「消せない女」
“どうしても忘れられない”
いくつかの出会いと別れの中で、そのままになってしまった褪せる事の無い記憶。
高校生で初めて異性と交際し初体験をし、そして遊んでいた大学時代。
今社会人3年目を迎える俺は、溝に落ちている。
日々の仕事に慣れ、いくつかの恋愛も通り過ぎ、逆に自分を見失ってしまった。
俺は行儀良い社会人だと自分でも思っている。
仕事に対して・人間に対して、いつでも優しく丁寧だった。
そんな“収まりの良い自分”に限界を感じているのかもしれない・・・
何かを壊さなければ“新しい何か”は訪れない。
壊す対象として浮かんで来るのが“自分”という事だろう。
仕事に関しては随所で今までのやり方を選ばない俺が現れて来ていた。
しかし恋愛に関しては変わっていない気がする。
去年終わった恋愛を含めても、いつでも自分のペースで恋愛を誘導して来た。
相手が替わったところで、顔・スタイル・性格が違えど、それでも一緒だ。
ある意味、“こちらの言いなりになる女”に飽きているのかもしれない。
そんな時だった・・・
突然、深夜2時過ぎに電話が鳴った。
もう忘れかけていた記憶。大学時代の少しだけホロ苦い記憶。
仕事や恋愛環境のルーティーンの中で、どこかに紛れてしまっていたモノ。
その声を聞いただけで、体の中が熱くなる記憶。
俺が大学時代に夏の海で友人と一緒にナンパした一つ年上の女。
プライドが高く、人を馬鹿にしていて・・・
それでいて、最高のキスをする。俺の頬を包み、抱きしめたりした。
俺が胸を触り服を捲ろうとするとかわし、ジーンズに手を入れようとするとまたかわす。
でも、熱いキスで包み込んで来る女・・・
その後に一回だけ会った時にも、それと同じようにかわされた。
服の上から触らせ、熱いキスに躊躇いがないのに、その先には行かせない。
その当時、その女には少し離れた年上の彼氏がいた事は一緒にナンパした女に聞いていた。
それでも、俺の誘いを断らずに俺を自分から抱きしめたり、
体を自由に触らせるその女に、俺は不思議な魅力を感じていたと思う。
前回の電話もそうだった・・・
本当に忘れていた頃、何ら関係する事が無いタイミングで電話を掛けて来る。
そして俺など特に興味がない様に、でも、強い女の弱さを匂わせる。
特別美人でなく、そして器用にも見えないその女。
友人から水商売をやっているとは聞いていたが、体の小さく地味なその女には、
店内ではしゃぐ姿など想像出来なかった。
きっと静かでいやらしい中年男性を相手にしているのだろう・・・
それでも、俺は女の誘いから逃れられない。
仕事を終えた後なのだろう、
普通のサラリーマン相手に深夜2時過ぎに平気で電話をよこし、
これから出て来いと誘う・・・
俺はその強気の女に逆らって見せた。
“そっちが俺のところに来い!”
俺はそう女に言った。
女の住む場所は俺の実家の近くで、深夜でも高速をとばして1時間以上かかる。
俺は女が諦めると思っていた。
でも、その結果は違った。
女とはインター近くの街道沿いにあるコンビニで待ち合わせた。
「もうすぐインター!」
その電話を女から受け取って俺はそれから出発したが、俺の方が早く到着した。
久しぶりに会ったその女・・・
昔のイメージよりも短くカットされた黒髪のせいか、若く見えた。
柄物とは言え、けっして派手ではないTシャツとシンプルなロングスカート。
化粧も地味で、“水商売の女”の匂いは薄かった。
“久しぶりに持ち出した”と言うそのクルマはその昔に見覚えのあるクルマだった。
ホコリが被っていて、確かに普段は使われていない事が分かった。
女は、
「このクルマ洗車したいんだよねぇ・・・」、そう俺に言った。
その女らしい。俺の事とか、まったく久しぶりである事とか関係ない。
自由な振る舞いをする。きっと悪意も無いのかもしれない。
俺は近くにある24時間営業のコイン洗車場に彼女を誘導した。
時間はもう4時になろうとしていた。
二人はそれぞれに黙々と自分のクルマを掃除していた。
俺のクルマは綺麗だったが、ある意味、それは女への抵抗なのかもしれない。
ここまで来て、そして久しぶりに会ってもそんな事を言う女・・・
それでも女は知っているのだろう。俺の弱さを。
俺はとっくに掃除を終え、女を見ていた。
車内からフロントガラスを真剣に拭いている。
“この女は何しに遥々こんなところまで来たんだ?!”
これが俺の正直な心の叫びだ。
誰もいないコイン洗車場で黙々と互いにクルマを掃除するだけ。
俺は女の体を見ていた。
会社の事、恋愛の事、最近の事・・・
そして女との過去の出来事。
ドアを開けないまま、窓から入り込みフロントガラスを拭いていた女にキスをした。
キスを受けた。
でも、次のキスをしようとすると「ごめん、今拭いてるから・・・」とかわす。
俺は強引にキスをする。
「やめてぇ!」
女はキスを止める。
俺は女が座っていた助手席のシートのリクライニングを倒し、
女を押さえ込んだ。
「何してんのよぉ~」「やめてよぉ!」
抵抗する女の両腕を掴んで上に持ち上げ、そしてキスをした。
女はそれでも抵抗を続けた。
俺は「こんな時間に呼び出しておいて、お前、何様だ!」
俺が大きな声を上げると、女は急に小さくなり抵抗をやめた。
キスを続けながら女のTシャツを捲った。そしてブラも持ち上げた。
今まで見た事の無かった裸を初めて俺に見せた瞬間だった。
小ぶりながら綺麗な胸が露わになり、
服の上からの感触しか知らなかった俺の記憶は更新された。
ショートカットの女の髪をかき上げながら、俺は激しいキスをした。
女はジーンズの中で大きくなっていた俺のペニスを触って来た。
昔もそれと同じ瞬間があった・・・
今は女が裸を見せているが。
スカートを捲り上げる。
清潔感さえ感じる淡い色のシンプルなパンティが見える。
いつも強気に見えて、水商売を選んだり“悪い女”のイメージが先行するが、
俺の中では“そうでない女”をいつもどこかに感じてしまう・・・
俺は抱きしめた。
女は優しくされると抵抗を始める。
ならばと、今度は激しくパンティを剥ぎ取った。
女はそうされる方が楽なよう。どうしても不思議な女。
俺は一気にジーンズとトランクスを下し、女の中に入れた。
「ううぅぅ・・・」
少し大きめの声で反応した女。
ずっと抱く事なく、俺など相手にしなかった女を明け方近い洗車場の車の中で抱く・・・
俺は激しく興奮していて、小さいそのクルマは激しく揺れた。
女も冷めて動揺しないイメージを壊す様に、洗車場に響くぐらいの声を上げた。
そして俺は女の腹の上に出し、女の上に倒れ込んでキスをした。
女は今まで見た事のない様な優しい視線で俺にキスを返す。
二人が洗車場を出たのは5時前だった。
そんな事があっても、それから連絡はない・・・
まぁ、そんな女だし、俺もそうなのかもしれない。
でも、どうしても俺の中で特別な位置にいて、そして忘れる事の出来ない女。
女は行き場を無くした時、思い出した様に俺に掛けて来るのかもしれない。
俺などそれほど意味のないところにあるのだろうが、それでもいい。
あの女が見せる可愛い部分が見られる存在ならば。
でも、もう二人が交わる事はないのかもしれない。
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