ぐらい経っていたかもしれない。
全くスケジュールを立てていない事もあり、地図・ガイドとメモを持って、
明るく、書き物の出来るロビーに向かった。

この頃になると、時間帯もあり、入浴から終わった人や、眠れない一部を除き、
館内を動く人はとても少なくなって来る。
夜風を味わいたいと思い、扉を開けデッキに出ると、暗い。
進行方向左手の遠くには、もう東北の沿岸なのか、ほんの少しの明かりが見える。
エンジンの振動とディーゼルの臭い。白波を立てながら暗闇を進んでいる。
気温も丁度よく、最高の夜風を楽しんだ後、目的のスケジュール作業の為ロビーへ。
缶ビールを買って、静かになったテーブル席に座り、地図・ガイドを開いた。

20分ほどしてか、風呂上りと思われる若い女性二人が缶ビールを買いに来た。
斜め向かいのテーブルに座り、「どこ行く?」「一日で走れるかなぁ~」と聞こえた。
そのうち、私の地図が視界に入ったのだろう、
「あの~、地図、一緒に見せて頂いて良いですか?」と声を掛けて来た。
ビールを飲みながら旅行話が盛り上がった。


彼女たちは私の一つ年上のようで、学年で言えば1年先輩と言うこと。
年齢が分かると、彼女たちの緊張感もなくなり、気楽に話してくれた。

二人はバイクで北海道を回る計画のようで、何も決めていない私と違い、
短い期間での強行なスケジュールらしかった。二人は高校時代の同級生。
“アミ”と呼ばれている女の子は、染めた感じの茶色で綺麗にパーマがかかった感じ。
細めで、上品で端正な顔立ちの人。美容師だと言っていた。
“チエ”と呼ばれている女の子は、ストレートのショートカットで、自然な茶色。
外国人的な濃い美人で、口調や話の見極めもとてもボーイッシュ。洋服の販売員。
二人はバイク好きの様で、アミはCBR、チエはVFRだと言っていた。


「そろそろ寝ようよ」、そうクールなチエはアミに言った。
「そうだね、もうこんな時間かぁ~」、アミはそう答え、挨拶して寝台へ向かった。
少しもスケジュール作業の進んでいなかった私は1人、計画作りに没頭した。
1時間は過ぎていたと思う・・・
そろそろ次のビールに行くかを考えていた頃、アミがロビーにやって来た。
「眠くならないんだよねぇ・・・」
私は笑いながら、「まぁ、そうかもしれない」と答えた。
アミは私の書き終わったメモを見たり、地図を眺めたりしていた。
少しして何気に、「外の景色って見られないのかなぁ」と呟いた。
「外に出れるけど、暗いし、今の時間は東北の田舎沿岸だと思うから暗いよ」そう答えた。

「えぇっ、でも、見れるなら見てみたいなぁ、夜の海」そう言う彼女に答え、
彼女を外の空気と風景が味わえるデッキに案内した。テーブルもそのままに。
乗船直後はそこそこに外の景色を眺めようとデッキで出て来る人もいたが、
この時間は誰もいない。遠くの微かな街の光と、デッキ側も船内から漏れる明かりだけ。
風が気持ち良いのか、入口から奥へ奥へ進む彼女。
「暗いから危ないって!」「あんまり奥へ行かない方が良いよっ!」と私は言った。
「心配性だね」と彼女は笑った。
彼女は大きな箱、救命具か何かの箱の上に腰を下ろしたが、その瞬間、
「キャっ!」と悲鳴を上げた。
前日の雨か、それとも夜露か、その箱はびしょ濡れだったのだから・・・

「大丈夫?」と近くに行くと、「大丈夫じゃないよぉ~」と怒りながら言った。
私がハンカチを差し出すと、「ちょっと待って、びしょ濡れだから絞りたい!」そう言い、
「掴まってて良い?」と私の肩に片手を置きながら、彼女はジーンズを脱ぎ始めた・・・
「うわぁぁ~、パンティまで・・・」と呆れながら完全に脱ぎ、
ジーンズを絞り始めた。
先程触れなかったが、彼女たちは風呂上り。まだ乾いていない髪と香りを残し、
薄手の無地の白いTシャツでロビーに来たのだった。
既に時間が経ち、髪は乾いているとは思うが、近づけば髪の甘い香りに冷静さは・・・
細めの体系のアミだったが、白いTシャツからは完全に下着が見えていた。
今、彼女はTシャツとパンティだけの姿で私の前に、近くに立っている。
これで冷静でいられる男がいるだろうか。まして、まだ20代前半のあの頃の私・・・


濡れたジーンズなど、簡単に絞れるはずもない。
彼女は諦めて、その濡れたジーンズを再び穿こうとした。しかし、濡れて重くなり、
さらには引っ掛かりやすくなったジーンズに片足を入れた瞬間、私の方によろけた。
私は抱きしめた。もう限界だった・・・
「キャッ、やめて!」
彼女は声を上げたが、「君が悪いんじゃん!」と数度繰り返した私に、
自分の否を認めたのか、やがて諦めたようで、大人しくなった。

穿きかけのジーンズは床にずり落ち、
既にTシャツとパンティだけの彼女に後ろから抱きつき、Tシャツの上から胸を揉んだ。
すぐにTシャツの下から手を入れ、そしてブラジャーのフックを外す。

暗闇に白く浮き出るTシャツとパンティだけのアミ。
元々細めの彼女なのに、そのスラリと伸びた長い足は綺麗過ぎる。
彼女の胸。
手の中に収まる少し小ぶりな胸だが、その感触は最高で、肌の感触と共に興奮は最高潮。
キスさえする余裕も無く、そんな事を考える余裕すらなく、
彼女のパンティを下し、慌てて自分のジーンズを下す事にてこずりながらも、
必死になって手すりに掴まった彼女に後ろから挿入した。

胸の大きいような女性ばかりに憧れていたが、そんな事など完全に忘れたかの様に、
彼女のその、抱きしめた感じが最高なスレンダーな体と、収まりが良く感触の良い胸、
そして、綺麗過ぎる足と肌に、ただただ何のテクニックすらなく激しく突いた。
彼女も、後半には少しだけ声を上げていたと思う。
私より経験が多いのだろう、私がイク事が近いと感じ取った彼女は、
「お願いっ、中に出さないで!」と顔を下に落としながら私に言った。
「、、解った」と彼女に答えて間もなく、私は彼女の外に出した。



今に思えば色々出来ただろうに・・・
後悔ばかり。
あの頃は携帯なんて無かったし、女性経験も少なく、結果として何も出来なった。
そのまま別れてしまい、下船すら別々で顔を合わせる事さえ無かったのだから・・・
それでも、何も知らなかったから、そしてあの環境だったから、あの場所だったから。
旅先でアルコールも入り、少しの恋愛、少しの女性の体しか知らず、
暗闇のデッキで自分の知らなかった魅力のスレンダーに魅了され・・・

今になって最高の瞬間だと思えるのも知らない・見えないがゆえだったのだろう。
逆に、今ならきっと手際は良いが、味わいなど少ないのだと思う。
私の夏の記憶・・・





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テーマ : 18禁・H小説(オリジナル作品)
ジャンル : アダルト

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