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「過ぎてなお魅力あるもの」





「母さん、少し痩せた方がいいよ。本当、健康に良くないよ・・・」
「美津子、お前がソファーで寝そべってると、まるで鯔(トド)だぞ・・・」
息子・夫から矢継ぎ早に飛んでくる言葉は愛情半分・冷やかし半分。
自分でも分かっていながら、それでも、
そんな言葉を突き付けられて気分が良いはずもない。
30代半ばの息子・還暦過ぎの夫に言われてしまっている美津子ももう58。
“女なんかとっくに諦めている”と周りにも自分にも言ってはいるが・・・



そう、何回も何回も家族から言われていた事だ。もっと真剣に聞くべきだった。
家族の心配は体調を気にしての気遣いだったはずだが・・・



現在は身長160センチ手前ながら70キロ超えのそのカラダ。
でも、そう、夫と出逢った頃・息子を授かった頃には9号のワンピースも楽々だった。
それから10年経ち20年経ち、そして30年、彼女はいつの間にか年輪を重ね、
50キロ無かった体重は家族の歴史の様に積み上がってしまって。
元々目鼻立ちのはっきりした濃い系の彼女の顔・大きな瞳、それもやや細く見せる。
まぁ、それほどに顔にも肉を付けてしまっていると言うこと。
それでも、“どんなに肥えても美人は美人、いい女はいい女”と言うが、
今でも少しだけその片鱗は残している。
だから厄介なんだ。まだ息子が未婚の為に孫こそいないが、もうそんな年齢。
一般的に女性として扱われないのが当然の年齢でもある。その体型からも。
しかし、元々の素材、そして変化した体型を否定的に捉える人間ばかりでもない。
だから厄介なんだ。

いくら何でも自分の現在の体型ぐらいは分かっている、鏡は嘘をつかない。
美津子だってもう自分の体型が露わになる様な服は着ないし、人前に出ない。
だけど、今回は意図せずにその・・・


「母さん、上尾のオジサン、別荘行けなくなったんだって。代わりに行けってさ」
その言葉が美津子の運命を変えて行く事になる。
遠く離れたその場所。クルマで4時間近くかかるその場所。
周辺が別荘地なわけでなく、数件の別荘が点在するだけの寂しい場所。
そして景色が良いわけでなく、海からも少し離れ、まぁ、緑は多いのだが・・・
もちろん美津子の家族も過去に数回利用させてもらった事はあるのだが、
義理のお兄さんとの折り合いの悪い美津子は同席を嫌っていて、
今までの利用は本家が利用しないオフシーズンばかりだった。
地元の人しか知らない“秘密海岸”は夏シーズンには最高なのだが、
今までは海水浴のシーズンになど行った事がない。綺麗なプライベートビーチなのに。
今回、そんなトップシーズンに初めて利用する。
そして、自分の息子がまだ小さい頃に行って以来の海水浴という事にもなる。

「水着あったかなぁ・・・」
「(その前に、昔の水着が入るのか心配しろよ!) (夫)」
「母さん、何十年前の水着探してんの?? (息子)」
「恥ずかしいなぁ、水着なんているかなぁ・・・」
「(あんな寂しい場所に海水浴に来る奴がいるか!) (夫)」
「せっかくプライベートビーチみたいなとこ行くんだからさぁ・・・ (息子)」
「はぁ~ ・・・」

美津子のため息。それは押入れ深くにひっそりと忘れられていた水着を見つけた瞬間。
暗い押入れの衣裳用木箱、その一番下の方に潰れる様に挟まり隠れていたそれ。
当時の燦燦と輝く太陽の下、夫との眩しい想い出の中で真っ赤に輝くものだったが・・・
薄嫌い照明の中に現れたそれは、色褪せくすみ、その生地も弛んでいるよう。
何より、その小ささに驚いた。そして時代ゆえなのか、水着のカットが激しい。
交際・結婚、そして息子が生まれた時代。そう、紛れもなくその時代の刺激的なもの。
目鼻立ちのはっきりした、まだスリムだった若い頃の美津子には似合いだったそれ。
真っ赤な無地のワンピース水着は縦に細く、それはとてもスポーティにも見える。
しかし勿論“競泳用水着”などではなく、その時代のトレンドそのもので、
太腿から上の激しいカットは“ハイレグ”という言葉が賑わっていたその時代の象徴。
それから見れば抑えめではあるが、それでも胸下まで鋭角にカットされた胸元といい、
今の時代にこれを着たなら、下手なビキニよりもよっぽどセクシーな事は言うまでもない。

水着の前に座り込み、窓から差し込んでいた光がとっくに薄れてしまった頃、
美津子はやっと重い腰を上げた。
「(まぁいっか。上と下に何か着れば問題ないね・・・)」
彼女が次にその水着に触れたのは、月日が流れ、もう当日の事だった。
“”試着“”すらしなかった事は悔やまれる・・・


心配だった台風は大きく進路を外し、彼女たちの向かった地域は晴天に恵まれていた。
夏休み前半に悪天候が続き、人々は夏の日差しに飢えている様に日差しを求める。
高速道路・国道、後半になれば人手が減るはずの時期だと言うのに今年は違う。
4.5年ぶりの別荘と言う事もあるし、彼女も含め、家族一同はそれなりに上機嫌。
「久しぶりだね。塗り替えたんだ(外壁)。なんか良くなったね」
美津子は別荘を見上げながら、そして左から右へとゆっくりと眺めていた。
そんなのんびりした美津子をよそに、夫と息子は少しせっかちに、
「おい、早く荷物片付けて海にいくぞ! もたもたすんなよ!!(夫)」
「夕方は局所的に天気が崩れるかもって言ってたから、早く行こうよ! (息子)」
意識が別荘から離れない彼女と、もう既に意識が海に行っている夫・息子とは、
お互いの見ている景色が違うのだろう。

夫も息子も、還暦・中年のコンビながら、海を前にしては少年の様に浮足立っている。
さっさと自分たちの荷物を置き、着替え、
「先行ってるからな! 後から戸締りしてすぐ来いよ!!」
そう言って二人は先に出て行った。
“はぁ・・・”
子供の様な男たちの身勝手さにため息をつきながら、美津子も支度を始める。
バッグの中から水着を取り出した美津子は再びため息をついた。
今度はもっと深く大きいため息だ。
“あぁ・・・ やっちゃった・・・”(何年も自分の体型に無頓着だった事)
“まいったなぁ・・・”(小さい水着を先日以来、見て見ぬふりをしていた事)

美津子は洋ダンスの前で着替えを始めた。手に持った水着はまるで子供用に見える。
自分にも確かにこれを着ていた時代、これが似合った時代があったはずなのに・・・
半ば諦めて着替えを始めた美津子だったが、その体型と水着の落差を埋めたのは、
意外にも水着の側だった。ハリのある素材でボディにフィットしていたイメージだが、
大きく時間が流れたせいか、生地が柔らかくなり、思いのほか上手く伸びる。
太くなった太腿を力ずくで通し、大きく膨らんだ腹部を入れ込む様に、これも通った。
ここまで上げて気が付いたのだが、自分が思っていた以上に胸元の低い位置まで、
深く鋭くカットが入り込んでいた。
“あの時代(スリムだった時代)”には特別に見えなかった大きなカットの胸元も、
今、窮屈に押し込むようになったその胸元の違和感には、自身、恥ずかしさが囲む。
あまりに気になって、美津子は鏡の前に向かうのだが・・・
“ショック”という言葉が正しいのだろうか、
自分の体型は自覚しているし、この水着が大胆な事も理解している。
なのに、それでもその外に出る様な何かが覆ってくる。

確かに入った。肩紐まで完全に通し確かに入った。ただ・・・
事前に一応処理したはずだった陰部も、嫌らしい程に肉が溢れ出していて、
剃毛をしたばかりの部分までが外に溢れ出して、自身で卑猥に感じる程。
そして見上げて行けば、段差が付いて膨れ上がった腹部、さらに上に視線を移せば、
元々はスレンダーな女性の胸元を強調するニュアンスであろうそのカットが、
もう大きく蓋を開け、V字は変形して、もろに胸元全体を曝け出す感じになっていた。
自身がドキっとするほどのシルエットがそこにある。
そして何より、鏡に近づかなければ気が付かないで済むそれが一番大きかった・・・
褪せたその赤い水着はくすんだ生地を一杯に伸ばし、体形は勿論、
その肌の質感まで伝わって来そうな全貌を見せている。
あの時代の若く引き締まった体、そしてすっきりしたスポーティに見えた水着。
それが今、大きく膨れ上がり弛み、はち切れんばかりとなっている水着。
美津子はため息のままレースの夏用スカートとTシャツを纏い、家族を追った。


いつもなら人や車とすれ違う事の少ない場所だが、今日は違う。
まぁ、元々オフシーズンにばかり来ていたのだから印象も片寄ったものなのだろうが。
海までのジャリ道、その横には草むらに飛び出す様に数台の車が停まっている。
水着を着た若いカップルともすれ違った。
今年は悪天候が続いて、今になってやっと夏らしい日々がやって来た事、そして、
最近ではネット等で、今までは知られていなかった場所もみんなが探し当ててしまう。
地元の人間だけが知っていたスポットも、もう一瞬で廃墟にされる事もあるぐらいだ。
大きなTシャツと涼しげなレースのロングスカート、そして麦わら帽子とサングラス、
肩かけのバックを持って颯爽と夫・息子の先行した海に向かう美津子。

海の景色は変わらない。
どんな目的の人間がそれぞれの欲望で入れ替わっても、海の景色は変わらないものだ。
ただ、ゴミは増え、スマホの代わりにマナーを無くした若者は溢れているが・・・
泥酔して大声ではしゃぐ者、公衆の目も憚らず、人前で堂々とキスを交わす者。
公の場だと言うのに、目のやり場に困るような水着を着て男性の前に立つ女性。
美津子は夫と息子のいる砂浜に辿り着くまでに、そんな時代の変貌ぶりを思っていた。
そう、既に自分が下に着けている水着の頃の自分はここにいないのだから。


“地元の人間だけが知るビーチ”も今はもう、若者たちが顔を出すようになった。
とは言え穴場中の穴場、数台の車が停まっているだけの、そう、
まだまだ数組のカップルがハメを外しているに過ぎない場所。
夫と息子は既に海に入っている。イチャつくカップルは砂浜で戯れ、水辺には行かない。
美津子は夫たちに一番近い砂浜にバッグを下し、そこに座ろうとした。
すると夫と息子がこちらに向かって何かを叫んでいる。
最初は内容が分からなかったが、耳を傾けた仕草をした美津子に大きな声が返った。
「気持ちいいよぉ~!! 早く来なよ! (息子)」
「早く来いよぉ~! (夫)」
もう数十年ぶりに見る光景、忘れていた美津子にも懐かしさがあり、
自分の中に久しぶりに温かいものが湧き上がる様な感触が恥ずかしく眩しくもあり・・・
夫と息子は何度も繰り返す。美津子は諦め半分に了解し、麦わら帽子とサングラスを置く。
そして・・・
Tシャツ、レースの風が吹き抜けそうなロングスカートとサンダルを置く。

大きくはない砂浜だが、数組のカップルしかいない。
そんなカップルたちも水辺からは大きく離れ、それに、彼らは会話に夢中だ。
美津子は夫・息子の待つ数十メートル先に向かう。ここは途中まで遠浅の海。
“冷たっ!!”
自身数十年ぶり、もうとっくに忘れていた遠い想い出に、昔の自分が溢れ出して来る。
「冷たいよぉ~  そんな沖まで行かなくったって・・・」
遠浅ながら水の綺麗な、少し冷たい水がこのビーチの透明度を担保している。
美津子の火照ったカラダをひんやりさせ、寄せる波が少しずつ水着を変色させる。
カラダが水に包まれて行く、何とも言えない心地を感じていた。
「よく入ったな。ずいぶん無理したか?!」と夫が美津子の耳元に囁くと、
「??? 何?」と美津子が返す。
「水着だよ水着! 絶対入らないと思ったよ・・・(笑) (夫)」
「失礼ねぇ! 楽に入ったわよぉ!!」と子供のいない所では昔に戻ったようだった。
「あの頃は結構いい女だったんだけどなぁ・・・ 同じ水着とは思えんな。
  それスケベ過ぎるだろ?! ムチムチだしスケスケだぞっ。いやらしっ (夫)」

夫に言われて腹を立てる美津子だが、改めて自分の体を見れば一目瞭然。
水の中に目をやれば、陰部が仄かに透けて見えるよう。
そして、波が引き胸元が露わになれば、やはりその形がくっきりしている。
“生地のせい??”
年数を経た事、そして大きく最大にまで引き伸ばされたその事もあるだろう。
でも元々、それはその水着のサイズにあった体型の人用のものだ。
例えば胸元にも陰部にも薄い簡易用のパッドは入っているけれど、それは適用が前提。
オシャレにフィットさせるそのセクシーラインを強調させる水着は、今は用途外だ。
元々薄い布地のパッドは、さらに中からも引き出され・押し出され・・・
適用すれば問題のないはずの水着も、今は生地とパッドを合わせても無力な状態。
「見ないでよぉ~」
美津子は夫に対して怒るが、激しく水の中をさ迷う度、美津子の胸は大きく揺れる。
もうとっくに女として見られていなかった自分に向けられた、夫からの久々の視線。
皮肉にもこの水着に引き出された。


「喉乾いたなぁ~  何持って来た?  (夫)」
「えっ?! (美津子)」
「お前忘れたのか?! 飲み物ぐらい忘れるなよぉ~!! 
   俺、運転で疲れてるんだからなっ。お前が取って来いよな!  (夫)」
運転を任せた夫、そして美津子は息子に甘い。彼には頼まない。
「仕方ないなぁ・・・」
そう言って砂浜に上がろうとしたが、久々の海で疲れていたのか、
美津子は濡れた砂の上から乾いた砂へと上がろうとする段差で躓き、そこに倒れ込んだ。
「あっ!! あぁ・・・ やっちゃった・・・」
首、そして片側の頬までを砂で汚し、その場で叩き汚れを軽く落としたが、
Tシャツ・スカートを泥だらけにする事を躊躇い、5分ほどの場所、
美津子はそのまま別荘に飲み物を取りに行った。

炎天下、あっと言う間に美津子の肌・水着に付いた砂は乾き茶色に浮立った。
「これじゃ家にも入れない・・・」
美津子はそう言って庭に回り、水道をひねって園芸用に取り付けたシャワーホースを使い、
顔まで砂で汚した事もあり、日差しの中、頭から豪快にシャワーを浴びていた。
パンパンに膨れた水着を豪快に揺らして水しぶきを飛ばして・・・
実はすでに数分前からそこには複数の視線があったのだ。
ネットで調べて海水浴にワゴン車でやって来た数人の男たちが停めたばかり。
その降りた場所、その視界に広がっていたのが美津子のシャワー姿だった。
ジリジリと照り付ける太陽、激しく飛び散る水しぶき。
そしてゆらゆらと揺れる水着に押し込まれた肉体。
遠目に見ても、単色のシンプルのはずの水着がとても立体的なコントラストで映っている。
水着が透けている事は誰にでも分かる。
“あのおばさん、誘ってるんじゃねぇ??”
彼らがそう思うのも無理もない。美津子にしてみればプライベートビーチで自分の庭。
でも彼らにしてみれば、“公の場で自ら晒している女”なのだから・・・


「あの・・・  すみません、トイレ貸してもらえませんか?」
男たちは近づいた。この夏、何度も海に行ったであろう日焼けした4人の男たち。
美津子は「ちょっと待って」とシャワーを止め、玄関の方に男たちを誘導した。
聞いて来た男に、「そこを右に曲がって左奥の突き当たりね」と美津子が言うと、
「俺もいいですか?」ともう一人の男も続いた。
会話は続く、
「ごめんね、私ビショビショで、タオルも海に置いて来ちゃったから案内出来なくて。
   主人も息子も海に行っちゃってるから、誰も頼めないのよ」(美津子)
「あっ、こちらこそすみません、いきなりトイレお借りしちゃって・・・
   ご主人も息子さんも先に海に行かれてるんですか・・・  それは・・・ 」(男)
でも、至近距離、目の前に濡れた水着の女性が立っていれば視線はそこに行く。
それも冗談かと思わせる程に不釣り合いなサイズを引き伸ばし、そして中を透けさせ、
そんな姿で男の前に立つ事がどれだけ無防備な事なのか、早く気付くべきだったが・・・
美津子も可哀想かもしれない。だって、もう遥か昔に忘れていた“警戒心”なのだから。


トイレに行ったはずの男たちは静かだ。美津子は玄関から廊下の奥を見つめる。
そんな美津子の後姿を舐め回すように残りの男たちの視線。
大きく膨らんだピップ、そこからは水滴が滴っている。
こんな場面で、その一滴一滴がどんな内容に変換されているのか、彼女は知らない。
その体型・肌・口調、彼女が自分の親たちの年齢と変わりない事は簡単に分かるはず。
しかしその男たちの目の前に曝け出されている肉体は豊満を強調して。
濡れたその張りつめた水着がどれだけその豊満な肉体を強調しているのか。
そこには“年齢”という許容範囲を跳ね除け、体型の価値を逆転させるに十分な力がある。


「えっ! (美津子は振り向く) 何するの!!」
突然後ろから、自分の尻が握られれば誰でも驚くに決まっている。
そしてそれが性的な目的での行為だと理解するのは簡単な事だろう。
でも、そんな順をおって考える前に、美津子は抱き付かれ、
そしてもう一人の男がドアを閉めていた。
薄い布切れ一枚だけで覆われた豊満な肉体がそこにある。御親切に濡れて中まで透けて。
露骨な程に激しく胸を鷲掴みされ、尻も力の加減なく掴んで来る男たち。
自分が性的目的の為に辱められる事が確定し、それを自分に言い聞かせる瞬間だ。
美津子は形のまま、もろに胸を掴まれて見せびらかす様に辱められ、
もう一人の男は、わずかな幅しかない陰部の生地からはみ出した肉盛を掴み上げる。

「おいおいっ、もう始めちゃってるの? お前ら気が早いなぁ。
家の中をしっかり確認してからやらねぇと・・・  まぁ、誰もいねぇけど」
廊下奥から帰って来た男たちも玄関に合流した。
「すっげぇな。肉が溢れちゃってるじゃない。おばさん、よくこんな水着着れるな」
「やってって事じゃない?! そうでしょ?!! これだけ見せつけちゃってさぁ」
「エロ過ぎるなぁ。こっちが恥ずかしいよ。こんなムニュムニュさせちゃって」
美津子は弾き飛ばされながら、男たちに次々揉まれ・掴まれた。
「おいっ、羽交い絞めにしろよ!」
美津子は押さえ込まれ、そして玄関の上に押さえ込んだ男が仰向けに倒れた。
男の上に載った状態で押さえ込まれたまま、他の男たちは美津子の脚を各々掴み広げる。
「はみ出してるよぉ~ おばさん! 性器まで見えちゃってるじゃない」
そう、美津子はもうずっとした事が無かった剃毛した陰部どころか、性器まではみ出して。
必死で男の羽交い絞めを振りほどこうと左右に体を揺らすが、それはどうにもならない。
むしろ大きく膨らんだ乳房を左右に大きく振って男たちを刺激するだけだ。
案の定、美津子の胸は鷲掴みされ弄ばれるだけなのだから。

重量のあるその体を左右に大きく振れば、下敷きになっている男も辛い。
それを見ていた横にいた男は、美津子の腹部ど真ん中に強くパンチを入れた。
水着を感じない、そのまま肉体そのものが発する鈍い音を玄関に響かせて・・・
美津子はぐったりとなり、完全に下にいる男に身を委ね頭を落とした。
「最初から大人しくしてればいいんだよ・・・」
下から羽交い絞めにして押さえていた男のブロックが外れ、
上にいた男は美津子の肩に手をかけ、きつい生地を力ずくで引っ張って胸を出した。
“溢れ出た様に”とか、いや、“開放された様に溢れ出た”が正解かもしれない。
窮屈な水着の中に納まっていた大きな乳房は、そこにいた男たちを魅了するに十分だ。
この年齢の御夫人に“きれいな乳房”なんて表現はないだろう。
でも、普段自分が相手をする事のないリアリティがそこにあるのもまた事実。
“大人そのものの女”が今、乳房を曝け出し、半分水着を捲られたまま横たわって・・・
下半身に目をやれば、黒くかすんだ陰部のその中、
大きく広げられているせいで奥に密かに隠れているピンクまでが見えている。

「俺やりてぇ・・・  この女の中に出してみてぇよぉ・・・」
一番後ろに静かに立っていた男がポツリと言葉を漏らした。
まだ若いその男がそんな感情になるのも無理のない場面なのだろう。
今、美津子は最高のメインディッシュになれる。彼女は今の女なのだ。
「いいよ、お前からやれよ。 でも、中は勘弁な! みんな済んでからならいいけど」
その言葉が終わって数秒、後ろにいた男は一歩前に出て、そしてベルトを外す。
「うぅぅっっ ・・・」
一瞬の気怠い小さな声の後、我に返った美津子は激しく暴れ抵抗し、
「やめてっ! お願いだからやめて!!」と叫んだが、再び腹部を叩かれた。
今度は入り方が悪かったのか痛み苦しむように涙を流し、諦めの声で泣き声をあげた。
再び羽交い絞めにされたせいもあるのか、柔らかい乳房が再び協調され、
下半身の水着を残したまま、陰部だけを拡げられて突かれ続けた。
横にいる男が悪戯をする。乳房を他の男に回し、複数の指を美津子の口の中に押し込む。
それを激しく掻き回し、嫌がって大きく声を漏らすが、いつの間にかヨダレが溢れていた。
何歳でも、どんな体型でも、場合によっては容姿に限らず・・・
そう、女は物凄いエロスをそこに生み出したりする。
今、美津子はそれかもしれない。男たちに強いインパクトを与えている。

一人目が終わった時には、まだ美津子は泣いていた。すすり泣いていた。
美津子の下に潜り込んでいた男がはずれ、美津子は床の上で押さえつけられて続けられる。
相変わらず下半身に水着をつけたままだったが、それを脱がすどころか、
「俺、水着姿のが興奮するぜ!  さっきのシャワー、エロかったもんな」
そう言って、再びキツキツの水着を戻して、その大きな乳房も中に押し込んだ。
V字にカットされた胸元に手を押し込んで乳房を弄ったり、強引に中をこじ開けたり・・・
美津子は弄ばれながら次第に体力を無くして行き、もう抵抗する事も出来なくなり、
そう、“されるがまま”、男たちが揺さぶるまま、自分の体の肉すべてで受け止めていた。
二人目の男は美津子の口の中に押し込み出した。そして強引に掃除させた。
今度は再び水着を脱がされる、それも今度は初めて全裸にされる。
胸元の曝け出した肉には比べようもない、腹部・臀部の肉も溢れ出した。
「おいっ! 車からサンオイルもって来いよ。これには似合うぞ!!」
全裸にされた美津子は全身にサンオイルを塗られ、溢れ出る肉を波打たせて男たちに従う。
その頃にはもうそこまでされ、抵抗どころか、自ら口でする事も受け入れていた。
口でしている傍から後ろから胸を揉まれ、そして後ろから挿入され・・・
獣の様な男たちに奴隷のような扱いで体を弄ばれた時間は長く感じられた。


結果的には30分程度の時間だったはずだが、美津子には無限に長い時間だっただろう。
玄関で全裸のままサンオイルまみれにされ、そこに投げ出されたまま。
最後には最初の男が“約束通り”と中に出してフィニッシュした。
他の男たちが方々に飛ばした体液の臭いが玄関を埋め尽くしている。
髪は乱れ真っ赤にした泣き顔のまま起き上がり、
美津子は全裸のまま自分の水着で玄関を掃除する。力一杯必死で掃除する。
溢れて来る涙を堪える事なく、拭いて行くそばから自分の涙で濡らしても・・・

片付け、シャワーを浴びている最中に夫が帰って来た。
「おい、どうした? 玄関が汚れてるぞ。廊下も油みたいのが・・・」
シャワーを覗き込んだ夫の目に、美津子の体に赤く腫れあがった数か所のあざが目に入る。
「おっ、お前・・・  えっ、どうしたんだ・・・  まっ、まさか・・・」
自分が家に戻ってくる時にすれ違ったワゴン車の男たちを思い出していたのだ。
それでも現実が理解出来ないでもいた。だって自分の女房は58。
それに何より、自分自身がもう女房は女だなんて思っていなかったのだから・・・
でも現実は違った。
記憶は残酷にも遡って行く。そう、自分が海の中で見た、あの美津子の水着姿。
玄関先の庭が濡れていた事で、そこで“シャワーを浴びた事”も想像できる。
あの姿でシャワーを浴びていた事が想像出来た時、目の前の美津子の姿を理解した。
足元には一部が破れたような美津子の水着。
自分が美津子を水着姿にし、その姿のまま飲み物を取りに向かわせた事、
そんな小さな事までもが蘇って来ていた。


「美津子・・・  」
何も話さず、こちら側を向く事もない美津子を残しバスルームを後にした。
戻らない母・父を追って、やがて息子も帰って来た。
その頃には夫が玄関を掃除していたが、その様子の異変は誰にでも分かる。
やっとシャワーから出て来た美津子のその表情は決定的なものだし。
誰も自分から話さない。息子はむしろ、父親のその雰囲気からそれを察していた。
60近い女が自宅(別荘)で日中に集団レイプされたなんて。
それも恥ずかしい程に(結果的に)卑猥な水着姿を晒し、その姿のまま玄関先でシャワー。
言い訳が出来ない部分を美津子自身が誰より感じていた。
何より自分が性的対象にされた、その事実が一番恥ずかしかったはず。

彼女の一夏はあまりに痛々しい記憶になった。
それは家族全員に同じ事だと思う。



過去に、重ねた年齢になって、それも意識などする事なく性的対象にされた女性がいる。
ヨット部の寮で食事の支度をしていて、学生たちに弄ばれた女性。
祭りの会場で集団痴漢されたあげくにレイプされた女性。
ボランティアでやっていたプール監視員の仕事で閉館後に男たちに集団レイプされた女性。
夏休みのプールで少年たちにオモチャにされた女性。
サークルのバレーの練習で使っていた体育館でやはり集団レイプされた女性。
きりがない。みんな自分たちは性的対象ではないと思い込んでいる。
でも、自分が対象になるかならないかは自分で決められる事ではないのだ。
彼女たちは勘違いをし、自分の持っているそれを“血の匂い”とは思っていないのだ。
彼女たちが受けた悲劇からすれば、美津子には大きな責任がある。
美津子は、自身の豊満な肉体→不釣り合いな水着→シャワーを見せつける、
こうやって重ね重ね無用な上積みをしたのだから。

夏、その季節は元々壊れそうな卑猥な何かに支配された男たちをさらに狂わせる季節。
そんな狂った男たちがウヨウヨとしている中、なぜ女たちは注意しないのか。
自業自得とは少し可哀想だが、でも、その落ち度も大きい。
揃えてはいけない物を揃えては・・・
58歳の女は無防備でいいのか?  その答えを知っているのは・・・




最後までお読み頂きありがとうございます!
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